<慰安婦問題>米下院の決議案採決こそ日本外交再建の千載一遇の好機である

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米下院に提出されている、所謂「従軍慰安婦」問題で日本政府に謝罪を求める決議案に首相官邸が神経をとがらせているらしい。しかし、私はこう言いたい。

米下院決議案採択でジタバタするな、首相官邸!


それを示す証拠が何も存在しないことから、少なくとも歴史の問題としては、所謂「従軍慰安婦」なるものが朝日新聞を始めとする反日論者が造り上げた<空中楼閣>であることは明らかであろう。また、もしそれが「歴史的事実」であったとしても、多国間条約と日韓条約により日本には最早いかなる法的な責任がないことも自明。

けれども、どのような荒唐無稽な妄言も繰り返し述べられれば「政治的には事実」と看做され、而して、法的には成立するはずもない責任が「政治的な責任」を媒介にして現実化すること:つまり、現実の政治と外交を拘束する制約になる事態を我々はこの30年余りの間に幾度も目撃してきた。そして、朝鮮人強制連行問題、歴史教科書の「侵略→進出」の書き換え問題とならび、所謂「従軍慰安婦」問題はそのような典型事例の一つである。

さて、新聞報道によれば、現在、アメリカの下院で「慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める決議案」が採択されかねない趨勢とのこと。下院決議には法的な拘束力はないものの(直接、具体的にアメリカ政府の政策を拘束することはないけれど)、それが採択された場合の国際政治における意義は小さくはないだろう。また一つ、日本の外務省が役立たずの無駄飯喰いであることを示す事例が増えるわけだ。以下、新聞報道の引用。

●<慰安婦問題>米下院の決議案に首相官邸危機感
米下院に提出されている、従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪を求める決議案に、首相官邸が神経をとがらせている。国内では「河野洋平官房長官談話」などで時間をかけて対処してきたにもかかわらず、直接関係のない米国に飛び火し、外交上の新たな波乱要因になりかねないためだ。安倍晋三首相の米国初訪問(4月下旬の予定)を控えた時期だけに、広報担当の世耕弘成首相補佐官が19日訪米し、メディアに政権の政策をPRするとともに、議会関係者らと会い決議案提出の背景を探る。

決議案は、日系のマイケル・ホンダ議員(民主党)らが下院外交委員会に超党派で提出した。日本政府は93年に「河野談話」で旧日本軍が慰安所設置に関与したことなどを認めて謝罪し、その後「アジア女性基金」を設立して償い事業を進めてきたが、決議案は(1)従軍慰安婦を公式に認める(2)首相の謝罪声明を発表する――などと要求している。15日には元慰安婦3人を招いた初の公聴会も開かれた。

米下院には96年以降、慰安婦に関する決議案が計8回出され、すべて廃案となっている。相次ぐ提出の背景にはアジア系団体による議会への働きかけがあるとされるが、9回目の決議案提出に、在米日本大使館は「日本がすでに行ってきたことを改めて要求するなど不適切な内容を含む」との声明を出し、決議が採択されないよう議会対策に乗り出した。

だが、今回は過去の8回とは異なり「決議が通ってしまう可能性がある」(首相周辺)との危機感が政府内に広がっている。昨秋の米中間選挙で民主党が多数派となり、議会のリベラル色が強まったためだ。採択されても法的拘束力はないが、首相の訪米前であり、官邸は敏感にならざるを得ないようだ。(毎日新聞:2月17日21時11分)




この報に接して、宮澤談話(1982年)、河野談話(1993年)、村山談話(1995年)、あるいは、「大東亜戦争は侵略戦争」との認識を示した細川護煕首相の記者会見(1993年)等々の日本の政治指導者が積み重ねてきた不見識が遠く太平洋を越えて、また、10数年の時を経て北米の地に結晶しようとしているという感慨を抱いた。正に、因果応報、「天網恢恢疎にして漏らさず」だ。閑話休題。

・宮澤談話
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/miyazawa.html

・河野談話
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/kono.html

・村山談話
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/07/dmu_0815.html

・資料:教科書問題の発端「世紀の大誤報」の真実
 http://www.cty-net.ne.jp/~my5913/seikinodaigohou.htm


いかに法的拘束力がないとはいえ、同盟国の下院議会で「反日決議」が採択されることは愉快なことではない。「決議採択への危機感が政府内に広がって」おり、政府が「決議が採択されないよう議会対策に乗り出した」のも当然ではあろう。だが、私は安部-中川酒豪-麻生の「ANA」連合政権中枢に対してこう言いたい。

米下院決議案採択でジタバタするな、
「ANA連合」政権!



畢竟、決議案が不採択の場合には、粛々と諸悪の根源である河野談話を破棄して、このような歴史的事実からも法的理路からも到底成り立たない荒唐無稽な<官房長官談話>がなぜ発せられたのかの背景説明とともに、国際法と確立された国際政治の慣習から見ても日本は(人類の外交史の中でも際立つほどの完璧さと誠実さでもって)一切の戦争責任/戦後責任の処理を終えていることを内外に向けて発信すればよいのだ。

アメリカの下院で「対日非難決議」が議論されているという事実は、日本が当然すぎるほど当然の宣言を世界に改めて発信する格好の理由を与えるものとなろう。「振りかかる火の粉は払わなければならない」は、洋の東西を問わず万人が受け入れる理だろうから。

決議不採択→河野談話の粛々たる破棄
→(談話の背景説明/戦争責任不存在の確認)



決議案採択の場合は如何。実は、これこそ、正に、天佑神助。この場合、日本は支那・韓国・北朝鮮という特定アジアだけでなく、同盟国のアメリカをも牽制し得る外交カードを<営業コストZERO>で入手できることになるからだ。

蓋し、決議案採択の場合には、早急に諸悪の根源である河野談話を破棄して、荒唐無稽な<官房長官談話>が発せられた背景の説明、および、日本の戦争責任不存在の確認を内外に向けて発信するだけでなく、東京大空襲・長崎/廣島の原爆投下・東京裁判・占領下の憲法の押しつけ等々に対する歴史的と法的な見直しを進める用意があること、更に、国際法と確立された国際政治を巡る慣習を蹂躙するアメリカ議会に対する遺憾の意を表明して、漸次、日米同盟関係を補う自主防衛施策を検討する意思をアメリカに対して通告すればよい。

繰り返しになるが、荒唐無稽な「反日決議」の米下院での採択は、これまで封印してきた「アメリカに対する日本の言い分」を大ぴらに言える状況が棚ボタ式に日本に与えられる構図なのだ。ならば、この好機を活かさない手はないではいか。「据え膳喰わぬは男の恥」であろうから。


決議採択→河野談話の早急なる破棄
→(談話の背景説明/戦争責任不存在の確認)
              ↓
    アメリカと連合国の国際法違反の研究の示唆
    自主防衛施策検討の推進宣言



所謂「従軍慰安婦」問題を巡る「反日決議」が米下院で採択にかかっている状況は、ゲーム理論的に分析可能な事態でもある。つまり、プレーヤーを日米両国政府と置き(特定アジアなどは最早論じるに足りない!)、アメリカ側の戦略選択肢を「採択」「否決」、日本側の戦略選択肢を今までの「泣寝入戦術」と上で説明したような「KABUプラン」とするゲーム状況(プレーヤー相互に、予測不可能な相手方の行動選択によって自らの行動選択が影響される状況)として今次の事態は理解できるということ。

而して、このゲーム状況において日米双方が得る個々の利得は次の利得表で定義できると思う。得点は数値が大きいほど望ましい事態を、また、括弧で表記した1行2列の各数値の組は「アメリカが得る利得, 日本が得る利得」を意味している(尚、ゲーム理論に馴染みのない方のために一言。各数値はKABUが勝手に決めたもので、特に、必然性はありません)。

      日本泣寝入   日本KABU
米国採択|(3, 0)        (1, 5)
米国否決|(2, 1)        (2, 3)


つまり、日本はアメリカの出方にかかわらず「KABUプラン」を採用した方が得であり(「KABUプラン」が日本の支配戦略となり)、よって、アメリカもこの同じ利得表に基づいて行動選択をするのならば、その行動は日本が「KABUプラン」を採用した場合の「採択」と「否決」に限定される(右側の上下の場合に限定される)。而して、その場合、「採択」から得られる利得は(1, 5)から「1」:「否決」から得られる利得は(2, 3)から「2」となり、(他の要因が作用しない限り)当然にアメリカは「否決」を選択することになろう。

つまり、日本がアメリカに採択させたくないのならば、日本は「KABUプラン」を必ず採用することをアメリカにアピールすることが必要になる。更に、その前提として、「採択」から得られるアメリカの利得(支那と韓国との関係改善等)は、日本が「泣寝入」するとすれば、左上の(3, 0)の中の「3」であるが、日本が「KABUプラン」を採用した場合にはその利得(支那と韓国との関係改善と日本との関係悪化等)は、右上の(1, 5)の中の「1」になることをアメリカに知らしめなければならない(ちなみに、前者を「コミットメント戦略」、後者が「情報共有化戦略」と呼ばれるゲーム理論の定番戦略)。

他方、日本が敢えて最大の利得(それは右上の(1, 5)の中の「5」のこと)を目指すのなら、日本はお家芸の「蒟蒻外交」と「お願いプリーズ陳情」を繰り返すことで、今までどおり「泣寝入」戦略で来るとアメリカに思わせるべきなのだ。(この場合、左側の二つの行列:(3, 0)と(2, 1)から)アメリカが得られる最大の利得は左上の(3, 0)の中の「3」であり、すなわち、アメリカは「採択」を自ずと選択することになる。これ、日本から見れば「飛んで火に入る夏の虫」の事態。


ことほど作用に、(それが法的効力などない政治的セレモニーに過ぎないだけでなく)アメリカの下院で所謂「従軍慰安婦」問題を巡る「反日決議」が採択されようが否決されようが日本は何も慌てる必要はないのである。それよりも、今回の(準備経費は特定アジアのエージェント持ちの)政治セレモニーを通じて、日本国民の中で、

(?)河野談話なるものがいかに荒唐無稽な胡散臭いものであり
(?)国際法と確立した国際政治の慣習に則った形で対特定アジア関係を再構築する必要があること

これらへの理解が進むようであれば(実は、平成の大宰相・小泉純一郎前首相のアジア外交はその正常化に向けての粛々たる営為だったのだけれども)、この米下院での「慰安婦決議」なるものは日本にとって、正に、天佑神助と言うべきであろう。私はそう考える。


(2007年2月18日:yahoo版にアップロード)

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