ピグライフは勝れものの「マネージメントスキル開発ツール」かも(中)





◆ピグライフの本性としての自由

ピグライフの人気の理由を問う。これは「ピグライフの楽しさの理由」を問うことと同値だと思います。基本的には「無料でも遊べるサービス」という建前であるにせよ(苦笑)、やっていて楽しくないのなら誰もソーシャルゲームなどやるはずもないですから。

そして、前節で俎上に載せた「可愛いい」という要素はこの「楽しさ」という契機に間違いなく作用しているのでしょうけれど、他方、ピグライフの魅力のエッセンスを「優れた教育研修効果」と捉え、ピグライフとは「勝れもののマネージメントスキル開発ツール」とする私の認識や仮説は、この「楽しさ」という契機とどう切り結んでいるのか。本稿がチャレンジしている問題の構図をこう再定義した上で、以下、ピグライフの魅力について具体的に考えて行きたいと思います。

と、「具体的に考えて行きたい」と書いてはみたものの、けれど・・・。けれども、あるゲームの面白さというのは、料理の美味しさとパラレル。それを堪能したことのある向きにはそもそも説明の必要はなく、そうではない方には百万字を費やそうとも言葉で伝えるのはまず無理な事柄。よって、独断と偏見で断言させていただきます。ピグライフの楽しさの核心はその高い自由度である、と。この高い自由度こそピグライフを「勝れもののマネージメントスキル開発ツール」にしている死活的に重要な契機でもある、と。

б(≧◇≦)ノ ・・・ピグライフの楽しさの核心は自由にある!
б(≧◇≦)ノ ・・・自由と自己責任の価値こそ<教育>の要諦である!


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畢竟、ピグライフの自由度とはどういうことか。それは、ピグライフにおいては(「イベント」と呼ばれる謂わば「ゲーム内ゲーム大会」に参加するもしないもユーザーの勝手というのは前相撲、どんなお庭を作るのかが自由なことは序の口)、ピグライフというシステムを通して、かつ、ピグライフの<仮想世界>の中でどんな快楽と愉悦を獲得したいかもまたユーザーに任せられているということです。

例えば、イベントの早期クリアに邁進するのか、あるいは、この記事冒頭や直上の画像のような美意識一閃、庭主さんの個性華開くお庭作りを目指すのか、それとも、ピグ友との交流をメインに据えるのか。ピグライフ/ピグワールドではこの選択からしてすべてユーザー自身に委ねられています。

而して、(ⅰ)ほんの少し(?)画面上のアイテムを操作する「技術」を覚え、ほんの希に存在しているかもしれない(?)エキセントリックなユーザーに遭遇する不愉快さを我慢できそうなら、

(ⅱa)PC操作技術的には「高層建築」や「空中建築」も比較的容易にできるシステムとあいまって、更に、(ⅱb)日本最大級のユーザーコミュニティーの存在によって、

(ⅲ)「ピグライフを通してこんなことを実現したいかも」という多様なユーザーの多種多様な望みはかなりの程度実現できると思います。

もし、私のこの認識が針小棒大や竜頭蛇尾のものであったとしても、満更、羊頭狗肉でも我田引水でもないとすれば、蓋し、そんな<世界>が楽しくないはずはないのではないでしょうか。 いずれにせよ、ピグライフ/ピグワールドの<世界>で咲き競う、千紫万紅・百花繚乱、多様なお庭と街並みの存在こそがその証左と言える。と、いや別に、私はサイバーエージェントの回し者ではありませんよ(笑)。


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少し理路を急ぎ過ぎました。考察の本線に戻ります。畢竟、ピグライフもピグワールドも(後で述べるように、所謂「e-learningプログラム」もまた)ソーシャルゲームである限り、

それらにおいて、①ネット上で、②不特定多数の他のプレーヤーと交流することが可能であり、よって、ユーザー同士で競争しつつ/妨害しつつ/励まし合いつつ/助け合いつつ、③ゲームを構成している機能や約束事を遵守しながら、④そのゲームの約束事でもある、あらかじめ定義・設定されている「成果」を達成すべく、各ユーザーは行動するものと一応は言えます。

そして、⑤ネット上で提供されている数多の、TOEICやら簿記やらの対策プログラム(e-learningプログラム)と同様、ピグライフを含むほとんどすべてのソーシャルゲームには、成果/研修の進捗状況と各ユーザーのパフォーマンスをユーザー自身が確認できるべく、様々のパラメータ表示機能が組み込まれています。


最後の⑤の「パラメータ」について補足しておけば、例えば、ピグライフでは、現在の到達レベル、現時点の可能なアクション数等が画面上に表示されているというようなことです。ちなみに、e-learningプログラムの画面設計においては、できるだけ少ない種類のパラメーターの表示でもってユーザーにいかに満足してもらえるかが商品企画者の腕の見せ所であり、また、そうすることが開発コスト圧縮の定石(笑)。閑話休題。

再度述べますが、しかし、①~⑤などは独りピグライフ/ピグワールドの特徴などではなく、e-learningプログラムを含むほとんどすべてのソーシャルゲームについて観察される性質です。尚、「e-learningプログラムを含むソーシャルゲーム」と私は書きましたが、蓋し、「ある<ゲーム>に参加するという同じ目的を持った複数のユーザーがその<ゲーム>を通して交流し相互に相手の「ゲームのパフォーマンス」に影響を与えることが可能な、ネット上で作動するシステム」という点で、諸々の「e-learningプログラム」もこのような意味での「ソーシャルゲーム」に包摂される。そう大した実績はありませんが、「e-learningプログラム」の商品企画経験者として私はそう考えています。


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重要なことは、「ピグライフの楽しさの核心はその高い自由度」という私の主張は、これら①~⑤の機能とは直接の関連は寧ろ薄いのであって、ある意味、「高い自由度」という性質はこれらの機能を使っているうちに個々のユーザーが他のユーザーとの交流を通して自ずと、あるいは、偶然に紡ぎ出した<文化>に観察される性質だということ。

換言すれば、<自由>という価値と規範は、これらの機能を貫くピグライフの自覚的・向自的な「哲学」ではなくて、寧ろ、これらの機能に憑依したピグライフの「文化」であり「思想」ではなかろうかということです。

敷衍します。例えば、茶道で珍重される、鎌倉・室町期以前に本邦舶来の「唐物:支那製茶道具」の中には(その「茶道具」が製作さられた当時の現地では)、庶民の普段使いの安ものであったり、「茶碗」「茶入」「花入」などとは全く違う用途で作られ用いられていたものも少なくないとか。蓋し、この「唐物と<茶道>を巡る経緯」と「ピグライフと<自由>を巡る契機」はパラレルなのではないか。そう私は考えているということです。つまり、<自由>は、サイバーエージェント社とユーザーが、就中、ユーザー同士が「社会的」と呼んでもよい相互作用の営みの中で、はからずも協働しつつ自生的に日々編み上げてきた<文化>なの、鴨。


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ピグライフには文化や思想として<自由>が憑依しており、その<自由>が自生的かつ社会的にピグライフを日々再構築している。哲学マニアには、ピグライフの<世界>におけるこの(ヘーゲルの言う意味での)「弁証法」的な<自由>の生成と発展のイメージが、単なる私の認識枠組みではなくて間主観性を帯びうる現実であることはビジネスの現実場面で確認できること、鴨です。

ゲーム自体の面白さ、就中、「ゲーム内ゲーム」たるイベントの文字通りの遊びとしての面白さに巧妙にタグ付けされた「課金アイテムの購入にユーザーを誘導する」というものであろう(笑)、サイバーエージェント社の戦略と意図に反して、現実には、「遊びとしての面白さ」には必ずしもそれほどの魅力を感じない、しかし、他のユーザーとの交流には小さくない関心を懐くピグライフユーザーがそれなりに存在しているのですから。

例えば、(総称としての「アメーバーピグ」を巡る未成年者の犯罪や非行が頻発したためか、今年2012年4月23日午後11時59分をもって、15歳以下の「アメーバーピグ」ユーザーは、その相手の年齢を問わず他のユーザーとの交流ができなくなっていますが、)下記は「アメーバーピグ」システム内のピグライフユーザー交流用公式掲示板に書き込まれたもの。ピグライフにおける<自由>を巡る様相に関してはこれ以上私が言葉を連ねるよりも、紡ぎ出されたこれらの言葉を読んでいただければと思います(★)。而して、次節ではいよいよ「マネージメントスキル開発プログラムとしてのピグライフ」という事柄自体を検討します。


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[ 331 ]うずまきクシナ 4/22 19:40
お庭をお披露目しましょうのとこで、最後だから見に来て下さいっていうのを見かけると
なんだか切なくなります。一部のルールを守れない人達のために、純粋に庭造りを楽しんでいた人達が本当にかわいそう・・・

[491]シリウス 4/23 23:19

明日から【水友さんのお庭に】お出かけできないから記念写真撮った自分←

[504]さくら 4/24 01:05

今までお水交換してくださった方々ありがとうございました。またお水こうかんができる日を楽しみに待っています。
特にライフ始めた頃からお水交換してくださった方々ほんとうにありがとうございました!

[ 629 ]小雪 4/24 17:25

イベントクエストができない15才以下の所に【レアアイテムが普段の2倍の期待値で入手可能な時間帯である】ハッピータイムのお知らせはいらないと思います、私は、あのお知らせ見ると16歳以上の人はイベントクエストやってんだろうなあ、とか思ってちょっと悲しいです。(まあ、そう思わない人もいるかもしれませんが・・・)

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[ 678 ]まるた。4/24 21:24

さみしい庭。
昨日までは水友さんたちが来てくれて、パーティーで食べてもらうのがうれしかったのにな。
クエストもクリアできずに、くやしいのでチューリップみんな刈り取りました。
【収穫回によっては1本も出ないことも希ではないレアアイテムの】白紫がたくさんでて・・・涙

[ 696 ]☆かよっぺ☆ 4/24 22:25

規制がかかるようになって、15歳位下の水友さんが
8人もいたことがわかり、とてもショックでした。
たどたどしいタイピングで一生懸命お話をしてくれる子もいました。
きちんとお礼が言えなかったことが とても心のこりです。
本当に、いままでありがとう・・・
どうか、このメッセージが伝わりますように。


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★註:読売新聞記事-アメーバピグ「15歳以下規制」の功と罪

小中学生にも人気の高いネット上の仮想現実サービス「アメーバピグ」が、15歳以下の利用を大幅に規制する。主要なサービスのほとんどを利用できなくする厳しいもので、子供たちはショックを受けている。

そのアメーバピグと、付随する農場育成系のゲーム・ピグライフにおいて、4月24日から15歳以下に対する規制が行われる。事実上の「利用禁止」に近いものである。ピグをやったことがない人にはわかりにくいが、これはピグとピグライフの魅力ある機能を、すべてNGにした状態に近い。外へも行けず、誰とも会うこと、話すことができず、ただひたすら自分の部屋で着せ替え・模様替えをするだけ。これではピグをやる意味はない。(中略)

運営するサイバーエージェントによれば、15歳以下のユーザーは全体の十数パーセントとのこと。おおまかに言って百数十万人が今回の規制を受けることになる。規制の理由は、不正アクセスなどのトラブルが続いたためだ。パスワードを聞き出して、相手のキャラクターを乗っ取るなどの不正アクセス事件が何度か起きている。被害者・加害者共に小学生という事件も起きており、警察に補導された事件もあった。(後略)

(読売新聞・2012年3月16日


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<続く>
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