憲法訴訟を巡る日米の貧困と豊饒☆「忠誠の誓い」合憲判決-リベラル派の妄想に常識の鉄槌(4)




Atheist Loses 2nd "Under God" Court Appeal 

A federal appeals court upheld the use of the words "under God" in the Pledge of Allegiance and "In God We Trust" on U.S. currency, rejecting arguments Thursday that the phrases violate the separation of church and state.

The San Francisco-based 9th U.S. Circuit Court of Appeals panel rejected two legal challenges by Sacramento atheist Michael Newdow, who said the references to God are unconstitutional and infringe on his religious beliefs.


無神論者に神は二匹目の泥鰌は与えなかった

連邦控訴審が忠誠の誓いに含まれる「神の下に」という用語の使用を是認した。アメリカ通貨に刻印・印字されている「我らは神を信じる」という用語についても同様の判断を下した。控訴審の判断は木曜日に【2010年3月11日-東日本大震災のちょうど1年前の日!】、これらの文言の使用は政教分離原則を踏みにじるものだという主張を排したもの【原文の「the separation of church and state」を見れば明らかなように、「政教分離」とは<宗教>と政治的国家とは没交渉であるべきだという主張ではなく、社会的存在である<教会組織>と政治的国家が相互に影響を及ぼすべきではないという主張なのです】。

サンフランシスコに拠点を置く連邦第9巡回控訴裁判所(★)の法廷は、サクラメント在住の無神論者【欧米、就中、アメリカでは「atheist:無神論者」は誤解を怖れず白黒はっきり言えば、寧ろ、「KY:空気がよめない」や「DNQ:無能、低脳、信用出来ない、非常識、支離滅裂」あるいは「人非人」「異常性格者」、もしくは、些か<古語>に属するけれども「逝ってよし」という意味に近いと思います。】Michael Newdow氏が提訴した二つの訴えを退けたのだ【法律用語としての「challenge」には「異議申し立て」や「ある陪審メンバーの忌避(差し替えて欲しいという)申し立て」の意味がありますが、ここでの「challenge」は法律用語として用いられているのではないと思います】。Newdow氏は、神を持ち出すことは違憲であり、また、それは彼の宗教を巡る信条を侵害していると申し立てていたのだけれども。


★註:連邦第9巡回控訴裁判所

連邦第9巡回控訴裁判所(The United States Court of Appeals for the Ninth Circuit)は下記の9州と二つのテリトリーを管轄する、連邦裁判所の控訴審裁判所システムです。すなわち、Alaska, Arizona, California, Hawaii, Idaho, Montana, Nevada, Oregon, Washingtonの9州、および、Guamとthe Northern Mariana Islandsの二つのテリトリー。

ちなみに、テリトリーの住民は「アメリカ市民ではないアメリカ国民:a person holds noncitizen nationality」と観念されており、課税対象となり行政サービスの受益者ではあるが、国家の政治的決定には参与できない(例えば、連邦議会にその代表を送れるが、また、その代表は議会での質疑には参加できるけれども、議会の議決には参与できない/議決の際には途中退席する形式を取る)という存在です。



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The same appeals court caused a national uproar and prompted accusations of judicial activism when it decided in Newdow's favor in 2002, ruling that the pledge violated the First Amendment prohibition against government endorsement of religion.

President George W. Bush called the 2002 decision "ridiculous," senators passed a resolution condemning the ruling and Newdow received death threats.

That lawsuit reached the U.S. Supreme Court in 2004, but the high court said Newdow lacked the legal standing to file the suit because he didn't have custody of his daughter, on whose behalf he brought the case.

而して、2002年のこと、忠誠の誓い(★)は国教禁止を定めるアメリカ合衆国連邦憲法修正1条違反であるとの判断を下すことによって、この同じ連邦第9巡回控訴裁判所はNewdow氏の訴えを認める判決を出した。この2002年判決が国中を激論の渦に巻き込み、もって、司法積極主義に対する非難と怨嗟の震源地になった経緯がある。

実際、この2002年判決を評してGeorge W. Bush大統領は「アホちゃうか、こりゃ、もうちょいでほんま<鳩山由起夫>もんやで」と語られ、加之、アメリカ連邦上院は同判決を非難する決議を可決した。また、Newdow氏が受け取った暗殺予告状も1通や2通ではなかったのである。

この2002年判決は上告され2004年の連邦最高裁判決につながる。而して、最高裁の判断は、Newdow氏は訴訟を提起して当事者になるための法的な資格【原告適格】を欠いており、よって、そんな見せ掛けにすぎない訴えについては中味の審査はできないというものだった。すなわち、彼女にかわってNewdow氏が訴訟を提起した彼の娘に対する監護権(custody)をNewdow氏が持っていない以上、裁判所はそんなNewdow氏の訴えを審査できないということ。


★註:「忠誠の誓い」および「修正1条」の原文

the Pledge of Allegiance
I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.

忠誠の誓い
私はアメリカ合衆国の国旗、および、それが象徴しているこの共和国、すなわち、星条旗が象徴する、自由と正義をその全国民に与える共和国【全国民が等しく、かつ、主体的に国政に参与できる/参与することが義務でもある国であり、また、そこにおける国家レベルの政治的決定は国民代表が合議によって行うか、その代表が合議によって決めるルールに従い選ばれた執行メンバーがこれまた合議を通して決める国家体制である共和国。よって、皇帝ナポレオンがその戴冠式で「余はフランス共和国の皇帝である。余はこの共和国の領土を保全し、共和国国民の信仰的と政治的および市民的の自由を守護する」と宣言した如く、実は、天皇制と毫も矛盾しない国家体制である共和国】。而して、天壌無窮未来永劫けっして分割されることのない一つの国家にして神の下にある【神を讃え神に祝福されている】この共和国に対して忠誠を誓います。

The Constitution of the United States-Amendment I
Congress shall make no law respecting an establishment of religion, or prohibiting the free exercise thereof; or abridging the freedom of speech, or of the press; or the right of the people peaceably to assemble, and to petition the government for a redress of grievances.

アメリカ合衆国憲法修正1条
連邦議会は、国教の樹立にかかわる法律、もしくは、信仰にともなう行動の自由を禁止する法律を制定してはならない。また、言論および出版の自由、もしくは、国民が平穏裏に集会する権利、ならびに、悪政と政治の無能からの救済を求めるため政府に請願する権利を侵す法律を制定してはならない。


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★註:立法事実

立法事実(legislative fact)とは、司法事実(adjudicative fact)すなわち「特定の事件の中で起った特定の事実で,通例裁判所によって訴訟上認定される事実」(時国康夫「憲法事実――特に憲法事実たる立法事実について――」法曹時報15-5, p.22)に対して、社会的な紛争を解決するために司法が適用しようとする法規範が立法された際にその法規範の立法者が念頭に置いていたと思われる事実のことと一応は言えると思います。而して、憲法に引きつけて敷衍すれば、立法事実を巡る議論は、憲法が制定される際に憲法制定者が念頭に置いていた事実(立法事実)はどのような手続きを用いれば特定できるか、そして、立法事実と矛盾する憲法解釈は「妥当な解釈ではないのか」を巡る議論と言える、鴨。

我が国の憲法学方法論が立法事実を向自的に課題としたのは、現在のプロセス法学の源流の一つであるJ・イリー『Democracy and Distrust』(1980年)等が巻き起こした1980年代のアメリカにおける、「原意主義 vs 非原意主義」の議論(アメリカ建国の父達、アメリカ連邦憲法の<立法者>の意志の内容とその拘束力の妥当な範囲と程度の確定を巡る議論)に刺激を受けて以降のことと思われます。

私自身は、近代の「国民国家=主権国家」における現在の憲法規範は時間の流れに伴い、近代国民国家のアイデンティティーを規定するというその自己同一性を保ちつつも、常に変化するものと捉えており、而して、この解釈学的の地平からは(あたかも、英国の裁判所が、原則としては、「立法事実:legislative facts」や「立法経緯legislative history」は「司法判断が影響を受けるべきでない外部の事柄:extrinsic material」すなわち「司法外部の証拠:extrinsic evidence」として排除する傾向があるとされていることとあるいはパラレルに)立法者意志なるものや、まして、(例えば、日本の現行憲法におけるマッカーサー元帥の如き)立法に参与した具体的人物の談話や証言などを含む「立法事実や立法経緯:legislative fact or legislative history」に参考資料を超える以上の意義を法解釈に際して認めない立場を取っています。



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<続く>


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