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犯行時の少年3人に死刑判決、当然だ♪

courtdeath3


▼時事通信 - 10月14日の配信記事:
1994年に大阪、愛知、岐阜の3府県で男性4人が死亡した連続リンチ事件で、強盗殺人などの罪に問われた当時18~19歳の元暴力団組員の3被告に対する控訴審判決が14日、名古屋高裁であった。川原誠裁判長は、リーダー格の同19歳の被告(30)=愛知県一宮市出身=を死刑、2人を無期懲役とした1審判決を破棄し、全員に死刑を言い渡した。
 少年事件で、最高裁の統計がある66年以降、複数被告を死刑とした判決は初めて。最高裁が83年に「永山事件」で死刑適用基準を示した後、高裁が死刑判決を出すのは千葉・市川一家4人殺害に次いで2例目。 (以上、引用終了)


でるべき判決がでた。この記事を読んでそう思った。
しかるに、これに対して「弁護側は上告する方針とみられる」(朝日新聞・10月15日)とのこと。

フザケルナ、の一言である。

そして、朝日新聞のコメントは更にフザケたものだった。
ドライアイスと並んで「火のない所に煙を立てる」常習犯のこの新聞はさらっとこう書いていた。曰く(引用開始)、

少年法は、犯行時に18歳未満だった被告には死刑を科さないように定めている。だが18歳から19歳の「年長少年」については規定がない。この年代については、少年の矯正や保護を重視する少年法の理念と、凶悪犯罪に厳罰を求める考えとの間で議論が続く。(以上、引用終了)


これは嘘か不手際な記事である。そう、過失とすればあまりにも杜撰であり勉強不足、故意とすれば極めて狡猾で姑息な記事。刑事法や刑事政策に(興味はあるものの)それほど詳しくない一般の人がこの記事を読んだら、おそらく、

少年法には、18歳から19歳の「年長少年」に死刑を科すかかさないかを定めた規定がなく、「年長少年」に死刑を科すことの是非は曖昧な状態にある。それもあり、少年犯罪の専門家の間では「この年代については、少年の矯正や保護を重視する少年法の理念と、凶悪犯罪に厳罰を求める考えとの間で議論が続」いているのだな、と思うのではなかろうか? しかし、この理解は全く間違いである。

「この年代については、少年の矯正や保護を重視する少年法の理念と、凶悪犯罪に厳罰を求める考えとの間で議論が続いている」ことは満更間違いではない。けれども、「年長少年について死刑を科すかかさないかを定めた規定がなく、年長少年に死刑を科すことの是非は曖昧な状態にある」ことはないからである。

法の解釈と適用を巡っては、俗に「特別法は一般法を破る」と言われるルールがあるけれど、年長少年に死刑を科すことの是非を巡っては、少年法と刑法の関係はこの<特別法と一般法>の関係にある。要は、ある法の領域やある特定の分野の紛争処理に適用される法規が複数ある場合に(まして、その法規の内容が矛盾しているような場合に)、どの法を優先的に適用するのかについては次の3個の原則に基づいて(原則、甲→乙→丙の順番で)判断される。そして、少年法と刑法の関係は(どちらの法規範も同じ「効力」の順位の「法律」であり、第1番目の原理(=甲)では決着がつかないから、)その2番目の原則(=乙)が適用される例なのである。

(甲)上位の法は下位の法を破る
 (例えば:憲法>法律>政令・条令・規則)

(乙)特別法は一般法を破る
 (例えば:株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律>商法>民法)

(丙)後法は前法を破る
 (例えば:大東亜戦争後の占領期の法令と独立回復後の法令、国際連盟期の国際法の
 諸法規と国際連合成立後の諸国際法規の関係;同じ効力を持つ法規の中に矛盾・衝突
 が惹起した場合、しかも、それらの法規がある特殊な紛争解決を専門にしている点でも
 大差ない場合には、時間的に後に制定された法規が前に制定された法規に優先して適用
 されるという原則。ローマ法の"lex posteriori derogat priori"から来ている)

「特別法は一般法を破る」とは、同じレヴェル(条例と条例、法律と法律、憲法の条文と憲法の条文、等々)の法の間では、より専門的な法規、より特殊な紛争の解決を目指して制定された法が優先して適用されるという原則である。要は、少年法と刑法の間に矛盾した規定があれば少年法の規定の方が適用されるということである(尚、日本では戦後民主主義を信奉する論者の中には、同じレヴェルの法律でしかない「教育基本法」は、「特別法は一般法を破る」と「後法は前法を破る」の原則に従わず、教育基本法以後に制定された他の教育関連諸法規に対して「上位の法は下位の法を破る」の関係にあると主張する方もおられる。これは完全な間違いであり、法学方法論の観点から見て大人がマトモに相手にするに値する議論ではない)。

少年法と刑法に矛盾した規定があれば、 <特別法たる少年法> が適用され、少年法に規定がない事態については<一般法たる刑法> が適用される(少年法40条参照)。これが、少年犯罪に関して「少年法は刑法の特別法」という
ことの意味のすべてであり、畢竟、「18歳から19歳の「年長少年」について死刑の規定が少年法にない」のなら刑法がそのまま適用されるだけのことである。念のため法規条文でこの経緯を確認しておこう。

◆少年法
第40条 
少年の刑事事件については、この法律で定めるものの外、一般の例による。

第51条 
罪を犯すとき18歳に満たない者に対しては、死刑をもつて処断すべきときは、無期刑を科する。

◆刑法
第9条
死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

第41条
14歳に満たない者の行為は、罰しない。


上で引用した朝日新聞の記事は間違いではない。
「18歳から19歳の「年長少年」については死刑を科す是非に関する規定がない」
という命題は、確かに「少年法」に限れば間違いではないからである。しかし、刑法-少年法を全体として考えれば「年長少年に関する死刑の是非」については明確に定められており、豪も、曖昧な状態ではないのである。故意か過失か知らないが読者を誤解に導くような朝日新聞のこのような記述を指して私は<杜撰∨不勉強∨姑息∨狡猾>と表現したのである。而して、今次の名古屋高裁の判決は、その事実認定の是非は置いておくとしても、少なくとも、法規の適用に関しては極当然の法論理の操作を行ったというべきである。

私は少年犯罪については、①厳罰化の方向で少年法の改正(というか廃止);②「14歳に満たない者の行為は、罰しない」→「10歳に満たない者の行為は、罰しない」という、刑法41条の改正;かつ、③この刑法改正を受けて、10歳未満の子供の「凶悪事件」(=犯罪能力のない10歳未満の子供の行為は法的な意味での「犯罪」ではない)については、その保護者を市中引き回しの上獄門にする「刑事未成年者の凶悪事件に関するその保護者を市中引き回しの上磔獄門に処す法」(仮称)の制定が必要と考えている。

この①~③の主張の根拠は、少年犯罪から社会を守るという社会防衛の目的(特別予防的-目的刑的な犯罪と刑罰のイメージ)ではなく、「犯罪を犯した少年に人間としての責任を問う/責任をまっとうする機会を与えるべきではないか」という、逆に言えば、「少年を社会防衛のための管理の対象としてではなく、同じ社会を構成する仲間として処遇する」という人倫の観点(一般予防的-応報刑的な犯罪と刑罰のイメージ)である。この詳細については取りあえず下記の拙稿を参照いただきたい。

いずれにせよ、当然にでるべき判決がでて喜ばしい反面。朝日新聞が(これまたある意味)当然のように、「少年は犯罪を犯さない/少年が「世間で犯罪と呼ばれる行い」を犯すとすれば、その原因は家庭や学校や地域や社会にある」などという「少年犯罪を非犯罪化」するような、戦後民主主義に根ざした記事をしらっと書いていたのも平成17年(=2005年)のこの社会の実相であろうか。この社会にはまだまだ戦後民主主義の妄想に塗れその害毒を垂れ流す輩が跳梁跋扈しており、我々はまだまだ彼等との闘争の途上にあるということなのであろう。

犯罪と刑罰を歪める戦後民主主義の磁場と心性 

応報刑思想と触法精神障害者
 
精神障害者問題! 朝日新聞、君達も対策の手順が違うよ!
 
少年によるリンチ殺人に死刑/無期判決
 
寝屋川小学校乱入教職員殺傷事件 学校への復讐か 教育からの逆襲か 



(2005年10月15日:yahoo版にアップロード)

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勉強になりました

少年事件の死刑判決の法的是非について、私もこれまで無知でしたが、松尾様の解説を拝見して、なっとくしました。戦後の日本には、教育刑の概念が強く取り入れられ と申しましょうか、左翼と朝日新聞によって強力に流布されました。

その結果、犯人に刑罰を課す事は悪いことで、教育をすることが良いことであるかのように私も1時は、思い込まされていました。

しかし、全国の刑務所が壮大な教育機関と化してしまったような現状を見るにつけ、違和感が拭い去れませんでした。
それが、今回の松尾様の解説で、相当程度、蒙を晴らすことが、できました。ミケ

お邪魔します

>「少年は犯罪を犯さない/少年が「世間で犯罪と呼ばれる行い」を犯すとすれば、その原因は家庭や学校や地域
>や社会にある」などという「少年犯罪を非犯罪化」するような、戦後民主主義に根ざした

 「戦後民主主義に根ざした」とい
うよりも、「少年という"弱者"を責め
るのは"悪者"で、庇う自分達は"善
意の人"」などという考えではない
でしょうか。犯罪においては(その
時点では)「加害者=強者、被害
者及び犠牲者=弱者」なのです
が。
プロフィール

KABU

Author:KABU
大東亜戦争終結後のこの社会で跳梁跋扈し猖獗を極めた戦後民主主義の批判を果敢に推進するための
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2007年9月10日以降の新記事を随時、厳選した過去の自薦稿を漸次アップロードしていきます♪

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