フランスのテロが照射するリベラルの破産と保守主義の健全





▼露メディア「言論の自由が事件招いた」欧州の価値観に冷淡な論調 
フランスの風刺週刊紙本社などで起きた一連のテロについて、ロシアの主要メディアでは、欧米が重視する「言論の自由」が事件を招いたのであり、イスラム教を風刺した同紙もとがめられるべきだ-と、冷淡にとらえる論調が目立つ。第3次プーチン政権が「欧州の価値観」を否定的にとらえる保守路線に大きく舵を切ったことが根底にある。犯行を「米国の陰謀」とする報道も多く、欧米との距離が改めて浮かび上がった。

有力大衆紙「コムソモリスカヤ・プラウダ」は最近の紙面で、「パリのテロをやったのは米国か」と題した特集を掲載。テロに抗議する大衆行動に諸外国の首脳が加わったことを「ヒステリー」「挑発行為」と称した上、「本当の問題は、言論の自由が人を侮辱する自由になったことだ」とする識者の見解を紹介した。

政権寄りの「イズベスチヤ」が載せた評論「鉛筆による自殺」は、惨劇を「現代欧米文明の結末」と位置づけ、銃撃された週刊紙にあったのは「風刺やユーモア」ではなく、「冒涜と愚弄、醜聞で稼ごうという気持ちだ」と批判した。

2012年発足の第3次プーチン政権は、「ロシアには欧州と異なる独自の価値観や発展路線がある」との論理を前面に出し、国民多数派の団結や強権統治の正当化を図ってきた。「欧州は伝統的価値観から逸脱し、堕落した」「ロシアは道徳的優位にあり、保守主義こそが混沌を防ぐ」というのが趣旨だ。

13年7月には「信仰心の侮辱」と「同性愛の宣伝」をそれぞれ禁じる法律が発効、欧米諸国の反発を買った。今回のテロをめぐる報道には、自国の“正しさ”を証明したい政権の意向がにじみ出ているといえる。

プーチン大統領は01年9月の米中枢同時テロ後、外国首脳として最初に当時のブッシュ米大統領に電話し、「テロとの戦い」での連帯を表明した。プーチン氏は今回のテロ発生直後にもオランド仏大統領に宛てて弔電を送ったが、本格的な米欧との関係修復に乗り出す可能性は高くないとみられている。

(産経新聞・2015.1.15



テロは犯罪だ。
テロは鎮圧・撲滅しなければならない。

けれども、じゃなく、ところで、

表現の自由は守られなけばならないのだろう。でもね、
その「表現の自由」の具体的内容は国によって異なる。
つまり、表現の自由は普遍的なものではなく、
時と所が変わればその内容は変わるもの。

実際、

タイで国王を揶揄した風刺画がその社会で許されますか?
ドイツでナチス再評価・ナチス支持の街宣活動がその社会で許されますか?
日本で公立学校の卒業式の君が代斉唱に反対する教員がその社会で許されますか?
アメリカでKKKの活動を公の場で行うことがその社会で許されますか?
韓国で「従軍慰安婦とは、要は、公娼だった」と言うことがその社会で許されますか(笑)?





ついでにそのフランス(↓URL)!!

・イスラム女性からベールと尊厳を奪う傲岸不遜なフランスの詭弁(上)~(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/62883231.html


ならば、「表現の自由」の5文字をにらめば、
許される表現の範囲と許されない範囲が決まる、などという思考様式は間違い。
されば、リベラル派の--天賦人権論や、社会契約論の--教条は捨てて、
その社会で伝統的・慣習的に「許されてきた表現-忌避されてきた表現」を
根拠に一つ一つ具体的な事例を審査するしかない。

具体的な事例の審査の集積から抽出された--二重の基準論なり、
表現内容に基づく規制と表現形式に基づく規制の区分け等々の--
<原理>を根拠に、しかし、新しい事態には柔軟に対応していく。

これがアメリカの「愛国法」に昇華した、アメリカの表現の自由の思考様式。
そして、これこそ英米日の保守主義の社会が年来とってきたやりかた。

比喩でいえば、天岩戸に隠れた天照大神--ある新規の案件の表現規制可否判定--を、
みんなでワイワイって、大神がおのずとでてくるようにするシステム。

実に、健全。


ところで、じゃなくて、けれども、

テロは犯罪だ。テロは鎮圧・撲滅しなければならない。
テロは社会の脅威であり、国際経済の脅威ですらあるのでしょうから。

だから、テロ事件と<表現の自由>をリンクさせるのが土台おかしい。
フランス政府が治安対策において(おいても!)下手うっただけのことでしょうが


自国の国家権力の治安維持機能と社会統合機能の程度能力、そして、フランス社会の分裂いちじるしい
現状を看過して、適正な範囲の表現の自由を--立法にせよ社会のマナーにせよ--
事前に構築できなかったフランス。ならば、「表現の自由」を掲げるフランスにおける対応は、
根拠薄弱なリベラルの「表現の自由」なる呪文をテロ犯罪に対置しているだけでしょうよ


迫りくる台風に対して熊手を振っているように。
それ、正に、星新一『白い服の男』(1968年)の作品世界の狂気というか滑稽。


と、私はそう思います。


そして、

・テロ規制と表現の自由の峻別
・表現の自由の内容の多様性の了解


これらを認めるのが保守主義であり、ならば、
西欧のリベラルが現下、政治的にも思想的にも瓦解している今、
保守主義こそ大方の諸国民にとってよりよい社会思想なの、鴨。

畢竟、

①自己の行動指針としては自己責任の原則に価値を置く、そして、②社会統合のイデオロギーとしてはあらゆる教条に疑いの眼差しを向ける、

よって、③社会統合の機能を果たすルールとしては、さしあたり、その社会に自生的に蓄積された伝統と慣習に専ら期待する、換言すれば、その社会の伝統と慣習、文化と歴史に価値を置く態度を好ましいと考える--白黒はっきり言えば、伝統と慣習の中には(もちろん、その領域は時代と共に変動するのでしょうけれど)社会的非難という道徳的強制のみならず国家の実力を発動してなされる法的な強制によっても維持されるべき領域が存在すると考える--立場。

ならば、④その社会の伝統と慣習、歴史と文化に価値を置く態度や心性がその社会のスタンダードな態度であり心性であることを認めリスペクトするような<外国人たる市民>に対しては、逆に、--古来、日本が「帰化人」の人々に対してそうしであったように--彼等の伝統と慣習、歴史と文化を<国民>の方も尊重しリスペクトするべきだと考えるタイプの社会思想である、と。


思想の内容面ではなく、思想の形態面から「保守主義」をこのように再定義する場合、
これが、リベラルの--天賦人権論や社会契約論の--教条に比べた場合、
保守主義の健全性の基盤というものかな(←最近、西野カナさんに入れ込んでいる、鴨)

と、そう私は確信しています。
やっぱ、天照大神は凄いよねとも。


・瓦解する天賦人権論-立憲主義の<脱構築>、あるいは、
<言語ゲーム>としての立憲主義(1)~(9)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/61686136.html

・憲法における「法の支配」の意味と意義
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/60191772.html

・民主主義--「民主主義」の顕教的意味
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/62677500.html

・民主主義--「民主主義」の密教的意味
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/62722758.html


そして、これらもリベラルの葬送のために、

・日本社会の「右傾化」を嘆き憤るリベラル派の怠慢と傲岸
--マーケットが変化したのなら商品の方を変えなさい
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/62878876.html

・歴史修正主義を批判するリベラル派の知性の貧困
--占領憲法をガダラの豚にしましょう
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/62874031.html


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