総選挙総括報道雑感-独善的かつ情緒的で文芸評論的な言説(上)




安倍自民党の圧勝で終わった今般2012年12月16日の総選挙。無能・無策・無責任の(而して、現象面では、責任転嫁と組織原則の欠如、否、「組織人-社会人」としてのマナーの欠落、要するに、「自民の負の遺産」「政権運営の経験を与えられてこなかった」、「もし、ぶれているという印象を与えたとすれば謝罪したい」等々、当事者意識を欠いた上から目線の強弁とすり替えによるその場しのぎの言い訳が横行した)民主党政権の3年3ヵ月を目の当たりにさせられた身にはこれは当然の結果でしょう。

蓋し、民主党政権の3年3ヵ月がもたらした日本の国益に対する害悪の一番の原因は、それが反日や売国、リベラルや左翼という我々保守派から見れば相容れないイデオロギー的の立場に立っていたことなどよりも(ある意味、「敵ながら侮り難し」の如き、そんな知的で艶っぽい水準での、政策決定とその実行ではなく、寧ろ、「政策が決定されなかったこと」若しくは「決定されたはずの政策が実行されなかったこと」、すなわち、繰り返しますが、民主党政権の)無能・無策にあった。と、そう私は考えるからです。

冗談抜きに、民主党政権よりも、まだ、「政党」としての矜持を保っている、よって、(保守派から見ればいかに不倶戴天の政党であり、その政策がいかに容認できないものであったとしても)その政策の決定と実行に予測可能性だけは感じられたであろう日本共産党が政権を運営した方が遥かにましだったの、鴨とも。


政治の有害さの度合い
 無能・無策>反日・売国>左翼・リベラル



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他方、今般の総選挙の結果を巡っては、
つまり、安倍総理の逆襲や自民党の圧勝については、

(ⅰa)悪夢の政権交代をもたらした2009年の前回と今回の総選挙比例区における自民党の得票率(26.73%-27.66%)がほぼ同じだったことや、あるいは、(ⅰb)戦後最低の59.32%(小選挙区)という投票率。

更には、例えば、(ⅱ)日本テレビと読売新聞が2012年12月17日と18日の両日に実施した総選挙直後の世論調査の結果、その中の「自民党が大勝した最大の理由について」という質問に対して、「民主党政権に失望した」(55%)が最も多く、次いで「他の政党よりましだと思われた」(29%)と続き、それに対して、「安倍総裁が期待された」(4%)、や「政権担当能力が評価された」(4%)、「政策が評価された」(2%)となっていることなどを根拠にして、

畢竟、(ⅲ)今回の自民党の圧勝は国民世論が自民党を「消極的に選択した結果」であり、自民党が選挙公約として掲げた諸項目を国民有権者が「積極的に支持した結果」ではなく、まして、集団的自衛権を巡る政府の憲法解釈の変更、所謂「従軍慰安婦」なるものの存在を認めたとも取れる河野談話の否定等々、安倍晋三総理の持論を国民有権者が容認したわけではないという論調も少なくないようです。


加之、マスメディアの報道の中には、

(ⅳ)「中国、韓国のほか東南アジアでも右傾化を警戒する見方が出ている」(日経新聞・2012年12月17日)、「英紙ガーディアン(電子版)は「日本の総選挙でタカ派の保守(自民党)が政権に復帰し、東アジアは緊張と対立の時代に備えている」と解説した」(朝日新聞・2012年12月17日)と諸外国のメディア報道を引用して、あたかも、世界中で安倍自民党政権の再登場や自民党の圧勝が不安視されているかの如く報じているものも散見されます。


世界は、「尖閣諸島に公務員を常駐させる」「尖閣諸島を巡って支那と交渉の余地はない」、「自衛隊を「国防軍」に改称・改組する」等々、鷹派の自民党政権の勇ましい、前のめりの姿勢/右傾化する日本をそれがアジアの平和と安定を毀損しかねないものと危惧している、と。

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これらの「総選挙結果報道」には実は多様で重層的な問題が混在していると思います。本稿はそれらの総選挙結果報道を目にして懐いた感想を備忘録よろしく箇条書きにして、関連する資料を転記し幾らかコメントを書き足したものです。加之、これらの諸問題を考える上で参考になると思われた産経新聞の古森義久「「右傾化」批判の誤り」(2012年12月18日)を転記することにしました。

ということで、私が懐いた感想は次の5点。

(1)支那と韓国だけがアジアでも、まして、支那と韓国だけが世界ではないですよ

(2)「保守派」「右傾化」「鷹派」それ自体に欧米では特にネガティブな語感はない/少なくとも、それらの言葉はネガティブな意味だけで使われるものではないです

(3)「勇ましい」「前のめり」「戦争ができる日本」等の文学的表現を常套する報道は、<事実>に基づき検証も反証もできない無意味なものであり、そんな形容句・副詞句を用いた「批判の為にするレッテル貼り」は、最早、政治評論において百害あって一利なし。そんな言葉遣いはそろそろやめませんか

(4)グローバル化の昂進著しい、かつ、大衆社会化した福祉国家における選挙では、そもそも、「消去法」以外の投票先の選択基準は存在しない/存在するのは極めて希なケースですよ

(5)投票行動における「棄権」は、それはそれで立派な行動選択の選択肢なの、鴨


以下、これらの感想について、
資料の転記とKABUのコメントを付します。


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◆支那と韓国だけがアジアでも世界でもない


▼「両国関係を急速に拡大させる絶好の機会」 インド有力紙

衆院選の自民党の圧勝を受けて、17日付のインドの有力紙タイムズ・オブ・インディアは1面に自民党の安倍晋三総裁の写真とともに「インドの友人アベが日本で復権へ」との見出しを掲載し、国際面に、確実視される安倍氏の首相就任を歓迎する記事を載せた。

安倍氏が以前、首相を任期途中で辞任したことを「インドは、とてもおいしい前菜の後で、メーンコースを奪われたようだった」と食事に例え、選挙結果を受けて「なかなか手に入らなかった主菜が今になってやって来る」と述べた。

安倍氏を「気持ちの上でインドとつながっていることで知られる」と紹介。対インド外交重視の発言を引用し、「日印関係に大胆な理想を描き、(首相)復帰は両国関係を急速に拡大させる絶好の機会になるはずだ」との専門家の意見を伝え、日印原子力協定交渉の再開にも期待を示した。


(産経新聞・2012年12月17日


▼台湾当局、親台の安倍政権は「われわれにとってプラス」=中国報道

中国メディア・環球網は17日、日本の衆議院議員選挙で自民党が圧勝して政権奪取が決定的になったことについて、台湾の外交当局が「『安倍政権』は台湾にとってプラス」との見解を示したことを伝えた。

記事は、台湾の外交部の「安倍晋三自民党総裁は祖父である故・岸信介元首相や父である故・安倍晋太郎元外相とともに3代に渡って台湾に対して友好的であり、2010年に台北・松山-羽田の直行便が就航した際、自ら台湾を訪問し、馬英九総統と面会をした」との説明を紹介。

また、台湾の陳調和駐日代表も台湾メディアの取材に対して「自民党は台湾に友好的であり、それが大きく変わることはないだろう」と自民党の政権奪還を歓迎する意向を示すとともに、「安倍内閣」により多くの親台派の人物が入閣すれば、日台関係の発展はよりスムーズになるだろうと期待を寄せたという。


(Search Cina・2012年12月17日


▼フィリピン外相が日本の再軍備を支持、中国政府は反発

フィリピンのデルロサリオ外相は、10日付の英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、日本の再軍備を支持する異例の発言を行った。中国外交部(外務省)は「今は一国が他国を抑止するような時代ではない」と反発した。上海紙、東方早報が11日伝えた。

デルロサリオ外相は、南シナ海の領有権を巡って対立している中国を意識し、日本による地域の軍事バランスの維持に期待した。日本の再軍備について「非常に歓迎する」と表明。「日本はこの地域のバランスを保つのに重要な役割を果たしてくれるだろう」との認識を示し、絶えず軍事力を増強している中国が対象国だと包み隠さずに語った。

フィリピン外務省の報道官も「我々は日本が力をつけるのを支持する」と重ねて表明。「フィリピン政府の立場は、日本は自衛隊を格上げし、この地域でより自由な軍事行動を採れるようにすべきだというものだ」と述べた。これに対し中国外交部の洪磊報道官は10日の定例記者会見で、「今はもはや冷戦時代ではない。一国が他の一国を抑止するような問題は存在しない」と一蹴した。

東方早報の記事は、「第2次大戦で日本に侵略された歴史を考えれば、フィリピンの外相が日本の平和憲法改正と再軍備の支持を表明するのは重大な立場の転換」と伝えた。


(Search Cina・2012年12月11日


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これらを見れば、下の日経新聞の記事がまとめた、支那と韓国の「不安-危惧」なるものは極めて、特定アジアローカルおよび(朝日新聞・毎日新聞、岩波書店・NHKといった)日本のリベラル派特有のものでしかないことは自明でしょう。


▼アジア、安倍氏の外交・安保注視 右傾化警戒も

衆院選での自民党勝利を受け、各国首脳は17日、安倍晋三総裁に対し祝意を寄せた。経済関係の深化に期待する声が目立った。海外メディアでは、アジアを中心に、政権交代に伴う外交・安全保障政策への関心が高く、中国、韓国のほか東南アジアでも右傾化を警戒する見方が出ている。 ・・・

中国共産党機関紙、人民日報は17日、衆院選の結果について「経済低迷に伴う、日本の極端な民族主義的感情と右傾化の表れ」と警戒感を示す論評記事を掲載。安倍氏が次期首相となることを念頭に、(1)靖国神社参拝(2)沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)(3)平和憲法の3つの問題では「重大な原則であり、あいまいにすることはできない」とけん制した。

韓国各紙は安倍氏を「右翼」「極右」として警戒感を強めている。17日付の毎日経済新聞は「極右公約実践のため、米日同盟強化を基盤に『親米・反中』外交を展開する計画だ」と指摘。同日付の中央日報は1面記事で「『戦争できる日本』を叫ぶ安倍氏の首相就任が決まった」とした。

南シナ海の領有権を巡り中国と争うフィリピンでは一部地元紙が通信社電を掲載。自民党が中国との領有権問題に強気の姿勢であることなどを指摘した。ベトナムでも国営ラジオ局「ベトナムの声」(電子版)は安倍氏が憲法改正に意欲を示したことなどを報じた。 ・・・


(日本経済新聞・2012年12月17日


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<続く>


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