安倍総理、ニューヨークに行く




今回紹介するのは、2013年9月、ニューヨークを訪問した安倍総理の活動を報じた記事2本です。TOEICパート7の後半問題と見立てて読んでいただければと思います。その際、自分がETSのTOEIC制作担当スタッフなら「この2パッセージからどんな設問を出題するだろうか」、そう考えながら読んでいただければTOEIC対策には一層効果的、鴨ですよ。

б(≧◇≦)ノ ・・・頑張ろうTOEIC対策!
б(≧◇≦)ノ ・・・頑張ろう日本!



Abe Tells Wall Street Japan’s Economy Is Exceptionally Good
Japanese Prime Minister Shinzo Abe urged Wall Street traders to invest in Japan, promising in a speech at the New York Stock Exchange yesterday that its economy will become a driving force for global recovery.

Abe vowed to conclude regional free trade talks by the end of the year and promoted Japanese products from sushi to LED light bulbs and a high-speed train system he said could link New York and Washington D.C. in less than an hour. In a second speech at the conservative Hudson Institute he defended a military spending increases and said he wants Japan to be a “proactive contributor to peace.”

Abe took office in December vowing to revive the moribund economy with what’s been dubbed Abenomics, a combination of drastic monetary easing, fiscal stimulus and regulatory reform. The economy has since seen three straight quarters of economic expansion and the Topix index has risen 41 percent this year.

“The Japanese economy that now surrounds us is exceptionally good,” Abe said in his New York Stock Exchange speech, urging traders to “buy my Abenomics.”

In separate comments yesterday on Japan’s security policy, Abe brushed off criticism of his plans for a more assertive defense posture. “We have an immediate neighbor whose military expenditure is at least twice as large as Japan’s,” he said, in a reference to China, with whom Japan is embroiled in a territorial dispute.

He added that he had increased Japan’s defense budget by just 0.8 percent this year. “So call me, if you want, a right-wing militarist,” he told the Hudson Institute, where he was the first non-American to receive the group’s Herman Kahn Award, named after the physicist-turned-political commentator who founded the research organization and predicted in the early 1960s that Japan would become an economic superpower. ・・・


(297 words)

【出典:bloomberg.net, Sep 26, 2013



Japan's Abe says no concessions, but no escalation in islet spat with China
Japan will make no concessions on sovereignty over Pacific islets also claimed by China, but will not make any moves to escalate the situation, Prime Minister Shinzo Abe said on Friday.

Tokyo is locked in a territorial dispute with Beijing over a group of East China Sea islets, called the Senkaku in Japan and Diaoyu in China. They have become a theater for cat-and-mouse operations by patrol vessels from both sides.

"The intrusions by Chinese government vessels in our territorial waters are continuing, to our regret. However, Japan will not make a concession on our territorial sovereignty," Abe told a news conference in New York.

"We do not intend to escalate this issue any further. We have been dealing with this issue calmly and resolutely and we shall continue to do so."

Abe, visiting New York for the annual United Nations General Assembly, told reporters that he told Chinese President Xi Jinping during a brief meeting at the G20 summit in Russia this month that the two sides should restore dialogue.

"We should not close the doors to dialogue because there is a problem. Rather the existence of issues warrant a good discussion among the high-level officials of both governments," Abe said. "The door to dialogue is always open and I really hope the Chinese side would take the same mindset."・・・

In addition to the East China Sea dispute with Japan, China has disputes over islands and waters in the South China Sea with the Philippines, Vietnam, Malaysia and Brunei.・・・


(250 words)

【出典:Reuters, Sep 27, 2013


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【語彙】
Wall Street:ウォール街(比喩的に「アメリカの投資家の人々」「アメリカの金融市場」), urge:強く促す, the New York Stock Exchange:ニューヨーク証券取引所, vow:誓う/固く約束する, the conservative Hudson Institute:保守系のハドソン研究所, defend:~を正当化する, proactive contributor to peace:率先して平和に貢献する存在(cf. active pacifism:積極的平和主義),

moribund economy:瀕死の経済状況, be dubbed:世間で~という渾名で呼ばれている, Abenomics:アベノミクス, quarter:四半期, Topix:Tokyo Stock Price Index(東京証券取引所の一部上場企業全社の平均株価動向指数。ちなみに、「日経平均株価」は東証一部企業の主要225社の平均株価動向指数ですよ),

security policy:安全保障政策, brush off:はねつける/無視する/歯牙にもかけない, assertive defense posture:他者からの容喙を許さない独自の国防政策を貫徹する姿勢, military expenditure:軍事費(cf. defense budget:防衛予算), in a reference to:~に関して/~を念頭に置きながら, embroil:巻き込む, Herman Kahn Award:ハーマン・カーン賞


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concession:譲歩, islet:小島, spat with:~との間の小競り合い, sovereignty over:~に関する統治権, territorial dispute:領土紛争, cat-and-mouse:追いつ追われつの, patrol vessel:巡視船, intrusion:不法侵入, news conference(cf. press conference):記者会見, calmly and resolutely:冷静にかつ断固として,

the annual United Nations General Assembly:国連の年次総会, restore:再開する/復活させる(cf. the Meiji Restoration:明治維新), warrant:(主語が表していることを鑑みるに)~は当然のことである, mindset:ものの考え方


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【読解躓きの石】
前半のパッセージで「Hudson Institute」にconservative (保守系の)という形容句がついていますね。シンクタンクの保守・リベラルの色分けは、アメリカの政治を巡る記事を読む上での「常識」、鴨です。少なくとも、その情報を知っていれば「誤訳」のリスクがかなり減ることは間違いない。ということで、確認しておきましょう。

[保守系シンクタンク]
Heritage Foundation(ヘリテージ財団), American Enterprise Institute(アメリカンエンタープライズ研究所), Hoover Institute(フーバー研究所), そして、Hudson Institute(ハドソン研究所)

[リベラル系シンクタンク]
Center for American Progress(アメリカ進歩センター), Economic Policy Institute(経済政策研究所), Institute for Policy Studies(政策研究所), Third Way(サードウェィ)

ちなみに、アメリカでは連邦政府の政府高官は、原則、政治任用者(political appointee)であり、大統領が変わる度に、まして、政権が--民主党から共和党に、共和党から民主党に--変わる際には、数千人規模で高級官僚が入れ替わります。加えて、官僚に比べれば身分保障が手厚いとはいえ、連邦裁判所の裁判官や行政委員会の上級執行メンバーも漸次、大統領が変われば入れ替わる。そして、上に名前を挙げたシンクタンクは潜在的に次期政権の「高級官僚」や「行政委員会の最高幹部」の供給源、ヒューマンリソースタンク(笑)でもあるのですよね。


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後半のパッセージに題材を求めて「理由」「原因」を表す従属接続詞
の復習をしておきましょう。
これです。

1)We should not close the doors to dialogue because there is a problem.
(問題があるから対話の扉を閉じました、なんてことはあってはならない)

では次の英文はどんな意味になるでしょうか?

2)We should not close the doors to dialogue, for there is a problem.
3)Since there is a problem, we should not close the doors to dialogue.

4)Even though there is a problem, we should not close the doors to dialogue.
5)Even if there is a problem, we should not close the doors to dialogue.

取りあえず訳しておくと、
こんな所でしょう。

2)問題があるならばこそ、対話の扉を閉じては駄目でしょう
=対話の扉を閉じては駄目でしょうよ、そこに問題があるのならね
3)問題ありありなんだから、対話の扉を閉じちゃ駄目だーつーの

4)確かに問題は存在する。
でも、だからといって、対話の扉を閉じてはなりません
5)問題が存在しようがしまいが、対話の扉を閉じてはなりません

4)5)の違い、すなわち、「even though」は、現実に存在する事柄を引き合いに出して、例えば、「よしんば、菅直人が日本の近代政治史上最低の首相だったとしても、鳩山由起夫の最悪さに比べればまだましだった」という意味になるのに対して、「even if」は、現実には存在しないだろう架空の事象を念頭に置いて、例えば、「よしんば、安倍政権が10年以上続く超長期安定政権にはならないとしても、今後再び民主党が日本で政権を取ることは絶対にないですよね」という具合に使います。

而して、問題は、1)2)3)の差違。

2)と3)の違いは、原因や理由となる事実の存在についてどれだけ話者が強く確信を懐いているかどうかに収斂すると言える。と、そう私は考えます。けれども、実は、1)「We should not close the doors to dialogue because there is a problem.」は、2)または3)類似の意味にも取れないことはないと思います。つまり、becauseが導く従属節が、「close the doors」の理由や原因なのか、それとも、「should not close the doors」の理由や原因なのかが必ずしも明確ではないということ。そこで、本文テクストではこのセンテンスの直後に「Rather the existence of issues warrant・・・」と言葉を足して、becauseの導く従属節が前者の「close the doors」の理由や原因であることを明らかにしているの、鴨です。



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【和訳】

安倍首相、日本経済の視界極めて良好とアメリカの投資家に訴える
日本の安倍晋三首相がウォール街の投資家達に日本への投資を強く促した。昨日【2013年9月25日】、ニューヨーク証券取引所で行った演説で、日本経済は間違いなく世界経済回復の動力源になると請けあった上で日本への投資を呼びかけたのだ。

安倍首相は、地域自由貿易協議の交渉がこの年末までには妥結すること【←結局、この「納期」の約束はアメリカの国内事情のために来年、2014年の桜の咲く頃まで延期される模様にはなりました】、そして、寿司からLED電球や新幹線システムに至るまで日本がその製品生産を促進することを誓った。ちなみに、高速鉄道システムであるこの新幹線システムは、安倍首相の言う所によれば、ニューヨークとワシントン間を1時間足らずで結びつけることができるもの。保守系のハドソン研究所で行った別の講演では(in a second speech)、安倍首相は、日本の国防予算の増額を正当化した上で、安倍政権は、日本を「率先して平和に貢献する存在」に変えることを目指していると述べた。

昨年の12月の首相就任の際に安倍首相は、アベノミクスと呼ばれる経済政策で瀕死の状況にある日本経済を回復させることを固く約束した。アベノミクスとは、異次元の金融緩和、大胆な財政出動、および、経済規制の撤廃を睨んだ規制改革の組み合わせなのだけれども。而して、安倍政権誕生以降、3連続の四半期、日本経済は成長を持続しておりTokyo Stock Price Index(Topix)は今年41%上昇した。

ニューヨーク証券取引所で行った演説で安倍首相は、「我々を取り巻く日本経済の状況は極めて良好であります」「どうか、私のアベノミクスにご投資たまわらんことを」と、アメリカの投資家に日本への投資を促したのである。

日本の安全保障政策について昨日行った別の講演で、而して、安全保障を巡り自分の国は自分で守る矜持をより鮮明にしている安倍内閣の姿勢、その姿勢に対する批判を歯牙にもかけず、安倍首相は、日本が領土紛争を抱えている支那を念頭に置きつつ「少なくとも日本の2倍の軍事費を使っている国を日本は直接の隣国に持っているのであります」と述べた。

今年、日本の防衛予算を前年比で0.8%だけ増加させたことも付け加えた上で、「もし、私を右翼の軍国主義者と皆様が呼びたいのなら、どうぞそう呼ばれればよろしい」とハドソン研究所で行った講演で安倍首相は聴衆に語りかけた。実は、そのハドソン研究所で安倍首相は、物理学者から政治評論家に転身したハーマン・カーン氏、すなわち、1960年代の初頭に日本が経済大国になることを予想した同研究所創設者の名前を冠したハーマン・カーン賞をアメリカ人以外で始めて授与されたのだけれども。・・・


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日本の安倍首相、支那には譲歩せず、他方、島礁を巡る紛争の激化も望まないと述べる
支那もその領土主権を主張している太平洋上の島礁の主権を巡って日本が譲歩することなどあり得ない、しかし、現下の紛争状況を激化させるような行動もまた日本は取るつもりもない。金曜日【2013年9月27日】に日本の安倍晋三首相はそう述べた。

日本では尖閣諸島と呼ばれ、支那では釣魚島およびその付属諸島と呼ばれている、東シナ海洋上に浮かぶこの諸島について、日本政府は支那政府との間で進退いずれも困難な領土紛争のただ中にある。而して、尖閣諸島周辺海域は、現在、日本と支那双方の巡視船が相手側巡視船に対して繰り広げる抜きつ抜かれつの作戦行動の舞台と化している。

「支那の公船による我が国領海への度重なる不法侵入。これは日本政府が遺憾とすることであります。日本は、しかし、我が国の領土主権に関していかなる譲歩も行うことはありません」、と。そう、ニューヨークの記者会見で安倍首相は断言した。

「現下の状況をこれ以上激化させる意図を日本は持っておりません。日本政府はこの問題に冷静かつ断固として対処してきましたし、これからもそうして行くことになりましょう」とも。

国連の年次総会に出席すべくニューヨークを訪れた安倍首相は、そこでの記者会見で、ロシアで今月開催されたG20サミットの際に、支那の習近平国家主席とごく短時間行った会談で、日本と支那との対話を復活させるべきだと語りかけたことを明らかにした。

「問題があるのだから対話の扉を閉じるなどということはあってはならない。問題があるからこそ、両国政府の高いレベルでの議論を行うべきなのではありますまいか」「対話の扉を我々は常に開けており、私は支那側が我々と同じものの考え方をしてくることを心底希望しています」と、安倍首相は語った。・・・

東シナ海での日本との紛争に加えて、南シナ海の幾つもの諸島と領海を巡って支那はフィリピン、ベトナム、マレーシア、および、ブルネイとの間でも紛争を抱えている。・・・・


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