安倍総理の歴史認識を批判する海外報道紹介(12)




OEDが挙げている二番目の語義には否定的響きがあるにせよ、他は価値中立的か寧ろ肯定的。而して、「愛国心」と「ナショナリズム」の清濁併せ呑むこの経緯は、「Patriotism is the last refuge of a scoundrel」(愛国主義は悪党の最後の避難所)と喝破したSamuel Johnson(1709-1784)自身が、他方、これまた有名な「Oats : A grain, which in England is generally given to horses, but in Scotland appears to support the people.:(燕麦:穀物の一種。イングランドでは馬を養い、スコットランドでは人を養う)と述べた筋金入りのイングランドの愛国者であった経緯と通底している、鴨。


★註:to sent an offering to Yasukuni is bad, and worse・・・

次のセンテンスが「Worse」(さらに悪いことに)で始まっていますから、その前のセンテンスで述べた事柄もこの社説子は「倫理的や政治的に悪いこと」と捉えていることになる。歴代の首相も、そして、昭和天皇も今上天皇も(参拝しない/御親拝されないにしても)春秋の例大祭にはほぼ欠かさず「sent an offering」してきている。

実際の所、(反日リベラルの仲間内で出回っているものは知らず、広く一般の読者に向けて書かれた文章として)国内外を問わず、それ(to sent an offering)自体を「悪いこと」と記した文章を私は初めて目にしました。おそらく、ここまで靖国神社に無知な事実認識は、韓国や支那の無知な「識者」、あるいは、朝日新聞どころではなく『週刊金曜日』レベルのカルト的反日リベラルの情報に起因するものではないか。(9)「Japan’s new cabinet-Back to the future」をFT傘下のEconomistに寄稿したDavid McNeill記者は、その『週刊金曜日』(931号)に「「河野談話」見直しは破局的事態を招く」(pp.23-25)という対談記事に登場していますから、FT社説の情報源に関するこの推測は満更筋悪でもない、鴨。


★註:欧米のスタンダードから見ても宗教施設への言及は掟破り
蓋し、「①靖国神社とは別の、②宗教色のない、③諸外国から問題にされる度合いの少ない、戦死者の追悼施設を創れ」というこの主張は、FTの論説委員会が「靖国神社が国の施設ではない/個人の信仰の場でもある」という基本的な事実認識さえ欠いていたものと思われます。こんなこと、例えば、イスラーム国に対しては言わないでしょうよ。要は、靖国神社とヒトラーの生家跡の区別もついていないんじゃないかい。と、そう私は考えます。


★註:KABUからも一言
FT's forays into Yasukuni-matter are of no use;
it should stick to its knitting.


(ノ-_-)ノ ~┻━┻・..。



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(9)Japan’s new cabinet-Back to the future

(Economist記事・2013年1月5日)

Japan’s new cabinet
Back to the future

Shinzo Abe’s appointment of a scarily right-wing cabinet bodes ill for the region

ON DECEMBER 26th the new prime minister of Japan, Shinzo Abe, unveiled his cabinet. Mr Abe, an arch-nationalist, promises to focus on turning round an economy enduring its third recession in five years. He says he has learnt from his disastrous first term as prime minister, in 2006-07, when economic policymaking was distracted by needless spats over wartime guilt, and by a gaff-prone cabinet.

The question is whether Mr Abe can keep the government on-message. In picking his 19-member cabinet he has given reason to doubt that, in the long run, he even wants to.


日本の新内閣
Back to the future

恐ろしいほど右翼的な第2次安倍内閣の組閣は東アジアを覆う不吉な前兆

日本の新しい首相になった安倍晋三氏が、【2012年】12月26日、その内閣の全貌を明らかにした。民族主義者の首魁とも言うべき安倍首相は、この5年間で3回目の景気低迷に喘ぐ日本経済の再生と転換を国民に堅く誓っている。経済政策立案に注力すべきところを、不必要な戦争犯罪を巡る議論によって妨げられ、あるいは、失言ばかりする閣僚の続出等々、前回の第1次安倍内閣(2006年-2007年)の大失敗から学んだと安倍氏は述べている。

問題は、安倍首相がその政権を「日本経済の再生」という約束の枠内にとどめておけるかどうかだろう。安倍氏が選んだ19人の閣僚の顔ぶれを見るに、しかし、長期的には、安倍氏がその政権を「日本経済の再生」という約束の枠内にとどめておきたいと思っているかどうかさえ疑わしい。

3.png

Consider the following. Fourteen in the cabinet belong to the League for Going to Worship Together at Yasukuni, a controversial Tokyo shrine that honours leaders executed for war crimes. Thirteen support Nihon Kaigi, a nationalist think-tank that advocates a return to “traditional values” and rejects Japan’s “apology diplomacy” for its wartime misdeeds. Nine belong to a parliamentary association that wants the teaching of history in schools to give a better gloss to Japan’s militarist era. They deny most of Japan’s wartime atrocities.

The line-up includes Hakubun Shimomura, the new education minister, who wants to rescind not just the landmark 1995 “Murayama statement”, expressing remorse to Asia for Japan’s atrocities, but even annul the verdicts of the war-crimes trials in Tokyo in 1946-48.

Mr Abe has made no secret of his wish to revise three of the country’s basic modern charters: the American-imposed constitution of 1946, committing Japan to pacifism; the education law, which Mr Abe thinks undervalues patriotism; and the security treaty with the United States, under which Japan plays a junior role. To describe the new government as “conservative” hardly captures its true character. This is a cabinet of radical nationalists.・・・

次の事実を想起して欲しい。靖国神社とは、戦犯として処刑された政治指導者を祀っている神社なのだけれど、19人の閣僚中14人がみんなで靖国神社を参拝する会に属していること。13人が民族主義派のシンクタンクである日本会議を支持していること。ちなみに、日本会議は「伝統的な価値」に回帰することを主張しており、他方、戦争中の日本の悪行に対してなされてきた「謝罪外交」を否定しようとする組織なのだ。そして、閣僚のうち9人が、日本の軍国主義の時代についてより見栄えのよい解説を公教育を通して子供達に教えることを求める国会議員の議員連盟に属していること。

その第2次安倍内閣の閣僚名簿には、新しい文部科学大臣の下村博文氏も含まれている。而して、下村氏は、日本の残虐行為に対して自責の念を吐露しつつ謝罪した1995年の画期的な「村山談話」の撤回のみならず、極東国際軍事裁判(1946年-1948年)の評決を無効にしようとさえ主張している人物なのだ。

安倍首相は、現在の日本社会を整序統合している三つの原理原則を修正したいという意志を隠すことなく明らかにしてきた。すなわち、日本に平和主義を守らせ続けている、アメリカに押し付けられた1946年の憲法。次に、愛国心を適切に評価していないと安倍氏が看做す教育法、そして、その規定の拘束がゆえに日本の果たすべき役割が十全とは言えない日米安全保障条約である。而して、第2次安倍内閣を評して「保守的」と理解するのではその本質を正しく捉えたことにはならない。蓋し、それは急進的民族主義内閣なのである(★)。(後略)


★註:欧米におけるリベラルと保守-右翼と左翼

この記事を書いたDavid McNeill氏は、『週刊金曜日』(931号:2013年2月15日号)の対談記事の中で「世界のメディアの論調は概して、安倍晋三首相を「保守的」(conservative)と評価しています。・・・私は安倍首相は、ある意味で「革命的」(revolutionary)だと考えています。彼は、戦後制定された憲法や、戦前よりはるかにリベラルな教育制度を変えようとしていますよね。これは「保守」というより、欧米の概念ではむしろ「極右」(extreme right)と見なすべきでしょう」(p.23)と述べています。

而して、私には正直、McNeill氏の用語法が理解できません。ただ、彼が「欧米の概念」ではと言いながら、彼の用いている保守とリベラルの概念が欧米における一般的なものとそうそう親和的でもないことは間違いないと思います。この点については下記拙稿をご参照いただければ嬉しいです。


・日本語&英語版「ポリティカルコンパス」紹介
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/61603705.html

・保守主義の再定義(上)~(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/60444711.html




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木花咲耶姫





<後記に続く>


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