安倍自民党の参院選圧勝を伝える海外報道紹介(1)




本稿は「参議院選挙・2013」における安倍総理率いる自民党の圧勝を伝えた海外報道の紹介です。紹介するのは、Washington Post(WPST) の Chico Harlan氏の記事、New York Times(NYT)のMartin Fackler東京支局長の記事、そして、ReutersのLinda Sieg氏による署名配信記事の三本。

(1)Japan ruling bloc cruises to victory in parliamentary election(WPST; July 21, 2013)
(2)Election Win by Ruling Party Signals Change in Japan(NYT; July 21, 2013)
(3)Japan's Abe has chance to show true colors after big election win(Reuters; July 22, 2013)



蓋し、おそらく、この8月15日の閣僚や国会議員の靖国神社参拝を俎上に載せつつ「日本の右傾化」なるものや「日本と近隣諸国との関係悪化」なるものを危惧する海外報道が幾つも現れることでしょう。而して、それらの報道の紹介も弊ブログで行う予定です。

けれども、(ⅰ)本記事、ならびに、(ⅱa)安倍総理の歴史認識、および、(ⅱb)所謂「従軍慰安婦」なるものを巡る日本国内の大方の認識を批判的に報じる海外報道を紹介した下記拙稿もまた、英米における(朝日新聞や毎日新聞、NHKやTBSほど赤裸々ではないにせよ)特定アジアの与力勢力が近々配信するであろうそれら「靖国問題・2013」を巡る海外報道を<鑑賞>する上で些かなりとも皆様のご参考になれば嬉しいです。

・安倍総理の歴史認識を批判する海外報道紹介(1)~(12)+後記(上)(下)
(「後記(下)」に所謂「従軍慰安婦」なるものを巡る現下の論点をまとめています)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/61855076.html

・安倍総理の逆襲-「従軍慰安婦」という空中楼閣に依拠した
 New York Timesの自民党新総裁紹介記事(上)~(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/61507543.html

・橋下「慰安婦発言」批判の海外報道紹介
 --歪んだ論理の磁場の確認とその消磁化の契機として(1)~(9)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/61938729.html


尚、所謂「従軍慰安婦」なるもの、および、靖国神社への首相の参拝に関する私の基本的認識については下記拙稿をご参照ください。

・「慰安婦は必要だった」--慰安婦問題を巡る橋下氏の発言は妥当である--
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/61865685.html

・首相の靖国神社参拝を巡る憲法解釈論と憲法基礎論(1)~(5)
 http://ameblo.jp/kabu2kaiba/entry-11144005619.html


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(1)Japan ruling bloc cruises to victory in parliamentary election

(WPST; July 21, 2013)

Japan ruling bloc cruises to victory in parliamentary election

Japanese voters dealt a runaway election victory Sunday to the ruling Liberal Democratic Party, in a strong sign of approval for Prime Minister Shinzo Abe’s ambitious plan to revive the world’s third-largest economy.

Sunday’s vote, for seats in the upper house of parliament, gives Abe’s ruling bloc control of both chambers — and it provides Abe with a mandate unmatched by any Japanese leader in nearly a decade.

How Abe uses that political power will help determine the long-term health of Japan’s economy and its relations with Asian neighbors. Analysts say Abe could pursue a largely economic agenda, one that includes difficult but needed reforms and austerity measures. But Abe, known as a strong nationalist, also could feel emboldened to speak more openly about his revisionist view of Asian history, one that rejects the idea of Japanese imperial invasion and infuriates China and South ­Korea.


日本の連立与党、国の立法議会選挙で余裕の勝利

日本の有権者は、日曜日【2013年7月21日】に実施された国政選挙で与党自民党に圧倒的な勝利を与えた。この選挙結果は、世界でも三番目の規模のこの経済大国の復活に向けて安倍晋三総理が押し進めている大胆な施策を日本の有権者が強く支持していることの証左である(★)。

国の立法議会上院の議席を巡って投じられた日曜日の投票の結果、安倍首相率いる連立与党は国の立法議会の上下両院双方で主導権を手にした(★)。この選挙結果によって安倍首相はこの10年近くの間、日本のどの政治指導者も持ち得なかった程の国民有権者からの強い政治的の信託をも手にしたことになる。

安倍首相がこの強力な政治力をいかに用いるか。それによって、日本経済がこれから長期にわたって繁栄できるかどうか、そして、アジアの近隣諸国と日本との関係がどのように推移するかが決まるものと思われる。而して、識者の多くは、安倍首相はその大部分が経済政策に絡んだ課題に邁進すると予測する。例えば、困難ではあるけれど必須でもある経済の構造改革や財政の健全化といった諸課題に安倍首相は従事するという予測だ。他方、筋金入りの民族主義者として知られる安倍首相は、それらの経済政策の推進とともに、アジアの歴史に関する自身の修正主義的な歴史観をより率直に語ろうとするのではないかと見る向きもある(★)。自身の歴史観をより率直に語るとは、例えば、帝国主義的な侵略を日本が行ったという歴史認識の否定であり、つまり、支那と韓国を激怒させるということなのだけれども。


★註:議会・国会

他のエントリー記事でも何度か触れているのですが、「議会・国会」を意味する英単語のニュアンスの違いと使い分けを確認しておきましょう。「parliament-diet-congress」の語義の確認です。

ドイツ法を継受した国の「議会・国会」は大体において「diet:der Tag」と言い、中世のフランス法の影響を受けた諸国では、よって、ノルマンコンクエストにより、英国も「議会・国会」は「parliament」と呼びます。そして、歴史的な事情からアメリカ大陸諸国は南北とも一般に「congress」で「議会・国会」を表します。

蓋し、(「ねじれ国会:twisted Diet」の1箇所を除いて)本文テクストでは「diet」という、より正しい用語ではなく「parliament」が用いられているのは、このWPSTの記事の著者には、おそらく、dietという単語はそう親しいものではなかったか、少なくとも、WPSTが建前上にせよ主要な読者として想定しているだろう一般のアメリカ人にはdietは通じない可能性があると著者が危惧した結果、鴨。と、そう私は考えます。よって、訳も「parliament:国の立法議会」と一工夫(?)してみました。尚、日本の「参議院」と「衆議院」は「the House of Councilors, the upper house」と「the House of Representatives, the lower house」、そして、国を問わず普通名詞(?)国会議員は「lawmaker」と表記するのが一般的だと思います。

而して、parliamentの語源は「parlor」(客間風の店)と同様に「話し合う+場所」の意味。congressの語源は、「company」(一緒にパンを食べる仲間)や「progress」(前に歩いて進む)と一脈通じていて、「共に歩いて行くところ」の意味です。まー、これらは「そのまんまやんけ」もの、鴨。

他方、dietの方は少し微妙。「diet」は中世ラテン語の diete に由来する言葉。そして、その diete は、普通名詞「dies:日」(day:der Tag)が抽象名詞化した言葉で「一日がかりの旅、仕事、執務、・・・」を意味しました。ドイツ語では、ドイツ国すなわちドイツ連邦の「議会・国会」を der Reichtag, der Bundestag(kingdom's Diet, Federal Diet)と呼んでいますが、これは、神聖ローマ帝国時代の諸侯・聖職者会議が 「diete:一日がかりの旅・仕事・執務」と呼ばれていたことに由来します。

いずれにせよ、今の我が国では(会期が最も短い年でも)国会議員はおおよそ「1月~6月」の通常国会と「10月~11月」の臨時国会で併せて、約8ヵ月、240日ほどの仕事ですから「一日がかりの仕事」というよりはヘビータスクなはず。しかし、安倍政権になってからの自民党議員の獅子奮迅・不眠不休の働きは称賛に値するとしても、民主党政権下の3年余の間に民主党の衆参の国会議員がそう働いていたようには到底私には見えませんでした。

(ノ-_-)ノ ~┻━┻・..。


★註:首相

内閣総理大臣、要は、「首相・総理・宰相」を表す英単語には、「premier-prime minister-chancellor」の三つがあります。前二者は、「国会議員・下院議員」(a Member of parliament)と紛らわしくないコンテクストでは(それと同じ略号の)「MP」と略記されることもままあります。さて、「premier」「prime minister」「chancellor」の語感。

日本の首相は premierとprime minister の両方で表記されますが、通常、premierは「大統領」なり「共産党総書記」なり「偉大な領袖様」などの最高指導者が別にいる国の首相のこと。よって、英国の首相は prime ministerとしか言わず、他方、慣習的にドイツの首相は chancellor と呼ばれます。ちなみに、アメリカの一部の地域、例えば、中西部では「大学総長/分校の学長」をchancellorと呼ぶ例も少なくありません。ただし、アメリカでも一般的には「学長・総長」はpresidentですよ。



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<続く>



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