NYT社説<安倍首相の「従軍慰安婦」の強制性否定>非難

comfortwomenus


昨日のNew York Timesはその 社説(Editorial)で、安倍晋三首相が所謂「従軍慰安婦」なるものについて、日本軍の直接の強制があったことを示す証拠はないと発言したことを俎上に乗せた。”No Comfort”「慰安婦は存在しなかったでは不満だ」(March 6, 2007)である。

それは、現在では、所謂「従軍慰安婦」の存在を認める論者さえ、日本軍の関与を示す直接の証拠にはならないとして引用するのを躊躇う<事実>を根拠にして、所謂「従軍慰安婦」の存在を肯定し、而して、(直接の強制はなかった→日本には賠償をともなう謝罪をする法的と政治的-道義的な責任はないとする)安倍首相を批判したもの。

蓋し、この社説は、それが故意に書かれたとすれば根拠を欠いた悪質な誹謗中傷であり、過失とするならば不勉強のそしりを免れないお粗末なものだ。けれども、(この社説が、ネット界では反日記事の書き手として有名な ニューヨークタイムズ の Norimitsu Onishi(大西哲光)東京支局長の手になるものだったとしても)アメリカ人一般のこの問題に関する認識を知る上では、逆に、好個のケースと言えるだろう。そう思い、また、この文章が新聞社の主張を広く世に訴えるための Editorial であることを鑑み全訳で紹介する。尚、所謂「従軍慰安婦」なるものを巡る問題をどう捉えればよいのかに関する私の基本的考えに関しては下記拙稿を参照いただければ嬉しい。

「従軍慰安婦」問題攻略マニュアル(前提)(方針)
 

What part of “Japanese Army sex slaves” does Japan’s prime minister, Shinzo Abe, have so much trouble understanding and apologizing for?

The underlying facts have long been beyond serious dispute. During World War II, Japan’s Army set up sites where women rounded up from Japanese colonies like Korea were expected to deliver sexual services to Japan’s soldiers.

These were not commercial brothels. Force, explicit and implicit, was used in recruiting these women. What went on in them was serial rape, not prostitution. The Japanese Army’s involvement is documented in the government’s own defense files. A senior Tokyo official more or less apologized for this horrific crime in 1993. The unofficial fund set up to compensate victims is set to close down this month.


日本の内閣総理大臣、安倍晋三首相は、所謂「従軍慰安婦」を理解するのに、つまり、所謂「従軍慰安婦」中のどのような方々に対して謝罪するかを決めることに、なぜにかくも苦労しておられるのか。

基本的な事実を巡っては遥か前に決着して議論の段階は終わっているではないか。第二次世界対戦中、日本軍は、韓国のような日本の旧植民地からかり集めた女性達に、日本兵に性的なもてなしをさせるべく特別の場所を設けたのである。

それらの施設は商業ベースの売春宿などではなく、それらの女性達を調達するについては、明示的であれ黙示的であれ強制力が使われたのだ。而して、彼女達の身に降り掛かったものは恒常的な陵辱であり、それは、売春などではなかった。日本軍がそれに関わっていたことは、日本政府の所有にかかる裁判の弁護側資料の中に記録されている。だが、日本政府のある高官は1993年にこの身の毛もよだつほど恐ろしい犯罪について多少なりとも謝罪した。他方、犠牲者に賠償する目的で民間の基金も設立されたが、その基金も今月には解散される。


And Mr. Abe wants the issue to end there. Last week, he claimed that there was no evidence that the victims had been coerced. Yesterday, he grudgingly acknowledged the 1993 quasi apology, but only as part of a pre-emptive declaration that his government would reject the call, now pending in the United States Congress, for an official apology. America isn’t the only country interested in seeing Japan belatedly accept full responsibility. Korea and China are also infuriated by years of Japanese equivocations over the issue.

Mr. Abe seems less concerned with repairing Japan’s sullied international reputation than with appealing to a large right-wing faction within his Liberal Democratic Party that insists that the whole shameful episode was a case of healthy private enterprise. One ruling party lawmaker, in his misplaced zeal to exculpate the Army, even suggested the offensive analogy of a college that outsourced its cafeteria to a private firm.


而して、安倍首相はこの問題をそこで打ち切る構えだ。先週、安倍首相は、犠牲者が強要されたという何の証拠も存在しないと主張した。そして、昨日、1993年の謝罪もどきの声明を彼は不承不承ながら認めたのではあるが、しかし、それさえも、現在アメリカ議会に上程されている日本に公式の謝罪を求める対日要求について、その要求が採択されたとしても安倍政権はそれを拒否することになろうという、いわば先制攻撃的の宣言の中で述べられたものにすぎない。日本は十分な責任をいまだに果たしていない。そう見ているのは、しかし、アメリカだけではないのであって、韓国も支那もまたこの問題を巡る年来の曖昧な日本の態度に鬱憤をつのらせてきたのだ。

安倍首相は、日本の国際的な評価につけられた汚点を除くことよりも、彼が率いる自民党内部の巨大な右派勢力に好感を持たれることにより関心があるようだ。その右派勢力とは、この恥ずべき(日本軍の)逸話のほとんどすべては、民間の業者の極普通のビジネスの事例にすぎないと断言している勢力なのだけれども。ある与党の国会議員は、日本軍を無罪放免にしたいという熱心さから発した不適切な発言の中で、食堂の運営を民間企業に業務委託している大学の喩えを使い(所謂「従軍慰安婦」に関する日本軍の関与を認める主張に対して)攻撃を加えようとさえしたのである。(KABU註:「アメリカの議会に上程されている対日要求」については下記参照いただきたい)

アメリカ下院<「従軍慰安婦」を巡る対日批判決議案>(上)(下)
 

Japan is only dishonored by such efforts to contort the truth.

The 1993 statement needs to be expanded upon, not whittled down. Parliament should issue a frank apology and provide generous official compensation to the surviving victims. It is time for Japan’s politicians ― starting with Mr. Abe ― to recognize that the first step toward overcoming a shameful past is acknowledging it.


日本の名誉を本当に貶めているものはこのような真理を操作しようという行いに違いない。

1993年の談話は拡張されこそすれ、決して、後退させられるべきものでははない。日本の国会は率直な謝罪を表明し、かつ、生存している犠牲者に十分に公的な賠償を与えるべきなのだ。恥ずべき過去を乗り越える第一歩はそのような過去の事実を認めることだ。今は正に、このことを安倍首相を始めとする日本の政治家が悟るべき時である。



◆後記:ふざけた塩崎官房長官の談話
韓国や支那という特定アジアの反日動向だけが、最早、与件ではなく、アメリカにおいてさえも所謂「従軍慰安婦」なるものに関する上記のような認識が全国紙に掲載されている状況に我々はいる。そんな状況下で実にふざけた談話が政府中枢から出された。塩崎官房長官の談話。蓋し、日本は、アメリカ下院での日本非難決議を契機に、所謂「従軍慰安婦」なるものが歴史的事実ではないことを世界に向けてアピールすべきではないか。そう思う私には塩崎氏は安倍政権内部の獅子身中の虫であるとさえ思われた。同談話も資料として引用しておく。

<従軍慰安婦問題>国内外での議論過熱に懸念 塩崎官房長官
塩崎官房長官は7日、従軍慰安婦問題をめぐる安倍首相の発言に中国などから批判が出ていることについて、首相の発言は河野(洋平官房長官)談話に沿ったものであることを強調した。そのうえで「そろそろこういう話はあまり建設的ではない形では進まない方がいい」と述べ、国内外での議論の広がりと過熱化に懸念を示した。(毎日新聞:3月7日 )


(2007年3月7日:yahoo版にアップロード)

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
戦後民主主義を批判する営為の一環として、ブログランキングに
参加しています。「ならば、力を貸そうではないか」という方は
下記リンク先【人気blogランキングへ】及び【FC2ランキング】
にクリックをお願いいたします。

img35475
(↑)【人気blogランキングへ】

fc2rankbanner
(↑)【FC2ランキング】
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

KABU

Author:KABU
大東亜戦争終結後のこの社会で跳梁跋扈し猖獗を極めた戦後民主主義の批判を果敢に推進するための
yahoo版のミラーブログ。
2007年9月10日以降の新記事を随時、厳選した過去の自薦稿を漸次アップロードしていきます♪

百人一首 de 海馬之玄関
問い合わせ先
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
使用状況de電気予報
人間が好きになる名言集

presented by 地球の名言

人生が輝き出す名言集


presented by 地球の名言
夢を叶えるための名言集


presented by 地球の名言
仕事が楽しくなる名言集

presented by 地球の名言

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

ブログ内検索
検索 de 記事リスト
最新の記事
最近の記事
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2ブログランキング
fc2rankbanner
miniTube