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Top画像の選択は、サイズが適当なAKB関連画像の中で最もインパクトがあったことによります。而して、タイトルにも何気に「柏木由紀」と特記されていますが、これは、柏木さんが鹿児島のご出身ということで九州出身、広い意味の同郷人の親しさを感じたから。と言いますか、その主な理由はTop画像との連関性を考えた結果にすぎません。

実は、私はこの「総選挙」の1週間くらい前まで、柏木由紀ちゃんと渡辺麻友ちゃんの区別もつかなかったくらいの人だったりします。而して、ただ、これだけ盛り上がるイベントもそうはないだろう。ということで、今の日本を考えるための資料として記事にしたいと思いました。

それにしても、

なんで、

なんで、

なんで、あんな普通の女の子達に世間が大騒ぎするのか?


私の記憶が確かならば、この言葉は、そう、それは忘れもしない1978年4月4日の後楽園球場(現東京ドーム)。今から30数年前のことになるキャンディーズ・サヨナラ・コンサートで、コンサート会場の警備をしていたという50代男性が汗を拭き拭き語ってくれた感想として、確か、翌日の朝日新聞の記事「キャンディーズ サヨナラ・コンサート」「三人娘に若者五万人」「後楽園で熱狂の大合唱」に載っていた言葉と寸分違わないものだったと思います。「なんで、あんな普通の女の子達に世間が大騒ぎするのか?」、と。

而して、これまた確か、古代エジプトの石盤には、

最近の若い者はなっとらん!


と象形文字で記されているとか柳田国男が書いていた。ならば、「なんで、あんな普通の女の子達に世間が大騒ぎするのか?」という問は、世代間コミュニケーションの齟齬や乖離として、ある意味、そして大きく言えば人類史に普遍的なものなのでしょうか。要は、あらゆるビジネスが社会に内在するなんらかの情報落差、単なる情報の量の差だけではなく情報に対する解釈や評価という情報の情報における落差に起因するとするならば、<AKB48という現象>はそのような人類の現存在に普遍的な情報の齟齬や乖離にビジネスが着目しただけの定跡どおりの現象なの、鴨。

ただ、情報に対する解釈や評価の落差、要は、どのような記号論的な情報の差異性に人間が積極的に反応するかという点まで遡行するのならば、<AKB48>は、「可愛いさ」を何に対して感じるかという日本人のDNAシステムと、加之、(それは賭け事の快楽と通じる、なんらかのことに差異を見出すことの快楽、人間の現存在性にビルトインされた、謂わば)「差異化の愉悦」との複合現象なのでしょうかね(笑)。

とかなんとか、なにやら「難しげ」なことを認めましたが、
正直なところ、よく分かりません。

と、まず、日本語の新聞報道で現象の内容を確認しておきましょう。
以下、SANKEI EXPRESSの関連記事。


mayuyu2.jpg


◎AKB48 第3回総選挙 政府より先にトップ交代

永田町より一足お先にトップ交代。人気アイドルグループAKB48の第3回選抜総選挙の開票6月9日行われ、8月発売の22枚目のシングル曲を歌うメンバー21人が決まった。最前列の真ん中で歌うことができる1位は、昨年2位の前田敦子(19)が13万9892票を獲得して雪辱を果たした。昨年1位の大島優子(22)は12万2843票で2位だった。

前田は涙で「きょうまで応援してくれた皆さんに感謝したいと思います」と絶叫。ライバルの大島と抱き合い、健闘をたたえ合った。(中略)

AKB48の人気は衰えを見せない。この日、警視庁少年事件課は、東京・秋葉原のゲームセンターで客の財布を置引したとして逮捕した埼玉県戸田市の通信制高校1年生の男子生徒(16)ら15〜16歳の少年5人がAKB48のファンで、「コンサートに行きたかった」「イベントでいい席を取るために金が必要だった」などと供述していると発表した。

AKBranking.jpg


総選挙にはAKB48の68人、姉妹ユニットのSKE48(名古屋)の57人、NMB48(大阪)の25人の150人が立候補。5月発売のシングルCD「Everyday、カチューシャ」を買った人は、CD1枚につき1票、インターネットで投票した。

「Everyday、カチューシャ」の出荷枚数は170万枚を突破し、選挙戦はヒートアップ。1人で1万2500枚(2000万円分)を買う超熱狂的なファンもいたといわれるほどだった。

開票イベントが行われた東京・北の丸公園の日本武道館は約8500人のファンで超満員。茨城県から会場に来た男子大学生(20)は「CDは120枚買って全部1人に投票した」と明かした。

20万円近い出費だが、ひいきのメンバーを上位に推すのが目的だ。「彼女とは握手会で何度もしゃべってきずなを強めてきた。選抜入りして、輝くところがぜひ見たい」と話した。

総選挙の結果は海外でも速報。開票イベントの模様は韓国、台湾、香港の映画館でも生中継された。

(SANKEI EXPRESS・2011年6月10日)



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◆Maeda back as AKB48's No. 1 

AKB48's Atsuko Maeda made a comeback Thursday after being voted the most popular member of the all-girl pop group, dethroning 2010 winner Yuko Oshima.

"I'm really happy. I'll do my utmost," a tearful Maeda, the 2009 champion, said during an internationally televised award ceremony at a packed Nippon Budokan gymnasium in Tokyo. Oshima, 22, came in second.

Maeda, 19, won most of the votes cast by the group's fan club and purchasers of the group's latest single. Yuki Kashiwagi, 19, came in third, advancing from her eighth-place finish last year.

The annual vote, which was shown in 86 movie theaters across Japan and televised in Hong Kong, Taiwan and South Korea, selected 21 members for AKB48's 22nd single due for release in August, from about 150 candidates, including those in similar pop groups, such as SKE48 and NMB48.

Kyodo, June 11, 2011



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◆前田、AKB48のトップの座を奪還

AKB48の前田敦子が、木曜日【6月9日】、投票の結果、この人気女性グループの中で最も人気のあるメンバーに選ばれた。2010年度の勝者・大島優子を退けた上での、トップの座への返り咲きである。

「本当に嬉しいです。これからも自分の全力を尽していくつもりです」と、2009年度の勝者でもある前田は歓喜の涙を流しながらそう答えてくれた。東京にある超満員の日本武道館で行われた、そして、海外にもTV放送された授賞式でのこと。他方、大島優子(22)は2位だった。

前田(19)は、AKB48のファンクラブメンバーとAKB48の最新のシングル曲の購入者からの投票の中で最も多くの支持を集めた。また、柏木由紀(19)は3位に入り、昨年の8位から躍進した。

年に一度のこの選挙の模様は、日本全国の86もの映画館で同時上映され、また、香港・台湾・韓国でもTV放映された。この選挙には姉妹グループのSKE48とNMB48のメンバーを含む総勢150人程の候補者が立候補したのだけれど、総選挙の結果、8月発売予定のAKB48の22枚目のシングル曲を歌う21人のメンバーが選考された。


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(2011年06月27日:goo版にアップロード)

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テーマ : 保守主義
ジャンル : 政治・経済

tosensei.jpg


None of this is to deny that China is playing a constructive—and vital—role on a number of international fronts. A year ago there was much scepticism about whether the huge fiscal boost it announced for its economy was genuine. Its insistence that its main role in responding to the crisis would be to keep China’s economy growing smacked of an excuse for inaction. The stimulus, however, did prove real and effective (though it was imposed without debate).

Also, China has been a helpful part of the global recovery effort. At last month’s G20 summit in Pittsburgh it even signed a communiqué committing itself to a process of economic co-operation and IMF-assisted mutual assessment. How far China’s decision-making, opaque even to its own officials, will be submitted to outside scrutiny is questionable. But for a government so fiercely insistent on the inviolability of its own sovereignty, this was a big step.

It has also softened this same principle as applied to some of its nastier diplomatic friends, such as Myanmar and Sudan. Flouting its hallowed doctrine of “non-interference”, it has nudged them into slightly less hostile stances towards the West. North Korea would probably not be a nuclear power today if China had been prepared to exert more pressure on it in the past. But at least China now plays host to the six-party process aimed at getting it to ditch its nukes, and is trying to bring it back to the negotiating table.・・・


もちろん、これらの事実によっても、支那が多くの国際的な諸問題を解決する場面で、建設的−あるいは、死活的に重要な−役割を果たしていることは否定されようもない。1年前【の世界金融危機の際】、支那の経済は張子の虎ではなく本物であると支那が述べた支那経済が巨大な牽引車になるかどうかに関しては懐疑的な声もむしろ少なくなかった。また、世界金融危機に対処する上で支那の主な役割はその経済成長を持続させることだという支那の主張は些か何もしないための言い訳と受け取る向きもあった。けれども、(最早それは議論の余地なく認められるべきことであるが)支那という刺激は実際に存在したし、それは実に効果的であった。

更に、世界金融危機からの脱却において支那はその一翼を担った。すなわち、先月【2009年9月】ピッツバーグで行なわれたG20サミットで、支那は経済協力とIMFによる相互金融保証に支那も積極的に参画することも含まれている共同声明に署名したのである。実際、支那の政策決定はその政府高官にとってさえも不透明なものであるが、而して、支那の政策決定の【内容と成果】が支那以外の監視・評価機関にどれくらいの早さで提出されるのかは不明なままであるが、自己の国家主権の不可侵性を強烈に主張してきた国にとって、支那のG20での行動は【大国としての振る舞いを支那が恒常化させるための】大きな一歩だったと言うべきであろう。

ことほど左様に、支那は、国家主権の不可侵という原則を【国際社会における大国に相応しく修正することなく】外交的にやっかいなその友好国、すなわち、ミャンマーやスーダンには適用してきている。「内政不干渉」という神聖なる原則を援用することで、欧米よりは心持ち敵対的ではない関係をこれらの国との間で構築してきたのだ。おそらく、支那が北朝鮮に対してより大きな圧力を過去に加えたとすれば、今日、北朝鮮が核保有国になることはなかっただろう。しかし、少なくとも支那は、現在、北朝鮮に核兵器を放棄させるための6ヵ国協議のホスト役を務めており、而して、北朝鮮を6ヵ国協議のテーブルに戻るように促している。(中略)


Yet as a constructive international partner in multilateral diplomacy, China still seems to dabble—to pick and choose the issues where it is willing to help. It will find expectations running ahead of it: the more it proves it can contribute, the more will be demanded of it. There is no shortage of issues, from climate change to virus-containment, where its role is crucial. But the image that it would like to cultivate, as a responsible, unthreatening, emergent superpower, is constantly being undercut by two of its leaders’ habits.

One is the knee-jerk resort to hysterical propaganda and reprisals when a foreign country displeases it by criticising its appalling treatment of political dissidents, or accepts a visit from the Dalai Lama or other objects of the Communist Party’s venom.

The other is its readiness to put its perceived economic self-interest ahead of strategic common sense. That is the message from its reluctance to contemplate sanctions against Iran. Much as it would abhor a nuclear-armed Iran, China does not want to jeopardise important supplies of oil and gas. And this is merely one among many countries, especially in Africa, where China may be suppressing its global political influence for the mirage of energy security.


要するに、多国間外交における国際的で生産的な当事者として、支那はいまだにジタバタしており、支那が積極的に関知し尽力したい問題を選り好みしているように見える。支那は支那に対する世界から寄せられている期待が現状よりも遥かに大きいことに早晩気づくだろう。畢竟、支那がより多くの貢献をできることを証明すればするだけ、支那に寄せられる期待はより大きなものとなるはずだからだ。実際、気候変動からウイルスによる疫病の封じ込めに至るまで、支那が枢要な役割を果たすべき国際的な課題にはこと欠かないのである。けれども、支那が世界からそう見られたいものだと考えている自己イメージ、蓋し、責任感のある、脅迫的ではない、新興の大国という自己イメージは、その指導者達の二つの行動パターンによって決まって損なわれてきている。

すなわち、支那のイメージを損なっているものの一つは、支那と政治的意見を異にしている人物や国に対する常軌を逸脱した支那の扱いを批判することで他国が支那の機嫌を損じた場合、あるいは、共産党の憎しみの対象たるダライ・ラマやその他の人物の入国を認めた場合などに示される、ほとんど条件反射的な支那の狂乱状態でのプロパガンダの援用である。

而して、他の一つは、戦略的で健全な常識よりも目先の自己の経済的な利益を優先させる傾向である。イランに対する制裁の目論見に支那がそう積極的とは言えないことは、正に、この目先の自国の経済利益優先の帰結に他ならない。核保有国イランという事態よりも、支那は石油と天然ガスの重要な供給を失いたくないと考えているのである。そして、イラク制裁に支那が乗り気ではない事態は、エネルギー安全保障の幻想と引き換えに支那がその地球規模の政治的影響力を拡大できないでいる、多くの国を巡る問題の単なる一つの例にすぎない。就中、アフリカでは支那のこの行動パターンがしばしば観察されるのである。


China’s leaders rightly point out that theirs is still a poor country which will naturally give priority to lifting its economic development. And this in one sense answers the question about the message conveyed by the National Day parade: its main audience was not the outside world, but China’s own people. With no popular mandate, the government’s legitimacy relies on its record in making China richer and stronger.

The display of strength, showing how well it has done in this, hints at its own lack of confidence. For those worried about where China’s rise might lead, that the government is so insecure is not a comforting thought.


その指導者達が正しく指摘しているように、いまだに支那は当然ながら経済成長に最優先の優先順位を与えざるをえない貧しい国である。而して、このことは建国記念日の軍事パレードが発信しているメッセージを巡る疑問に解答を与える。すなわち、当該の軍事パレードの主な観衆は他国ではなく支那の人民に他ならないということだ。広く一般に共感を与える国家の使命を欠いている支那において、政府の正当性は支那をより豊かでより強い国にしつつあるという事実に依存することになる。

ならば、強国であることの誇示、而して、いかにして政府がそれを成し遂げつつあるのかの展示は支那政府の自信のなさの裏面なのである。よって、支那の興隆という事態が世界をどう変容させるかに思い悩んでいる人々にとって、この支那政府の不安定さはあまり愉快な事柄ではないのである。



■参考記事
・海外報道紹介☆人民元の基軸通貨化戦略と中国の経済覇権
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/58502751.html

・<中国>という現象☆中華主義とナショナリズム
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/53505603.html

・中国の空母建造と朝日の空疎な姑息
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56462371.html


・中韓との友好関係構築の特効薬としての首相靖国参拝
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/1608539.html

・靖国参拝が正常化させつつある日中関係を「不毛」と嘆く倒錯した朝日新聞社説
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/3455015.html

・日中関係の<悪化>は外交の失敗か? 二人の「一さん」の提言を検討する(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/1893845.html





(2009年10月22日:yahoo版にアップロード)

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テーマ : 中国問題
ジャンル : 政治・経済




世界は支那をどう見ているか。日本では、「21世紀は支那の時代」とでも言いたげな朝日新聞や民主党に代表される「反日・反米−媚支那」の言説が、民主党政権の成立とともに力を増しているようにも見えます。他方、「支那とは即国交断絶せよ」とか「支那人が靖国神社を批判することは許さない」等々の主張も見られないではない(畢竟、それが我々にとっていかに不愉快であろうと、そして、中にはA級戦犯の定義さえ知らない不勉強な者も少なくないとしても、しかし、支那人が靖国神社への日本の首相の参拝を批判するのは彼等の自由であり勝手。而して、我々が、その無知蒙昧にまみれ中華主義丸出しの彼等の「靖国批判」を批判することもまた我々の自由であり勝手でしょう)。

けれども、(伊邪那美・伊邪那岐の二柱にもう一度国産みをしていただかない限り)支那が日本の隣国であるという地政学的の与件は変更できず、また、自由貿易体制に依存しない限り国の経済が成り立たない日本にとって、他方、新型インフルエンザ対策等々を想起するまでもなく多くの社会的諸問題が国際的に取り組むのでなければ解決されえないグローバル化の昂進著しい現在(WTO体制や地球環境問題を始め数多の国際行政分野の法制度を通して支那との関係は不可避であり)支那との関係は一切ご遠慮申し上げることも不可能なこと。

繰り返しになりますが、生態学的社会構造として地球が文字通り<一球:an earth>になっている現在、(日本が支那との外交関係と貿易・投資を断つこと、畢竟、国交断絶を行なうことは法論理的には可能であっても)支那からの汚染物質が東シナ海を通り、また、偏西風に乗り日本の海岸線を洗い日本列島に降り注ぐこと、而して、(材料を含む支那製品を全面輸入禁止にした所で)第三国を通した金融・技術・情報の移動においても支那と潔癖に没交渉を貫くことは不可能でしょう。蓋し、朝日新聞や民主党の「支那万歳!」が到底我々保守改革派が容認できない主張であるのと同時に、国交断絶論もまた到底成り立つ議論ではないのだと思います。

ならば、我々、日本の、否、世界の保守改革派にとって唯一可能な対支那のスタンスは「政凍経冷」であり、而して、それを実現し維持するためには、逆説的ながら、支那の動向と実情を恒常的に把握すること、すなわち、支那人とより深く(「より親しく」ではない!)付き合うことが肝要である。と、そう私は考えています。この私の対支那の問題意識から大変参考になる記事を目にしましたので以下紹介します。出典はThe Economist の”The People's Republic at 60−China's place in the world”「建国60年の人民共和国−世界における中国の位置」(Oct 1st 2009)です。



tenanmontank.jpg



The world has accepted that China is emerging as a great power; it is a pity that it still does not always act as one


FOR a country that prides itself on its “peaceful rise”, it was an odd way to celebrate a birthday. The People’s Republic of China marked its diamond jubilee on October 1st with a staggering display of military muscle-flexing. Goose-stepping soldiers, tanks and intercontinental ballistic missiles filed through Tiananmen Square, past the eponymous Gate of Heavenly Peace, where, 60 years ago, as every Chinese schoolchild is taught (wrongly, it now seems), Mao Zedong declared that the Chinese people had “stood up”.

For many Chinese, daily life remains a grim struggle, and their government rapacious, arbitrary and corrupt. But on the world stage, they have never stood taller than today. China’s growing military, political and economic clout has given the country an influence of which Mao could only have dreamed. Yet Chinese officials still habitually complain that the world has not accepted China’s emergence, and wants to thwart its ambitions and “contain” it. America and others are trapped, lament these ascendant peaceniks, in a “cold-war mentality”. Sometimes, they have a point. But a bigger problem is that China’s own world view has failed to keep pace with its growing weight. It is a big power with a medium-power mindset, and a small-power chip on its shoulder.


世界はとっくに支那を新興の大国と認めている。他方、今に至るも支那の行動が必ずしも大国に相応しい振る舞いばかりではないことは遺憾なことである。


「平和的な興隆」を誇っている国にしては、建国を祝うそのやり方は些か違和を覚えるものだった。10月1日、中華人民共和国はその建国60周年を夥しい数の兵士による軍事行進によってむかえた。足を高く蹴り上げつつなされる兵士の行進、戦車、大陸間弾道ミサイルが天安門広場を埋め尽くす。而して、「天国の如き平安に至る門」という意味の、この天安門広場こそ60年前、(それは現在では史実に反すると考えられているのだけれども)支那のすべての児童・生徒が教えられているように、毛沢東が支那人民が「新国家を建国」したことを宣言した場所である。

多くの支那人にとって日々の生活はいまだに厳しい労苦の連続であり、他方、彼等の政府は相変わらず、強欲で恣意的で腐敗にまみれたままである。しかし、世界の舞台において、支那が現在よりも隆盛を誇ったことはかってなかった。支那の成長著しい軍事力・政治的影響力・経済力によって、毛沢東がかって夢想することしかできなかっただろう、それ程大きな影響力をこの国は掌中にすることになった。しかし、支那の高官は、十年一日の如く不平を述べ続ける。すなわち、世界は支那の興隆をいまだに認めていない。世界は支那の大志を挫こうとしており、支那を「封じ込め」ようとさえしている、と。アメリカを始めとする世界の国々は、支那の平和を希求している人民の勃興を遺憾な事態と捉えており、すなわち、彼等アメリカを始めとする諸国は「冷戦期の心性」に雁字搦めになっているのだ、とも。確かに、時には彼等支那の高官の不満が正鵠を射ている場合もある。しかし、より大きな問題は、支那が保有している世界を理解するための構図が支那の影響力の拡大と調和していないことだ。支那とは、影響力において大国であるが、その心性としては中堅国であり、しかも、他愛もないことに目くじらを立てスピッツのようにキャンキャン吠える小国の如き行動を取る国なのである。


Take that spectacular parade. What message was it meant to convey to an awestruck world? China is a huge, newly emerging force on the world scene. And it is unapologetically authoritarian, as were Japan and Prussia, whose rises in the late 19th century were hardly trouble-free. Nor is China a status quo power. There is the unfinished business of Taiwan, eventual “reunification” with which remains an article of faith for China, and towards which it has pointed some 1,000 missiles.


これでもかと言わんばかりの壮大な軍事パレード。この建国60年の軍事パレードは、そのパレードに畏れ入ってしまった世界に対してどんなメッセージを与えようとするものだったのだろうか。支那は現下の世界における巨大な新進の大国である。而して、それはかっての日本やプロシアがそうであったように謝ることを知らない権威主義的な国でもある。そして、19世紀後半、日本とプロシアの興隆によって世界は紛争が絶えることがなくなった【註:19世紀後半から第二次世界大戦までを通して、日本やプロシアが「謝ることを知らない権威主義の国」であったかどうかは極めて疑問であり、少なくとも英国のメディアにそんなことを言われる筋合いはないと考えるけれども、ここは原文に従った】。日本・プロシアと同様、支那も【現状の国際秩序を尊重する】既成の勢力ではない。支那は台湾との間で懸案を抱えている。最終的には台湾を「再統一」するという、faith for China【註:『台湾同胞に告げる書』(1979年1月1日)かそれを受けた胡錦濤主席の声明のことと思われるがテキストを確定できなかったので原文のまま記載した】にも記されている条規は残されたままであり、実際、台湾に照準を合わせた1000基ものミサイルが配備されている。


There is the big, lolling tongue of its maritime claim in the South China Sea, which unnerves its South-East Asian neighbours. And China keeps giving reminders of its unresolved wrangle with India over what is now the Indian state of Arunachal Pradesh, which it briefly overran in 1962. Nor has it reached agreement with Japan over disputed islands.

China’s intentions may be entirely peaceful, but its plans to build aircraft-carriers are shrouded in secrecy and it is modernising its nuclear arsenal. A modicum of anxiety about its ambitions is more than just cold-war paranoia. And those prey to it will have been reassured neither by the October 1st parade nor by the massive military build-up and the increasingly sophisticated home-grown weapons technology it flaunted.


南シナ海にはだらりと垂れ下がった舌の如く、支那がその帰属を主張している領海が存在しており、それに対する支那の領海権の主張に東南アジアの近隣諸国は悩ませられてきた。他方、1962年に支那が短期間支配した、現在のインドのアルナチャル・プラデシュ州の帰属を巡り、支那はその領土問題が未解決である旨の主張をインドに対して提起し続けている。更に、日本との間でも領土紛争を抱える幾つかの島の領有権に関して支那と日本は合意に達していない。

支那の意向は徹頭徹尾平和的なものかもしれない。しかし、支那の空母建造計画は秘密裏に行なわれており、また、支那は核兵器の近代化を推し進めている。支那に対して世界が抱く少量の懸念は、冷戦期の妄想以上の現実味を帯びたものなのだ。而して、これらに起因する支那に対する懸念は、10月1日の軍事パレードや凄まじい支那の軍拡の勢い、そして、支那自身が誇示してきた益々洗練される国産の兵器開発技術によって一層深まっているのだ。


<続く>





(2009年10月22日:yahoo版にアップロード)

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テーマ : 中国問題
ジャンル : 政治・経済




ユーロファイターが軍事的には拙い選択肢であることは素人の私にもわかるのです。実際、軍事専門家の同志からも「艦船でも戦車でも同じですが、戦闘機を武器体系として見た場合、補給品、整備機材、教育訓練などなど、たいへん多くの要素がぶら下がっています。現場としては、正面機材の変更は大変な体力仕事です。極力同系列の機材と補給経路がありがたい」との声をいただいています。けれども、この同志も戦略的な観点からはユーロファイターという選択肢も残るとされている。

蓋し、3年−5年先の憲法改正を踏まえ、核武装・敵基地先制攻撃能力の整備、軍事法的・スパイ防止法を含む自衛隊関連の法整備を含む自主防衛体制への移行を考えれば、ここはアメリカonlyから兵器とその運用体系も準複線化しておく方がトータルな政治的のリスクとコストは逓減できるのではないか。

而して、実際、第二次世界大戦後生産された兵器・武器の99%は「実戦では使用されないままスクラップになる現実」を鑑みるとき、ユーロファイター選定が(イ)日米関係を決定的に毀損させるものでなく、(ロ)同機がF22以外の選択肢とそう遜色がないのならば、私はユーロファイターもありだと考えるのです。

以下、この問題を考える上で参考になる英文記事の紹介。出典はJapan Timesの“BAE pitching Typhoon as F-22 eludes−Europeans make move amid U.S. export ban on stealth fighter”「BAEシステムズ、F22の導入が困難な隙を突いてタイフーンの売り込みに邁進−欧州の航空機メーカー、アメリカのステルス戦闘機に関する輸出禁止措置に商機をつかむ」(June 12, 2009)です。



taifu.jpg


Japan should consider adopting the Eurofighter Typhoon as its next mainstay fighter jet even if the U.S. lifts its ban on exporting the stealthy F-22 Raptor, representatives of a U.K.-based defense and aerospace company said Thursday in Tokyo.

The Air Self-Defense Force is eager to replace about 50 of its aging F-4s with the high-tech F-22 for its agility and high stealth capabilities.

But recent reports indicate Washington is unlikely to sell its latest and greatest airplane to just anyone, while others say the \25 billion plane is too expensive.

Andy Latham, BAE System Inc. vice president in charge of Typhoon exports, told reporters that since the Typhoon costs only about \10 billion, it presents "an effective non-U.S. solution" with significant benefits for Japan.


日本は、アメリカがステルス戦闘機F22ラプターに関する輸出規制を解除したとしても、次期主力戦闘機の選定においてユーロファイター・タイフーンの採用を真剣に考慮しなければならなくなってきている。英国を本拠とするある防衛航空企業の代理人達は、木曜日【2009年6月11日】、東京でそう述べた。

航空自衛隊は旧式化したF4【ファントム】系の約50機の航空機をハイテク技術の結晶たるF22に交替することを熱望している。それは、F22の機動性の高さと高いステルス性に彼等が魅せられているからである。

しかし、最近の情報によれば、アメリカ政府はその保有する最新鋭かつ最優秀なこの航空機をいかなる国にも販売することを望んでおらず、他方、【田母神元空将の如く】1機250億円の費用はあまりにも高額であるとする意見もある。

BAEシステムズ社でタイフーンの輸出を担当するアンディ・レイザン副社長は、タイフーンの費用は1機あたり100億円にすぎず、「非アメリカ製戦闘機という効率的な解決案」は日本にとって大きな利益をもたらすという点を同社はアピールしていると語ってくれた。


The Typhoon, made by a consortium of European manufacturers, is already used by the air forces in Europe. Although export of the F-22 would be strictly controlled to prevent its military technology from falling into the wrong hands, Latham said selling the Typhoon will take a "no black box approach."

The biggest difference between the two planes will be the "ability to offer Japan's industry a significant package of work," he said, explaining that the consortium could allow licensed manufacturing of the fighter in Japan and integration with Japanese equipment.

As for the Typhoon's lack of stealth capability, however, BAE System's Craig Penrice said stealth technology should not be considered an issue.

"Stealth is not the silver bullet answer that some might have you think," the former Royal Air Force pilot said, adding that the Typhoon has overall countermeasures against radar detection, including reduced infrared emissions. ・・・


欧州メーカーが構成する共同企業体が開発したタイフーンは、すでに欧州の空軍で使用されている。而して、F22の輸出は、その軍事技術が悪者の手に落ちることを防ぐために厳しく管理されざるを得ないのに対して、タイフーンは「ブラックボックスを含まないやり方」【情報開示を拒む部分のないライセンス生産】を通して販売可能であるとレイザン副社長は述べた。

タイフーンとF22の最大の違いは「日本の防衛産業にそれなりの規模のまとまった仕事をもたらすか否か」だろうとレイザン副社長は語った。而して、タイフーンの開発にかかわった欧州の企業連合は、日本におけるタイフーンのライセンス生産、すなわち、日本の物的資源を統合活用してタイフーンを日本で生産することを認める用意があることを同副社長は明らかにした。

また、タイフーンの比較的低いステルス性に関して、それは機種選定の考慮要因にはならないのではないかとBAEシステムズ社のクレイグ・ペンライス氏は語ってくれた。

すなわち、「ステルス性なるものは、一般に思われているように、この世に存在しうる完全無欠な防御機能などではないのですよ」と、この元英国空軍のパイロット、クレイグ・ペンライス氏は語る。而して、タイフーンは、放出される赤外線量を削減する機能等、レーダー探索に抗する包括的対応装置を備えているとも。(中略)


In total, Tokyo is considering six candidates to replace its F-4EJ fighters, including the U.S. F-35, which is still under development.・・・

Despite recent reports indicating the U.S. is unlikely to provide the F-22 to Japan, Defense Minister Yasukazu Hamada said Tuesday the fighter "remains an option that will be pursued."

Japan's strong interest in the aircraft is based not only on its capabilities but also on its compatibility with the U.S. Air Force, which the ASDF would work closely with in the event Japan is attacked.

Some observers also say Tokyo is eager to update its aircraft with the most up-to-date fighter available so it can claim air superiority over China, which is continuing to build its military power. Japan's current mainstay fighter is the U.S.-designed F-15 Eagle.


日本政府は、F4EJ戦闘機の後継機種として6個の候補から選択しようとしているが、その中には現在まだ開発中のアメリカ製F35も含まれている。(中略)

アメリカが日本にF22を提供することを躊躇しているという最近の情勢にもかかわらず、浜田精一防衛大臣は、火曜日【6月9日】「F22は今も選択肢だ」と語った。

日本のF22に対する強い執着の原因は単にその性能の高さだけでなく、アメリカ空軍との当該機材運用の互換性にある。畢竟、日本が攻撃された場合、航空自衛隊は同空軍と緊密に連携をとらなければならないのだから。

識者によれば、日本政府はその戦闘機を可能な限り最新鋭の戦闘機に交替したいと考えている。というのも、そうすれば、軍備増強に余念がない支那に対して空における優位性を日本が確保することができるからということ。而して、現在の日本の主力戦闘機はアメリカ製【当時、世界でも最新鋭の】F15イーグルなのだ。




(2009年6月25日:yahoo版にアップロード)

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テーマ : 国家防衛
ジャンル : 政治・経済




国会議員であった親族の跡を継ぎ、父祖と同じ選挙区から立候補して国会議員になる、所謂「世襲議員」が少なくないことを問題にする風潮がこの社会に蔓延しているようです。而して、「同一選挙区からの連続出馬」の制限を打ち出した民主党に対して自民党も一定程度の世襲制限を行なう方針を明らかにした。例えば、今日の毎日新聞はこう伝えています。以下、引用開始。

●<世襲制限>自民、次期衆院選は見送り 次々回適用で集約
自民党の党改革実行本部(武部勤本部長)は2日、国会議員の世襲制限について、次期衆院選からの適用は見送る方針を固めた。早期導入には民主党に対抗する狙いがあったが、党内の混乱を避けるため現職議員を対象外としたことで、かえって世論の批判を招きかねないと判断した。10日にとりまとめる改革案は「次の次の衆院選からの実施」で意見集約する。

同本部の「党改革に関する委員会」は先月、新人候補だけを対象に、国会議員の親族が同一選挙区から連続して立候補することを次期衆院選から禁止するとの素案を作成。小泉純一郎元首相の次男進次郎氏(神奈川11区)と、臼井日出男元法相の長男正一氏(千葉1区)が、党公認を得られない可能性が出ていた。

党内で世襲問題の議論を主導する菅義偉選対副委員長らは「次の次から」を検討してきたが、武部氏が、改革色をアピールするため、前倒し導入に意欲を示していた。

一方、民主党は「無所属で立候補しても、当選後に入党すれば抜け道になる」と批判していた。

こうした状況の下で同本部幹部は2日午前、「次の次からでいい」と語った。改革案もその方向でとりまとめ、麻生太郎首相に答申する。ただ、世襲議論が大詰めになってぶれてしまった印象はぬぐえない結果となった。

民主党は既に、「次期衆院選から、3親等以内の親族の同一選挙区からの立候補禁止」との方針を決めている。(毎日新聞:6月2日、以上引用終了)



世襲批判。いわば、これはニーチェの言う意味での「ルサンチマン」と言えるのかもしれませんが、少なくとも、社会思想的には、この世襲批判は民主主義の概念や理念とはほとんど何の関係もないことではないかと思います。

けれども、事実は事実。現実は現実。「普遍妥当な自然法が存在するかどうかは解答不可能としても、(自然法が存在すると考える)自然法論が歴史上存在したこと」は事実であるという井上茂先生の言葉を引き合いに出すまでもなく、また、「イエス・キリストが実在の人物であるかどうかは解答不可能としても、「ナザレのイエス」と呼ばれた男がイエス・キリストであり、ゴルダゴの丘の十字架で処刑された後に彼は復活したと信じる人々が西暦紀元1世から2世紀にかけて存在したこと」は厳然たる事実。ならば、現実の政治においては、内容としての論理だけではなく事実としての論理と拮抗せざるを得ず、よって、この「世襲批判論」は無視できないことだと思います。

而して、この事実としての論理としての世襲批判を考える上での好個の海外報道を目にしました。世襲国会議員を巡る日本の事情をスケッチした海外報道。以下紹介します。出典は、New York Timesの” Japan’s Political Dynasties Come Under Fire but Prove Resilient”「批判の集中砲火を受けるもののしたたかに生き残る気配も濃厚な日本の世襲政治」(March 15, 2009)です。少し古い記事ですが、目にした限りでは最も包括的なもの。尚、所謂「世襲政治」に関する私の基本的な考えについては下記拙稿をご一読いただければ嬉しいです。


・世襲批判の批判的考察
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/57994382.html


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YOKOSUKA, Japan — By almost any measure, Katsuhito Yokokume should have at least a fighting chance in the coming parliamentary elections, which could decide Japan’s future.

A truck driver’s son who graduated from the nation’s top university, Mr. Yokokume, an energetic 27-year-old lawyer, is a candidate for the main opposition Democratic Party, which has ridden rising popular discontent with the long-governing Liberal Democratic Party. Yet, on a recent chilly morning of greeting voters with deep bows and handshakes at a train station, he got the same apologetic but blunt rejection he gets every day.

“I’m sorry, but this is Koizumi country,” one commuter explained.

He was referring to Junichiro Koizumi, the popular former prime minister whose family has represented this naval port an hour southwest of Tokyo for three generations. In announcing his retirement last autumn, Mr. Koizumi anointed his son, Shinjiro, as successor — making the son’s election as a fourth-generation lawmaker all but a foregone conclusion here.


日本の横須賀市―― 日本の将来を決めかねない、来る国会議員選挙で横粂勝仁氏は、どのような基準からも、少なくとも戦うチャンスは手にしているものと看做されるだろう。

この国でも最高の大学の卒業生でありトラック運転手の息子である、この精力的な27歳の弁護士の横粂氏は最大野党・民主党の候補者である。而して、長らく政権与党の座を守ってきた自由民主党に対する不満の世論が澎湃として起こっており、逆に民主党には追い風が吹いている。それにもかかわらず、例えば、数日前の凍みるような朝、鉄道の駅頭で深くお辞儀をして握手しながら有権者に挨拶をしている時に、横粂氏は異口同音に申しわけなさそうな、しかし、単刀直入な拒否をいつものように受けた。

「申しわけないけど、ここは小泉王国なんだよね」。そうある通勤者は説明した。

その通勤者が言及しているのは小泉純一郎氏。東京から1時間余りのこの海軍の軍港の街からその一族が三代にわたって選出されてきた極めて高い人気を誇る元首相その人のことである。昨秋、自身の引退表明に際して、小泉氏は彼の息子、進次郎氏を後継者に指名した。而して、ここ横須賀では、小泉氏による息子の後継者指名は、選挙の結果を見るまでもなくほぼ、四代目となる国会議員の当選を意味している。



Such family dynasties are common across Japan, the product of more than a half-century of Liberal Democratic Party control that allowed lawmakers to build powerful local political machines and then hand them down to children and grandchildren.

Now, as the party faces its biggest challenge since its founding in 1955, such de facto hereditary control of parliamentary seats is coming under unprecedented criticism here. But it is also showing stubborn resilience.

Such inherited seats have fallen under increasing attack by voters and many political scientists. They say the practice has helped create an inbred version of politics that has contributed to the leadership paralysis gripping this nation, slowing its response to the current financial crisis and Japan’s longer economic decline. Political analysts have also thrust into public view the fact that powerful political and business families exert more control here than this proudly middle-class society likes to admit.


横須賀の小泉家のように親族内で国会議員の議席を継承することは日本の至ることで観察される現象である。而して、それは半世紀を超える自由民主党支配の結果でもある。すなわち、長年にわたる自由民主党の支配の中で国会議員は地方に強力な選挙マシーンを造り上げることができたし、その議席を子や孫に直接手渡すことが可能になったのである。

けれども、現在、1955年のその創立以来最大の危機に自民党が直面していることもあって、このような実質上の世襲体制による国会議員の議席の確定に関しては、ここ日本でもかって見られなかったような批判が起きている。しかし、実質的な世襲制度を擁護する側もまたしたたかに批判に対応しつつある。

畢竟、このような国会の議席が相続される現象に対して有権者や政治学者からの批判は益々強まっている。批判を口にする人々は、国会議員の世襲は政治の世界における謂わば近親交配を促進してきており、その政治的な近親交配によってこの国を掌握すべき指導力が麻痺するに至っている。而して、現下の金融危機に対する対応や日本の長期にわたる経済低迷は政治が指導力を発揮できていないことの証左であると述べる。政治学者は、誇るべきこの中産階級社会がそれを受け入れてもよいと感じているよりも遥かに大きな影響力を強力な政治家と経営者の一族が行使していると世間一般的では受け取れられていること、そのような公衆の意識をも俎上に載せている。



This has fed a fear of rising social inequalities, and the feeling that unseen barriers are preventing new talent, new ideas —literally, new blood — from entering politics, and from helping Japan find a way out of its morass.

“It takes a blood test to get elected these days,” said Sota Kato, a senior fellow at the Tokyo Foundation, a private research organization. “It is a symptom of how Japanese society has lost its postwar dynamism and become more rigid and less democratic.”

While second-generation lawmakers are common elsewhere — they make up some 5 percent of the United States Congress, Mr. Kato and others said — they are unusually numerous here. Some 40 percent of Liberal Democratic lawmakers are descendants of lawmakers. Of the past seven prime ministers here, all but one were the sons or grandsons of former lawmakers.


このことは社会的な不平等が拡大する危惧をこの社会に広めつつあり、【制度上は不平等ではないものの、実質的には生まれによって国会議員になれる可能性に天と地の違いがある、謂わば「議席の世襲制」とも言うべき】目に見えない壁が、新しい才能やアイデア、文字通り、新しい血が政治の世界に参入することを妨げており、而して、それらの新しい才能やアイデアや血が、日本がはまり込んでいる泥沼から脱却する方途をこの国が見出すことに寄与する道を閉ざしているという感覚が日々昂進しているのである。

「今日では選挙で当選するためには血液検査が必要になっている」と、民間の研究団体、東京財団の加藤創太上席研究員は述べている。「世襲の現象は、日本が戦後の活力をいかにして失ってきたか、また、社会階層間の移動性に乏しくより民主的でない社会になってきたことの兆表なのです」とも。

もちろん、二代目の政治家など世界中どこでも見られる現象ではある。例えば、アメリカの議会でも世襲議員は5%を占めている。けれども、世襲議員の数がこの国では尋常ではない。と、そう加藤氏や他の研究者は語ってくれた。畢竟、自由民主党所属の国会議員の凡そ40%が国会議員の子孫であり、過去7人の総理大臣は【森元首相の】一人を除き全員が国会議員の子か孫なのである【KABU註:正しくは「子か、子かつ孫」であるけれど原文に従った】。



The issue was thrust into public view recently by the back-to-back resignations of two prime ministers, Shinzo Abe and Yasuo Fukuda, the grandson and son, respectively, of former prime ministers. The fact that both men stepped down so quickly in the face of falling approval ratings was widely criticized here as a weakness of character seen in “botchan” or “brat” politicians.

Despite such public disgust, it is unclear whether this will influence the coming elections, which must be called by early September and which polls show the Liberal Democrats could lose. The opposition Democrats, for one, also have their share of second-generation or higher lawmakers: 20 percent.

Also, as Yokosuka shows, old practices die hard. Often, the families’ founding members are still revered in their districts for bringing public works projects that helped raise living standards. ・・・


この問題は、最近、続けざまに二人の首相が退陣したことにより世間の関心を集めた。その二人の首相とは、それぞれ元の首相の孫と息子である安倍晋三氏と福田康夫氏である。この両元首相が政権支持率の降下に直面するや大方の予想より早く退陣したことは、「坊ちゃん」すなわち「お子様」的な弱い人物の対応として広範にこの国で批判された。

このように、世間が世襲現象に対して愛想をつかしているにもかかわらず、世襲問題が来る総選挙に影響を与えるかどうかは不透明である。而して、その総選挙は9月早々までには実施されることになっており、そして、世論調査の結果からは自由民主党が議席を減らすことが予想されているけれども、実際、野党の民主党も二世以上の国会議員比率は20%に達しているのだから。

更に、【冒頭で紹介した】横須賀の事例でも明らかなように、長く続いた慣行はなかなかなくならないものだ。その当該の地域では世襲の起点となった元国会議員は、地域の生活蘇水準を向上させるのに与して力があった公共事業を持ってきた人物として今もなお崇敬されているだから。(中略)



Mr. Koizumi’s decision to hand his seat to his son was greeted with disappointment in urban areas, where the criticism of hereditary seats is highest, and where the former prime minister was widely popular for his vows to change the Liberal Democratic Party’s entrenched ways. ・・・

Despite the fact that Shinjiro Koizumi has yet to announce a political platform, his father’s supporters say they are enthusiastic to vote for him. They say he inherited his father’s telegenic charisma. Perhaps more significantly, he will also inherit his father’s roughly 5,000-member support group, which financed and organized his election campaigns.・・・

Mr. Yokokume said he was hoping to benefit from some kind of negative reaction to hereditary politics. Still, he is reluctant to criticize his opponent directly for fear of offending Japanese sensibilities that frown on self-promoters. ・・・Mr. Yokokume admits that it is hard to battle an opponent who seems invincible・・・What keeps him going, he said, is a hope of parlaying even a defeat into an eventual career in politics, and a touch of indignation at hereditary politics.

“Why can’t a regular person be a politician?” he asked. “Politics shouldn’t be a family business.”


その議席を息子に継承させるという小泉元首相の決断は都市部の有権者から失望をもって迎えられた。この国の都市部では議席の世襲に対する批判の強さは際立っており、また、自由民主党の牢固なやり方を変えるという自身の誓約によってこの元首相はその都市部で幅広い人気を享受していたのだから。(中略)

小泉進次郎氏はいまだにその基本的な政治的な立場を発表していないにもかかわらず、彼の父親の後援者達は進次郎氏に断乎投票する意向を隠そうとはしない。後援者達によれば進次郎氏は父親譲りのテレビ受けする才能を持っているとのこと。而して、更に重要なことは、進次郎氏は彼の父親の5,000人にも達する後援組織を引き継ぐことになることだ。この後援組織が進次郎氏の選挙運動に資金を提供し選挙活動を推進するものであることは言うまでもない。(中略)

横粂氏は、世襲政治に対する否定的な風潮がなんらかの形で彼を利することを期待している。彼はそう吐露してくれた。けれども、それにもかかわらず、横粂氏は彼の競争相手【小泉進次郎氏】を直接に批判することは躊躇している。なぜならば、自己宣伝に長けた人物を好ましく思わない日社会特有の感情を刺激したくないからだ。(中略)而して、横粂氏は無敵と思える相手と戦うことが実に困難なことを認めている。(中略)横粂氏の言葉を借りれば、畢竟、彼を突き動かしているものは、それが敗北に終ろうとも政治領域での実績作りに賭けたいという気持ちと世襲政治に対する義憤である。

「どうして【親族が政治家ではない】普通の人間が政治家になれないのでしょうか」「政治は家業ではないはずです」と横粂氏は語ってくれた。





(2009年6月2日:yahoo版にアップロード)

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