postkoizumi


それこそ「豚に口紅」ならぬ「糠に釘」になるのでしょうけれども、麻生政権がNew York Timesの不埒な誹謗中傷社説(Editorial, Sep. 25, 2008)に対して的確な反論を行いました。同社説「The Return of Taro Aso:麻生太郎の(政治の檜舞台への)復活」は、例えば、麻生首相が外相時代「戦前の日本による植民地政策の功績を賞賛した」「戦時下の大虐殺を正当化した」等々の誤謬に満ちたもので、それが過失とすれば信じられないほど杜撰なもの、もし、それが故意であるならば朝日新聞の麻生総理批判と同程度の悪意に満ちた中傷と言えると思います。

NYTはWashington Postと並びアメリカでは民主党左派の立場を代弁する有力紙であり、例えば、麻生氏は「支那を危険な軍事的脅威と評したことにより日本と支那との関係をギクシャクさせた」という朝日新聞を髣髴とさせる曲解に端無くも現われているように(なぜなら、毎年前年度を10%も上回る支那の軍備増強はその周辺諸国にとって「軍事的脅威」以外の何ものでもないでしょうから)、東アジアの国際関係に関しては「反日-媚支那」を基本方針としている点では朝日新聞と同じなのです。

而して、たとえそれが内容的には論じるに値しない朝日新聞レヴェルの社説にせよ、麻生首相への誹謗中傷に対して、そのアメリカ社会における影響力(ならびに、「権威ある米国紙」の麻生首相評価として逆輸入された場合の日本における影響)を鑑みた場合、麻生政権が的確な反撃を敢行したことは評価されるべきことでしょう。これこそ正に「主張する外交」の顕現発露である、と。

以下、当該の社説を紹介します。而して、この社説に対して麻生政権が反論を行ったという報道、および、麻生政権誕生を見るNYTの目線がよく現われていると感じられた今回の「自民党総裁選」を報じた同紙の記事に関する報道をも資料として併せて転載しました。


●NYタイムズ紙に反論投稿 麻生首相批判社説で
5日付の米紙ニューヨーク・タイムズは投書欄で、「麻生太郎首相は中韓との関係強化に貢献してきた」とする兒玉和夫外務報道官の投稿を掲載した。同紙は9月25日付の社説で「麻生氏は外相時代、中韓との関係を損ねた」と論評していた。

中国との関係について兒玉報道官は「日中関係を飛躍的に改善した戦略的互恵関係の構築を立案し、進展させた」と強調し、韓国との関係についても「建設的で未来志向の関係構築に務めた」と反論した。さらに麻生首相が国連総会で一般討論演説を行った後、韓国の外交通商相だった潘基文国連事務総長と会談した際、潘事務総長が両国関係改善のための麻生首相の努力に感謝していたと指摘した。

同紙は麻生首相について、「好戦的な民族主義者」で「日本の植民地支配を称賛し、第2次大戦での残虐行為を正当化した」と決めつける社説を掲載していた。【産経新聞:10月6日】


●「豚に口紅」NYタイムズが自民総裁選を酷評
17日付の米ニューヨーク・タイムズ紙は、自民党総裁選について、米大統領選の民主党候補バラク・オバマ上院議員が対立候補の唱える「変革」を見せかけだと批判した際に使った「口紅つけても豚は豚」という言葉を引き合いに、「日本では自民党がこれとほとんど同じことをやろうとしていると言われている」とやゆした。

記事では、自民党が経済構造改革や派閥支配からの脱却を訴えて選挙で大勝した小泉元首相時代の再現を望んでいるとしたが、最有力候補の麻生幹事長が財政支出を増やす伝統的な自民党の経済政策を行おうとしていると言及し、「麻生氏は小泉氏ではない」とばっさり。「変革の宣伝がただの見せかけ以上のものであるかどうかははっきりしない」と批評した。【読売新聞:9月18日】





【 麻生首相メールマガジン:動画開始挨拶】



●The Return of Taro Aso

Japan’s new prime minister, Taro Aso, is well known ― and not fondly remembered ― by Japan’s neighbors as a pugnacious nationalist. As foreign minister from 2005 to 2007, Mr. Aso soured relations with China and South Korea and raised tensions throughout the region, praising the achievements of prewar Japanese colonialism, justifying wartime atrocities and portraying China as a dangerous military threat.

Now, the power brokers in the long-governing Liberal Democratic Party have made him Japan’s fourth prime minister in just two years and rebranded Mr. Aso as a “pragmatist.”

Mr. Aso is expected to focus on stimulating Japan’s stagnant economy. To successfully lead a 21st-century Japan, he will also need to swap nationalism for pragmatism when it comes to foreign relations. Japan’s future depends on cultivating stronger political and economic relations with China ― its largest trading partner ― South Korea and other rapidly advancing neighbors.


●帰ってきた麻生太郎-日本政治の中枢に復帰した麻生新総理
日本の新しい内閣総理大臣、麻生太郎氏は、日本の近隣諸国からは喧嘩上等がモットーの民族主義者として夙によく知られた人物であり、而して、あまり良い印象は持たれていない。2005年から2007年の外相時代、戦前の日本による植民地政策の功績を賞賛したこと、あるいは、戦時下の大虐殺を正当化したこと、更には、支那を危険な軍事的脅威と評したことにより麻生氏は支那および韓国との関係をギクシャクさせ、東アジア地域で遍く緊張の度合いを高めた。

今回、長らく政権与党の地位にあった自由民主党内の顔役達の調整によって麻生氏は首相の椅子に座ることになった。実に、このきっかり2年の間に4人目の日本の首相である。而して、自民党内の顔役達は「現実主義者」というイメージチェンジを麻生氏に施したのである。

麻生氏は日本の沈滞した経済を活性化することに注力すると予想されている。21世紀の日本を成功裏に導くためには、而して、日本を取り巻く外交関係を鑑みるとき、麻生氏はまた民族主義を現実主義と入れ替える必要に迫られることになろう。日本の将来は、その最大の貿易相手国たる支那、韓国、ならびに、目下経済発展著しいその他の近隣諸国との政治的と経済的の関係を洗練強化することにかかっているのだから。


He has assured Washington that he will resist opposition efforts to shut down a Japanese naval refueling mission in the Indian Ocean ― Japan’s risk-free demonstration of support for American and allied military efforts in Afghanistan.

What the United States most needs from Japan is a responsible strategic partner, not a government whose imperial reveries and symbolic muscle-flexing will provoke angry reactions across Asia.

Nationalism is enjoying a disturbing political revival because many Japanese fear that their country, once Asia’s clear economic leader, is losing ground to booming neighbors. The answer for that doesn’t lie in the nostalgic fantasies about Japan’s ugly past for which Mr. Aso has become well known.

Instead, Japan needs to modernize its economy by completing the market reforms begun by Junichiro Koizumi, the former prime minister. And it needs to modernize its foreign policy by treating its neighbors as equals. If Mr. Aso can be pragmatic enough to adopt that agenda, he is likely to be a successful prime minister.


麻生首相はアメリカ政府に向けて、日本の海軍(海上自衛隊)によるインド洋での給油活動派遣任務に対する反対の動きを阻止する旨誓約した。このインド洋における任務とは、畢竟、アフガニスタンにおけるアメリカとその同盟国との軍事的な奮闘を支援する日本の姿勢を示すためのリスクとは無縁の示威活動なのだけれども。

日本について、アメリカ合衆国が最も必要としているのは、責任ある戦略的パートナーとしての日本政府ではあっても、帝国主義を夢想したり力をいたずらに誇示したりすることでアジア中から怒りを買うような政府ではないのである。

日本では民族主義が広範な領域で政治的な復活を遂げつつある。なぜならば、かって紛う方なきアジアにおける経済的リーダーであったこの国では、最早、成長著しい近隣諸国に日本はその地歩を明け渡しつつあるのではないかという懸念を覚える国民が少なくないからだ。この懸念に対する解答は、日本の醜悪なる過去を懐古するような現実離れした空想、蓋し、麻生氏が今までそうして有名になってきた空想の中には存在することはない。

断じてそうではない。小泉純一郎元首相によって手を付けられた市場の改革を完遂することによって日本は経済を近代化する必要がある。そして、日本はその外交政策をも近代化してその近隣諸国を対等に扱う必要がある。もし、麻生首相がこれらの政策指針を採用できるほど現実主義的であれば、麻生氏は成功した内閣総理大臣になるかもしれない。



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(2008年10月09日:yahoo版にアップロード)

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テーマ : 麻生内閣
ジャンル : 政治・経済

rachiposter



福田康夫首相の突然の辞意表明は、「優秀ではあるが時代や世間とご自身の政治スタイルとのずれを理解できない、最も首相になってはならない政治家」の退陣表明であり日本のためには喜ばしいことと言うべきでしょう。けれども、一政治家の出処進退としてみた場合、9月1日の突然の辞任表明は呆れるほど無責任だったと思う。而して、この辞意の表明を通して私は、福田康夫氏が首相に就任できた現在の日本社会について考えさせられました。


■福田康夫首相の歴史的使命
福田康夫首相の登場は、(これはその再起を念じての叱咤激励の呼称なのですが)「根性なしの安倍前首相」の退陣を受け、火中の栗を拾ってのものでした。畢竟、(当時の)法律違反ではない事務所経費の記載の不適切さ、あるいは、自治労傘下、社会保険庁の寄生虫職員の<自爆テロ>的な内部告発を端緒とした年金問題なるものを理由とした安倍政権への常軌を逸したマスコミ報道の大渦の中で浮き足立った政界を落ち着かせることが「福田康夫首相」の歴史的な役割だった。而して、政権発足後4ヵ月程でその使命を福田首相は過不足なく果たしたのではいか。ならば、インド洋での給油活動に海上自衛隊を派遣する、所謂テロ特措法の衆議院での再可決で福田首相の歴史的使命は終っていたのかもしれない。そう私は思っています。

実際、民主党の小沢代表と気脈を通じて「大連立構想」に踏み込んだその手腕は敵ながら侮り難しだった(もし、大連立構想が日の目を見たとすれば、自民-民主内部の守旧派主導の政界再編が進み、保守改革派主導の政権の誕生は2013年の参議院選挙まで不可能だったかもしれませんから)。前回は「福田-麻生の一騎打ち」だった自民党総裁選挙が、1年後の今回は立候補者が6人とも7人とも噂される状況になったについては、安倍政権末期の疾風怒濤の浮ついた政界が一応落ち着き、かつ、与野党問わず誰もが初めて経験する「衆参ネジレ国会体制」を前に立ち竦んでいた状況が、同じく誰にとっても好ましくもなく不愉快ではあるものの既知の与件になったことが大きいのではないでしょうか。蓋し、まがりなりにも自民党総裁選に噂にせよ6人も7人もの立候補者が現われるところまで日本の政治シーンを落ち着かせた福田康夫首相の功績は認めなければフェアではないと思います。

「貧乏籤かもしらんよ」と自覚しながら、実際に引いたくじがご本人的には「貧乏籤」であったのだろう福田康夫首相。けれども、私は引いた籤を「貧乏籤」にしてしまったのは福田氏自身の責任でもあったと思うのです。畢竟、その政権の歴史的使命を果たしたテロ特措法の衆議院での再可決以降この8月末に秋の臨時国会の会期を決めるまで、福田首相のパフォーマンスは惨憺たるものだった。そして、「福田康夫首相とその時代」を考える上での最重要なポイント、あるいは、最も有効な補助線とも言うべきものは、その政権の歴史的使命が終焉して以降の政権と首相のパフォーマンスに関して福田康夫首相と日本社会の認識が絶望的なほど乖離していたことではないでしょうか。それは、この社会が政治に求めているものを福田康夫首相がついに理解できなかったことに収束すると思いますが、この点に関してはとりあえず下記拙稿をご参照いただければ嬉しいです。

「福田康夫首相」とは何だったのか☆内閣改造ですか、それが何か?
 

「福田康夫首相」とは何だったのか☆胡錦濤主席訪日の<成功>が照射する日本外交の機能不全
 


■拉致問題の軽さと自衛隊に対する失礼
福田政権崩壊の理由は福田康夫首相の不人気であった。而して、福田康夫首相の不人気の理由は首相の政治的パフォーマンスの低さでは必ずしもなく、福田康夫氏の政治的な発信能力の低さであろう。そして、自身「温もりのある政治めざす」という国会での所信表明演説や、外国に対しては「相手の嫌がることはしない」という大人の気配りとは裏腹に、福田康夫氏の政治的な発信能力の低さの究極の理由は国民個々の思いや運命に関する無関心、あるいは、国のために日々命をかけて貢献されている自衛官諸君に対する感謝と尊敬の念の欠如であろうと思います。それは、一言で言えば時代遅れの<エリート意識>のなせる業というべきか。

福田康夫首相は1年前の総裁選挙において「拉致問題を自分の手で解決したい」と大見得を切って対抗馬の麻生ローゼン閣下を降し宰相の印綬を帯びたのでなかったか。けれど、今回の突然の退陣によって北朝鮮は当然のように拉致問題解決のアクションを停止した。もっとも、おそらく誰も北朝鮮が本気で拉致問題の解決を行うなどとは考えていなかったでしょう。けれども、今回の突然の辞意表明が(恒常的に「時間稼ぎ」を狙う)北朝鮮に対して拉致問題解決に向けたアクションの停止をオフィシャルに宣言する理由を与えたことは間違いないと思います。

而して、このような北朝鮮のアクションは素人であればともかく、外交のエキスパートを任じる福田康夫首相であれば当然予測できたはず。もし、この想定が満更福田首相に酷なものではないとするならば、蓋し、福田康夫首相が1年前に語った「拉致問題を自分の手で解決したい」という言葉は総裁選挙用のレトリックでしかなかったことになり、畢竟、私は福田康夫氏が、拉致被害者-被害者遺族の気持ちも、そして、他国に自国民を拉致されるという主権侵害の重大さに関しても本当は個人的にはあまり関心がなかったのだろうと判断せざるをえない。

◆拉致調査委、設置先送り=新内閣の政策見極めへ-北朝鮮
高村正彦外相は5日午前の記者会見で、日朝両政府が合意した拉致被害者の再調査について、北朝鮮が「日本側の事情にかんがみ、新政権が(経済制裁一部解除の)履行についてどういう考えなのか見極めるまで調査委員会発足を差し控える」と通告してきたことを明らかにした。

北朝鮮の通告は4日夜、在北京日本大使館にあった。福田康夫首相に代わる新首相の対北朝鮮政策を見極める方針を明確にしたもので、今秋をめどとした調査結果取りまとめが大幅にずれ込むのは避けられない見通しとなった。

北朝鮮の対応について、高村外相は会見で「非常に残念だ。これからも早期に調査を開始するよう働き掛けたい」と述べた。町村信孝官房長官も会見で「(拉致問題は)政権が代わっても大変重要な外交課題で、こういう対応は残念だ」と語った。

外相によると、日本政府は首相退陣表明後の2日、北京の大使館ルートを通じて再調査の早期開始を北朝鮮に要求。4日の通告はこれに対する回答として行われたという。この際、北朝鮮は「日朝実務者協議の合意事項を履行する立場だ」として、再調査先送りの責任は日本側にあるとの認識を示した。【時事通信:9月5日】


◆最高指揮官の首相、異例の欠席=自衛隊高級幹部会同
福田康夫首相は3日午前、防衛省で行われた自衛隊高級幹部会同を欠席した。同会同では最高指揮官の首相が訓示するのが恒例となっているが、今年は代理出席もない異例の事態となった。

過去10年間では、2001年と02年に外遊のため小泉純一郎首相(当時)が欠席した例があるが、その際も福田官房長官(同)が代理出席した。

福田首相は1日の退陣表明以降、1日1、2回行ってきた「ぶら下がり取材」に応じないなど、表に出る機会を減らしている。自衛隊法で「自衛隊の最高指揮監督権を有する」と定められる首相が、全国から集まった幹部の前で訓示せず、代理も立てない姿勢には疑問の声も出てきそうだ。【時事通信:9月3日】



海外で今回の福田康夫首相の辞意表明と福田以後の日本の政治の行方の予想はどう報じられているのか。私は、福田後継の総理総裁の帰趨よりも、来る総選挙を終えた段階での日本の政治構造が遥かに重要だと考えていますが、その総選挙後の日本の政治構造を考える上でも海外から日本の政治に注がれる目線をフォローすることは無駄ではないと思う。以下、海外報道を紹介する所以です。出典はいずれもReutersの記事。



fukudaquit



●Japan PM Fukuda quits over parliament deadlock
Unpopular Japanese Prime Minister Yasuo Fukuda resigned on Monday over a political deadlock, becoming the second leader to quit abruptly in less than a year and threatening a policy vacuum as Japan slips towards a recession.

Fukuda, 72, has been struggling to cope with a divided parliament where opposition parties have the power to delay legislation. His sudden departure has deepened doubts about his conservative party's ability to cling to power or even hold together after ruling Japan for most of the past six decades.

Fukuda has also suffered recently from conflict between his Liberal Democratic Party (LDP) and its junior coalition partner, the New Komeito, which was wary of letting him lead the ruling bloc into an election that must be held in the next year.・・・


●日本の福田首相、国会の行き詰まりを理由に退陣を表明
支持率が低迷していた日本の福田康夫首相は月曜日(9月1日)、政治が立ち往生状態にあることを理由に辞任する旨発表した。これで1年足らずの間に二人の政治指導者が唐突に辞任することになり、福田首相の辞任は日本が景気後退に向かいつつある局面で政治的空白を惹起しかねないと危惧されている。

福田首相(72歳)は野党が法案審議を遅滞させ得る権限を持つ(両院の各議院が多数派を異にする)分裂国会の運営に悪戦苦闘してきた。突然の首相の辞職は、首相率いる保守政党がこの60年間のほとんどの間日本を支配してきたにもかかわらず、その政権担当能力について、あるいは、一個の政党としての団結を保持できるのかどうかについてさえ疑問を感じさせるものだ。

また、福田首相は最近彼が率いる自由民主党(自民党)と連立政権を組む小規模政党の公明党との間で板ばさみになり苦しんでいた。而して、公明党は来年には必ず実施される選挙に向けて連立与党運営の主導権を福田首相にこのまま委ねることに慎重になっていた。(中略)


Taro Aso, an outspoken, right-leaning former foreign minister and LDP secretary-general, is the frontrunner to succeed Fukuda but pressure is likely to mount for an early general election.・・・

Speculation had been simmering that the unpopular Fukuda might be replaced by the LDP ahead of a general election that must be held by September next year but could come sooner. But the surprise timing of his departure will create the very political vacuum at a time when Japan's economy is nearing a recession.・・・【September 1, 2008】


歯に衣をきせぬ言動が持ち味の右派、元外務大臣にして現職の自民党幹事長、麻生太郎氏は福田後継レースの先頭を走っている。けれども、(誰が首相を引き継ぐにせよ)総選挙の早期実施に向け情勢は切迫しつつあるように見える。(中略)

来年の9月までには必ず、場合によってはすぐにでも実施される総選挙の前に自民党は国民の支持を失っていた福田首相の更迭に動くのではないか。そのような観測は確かに徐々にではあるが広がりつつあった。しかし、誰しも驚愕するしかない突然の首相の退陣表明は、日本経済が景気後退に向かいつつある時に、言葉の正確な意味での政治空白を惹起させるかもしれない。(後略)




●Japan reformers to challenge Aso for PM
Japanese economics minister Kaoru Yosano and former defence minister Yuriko Koike lined up on Thursday to challenge frontrunner Taro Aso in the race to become prime minister, setting up a clash over economic policy as Japan teeters on the edge of recession.

The winner likely will face an early general election -- possibly as soon as November -- Kyodo news agency said, as the main ruling Liberal Democratic Party (LDP) tries to capitalize on an anticipated wave of support for the new leader.

Yosano has pushed for the Japanese government to curb its huge public debt, while Aso has said that increasing state spending to stimulate growth is more important in difficult economic times.

Koike's candidacy is backed by ruling party heavyweight Hidenao Nakagawa, who argues that Japan should cut wasteful spending and boost economic growth through structural reforms before raising taxes to tackle its tattered finances.

Outspoken Aso, a 67-year-old former Olympic sharpshooter and a fan of comic books, is the top pick in voter polls to replace Prime Minister Yasuo Fukuda, who quit suddenly this week, but some in the ruling LDP worry he could derail fiscal reform.・・・


●首相の座をかけて麻生氏に挑む日本の構造改革派
日本の与謝野馨経済産業相と小池百合子元防衛相は木曜日(9月4日)首相後継レースの先頭を走っている麻生氏に挑むべくスタートラインに着いた。彼等は日本が景気後退の危機に瀕している現在の状況を鑑み、経済政策を巡る論争を巻き起こしたいと考えているようだ。

総裁選の勝者は、共同通信によれば11月とさえその実施が見込まれている、早期の総選挙に立ち向かわなければならなくなるだろう。というのも、政権与党の本体たる自由民主党(自民党)は新首相に対して予想される国民のご祝儀相場的な支持を利用しない手はないと考えるはずだから。

与謝野氏はその膨大な公的負債を抑制するように日本政府に働きかけてきた。他方、麻生氏は、その経済が苦境にある時には国の支出を増やして経済の成長を促すことがより重要でないはずはない、と述べている。

小池氏の立候補は与党の有力者である中川鬼瓦の後見によるもの。而して、中川鬼瓦は、破綻している財政の問題に取り組むについては日本は(消費)税率の引き上げなどを行う前に無駄な歳出の削減と構造改革による経済成長の加速を行うべきだと主張している。

直言居士の麻生氏は67歳、射撃競技でオリンピックに出場した経験もあり、また、世に知られた漫画オタク。その麻生氏は今週突然辞意を表明した福田康夫首相の次の首相候補として世論調査では常に最も多くの支持を集める存在ではあるけれど、与党自民党の中には麻生氏は財政再建路線を踏み外すのではないかと危ぶむ声もなきにしも非ず、である。(中略)


A veteran conservative politician, Yosano, 70, has said in the past that Japan's sales tax rate needed to be doubled from 5 percent to at least 10 percent by around 2015, as a wave of retirements among baby boomers threatens to blow out pension and welfare costs.・・・

Former transport minister Nobuteru Ishihara, an advocate of sweeping reform of the bureaucracy and floated as another possible contender, said he had different views from Aso and it would be bad if no one challenged him for the leadership.・・・

Some analysts said the plethora of candidates made it more likely Aso would win the election.・・・Aso's popularity may be a deciding factor, however, as the new leader will face an election within a year.・・・【September 4, 2008】


経験豊富な保守政治家、与謝野氏は70歳。従来より彼は、2015年前後までには日本の消費税率は現行の5%から少なくとも10%に倍増される必要があると発言してきた。というのも、ベビーブーマー世代が一斉に定年退職を迎えるとともに年金や社会保障の財源が破綻することが危惧されるからというのがその根拠であるらしい。(中略)

元国土交通大臣の石原伸晃氏は官僚機構に大胆にメスを入れる構造改革の貫徹を主張している一人であり、これまた総裁選の立候補が取り沙汰されている。石原氏によれば彼と麻生氏とでは考え方に違いがあり、誰も総理総裁のポストをかけて麻生氏に挑まないとすればそれは望ましいことではないということだ。(中略)

総裁選立候補者が乱立する事態になればそれだけ麻生氏が総裁選挙で勝利する可能性が高まることになると予想する専門家は少なくない。(中略)而して、誰が新しい首相になろうとも総選挙は年内に行われるだろうから、畢竟、麻生氏の人気は総裁選の帰趨を左右する決定的な要素には違いない。




(2008年9月06日:yahoo版にアップロード)

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テーマ : 福田首相辞任
ジャンル : 政治・経済

beijingolympic


5月連休明けの胡錦濤主席の訪日。北京オリンピックも閉幕した今となっては3ヵ月以上も前の出来事ですが、「福田康夫首相とその時代」を考える上でこのことを反芻してみることは無駄ではないかもしれない。これが「季節はずれの鯉幟」を俎上に載せようと思った理由です。出典は、New York Timesの Editorial(社説:May 10, 2008)” Mr. Hu’s Peaceable Visit to Tokyo” 「胡氏の穏やかなる日本訪問」 です。

胡主席訪日の成否は如何。例えば、The Financial Times(” Hu makes friends with old foe” 「仇敵を朋友にした胡氏」, May 8 2008)が” If diplomacy were built on goodwill gestures alone, there would be few worries about the state of Sino-Japanese relations. ”「外交の成否の度合いが表面的な好意の度合いとパラレルであるならば(もちろん、そんなことはありえないのだけれども)、支那と日本の関係には危惧されるべき事象は存在しない」と報じたように、胡訪日の具体的な成果はパンダのレンタルだけであったにしても、両国の協調関係を枠づけた点でそれは成功だったと世界は認識したと思います。流石は私が尊敬してやまない小平先生の弟子・胡錦濤主席。北京オリンピックがイベント単体としては<史上稀に見る成功>を収めたことも併せ「胡錦濤侮り難し」です。

私は「外交の成功」とは相手国と<友人関係>になることではなく、相手方がする行動選択の予測可能性が高まることであり、かつ、相手との紛争処理に関しては国際法と確立した国際政治の慣習に従い処理することに双方が合意できたこと、而して、交渉前の我が方の主張を相手方に採用させないまでも容認させることだと考えています。蓋し、支那と世界にとって胡主席の訪日は確かに成功であった。けれども、日本にとってそれは国際法的には理不尽で荒唐無稽なこれまでの支那の言動を不問に付したものに他ならない。すなわち、それは失敗であった。そう私は考えています。

畢竟、職業外交官として「福田康夫」は練達の士かもしれない。しかし、国益と国家のプライドを守ることがその責務のαでありωである内閣総理大臣としては彼は評価の対象にすらならないのではないか。蓋し、「福田康夫首相」とは宰相の器でない官僚流の器量自慢が国家の最高指導者の地位につくことが可能だった、そんな時代の日本社会の徒花である。私はそう思わざるを得ません。



President Hu Jintao’s visit to Japan this week was the first by a Chinese leader in a decade. It was a lot friendlier than the previous one — when President Jiang Zemin publicly chastised his hosts for not showing sufficient contrition over Japan’s brutal occupation of China in 1930s and 1940s. Unlike some of his recent predecessors, Japan’s prime minister, Yasuo Fukuda, has made an effort not to infuriate the Chinese. Notably, he has refused to pander to Japanese nationalists by visiting Tokyo’s tainted Yasukuni war shrine.


今週(2008年5月6日~10日)行われた胡錦濤主席の日本訪問は10年ぶりの支那最高指導者の訪日だった。江沢民主席の訪日、すなわち、1930年代から1940年代の野蛮なその支那占領を日本はきちんと悔恨していないと自分を迎え入れたホストを公然と非難した支那最高指導者の前回の訪日に比べればそれは際立って友好的だった。日本の首相、福田康夫氏も彼の前任者達とは一線を画して支那の国民を憤慨させないように努めてきた。とりわけ、福田首相は、東京の悪名高い靖国神社に参拝せず、つまり、日本の民族主義者に迎合することを拒絶し続けている。(★KABU註:靖国神社に対してtainted「腐った」「道徳的に堕落している」という形容詞をつけていることにこのNYTの社説子の勉強不足が露呈している。蓋し、日本政府はこのような間違った近現代史認識を助長する記事に対しては断固たる抗議を行うべきであろう)


It will be a good thing for everyone, including the United States, if these two powerful countries can finally get along. For that to happen, it will take more than just one harmonious visit.

Both sides worked hard to ensure that all went well this time, touching only cursorily on their bitter history. The two leaders agreed to regular summits and increased civil and military exchanges. Then there were the two pandas that Mr. Hu offered to Japan in lieu of one that recently died — an emotionally seductive touch.

There was more that should have been done. The two sides lamentably failed to resolve a lingering and potentially dangerous dispute over gas resources in the East China Sea. Still, they did claim progress. If that can be translated into a commitment for a joint exploration project, it could significantly ease tensions between them.


もし大枠において、これら強力な両国の関係がうまく行くのなら今回の胡氏の穏やかな日本訪問はアメリカのみならずすべての国にとって好ましいことである。胡氏の訪問が惹起した事どもを鑑みるとき、今回の訪問は1回きりの友好的な訪問には収まらないものであると言えよう。

今回、両国はすべてが無難に恙無く終わるよう精力を傾注した。実際、両国間に突き刺さっている歴史問題はほんのさわり程度に触れられだけだった。両首脳は定期的な首脳会談の開催、および、軍事・非軍事いずれの領域でも両国の交流を促進することで合意した。而して、胡主席は先ごろ死んだ一頭のパンダの代わりに二頭のパンダを日本に提供すると表明したけれど、これは日本側の琴線に触れることであった。(★KABU註:Yahooアンケート等を見るまでもなく、パンダ不要論が日本の圧倒的世論である。NYTのこの社説子は「日本人はパンダが大好き」固定観念に絡め取られているとしか思えない)

本来なされるべき幾つかのことが解決されずに終った。例えば、東シナ海のガス資源を巡る懸案。両国関係を抜き差しならないものにしかねないこの紛争が解決しなかったのは遺憾である。もっとも、交渉は前進したと両国は発表したのではあるけれども、もし、共同開発プロジェクトに関する協定の締結まで交渉が前進したとのならば両国間の緊張は著しく緩和されたに違いない。


On China’s side, Mr. Hu did not significantly address or allay concerns in Japan, and elsewhere, about his country’s military buildup. He could have offered to share information on its military strategy and arsenal. And he could have endorsed Japan for a permanent seat in the United Nations Security Council. Especially after the brutal crackdown in Tibet — and with the Olympics just three months away — Beijing needs all of the goodwill and understanding it can get.

That may explain Mr. Hu’s tolerant response when the Japanese leader laudably urged Mr. Hu to continue talks with the Dalai Lama. It will take a long time and a lot more serious effort for two competitors such as China and Japan to overcome their past. All in all, Mr. Hu’s visit to Tokyo was a start.


支那側では、日本でも他の国々でもそれに対する懸念が広がっている支那の軍備増強について胡主席は取り立てて言及せず、不信を払拭することもしなかった。胡主席にとっては、支那の軍事戦略と軍備についての情報共有化の提案や、他方、国連安保理における日本の常任理事国入りを支持することも満更できないことではなかったと思われるのだけれども。何といっても、チベットにおける残忍な弾圧以降、而して、北京オリンピックまで3ヵ月に迫った状況下では支那政府は獲得しうる限りの好意と共感的理解を必要としているのだろうから。

支那政府は獲得可能なすべての好意と共感を必要としている。福田首相が見上げたことにダライ・ラマとの対話継続を要求した際に胡主席が見せた穏やかな対応はその証左であろう。日本と支那という競争関係にある両国が過去のしがらみを乗り越えるためにはもう少し時間と更に一層真摯な努力が必要なのだろう。畢竟、胡主席の訪日は(両国関係改善の)スタートにすぎない。


(2008年8月27日:yahoo版にアップロード)

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テーマ : 福田首相辞任
ジャンル : 政治・経済

fukudareshuffle



最早半月前の記事だけれど「福田首相による内閣改造と党役員人事」を俎上に載せたいと思います。英文報道の紹介。公私多忙でこの半月余り更新が滞っていたのですがぼちぼちキャッチアップしていきたい、ならば、やはりこのニュースを避けては通れない。そう考えたからです。

この記事を通して考えさせられたポイントは、内閣改造によってもそう芳しいとはいえない福田康夫首相とその政権の低い支持率の原因は何なのか。要は、「福田康夫首相」が体現している日本の政治状況のあり方、而して、「政治に国民が求めるもの」とその政治状況の間にいかなる<ねじれ>が存在するのかです。出典は、Reuters, Friday, August 1, 2008, "Japan PM revamps cabinet, taps rival for key post"「日本の首相が内閣を改造、枢要なポストへの就任をライバルに要請」です。



Struggling Japanese Prime Minister Yasuo Fukuda tapped a popular rival for a top party post and replaced finance and economics ministers in a leadership shake-up on Friday to try to boost his flagging support among voters.


日本の窮地に陥っている福田康夫首相は、土曜日(=7月31日)の内閣改造と与党役員人事において、低下傾向にある彼に対する支持率を上昇させるべく、国民的な人気を持つライバルに党の最高幹部のポストに就任するよう要請し、かつ、財政と経済を取り仕切る閣僚も入れ替えた。


Fukuda, 72, wants to put his stamp on economic policy and erase doubts about his leadership that threaten his grip on power after just 10 months in office.

But it was unclear how effective the personnel revamp will be, especially after a high-profile delay in making the move that fed perceptions that Fukuda is indecisive.


福田首相(72歳)は、自身が志向する経済政策を実行すること、そして、就任からちょうど10ヵ月経って権力の掌握を脅かすようになっている彼の指導力に対する懸念を払拭することを望んでいる。

しかし、この人事一新がどの程度の効果をもたらすかは不透明である。特に、この人事異動の遅れが世間の注目を浴び、もって、その遅れが「福田は煮え切らない」という認識を一層広めてしまった今となってはその効果はなおさら不透明だ。


The prime minister appointed his ruling party No. 2, Bunmei Ibuki, for finance minister and drafted one-time foreign minister Taro Aso, a hawkish popular lawmaker and a rival for the premiership, to take on the key party post of secretary general.

Fukuda probably wants to draw on the popularity of Aso, a fan of manga comic books, to improve the ruling bloc's chances in a general election that must be held by September 2009 and could well come sooner, analysts said.・・・


首相は首相率いる与党のNo.2、伊吹文明氏を財務大臣に指名した上で、麻生太郎元外相を、この国民的人気を持つタカ派の国会議員にして首相の地位を脅かすライバルを幹事長という党の要のポストに就くよう促した。

おそらく福田首相は麻生氏の人気に頼りたいのだろう。漫画ファンの麻生氏の人気を利用することで、2009年9月までには必ず、否、ひょっとしたらそれ以前に実施されるかもしれない総選挙において与党の勝算を高めたいのではないか、と専門家は述べている。(中略)


Fukuda changed most of his ministers, bringing back several veteran but keeping four important posts unchanged, including Foreign Minister Masahiko Komura and Chief Cabinet Secretary Nobutaka Machimura, the top government spokesman.

Some analysts saw the new line-up as a signal of Fukada's intention to stress welfare issues and bread-and-butter issues close to voters' hearts -- a message underscored by his appointment of popular female lawmaker Seiko Noda to a new consumer affairs post.・・・


福田首相はその閣僚のほとんどを入れ替えた。しかし、一方、新たに幾人かのベテランを起用し、重要な四つの閣僚ポストには手をつけなかった。それら重要ポストには高村正彦氏の外務大臣、真に内閣を代表する日本政府のスポークスマンを務める町村信孝氏の内閣官房長官が含まれている。

内閣改造と党役員人事は、有権者の関心に直結する福祉の問題と日常生活の問題に福田首相が力を入れるつもりであることのシグナルであろう。そう見る識者は少なくない。而して、そのシグナルは人気のある女性国会議員、野田聖子氏が新たに消費者問題担当の閣僚に指名されたことにより一層強調されているとそれらの識者は考えている。(後略)



参議院選挙での「与党の地滑り的敗北→ネジレ国会の現出」は福田康夫氏の責任ではない。それは、(これはその再起を念じての叱咤激励の呼称なのですが)「根性なしの安倍前首相」が負うべき事柄である。而して、安倍前首相の責任は端的に言えば、①朝日新聞やNHKを始めとするマスメディア、あるいは、社会保険庁の職員組合を含む自治労等々の大東亜戦争終結後のこの社会で跳梁跋扈し猖獗を極めた戦後民主主義を信奉する勢力による常軌を逸した凄まじいネガティブキャンペーンに有効な反撃ができなかったこと、そしてなにより、②平成の大宰相・小泉純一郎元首相が断行した構造改革と並んで地方再生をも同時に具現する具体策を有効に提示できなかったことことだ。

福田政権は安倍政権の負の遺産を抱えて船出したのであり、<7・29>以降の政治構図の中では、おそらく(民主党の党首も含め)誰が宰相の印綬を帯びたとしても福田康夫首相と大同小異の政治しかできなかったのではないか。概略、私はこのように見ています。

では、福田政権はなぜにかくも不人気か。蓋し、この問いに対する解答はそう難しくはない。それは、首相が福田康夫氏だから、と。もし、この解答が満更私の妄想ではないとするならば、福田政権を苦しめている現下の支持率の低さは、「福田康夫首相」が体現している日本の政治のあり方に対する国民の不満と不安、而して、「政治に国民が求めるもの」と現下の日本の政治状況の間に<ねじれ>が存在していることの証左であろうと思います。

世界中でそれに対する批判が渦巻いているチベットと東トルキスタンにおける人権侵害が現在進行形の状況下で、あるいは、支那製の毒餃子問題の存在自体を支那政府が認めていない中で、胡錦濤主席の訪日を受け入れ北京オリンピックの開会式に出席する。このような福田首相と彼が選んだ閣僚・党役員の媚支那の言動に対して不信感を抱いている国民は少なくないでしょう。まして、(経験則的には)絶対に約束を守るはずのない北朝鮮に対して、拉致問題の再調査を約束したことの見返りに制裁措置の一部緩和を表明した福田首相に対しては国粋馬鹿右翼ならずとも保守改革派の多くの論者も憤りを隠さない。

ただ、それによって「損して得取れ」的な成果を狙っているとするならば、外交交渉のマヌーバーからは(不愉快ながら)上記の福田政権の支那と北朝鮮に対する対応は満更全否定されるものではない。まして、構造改革の断行継続と地方再生の同時実現という方向づけは間違ってはおらず、それこそ、それは安倍前首相が<7・29>で勝利できたとすれば着手したであろう(而して、麻生太郎幹事長が現在その実現に自身采配を揮うべく虎視眈々と中原に鹿を逐おうとされている、正に、そのような)政策路線であろうと思います。

何を私は言いたいのか。それは、(甲)<7・29>後の現実政治の場面でできうることに限定すれば、宰相・福田康夫とその政権がこの10ヵ月行ってきたことは、ある意味、間違いなく国民の多数が望んでいることの最大公約数的な内容と言えるだろうこと。他方、(乙)最早、国民の最大公約数的な政治的要求に応えることでは国民は政治と政治家に満足しない状況にこの社会は踏み込んだのかもしれないこと。畢竟、(丙)「政治に国民が求めるもの」は個々の政治課題の解決(外交や安全保障、地方分権や公務員制度の改革、国際競争力維持向上と厚生経済学的な経済政策)だけではなく、政治理念とビジョンの端的な表明、それらを実現する方法論(ロードマップとマイルストーンとデッドライン)の提示、而して、政治の方法における旗幟鮮明さではないか。そう私は思うのです。

蓋し、福田康夫首相が不人気なのは国民の多くが彼に「新しい時代状況に拮抗できないでいる情けない自分の姿」を感じているからではないか。「鏡に映った、時の流れを越えて変わらない夢を見たがる自分」=「宰相・福田康夫」ではないか、と。

畢竟、「福田康夫」は55年体制下の内外の政治状況であれば戦後史に残る名宰相になったかもしれない。しかし、情報流通がグローバル化して政治家・官僚・マスメディアと一般の国民との間の情報の非対称性が決定的ではなくなりつつある現在、練達の政治技法は陳腐な政治スタイルでしかなく、理念と方法を簡明直截に明示しないそのパーソナリティーは単なる「日本政治の不安定要因」でさえある。ならば、福田政権の支持率低迷は時代と世情の変化と、そして、その事に日本人の過半が好むと好まざるとにかかわらず気づきつつあることの証左ではないか。現在進行形で変わらない首相と現在完了形で変容した国民の政治意識の落差。これが「福田康夫首相の不人気」の構図であろう。そう私は考えます。




(2008年8月20日:yahoo版にアップロード)

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fukudabush



福田康夫首相が、ご自身、得意とされているらしい「外交」についての海外報道を紹介します。出典はWashington Post "Japanese Premier Visits White House to Reinforce Strained Ties," November 17, 2007(日米関係の是正に向けて米国大統領との会談に臨む日本の首相)です。

「外交の福田」と言えば、1978年に打出された先代の福田赳夫元首相の「福田ドクトリン」が思い出されます。「福田ドクトリン」は(当時の冷戦構造下の)米ソ対立の国際政治の構図は否定できないまでも、その構図の中で東南アジアとの「互恵互助関係の強化」を目指し、

・軍事大国とならず世界の平和と繁栄に貢献する。
・心と心の触れあう信頼関係を構築する。
・対等な立場で東南アジア諸国の平和と繁栄に寄与する。


を提唱したもの。「福田ドクトリン」は、その抽象的な提言内容にかかわらず、潜在的に反米感情が根強いマレーシア・フィリッピン・シンガポールを始め東南アジア諸国から歓迎された。而して、当初、対東南アジア関係に特化した(狭義の)「福田ドクトリン」は、同じ先代福田首相の「全方位外交推進」の宣言、ならびに、支那との「相互内政不干渉の原則」の提唱とあいまって、漸次、米国と相対的に距離を置きつつ、広くアジア諸国との連携強化を志向する(広義の)「福田ドクトリン」と解されるようになったと私は理解しています。

ただ、先代の福田首相は対支那関係について「お互いに内政に干渉しないことが一番大事であり、それが守られなければ、『日中平和友好条約』が名ばかりのもの(名存実亡)になってしまう」(1978年・第85回国会外交委員会)と明言されるなど、間違っても、朝日新聞のいうような「支那や韓国との間に紛争があること自体が日本外交の失敗」であるとか、国際法上も確立した国際政治の慣習からも毫も他国に批判容喙される筋合のない「日本の首相の靖国神社参拝が特定アジア関係を頓挫させた原因」であると考えるような「外交音痴」から「福田ドクトリン」を提唱されたわけでない。

而して、ベトナム戦争で疲弊した米国にとって、すなわち、レーガン政権登場前の沈滞した米国の社会と国力から見て、東南アジア地域・東太平洋地域で米国の同盟国たる日本が米国を補って地域の安定にプレゼンスを発揮することは(キッシンジャー、ブレジンスキー等々の「日本嫌いの人種差別主義者」を除けば)米国政府部内でも満更悪意ばかりで受け止められたわけではない。そう私は記憶しています。蓋し、「福田ドクトリン」は上級者の囲碁の布石を彷彿とさせる絶妙の外交政策だったとも。そういえば、先代の福田首相は囲碁のアマ名誉八段だったっけ。これ、他には阿含宗の桐山管長など歴代でも数名しかいない囲碁の達者ということなんですよね。

さて、当代の福田首相。福田若旦那は、偉大かつ練達の先代と同じく「外交的成功」を収めることができるのか。少なくとも、世界標準外の中華思想を振りかざす特定アジア諸国、就中、支那に対しても朝日新聞がその社説「福田外交 日中韓の共鳴を生かせ」(2007年11月21日)で述べているように、双方の指導者が「信頼関係を培うこと」そして「率直かつ建設的な交流を積み重」ねることができればアジア外交、ひいては、日米関係も含む日本外交が成功するという保証はどこにもないと思います。若旦那の「お得意な外交」のお手並み拝見というところでしょうか。

indiasea



Japan's new leader made a one-day visit to Washington yesterday to shore up strained relations with the United States amid tension over dealings with North Korea and support for operations in Afghanistan.

Prime Minister Yasuo Fukuda made a point of making this his first foreign stop since assuming office in September, spending a couple of hours with President Bush at the White House as the two hashed through issues that have soured both capitals in recent months.

Fukuda vowed to keep pressing his parliament to reverse itself and resume suspended refueling operations in the Indian Ocean for U.S.-led coalition ships participating in the effort to stabilize Afghanistan. For his part, Bush promised to remember the Japanese citizens abducted by North Korea as he moves forward with a multinational agreement intended to eliminate Pyongyang's nuclear weapons program.



昨日、日本の新しいリーダーが、まる一日、北朝鮮とアフガン戦争支援活動を巡りがたついた日米関係を強化すべくホワイトハウスを訪れた。

福田康夫首相は、米国大統領との会談を最初の外遊先にすると9月の首相就任時から断言していた通り、ホワイトハウスでブッシュ大統領と数時間の会談に臨んだ。そこで両首脳は、北朝鮮とアフガン戦争支援というこの数カ月日米両国政府を互いに頑にさせ両国関係を気まずくさせてしまった問題を徹底的に吟味検討した。

福田首相は、アフガニスタンの安定化に寄与しているインド洋上に展開する米国主導の多国籍艦隊への給油活動を再開すべく、日本の国会がその方針を撤回するように国会への働きかけを続けることを約束した。また、福田首相の側では、ブッシュ大統領から北朝鮮に拉致された日本市民のことを忘れることはないし、(その問題の解決のために)北朝鮮の核兵器開発計画を除去するための多国間協議の中で働きかけを行うつもりであるという言質を取りつけた。


"I'm going to tell the Japanese people once again: We will not forget this issue," Bush said alongside Fukuda in the main hall of the White House. "I understand, Mr. Prime Minister, how important the issue is to the Japanese people, and we will not forget the Japanese abductees, nor their families." But he did not commit to keeping North Korea on the U.S. list of state sponsors of terrorism, as Tokyo wants.

Fukuda likewise offered assurances without tangible action.・・・Unlike at most Bush meetings with major foreign leaders, the two did not take questions from reporters, a decision that the Japanese attributed to the White House.

A Japanese official, who spoke on the condition of anonymity, said Fukuda made the "flash visit," as he termed it, to establish a rapport with Bush. Although they have met in the past, Fukuda is the third Japanese leader Bush has had to deal with since last year. "The overarching goal of the visit is to forge a personal relationship with President Bush," the official said. A Bush aide said afterward that "the personal chemistry was good."



「日本国民の皆様にもう一度申しあげたい。われわれがこの問題を忘れることはないということをです」「首相閣下、私は、日本国民の皆様にとっていかにこの問題が重要なものであるかを理解しております。また、われわれが日本人拉致被害者とそのご家族のことを忘れることなどけしてありません」と、ホワイトハウスのメインホールで福田首相と並んだブッシュ大統領は述べたのである。けれども、大統領は、日本政府が求めていること、すなわち、北朝鮮をテロ支援国家のアメリカ政府のリストにとどめ置くかどうかについての明言は避けた。

福田首相も(ブッシュ大統領と)同様に形のある行動を明示することなく単に確約しただけに終わった。(中略)主要な外国首脳との会談の例とは異なり、両首脳は記者からの質問を受けつけなかった。この形態にしようという判断は日本では米国政府の意向であったと捉えられている。

匿名を条件にある日本政府高官は、福田首相はブッシュ大統領との良好な関係を構築するために、彼の名付ける所の今回の「電光石火訪問」を行ったと述べた。彼等は以前に会談したことこそないけれど、福田氏は昨年以来ブッシュ大統領が関係を結ばざるをえなかった三人目の日本の最高指導者であり、「大局的に見て最も重要なホワイトハウス訪問の目的はブッシュ大統領との個人的な関係を一気に深めることに尽きる」とその高官は漏らしてくれた。而して、ブッシュ大統領のある補佐官は、会談の終了後、「人間的な相性は悪くなかった」と述べた。



(2007年11月21日:Yahoo版にアップロード)

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