ピグライフは勝れものの「マネージメントスキル開発ツール」かも(上)




サイバースペースに星の数ほどあるソーシャルゲーム(とりわけ、「仮想空間型シュミレーションゲーム:Metaverse」)の中でも、アメーバーピグは最も人気のあるものの一つ。この認識と評価は、「サービス開始が2009年2月19日と、類似ソーシャルゲームの中では寧ろ「後発」ながら、その登録会員数は2012年3月現在で2000万人に達している」という事実に裏打ちされた間主観的な評価であり認識だと思います。かく言う私も「アメーバーピグ」と総称される幾つかのゲームのユーザーだったりします。

しかし、本稿は「余はいかにしてピグライフ/ピグワールド中毒患者となりしか」を語るものではありません。本稿の主題は「なぜアメーバーピグは星の数ほどあるソーシャルゲームの中で圧倒的人気を獲得できたのか」ということ。

而して、①それらがリリースされた時点でのこの社会の世相との共鳴現象、あるいは、アメーバーピグを世に出したサイバーエージェントグループの広告宣伝とビジネスモデル構築の巧みさという、謂わば「外在的アプローチ」ではなく、②アメーバーピグの商品の魅力や本性に焦点を当てた「内在的アプローチ」によって、③(本稿の考察は総称としての広義の「アメーバーピグ」の中でもその対象を専らピグライフに絞らせていただきますが、ゲーム名としての)狭義の「アメーバーピグ」、そして、ピグライフ/ピグワールドに寄せられている圧倒的な人気と熱烈なる関心の理由を考えてみたいと思います。

まずは、「アメーバピグ:Aameba Pigg」の概要。Wikipediaにはアメーバーピグについてこう書かれている。以下、要約して転記紹介します。尚、ピグライフの「本性と魅力」については下記拙稿も併せてご一読いただければ嬉しいです。

・ピグライフに見る「資本主義」の構造と精神
 http://ameblo.jp/kabu2kaiba/entry-11173086810.html


▼アメーバーピグ

アメーバピグ(Aameba Pigg)は、サイバーエージェントが運営するWebサイト上のサービス。自分にそっくりなアバター(ピグ)をつくり、チャットを行うのがメインの機能。

アバターはそれぞれ自分の部屋を一つ持つ。部屋には手持ちの家具を配置したり壁紙・窓・床のデザインを変更したりすることができるほか、他のアバターを自分の部屋に招いてチャットを行うことも可能。逆に自分の部屋を他人に見られたくない場合には訪問を拒否したり、「ピグとも」(ピグ内の【アメーバーピグシステム内の】お友達)のみ訪問を許可するといったこともできる。また、【アメーバーピグシステム内で提供されている】ゲームなどで他のユーザーと対戦したり協力したりすることもできる。

関連ゲーム。アメーバピグのアバター(ピグ)を使用したゲームがいくつか提供されている。【逆に言えば、「アメーバーピグ」と総称されるアメーバーピグシステムとは、「狭義のアメーバーピグ」と「関連ゲーム」によって形成される<仮想空間>と言える、鴨。】

・ピグライフ:自分のピグを使って庭を造るゲーム(2011年5月31日リリース)
・ピグアイランド:自分のピグを使って島を造るゲーム(2012年5月22日リリース)
・ピグカフェ:自分のピグを使って喫茶店を造るゲーム(2012年8月21日リリース)
・ピグワールド:自分のピグを使って街を造るゲーム (2012年11月27日リリース)



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◆商品の運命を左右し決定する<偶然>の必然性

結論を先に述べれば、ピグライフの魅力のエッセンスは「優れた教育研修効果」であり、ピグライフを一言で定義するとすれば、それは「勝れもののマネージメントスキル開発ツール」と言えるのではないか。私はそう考えています。けれども、この主張については、私のほとんどのピグ友を含む多くのピグライフ/ピグワールドユーザーから即座に反論が寄せられる、鴨。例えば、

可愛さこそすべて
ピグライフのエッセンスはその提供する世界の可愛さです。もちろん、チャットで世間が広がる経験とかも楽しいけど、そんなのはどのソーシャルゲームでも同じでしょう。まして、「優れた教育研修効果」なんか意識したこともないし、そう言われても、なんのこっちゃてなもんです。とにかく、ピグ(アバター)にせよグッズにせよ、それらが形作るピグライフの<世界>を覆っている独特の<可愛さ>こそピグライフの魅力の中核です。これに間違いありません、と。


理由なんかありゃーせんです
仮想空間型シュミレーションゲームソムリエを自称するソーシャルゲーム通のユーザーからは、「人気の理由や秘密なんかないです。はい、これが正解。要するにですね。偶然、リリース直後に一番人気のゲームになってしまい、その後はユーザーの多いところに更に新しいユーザーが集まっただけのことですよ。

実際のところ、バグは多いし、しょっちゅうメンテやサーバーリフレッシュやってるし、なによりバグの説明なんかほとんどないし、あってもその中味は民主党議員の選挙演説みたいに内容も誠意も薄いし・・・。基本「無料でも遊べるサービス」という建前(笑)だからまだいいようなもんの、運営のずぼらさったら呆れるしかないわよ。

それに知ってる? ユーザー数2000万人ていったって一人で5個も10個もアカウント開いている人珍しくないです。それにピグライフ始めても3カ月も続く人なんかよくて半分くらいじゃないの。わたしピグ友さん80人いるけど、放置されずに常時手入れされているなって感じるお庭は50くらいだよ」、と。



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しかし、(α)私の主張「マネージメントスキル開発ツール仮説」と(β)「可愛さ仮説:ピグライフの魅力の中核としての可愛さ」、および、(γ)「理由不存在仮説:ピグライフの成功に理由なんかない」という二つの主張は必ずしも矛盾するものではないと考えます。

なぜならば、マクロ的に見れば(γ)「理由不存在仮説」はすべての論者が誰しも認める/立論の前提に暗黙裏にせよ置いている事柄であり、よって本稿で考えようとしている問題は、その機能の面でも提供する楽しさの性質という面でも、ピグライフと同型の他社商品とはほとんど差がないにも関わらず、なぜピグライフは輝く明星になれたのに他の星の数ほどある類似サービスは文字通り「星屑」として「仮想空間型シュミレーションゲーム開発史」の資料の海中に沈んだのかということだからです。

而して、ピグライフが「偶然にも一番人気のゲームになった」ことの理由を究明しようとする場合。ソーシャルゲームの企画・設計というマクロ的な観点からはほとんどどうでもいいような、他商品とのそんなほんの些細な差違がその「偶然」を引き起こしたと考える場合(繰り返しますけれども、本稿では、この「偶然」をなんとか必然化しようとして、おそらく、数百億円単位の資金を投入したのであろう、サイバーエージェント社による宣伝広告という意味でのマーケティング活動の影響は捨象します。)、「可愛さ」というのがその<偶然の扉>を開く鍵であった可能性は低くない、鴨。

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例えば、1987年、それまで長らく、麒麟ラガーがガリバー的存在だった日本のビールマーケットのシェアに激変を引き起こしたアサヒスーパードライは、今となっては単にアルコール分ちょびっと高めのビールにすぎない(そのちょびっと高めのアルコール分とバランスを取るため、苦みも甘みもバランス良く抑える技術開発が偶然を必然に変えるネタだったらしいのですけれども)。

けれども、その後、文字通り雨後の筍の如く数多の銘柄がマーケットに溢れた「地ビール」、あるいは、関税引き下げでそれこそ集中豪雨的に出回るようになったドイツ製やらベルギー製やらの輸入ビールに比べれば、日本的のビールの範疇に収まっているというマクロ的な観点からは、ほとんどどうでもいいような、他商品とのそんなほんの些細な差違がアサヒスーパードライによる劇的なガリバー麒麟ラガーからのシェアNo.1奪取という「偶然」を引き起こしたのです。


また、1980年代半ば当時、①英語のネーティブスピーカーから、②比較的廉価で(確かに、600レッスンもまとめて申し込めばレッスン単価は当時としては「価格破壊的な廉価」ではあったでしょう。)英会話のレッスンを、③首都圏・関西圏以外の自分の住んでいる街で受けられるという状況の出現など誰も夢にも思わなかった当時、NOVAの「駅前留学」のコンセプトとサービスは日本の英会話研修のスタイルを変革しました。

けれども、(NOVAの英会話レッスンもそれらを備えてはいなかったと思いますけれども、)研修効果が統計学的に確認可能で研修効果に必然性のある「本物の英会話研修カリキュラム」の企画・設計、加之、優秀なインストラクターの安定供給の制度構築がなされているかどうかというマクロ的な観点からは、ほとんどどうでもいいような、他商品とのそんなほんの些細な差違が1990年代にその屋上看板が日本の津々浦々の駅前の風景に彩りを添えたNOVAの全国展開という「偶然」を引き起こしたのです。閑話休題。


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ことほど左様に、繰り返しになりますけれども、同じく「ピグライフの人気の理由」を検討しようとしているとしても、(γ)「理由不存在仮説」と他の二者(α)「マネージメントスキル開発ツール仮説」および(β)「可愛さ仮説」との間では各々が脳裏に懐いている「理由」の意味内容が異なっている。そして、実際には(γ)と他の二者は相補的でこそあれ矛盾はしないのです。

ならば、問題は(β)「可愛さ」と(α)「マネージメントスキル開発ツール」の関係は如何。と、このことに収斂する。而して、これまた結論を先にというか、結論だけ書いておけば、

蓋し、(β)「可愛さ」の要素が欠けていたとすれば「偶然=ピグライフの奇跡」は起きなかったのは確実だと思います。しかし、(α)の契機がピグライフに備わっていなかったとすれば、おそらく、「偶然=ピグライフの奇跡」が必然化することはなかっただろう。そう私は考えます。

要は、年間を通して一応生き残った成功したと言えるゲームに限ってみたところで、「ゲーム始めても3カ月も続く人なんかよくて10%くらい」というのが普通だろう他社の類似商品に比べて、間違いなく遥かに高い「継続率」、よって、極めて強力であろう現在の「新規登録者勧誘プロセスにおける口コミドライブ効果」を享受することもピグライフはできなかっただろうということ。

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簡単な話です。例えば、その店がコンビニとしての機能をおおよそ提供してくれている限り、アルバイトやパートのスタッフの方の中の「可愛い高校生」や「親切な主婦の方」、あるいは、「かっこいい大学生」や「頼もしいお父さんのような方」の比率は、その商圏エリア内のコンビニ生き残り戦争の帰趨を決める要因になりうるものかもしれない。正に、これ「死せる孔明、生ける司馬仲達をして敗走せしむ」と通底する事態、鴨。うにゅ、ちと違う(笑)

いずれにせよ、「可愛い女子高校生スタッフ」の存否が、あるコンビニ店の覇権獲得や生き残りの成否を決する「偶然」の要素になりうるということ。けれど、この思考実験は、「それらの店がコンビニとしての機能をおおよそ提供してくれている限り」という前提つきのものなのです。

加之、「可愛さ」といっても、例えば、キャラクター間の競争を想起すれば、ノラさんとエミリーちゃんというピグライフの二枚看板も、ピグワールドの一枚看板のドゥちゃんも(そして、私的に好みのピグライフのユノちゃんも)、本職の女王・キティーちゃん、あるいは、御三家・マイメロディやリトルツインスターズのキキとララとは<格の違い>があるということ。ならば、「可愛さ」がピグライフの覇権を単独で決定した要素ではあり得ない。このことは自明ではないでしょうか。


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<続く>



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