ウォールストリート・ジャーナル「日本でナショナリストの影響力が拡大」(下)


But after years of being dismissed as largely a fringe provocateur, Mr. Ishihara’s clout appears to be on the rise. He was able to translate his trademark China-bashing into policy this summer with his plan for the Tokyo metropolitan government to buy the contested Japan-controlled Senkaku islands— called Diaoyu in China—from private Japanese owners.

Mr. Ishihara got considerable attention for his Senkaku gambit when his online island-buying fundraising campaign raised $16 million in two months. Satoru Mizushima says his network of nationalist organizations generated one-third of that cash. He also raised $13,000 to defray costs for the visiting Uighurs in May.


その石原氏は、しかし、日本においても長らく、確かに際物ではあるけれど取るに足らない狂言廻の役回りを演じるだけの過去の人だった。その石原氏と彼を支持する勢力に対する注目が現在赤丸急上昇中なのである。それは、この夏、石原氏が支那批判の自身の持論を具体的な政策に落とし込むことに成功したからだ。すなわち、日本が統治しているものの、支那と日本の間でその領有権の帰属が争われている尖閣諸島-支那名では釣魚島-をその地権者であるある私人から東京都が購入する計画をぶち上げたことが現下の<石原株急上昇>の背景である。


尖閣諸島を巡る石原氏の初手は日本社会の中で尋常ならざる注目を集めた。というのも、尖閣諸島購入資金を集めるべくインターネット上に石原氏が開設した寄附要請活動に対して2ヵ月の間に1600万ドルが寄せられたのだから。民族主義的グループのネットワークに影響力を持つ水島総氏によれば、水島氏が関係するそのようなネットワークが尖閣諸島購入のために寄せられた寄付金の三分の1を集めたとのことだ。ちなみに、前述のウイグル独立派が来日するに際して必要な費用として水島氏は1万3000ドルもの資金もまた集めたとのこと。


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Realizing the diplomatic perils of letting Mr. Ishihara control the territory, Mr. Noda felt compelled to have the national government step in to try to purchase the islands, currently owned by a Japanese family and leased by the Japanese government. But that, in turn, has raised Beijing’s ire, leading to protests and a Chinese patrol-boat mission to the area—prompting counter-protests from Japan. Another boatload of protesters from Hong Kong is expected to arrive at the islands within the next few days.

Today’s leading nationalist organizations try to distance themselves from traditional right-wing groups, whose public image is one that includes loud and menacing protest rallies. The issues driving the current generation also are distinct from earlier ones, which were more focused on Japan’s war experiences and on issues such as worship of the imperial family.

Nationalist Internet sites have proliferated in recent years, allowing participants—known as netto uyoku, or Internet rightists, to air their views.


尖閣諸島に石原氏の権限が及ぶこと、そのことによって日本外交が危機に陥ることを危惧して、野田首相は日本政府による尖閣諸島購入に踏み込むしかないと判断した節がある。ちなみに、尖閣諸島の現在の地権者は私人たるある日本人一族であり、日本政府が現在は尖閣諸島を賃貸借しているのだけれども。前門の狼、後門の虎。石原氏の目論見を砕く野田氏のこの決断は、しかし、一方で支那政府の憤激を引き起こしてしまう。支那国内での対日抗議活動や支那の巡視船の尖閣諸島周辺海域への突入もその流れの中で生じたことであり、また、それら支那の動きに促される形で支那に対する日本側からの抗議行動も生じている。

現在では、民族主義系の主要な諸団体は、伝統的なかっての右翼集団からは距離を置こうとしている。その伝統的右翼集団に対して一般的に連想されるものと言えば、騒々しく、かつ、威嚇を専らとする集会といったもの。加之、民族主義的心性を抱いている、しかし、現在の世代が関心を持つ政治的課題もまた、戦争や皇室を巡るものにより比重がかかった旧来のものからは明らかに変容している。

実際、民族主義を信奉標榜するサイトはインターネット上に溢れておりそれらはここ数年増加の一途である。而して、ネット右翼、つまり、インターネットを専ら利用する右派が、そんな民族主義的なサイトを舞台に【百花繚乱・万紫千紅】自分達の主張や見解を発信している。

(以上、翻訳紹介終了)


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以下、参考資料のWSJ日本語版掲載記事。下線箇所は英文テクストには見られない箇所の指摘、KABUによるものです。尚、所謂「従軍慰安婦」なるものが砂上の楼閣であること、しかし、それに対して日本は積極的に反撃すべきことについては下記拙稿をご参照いただければ嬉しいです。

・安倍総理の逆襲-「従軍慰安婦」という空中楼閣に依拠した
 New York Timesの自民党新総裁紹介記事(上)~(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/61507543.html



▼日本でナショナリストの影響力が拡大―領土問題受け

中韓との緊張の高まりを受けて、日本でナショナリストの影響力が強まっており、野田佳彦首相にとって頭痛の種になっている。 松原仁国家公安委員長と羽田雄一郎国土交通相は終戦記念日の15日、東京・九段北の靖国神社を参拝する意向である。民主党政権下で、閣僚が終戦記念日に靖国を参拝するのは初めてとなる。

一方、韓国の李明博大統領は先週日韓が領有権を争っている竹島(韓国名・独島)を訪れ、日本は激しく反発した。韓国政府高官によれば、李大統領は15日、日本の植民地支配からの解放式典での演説で、日韓両国の関係改善のためには日本は歴史問題を解決する必要があると訴える見通しである。

また中国政府は、この3カ月だけでも中国から海外に逃れた亡命ウイグル人による「世界ウイグル会議」が5月に東京で開催されたことと野田首相が尖閣諸島(中国名・釣魚島)の国有化方針を打ち出したことに対し正式に抗議している。

こうした中で日本の保守派政治家は最近、伝統的な街頭での抗議行動から脱し、ソーシャルメディアなどを使って若い世代の支持をつかもうとし始めている。各種のブログやツイート、インターネット動画などでは、日本の主流メディアでは取り上げられないナショナリスト的な意見が掲載され、保守派政治家と国民との距離を近づけている。

ナショナリストの主張が影響力を増していることは、野田首相の苦悩を深めている。野田氏は近隣諸国との対立激化を避けようとしている。だが、民主党の代表選挙を控え支持率低迷に見舞われている。日本政府は、ナショナリストからの圧力を受けて領土問題で強硬な姿勢を強めざるを得なくなっており、李大統領の竹島訪問に対し、駐韓大使を日本に一時帰国させ、14日には来週に予定されていた日韓財務相会合を延期すると発表した。

ナショナリストは、領土問題への関心の高まりが自分たちの最終目標、つまり自衛隊の役割を厳しく規制している平和憲法改正の実現に向け勢いをつけると期待している。

自民党の古屋圭司衆院議員は、「日本は平和ボケしていると思っている人が少しずつ増えてきている。尖閣諸島の問題にしても、竹島の問題にしても、北方領土の問題にしても、今まで自分達の領土で、ここまでバカにされたことはなかった」と話す。同氏は、ウイグル会議に関わったり、中韓に対する日本の領土的な主張への理解を得るため米ニュージャージー州を訪れる議員団に参加するなどナショナリスト的な活動に力を入れている。

21世紀の日本のナショナリスト運動には単一の指導者や政党はなく、民主、自民両党政治家らの緩い共闘で成り立っており、右翼の活動家や、著名な評論家や経済界指導者がこれを支援している。

ナショナリストの代表は石原慎太郎東京都知事で、4月に都による尖閣諸島買い取り計画を発表したことをきっかけに、影響力を強めているようだ。石原氏が尖閣諸島買い取り資金に充てるため集めている寄付金は、募集開始後2カ月間で12億円を突破した。

石原氏が、この問題で主導権を取ることで外交的な危機が生じることを懸念した野田政権は、現在民間人が所有している同諸島を国が買い取らざるを得ないと思ったようだ。しかし、これが中国を怒らせ、さらに日本国内での反発を招いた。また、香港からも運動家を多数乗せた船が数日中に同諸島に到着する見込みだ。

代表的なナショナリストの組織は従来、やかましく威嚇的なイメージの伝統的な右翼集団とは距離を置いてきた。また最近の運動の目標も、過去の大戦や天皇崇拝などを中心にしてきた従来の右翼とは異なる。最近のナショナリスト運動には、反原発運動と同様に社会に不満を持つ若年層が参加しているという見方もある。もっとも反原発運動の方が最近は社会に受け入れられてきている

最近はナショナリスト的ウェブサイトが存在感を増しており、いわゆる「ネット右翼」の主張が目につくようになった。こうした意見は、中国や韓国に対し挑発的で侮蔑的な表現を使うことが多い。映画監督兼脚本家の水島総氏も、ナショナリストの代表格だ。同氏は、領有権を主張して尖閣諸島に7回、漁船を送った。また討論番組主体の有線テレビ局を運営し、番組はインターネットでも視聴できる。同氏は、「本当のこと、真実を伝えない放送局と大新聞に対抗するために始めた」と語った


(日本語版ウォールストリート・ジャーナル・2012年8月15日


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