火事おこした病院は悪いんだろうけど、規制の厳格運用だけだと「入院お断り」の病院続出だよ




私達の郷里、福岡県で痛ましい事故が起きたらしいです。福岡市の一等地(多分?)にある名門の病院の火災事故。犠牲者の方、ご遺族の方には心からお悔やみ申し上げます。而して、本稿は--ミクロ的な病院経営という意味の「合理性」では断じてないのは当然のこととして、日本の医療サービスを維持すること、すなわち、国の厚生経済全体というマクロ的な意味でも--間違っても「多少の犠牲は経済合理性からみてしょんなかたい(しかたがないですよ)」「事故に遭遇されたのはお気の毒ち思うばってん(お気の毒ではあると思いますけれど)、ここは、「運が悪かった」と思って諦めんとでけんばい(諦めるしかないですよ)」と言うものではありません。ただ、安心と個別の診療所経営、安全と国民福祉全体との調整を、端的な規制強化や規制の厳格運用という手法に専ら頼ることは問題ではないか。と、そういう問題提起というか呟きです。


▼<博多・病院火災>消防局 過去に防火扉の障害など指導
福岡市博多区の医院「安部整形外科」で10人が死亡した火災で、市消防局による過去5年間の査察の内容が関係者への取材で分かった。防火扉をストッパーで固定したり、避難の妨げとなる物品を階段に置いており、繰り返し撤去の指導を受けていた。今回の火災では医院内の防火扉のほとんどが開いたままで、被害を拡大させたとみられている。県警や消防は、障害物で閉じなかった可能性もあるとみて調べている。

(毎日新聞・2013年10月17日


で、どうせいと毎日新聞は言いたいのでしょうか。毎日新聞だけでなく、こういう事件や事故が起きると日本のマスメディアは異口同音に「消防署の対処に問題はなかったか」「警察にはもっとできることがあったのではないか」「国や地方自治体は資金面のサポートを含め診療所を指導することはできなかったのか」等々、国や地方自治体の落ち度の存在を前提にした、犠牲者にも加害者にも「優しい」口調のコメントを発信してはいないでしょうか。

而して、国や地方自治体の行政側もまた、①事故を起こした診療所に対する指導に問題がなかったかどうか(最近は、第三者機関を作り)早急に調査する、②このような事故が二度と起こらないように、消防・警察は当然として関連する行政セクターすべてが密に連絡を取り、早急に現状把握に努める、いずれにせよ、③現行法でできることがないか精査して、もし、できることがあるのであれば現行法の厳格な適用と運用を行っていきたい。とかとか、「落ち度の存在の前提」を回避する無内容で当事者意識が希薄なコメントを出すのがお決まりのパターン、鴨。

私はこのような心優しい、しかし、余計なお世話のコメントが大嫌いです。また、行政の自己保身みえみえの、慇懃無礼かつ無内容で、地域医療の現場で体を張って頑張ってくださっている医療関係者の更なる負担でもって世間の批判をかわそうとするかの如きコメントも大嫌い。なぜならば、そのようなコメントの示唆する方向が現状を改善する度合いはそう大きくはないと思うから。要は、こんなコメントは書く方にも話す方にも、読む方にも聞く方にとっても時間の無駄、エコじゃない、と思うからです。


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あのー、皆さん覚えておられますか、今年の2月にガソリンスタンド(SS)の設備規制が変更厳格化され--ガソリンスタンド地下タンクを全面入れ替えるかFRP加工するかを義務付けた「改正地下タンク法」の適用が2013年2月から施行され--全国でガソリンスタンドが大量に店じまいしたことを。大量の「ガソリン難民」が発生したことを。

喉元過ぎればなんとやらで、もう、あまりTVも新聞もニュースとしては取り上げませんけれど、例えば、九州の田舎エリア(?)の中では比較的恵まれている、私達の郷里、筑後地方も、ガソリンスタンド過疎は深刻、よって、ガソリン難民は今年2月から常態化して現在に至っているのですよね。


病院経営も--勝ち組と負け組の差が激しい、特に、設備投資の回収が終わった2代目・3代目ならまだしも新規参入組は基本的に厳しいのはどのビジネスでも同じでしょうが--そうそう楽ではないらしい。

また、マスオさんの若先生は、大先生の代から勤めておられる師長(しばしばそういう診療所や病院では、師長ご自身がご自分が長年慣れ親しんだ「婦長」の呼称を好まれるから、他の診療所や病院から移ってきたばかりの新参の看護師・準看護師、放射線技師やパラメディカルスタッフの方々はその「大奥総支配方様」に呼びかける際に一瞬躊躇したりもするとかの、<権威>のみならず<権力>を握っている師長)のご機嫌をとったり、風と共に来たりて嵐とともに--あるいは、なーんの断りもなく速攻で--辞めていく看護師の補充に疲れ果てているケースも少なくないとか。

いやー、全く別の業界ですが、私も経験上、オーストラリア人の英会話講師の12.5%は半年以内に無断退職(←無断欠勤ではない!)する、カナダ人の講師やカリフォールニア出身のアメリカ人講師は--彼でも彼女でも--33%の確率で生徒(彼女にでも彼にでも)に手を出すもの。と、達観していますが、病院スタッフも、例えば、ブログ友の桜乃宮アリス姫のような、知性と学識は言うに及ばず、お茶目で性格もよく常識人でかつ仕事もできる方ばかりではないということらしい・・・。


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何を言いたいのか。要は、一般論で言えば、人件費から見て病院・診療所にとって「入院治療サービス」はそうプロフィッタブルなものではないらしいということ。実際、認知症患者の介護施設入院の場合ですが、要介護4から5以上のほとんど寝たきりの患者さんは人件費コストがかからないから受け入れるけれど、体は元気な、かつ、徘徊症候はないにしても「物取られ妄想」が顕著な、特に、要介護3クラスの患者さんは--スタッフが常時見ていないといけないのでコストがかってかかって堪らんですけん(堪りませんから)--入院はお断りですという施設もあったりしますから。

而して、医は仁術ばかりではないにせよ、医は算術ばかりでもないのが「この国もまだ見捨てたものじゃないわよね」という現実の偽らざる様相でしょう。けれど、所詮、経営が成り立たなければ仁術も算術もどちらもご破算になるのは偽らざる現実。

ならば、そうそう潤沢な資金を運用可能な病院や診療所ばかりではないだろうから、もし、今回の事故を「一罰百戒」的な教訓ととらえて、行政が保身に走り、もって、消防法や建築基準法やらの規制強化、もしくは、規制の厳格適用や厳格運用を行うことになれば、「当局のご指導もあり、今後、当院では入院はお断りさせていただきます」と言い出す病院や診療所が続出するのではないかしらん。と、そう私は危惧します。


ここ重要な点なので再論しま。私は、あくまでも「規制強化や厳格運用」に反対しているのではないのです。また、いろんな事情はあろうが件の安部整形外科の責任が免除や減免されるべきだと言っているのでもありません。ただ、「規制強化や厳格運用」だけでこのような悲惨な事故が防げるとか減らせるとか考えるのは間違いではないでしょうか。と、そう思っているということです。

というか、いや、正しくは、「規制強化や厳格運用」だけでもこのような悲惨な事故は防げるか減らせる、鴨ですね。だって、世の中から「入院患者」がいなくなれば、論理的に「火災事故に遭難する入院患者」なるものは存在しえないでしょうから。

でもね、これ、台所に出るゴキブリが嫌いだから、いっそ家に火をつけて燃やしてしまうのと、実は、そう変わらなかったりしませんか。イジメ問題が深刻だから、その抜本的な解決のために小学校や中学校を全廃するような対応と同じだったりしませんでしょうか。

実際、自転車の飲酒運転、親と幼児の自転車の二人乗り。この二つだけでも現行法を厳格適用・厳格運用し始めたら、その適用・運用の開始初日から日本の国民生活はフリーズです。それが分かっているから、そして、国民世論からの猛烈な批判が浴びせられるのが火を見るより明らかだから--取締りの人員が全然足りないことだけでなく--警察も自治体も現行法の厳格適用・厳格運用はしていないの、鴨。

蓋し、そのような、ジョークにもならない「対応」を--世間やマスメディアの批判に抗弁すべく--自己の保身のためなら平気でやる人々のことを「公務員」とか「役人」とか「官僚」と言うのだとすれば、国民世論は、そんな公務員の責任逃れのための規制強化や規制の厳格運用を--心優しいマスメディアの報道に促されても--容認すべきではないことだけは明らかではないか。

畢竟、そんな公務員の安易な冗談みたいな対応を、古人は「角を矯めて牛を殺す」と表現していたの、鴨。と、そう私は考えます。この世に「完全な安心」や絶対の安全」など存在しない、ならば、行政にそれを要求するマスメディアの主張は、国家や権力の万能感、すなわち、人間の万能感に憑依された「心優しい口調という羊の皮を被った社会主義的の傲岸不遜の狼」にすぎない。而して、蓋し、何事も中庸を踏まえた「ほどほど」がよろしいのではないか、とも。


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