ワシントン・ポスト「拡大する中国の影に怯え右傾化する日本」(3)




Tensions escalate

The most obvious sign of Japan’s new security concerns came two years ago, under then-Prime Minister Naoto Kan, when the country overhauled its defense strategy, turning its attention to China’s expanding naval threat and promising greater surveillance of the southwestern island chain that marks a tense maritime border between the neighbors.

The strategy pinpointed Beijing as a chief security concern, and tensions have only escalated this summer as the countries have sparred over a collection of remote, uninhabitable islands and the waters around them.

Although the disputes over these islands go back centuries, experts say that Japan is taking unprecedented steps to boldly state its claims and monitor its waters, with heavy investments in helicopters and airplanes that can transport SDF members to a maritime crisis.



緊張増大

安全保障に関して日本が抱くに至った新しいタイプの危機感は、2年前、菅直人首相の政権下でこれ以上ないというくらい明瞭なものになった。すなわち、防衛戦略に総点検が加えられ、もって、支那の海軍力増強が孕む脅威に注目し、加之、近隣諸国と日本との間の緊張関係がそこに塗り込まれている、海上の国境線でもある南西諸島に対して日本はこれまでに比べてより大規模な監視を行う方針であることを内外に宣言したのだ。

総点検の結果打ち出された新しい安全保障の戦略は日本にとって、その主要な安全保障上の懸念材料が支那に他ならない事実の直截な指摘である。実際、この夏、他の領土から比較的離れている一塊の無人島とその周辺の海域を巡る両国の非難合戦という形で、日本と支那との間で緊張が高まったのだから。

それらの島礁の領有権を巡る論争は何世紀にも亘って続いてきたものではあるけれど、この問題の専門家によれば、自国の主張を明々白々なものとして述べるべく日本は他に類を見ないほどの措置を講じているらしい。加之、この海域で危機が惹起した際には自衛隊の隊員を輸送可能なヘリコプターや航空機を幾重にも手配しており、もって、件の島礁の周辺海域を監視する手はずも万端怠りはないとのこと。

【確かに、支那が尖閣諸島の自国への帰属を示唆する証拠として数世紀も遡る「資料」(笑)を提示していることは事実である。けれども、遅くとも1895年1月に日本が尖閣諸島を日本領であると内外に表明して以降、早くとも1970年9月に台湾の議会が、そして、同年12月に支那の北京放送が日本の領土主権を否定するまでの75年間、支那は(清国・中華民国・中華人民共和国の三者とも)一度も尖閣諸島の領有権の主張/日本の実効支配への批判を行ったことはない。この点が尖閣と竹島のケースを分かつポイントなのだけれども、いずれにせよ、よって、この「件の島礁の領有権を巡る論争は何世紀にも亘って続いてきた」という記述は、歴史的にも国際法的にも完全な間違いと言える。けれども、訳は原文テクストに従った】


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Additionally, Japan by 2015 plans to deploy troops on southwestern Yonaguni Island, in the East China Sea. A defense ministry spokesman said that this will be the first time Japan will station ground troops anywhere in the “first island chain” that runs from Okinawa to Taiwan and that also includes the Senkaku Islands, owned by Japan but claimed also by China and Taiwan.

“It has now become the highest priority . . . to figure out how to reinforce the defense of Japan’s southwestern region along this first island chain,” Defense Minister Satoshi Morimoto said in a recent interview.

Morimoto, however, said that he does not think Japanese support flagrant use of force, and he rejected the idea that Japan is moving toward the right. Conducting “military activities that pose an unnecessary threat to surrounding countries,” Morimoto said, “would only damage the stability of the region.”

China says Japan has already caused damage a different way — with its move last week to nationalized the Senkaku Islands, which the central government bought from a private owner. China blasted the “illegal” move and sent six ships into Japanese waters, all while Chinese staged anti-Japanese protests in more than 50 cities. The purchase, a commentary in the China’s state-run Xinhua news agency said, indicates that “Japan has not shown any sincere regret for past invasions, but is, instead, attempting to recover its pre-defeat prestige.”


かくの如き備えに加えて、2015年までに日本は東シナ海の南西にある与那国島に陸兵部隊を配置することにしている。防衛省の広報官によれば、「第1列島線」(★)の中で沖縄から台湾の間に点在する島礁に日本が陸上部隊を駐屯させるのは初めてのこととのこと。ちなみに、この「第1列島線」には日本が所有しているものの、支那および台湾もその領有権を主張している尖閣諸島も含まれている。

「第1列島線に沿って日本の南西地域の防衛力をどのように強化するかを見いだすこと・・・、このことが今や最優先の検討課題なのです」と森本敏防衛大臣は最近のインタビューで述べておられる。

森本氏は、他方、野放図な武力の行使を日本国民が支持することはなかろうと思うと述べている。よって、日本が右寄りに移行しつつあるというという理解には自分は肯んじえないのであって、「周辺諸国に対して不必要な脅威を抱かせる軍事的活動」を行なうことは「単に、東アジア地域の安定性を毀損するものに過ぎないのではないか」とも。

支那は、別のやり方で日本はすでに東アジア地域の安定性を損なってしまったと断じている。すなわち、日本による尖閣諸島国有化がそれである、と。ちなみに、国有化とは日本の中央政府がある私人たる所有者から尖閣諸島を購入したという意味なのだけれども。而して、支那はこの「違法」処置を激しく非難し、かつ、6隻の艦船を日本領海に派遣した。加之、支那政府がこのような非難と抗議を行っていた正にその同じ頃、50以上の都市を舞台にして支那人による反日抗議行動が展開された。支那国営の新華通信社の論評によれば、日本政府による今回の買取は「日本が過去の侵略行為を毫も悔悟しておらず、否、あろうことか、日本は侵略戦争の敗北で失った国威の回復を目指している」ことの徴表に他ならないとのこと。

★補註:第1列島線

地政学的用語。(0)ユーラシア大陸の東海上に連なる諸々の列島を結ぶ線の中で最もユーラシア大陸に近いもの。一般的には、(アリューシャン列島)カムチャッカ半島・千島列島・日本列島・南西諸島・台湾・フィリピン北部・ボルネオ島・マレー半島を結ぶ、国際政治的思考の仮想空間に引かれた線。

而して、(1)元来は、冷戦華やかりし頃に、日米を始め自由主義陣営諸国が、支那を封じ込めるための軍事戦略上の概念/戦力展開の目処となる指標であったが、(2)1980年代以降は、逆に、この同じ「第1列島線」という概念は、支那側にとっての対自由主義陣営の防衛線の語義としても用いられている。本記事では、この “first island chain” は最前者の地理学的な(0)の語義を前提とした上で、専ら前者(1)の語義で筆者は使っていると解されよう。


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<続く>
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