日米首脳会談の目的は「新・福田ドクトリン」の仕込か「若旦那の顔見せ興行」か?

fukudabush



福田康夫首相が、ご自身、得意とされているらしい「外交」についての海外報道を紹介します。出典はWashington Post "Japanese Premier Visits White House to Reinforce Strained Ties," November 17, 2007(日米関係の是正に向けて米国大統領との会談に臨む日本の首相)です。

「外交の福田」と言えば、1978年に打出された先代の福田赳夫元首相の「福田ドクトリン」が思い出されます。「福田ドクトリン」は(当時の冷戦構造下の)米ソ対立の国際政治の構図は否定できないまでも、その構図の中で東南アジアとの「互恵互助関係の強化」を目指し、

・軍事大国とならず世界の平和と繁栄に貢献する。
・心と心の触れあう信頼関係を構築する。
・対等な立場で東南アジア諸国の平和と繁栄に寄与する。


を提唱したもの。「福田ドクトリン」は、その抽象的な提言内容にかかわらず、潜在的に反米感情が根強いマレーシア・フィリッピン・シンガポールを始め東南アジア諸国から歓迎された。而して、当初、対東南アジア関係に特化した(狭義の)「福田ドクトリン」は、同じ先代福田首相の「全方位外交推進」の宣言、ならびに、支那との「相互内政不干渉の原則」の提唱とあいまって、漸次、米国と相対的に距離を置きつつ、広くアジア諸国との連携強化を志向する(広義の)「福田ドクトリン」と解されるようになったと私は理解しています。

ただ、先代の福田首相は対支那関係について「お互いに内政に干渉しないことが一番大事であり、それが守られなければ、『日中平和友好条約』が名ばかりのもの(名存実亡)になってしまう」(1978年・第85回国会外交委員会)と明言されるなど、間違っても、朝日新聞のいうような「支那や韓国との間に紛争があること自体が日本外交の失敗」であるとか、国際法上も確立した国際政治の慣習からも毫も他国に批判容喙される筋合のない「日本の首相の靖国神社参拝が特定アジア関係を頓挫させた原因」であると考えるような「外交音痴」から「福田ドクトリン」を提唱されたわけでない。

而して、ベトナム戦争で疲弊した米国にとって、すなわち、レーガン政権登場前の沈滞した米国の社会と国力から見て、東南アジア地域・東太平洋地域で米国の同盟国たる日本が米国を補って地域の安定にプレゼンスを発揮することは(キッシンジャー、ブレジンスキー等々の「日本嫌いの人種差別主義者」を除けば)米国政府部内でも満更悪意ばかりで受け止められたわけではない。そう私は記憶しています。蓋し、「福田ドクトリン」は上級者の囲碁の布石を彷彿とさせる絶妙の外交政策だったとも。そういえば、先代の福田首相は囲碁のアマ名誉八段だったっけ。これ、他には阿含宗の桐山管長など歴代でも数名しかいない囲碁の達者ということなんですよね。

さて、当代の福田首相。福田若旦那は、偉大かつ練達の先代と同じく「外交的成功」を収めることができるのか。少なくとも、世界標準外の中華思想を振りかざす特定アジア諸国、就中、支那に対しても朝日新聞がその社説「福田外交 日中韓の共鳴を生かせ」(2007年11月21日)で述べているように、双方の指導者が「信頼関係を培うこと」そして「率直かつ建設的な交流を積み重」ねることができればアジア外交、ひいては、日米関係も含む日本外交が成功するという保証はどこにもないと思います。若旦那の「お得意な外交」のお手並み拝見というところでしょうか。

indiasea



Japan's new leader made a one-day visit to Washington yesterday to shore up strained relations with the United States amid tension over dealings with North Korea and support for operations in Afghanistan.

Prime Minister Yasuo Fukuda made a point of making this his first foreign stop since assuming office in September, spending a couple of hours with President Bush at the White House as the two hashed through issues that have soured both capitals in recent months.

Fukuda vowed to keep pressing his parliament to reverse itself and resume suspended refueling operations in the Indian Ocean for U.S.-led coalition ships participating in the effort to stabilize Afghanistan. For his part, Bush promised to remember the Japanese citizens abducted by North Korea as he moves forward with a multinational agreement intended to eliminate Pyongyang's nuclear weapons program.



昨日、日本の新しいリーダーが、まる一日、北朝鮮とアフガン戦争支援活動を巡りがたついた日米関係を強化すべくホワイトハウスを訪れた。

福田康夫首相は、米国大統領との会談を最初の外遊先にすると9月の首相就任時から断言していた通り、ホワイトハウスでブッシュ大統領と数時間の会談に臨んだ。そこで両首脳は、北朝鮮とアフガン戦争支援というこの数カ月日米両国政府を互いに頑にさせ両国関係を気まずくさせてしまった問題を徹底的に吟味検討した。

福田首相は、アフガニスタンの安定化に寄与しているインド洋上に展開する米国主導の多国籍艦隊への給油活動を再開すべく、日本の国会がその方針を撤回するように国会への働きかけを続けることを約束した。また、福田首相の側では、ブッシュ大統領から北朝鮮に拉致された日本市民のことを忘れることはないし、(その問題の解決のために)北朝鮮の核兵器開発計画を除去するための多国間協議の中で働きかけを行うつもりであるという言質を取りつけた。


"I'm going to tell the Japanese people once again: We will not forget this issue," Bush said alongside Fukuda in the main hall of the White House. "I understand, Mr. Prime Minister, how important the issue is to the Japanese people, and we will not forget the Japanese abductees, nor their families." But he did not commit to keeping North Korea on the U.S. list of state sponsors of terrorism, as Tokyo wants.

Fukuda likewise offered assurances without tangible action.・・・Unlike at most Bush meetings with major foreign leaders, the two did not take questions from reporters, a decision that the Japanese attributed to the White House.

A Japanese official, who spoke on the condition of anonymity, said Fukuda made the "flash visit," as he termed it, to establish a rapport with Bush. Although they have met in the past, Fukuda is the third Japanese leader Bush has had to deal with since last year. "The overarching goal of the visit is to forge a personal relationship with President Bush," the official said. A Bush aide said afterward that "the personal chemistry was good."



「日本国民の皆様にもう一度申しあげたい。われわれがこの問題を忘れることはないということをです」「首相閣下、私は、日本国民の皆様にとっていかにこの問題が重要なものであるかを理解しております。また、われわれが日本人拉致被害者とそのご家族のことを忘れることなどけしてありません」と、ホワイトハウスのメインホールで福田首相と並んだブッシュ大統領は述べたのである。けれども、大統領は、日本政府が求めていること、すなわち、北朝鮮をテロ支援国家のアメリカ政府のリストにとどめ置くかどうかについての明言は避けた。

福田首相も(ブッシュ大統領と)同様に形のある行動を明示することなく単に確約しただけに終わった。(中略)主要な外国首脳との会談の例とは異なり、両首脳は記者からの質問を受けつけなかった。この形態にしようという判断は日本では米国政府の意向であったと捉えられている。

匿名を条件にある日本政府高官は、福田首相はブッシュ大統領との良好な関係を構築するために、彼の名付ける所の今回の「電光石火訪問」を行ったと述べた。彼等は以前に会談したことこそないけれど、福田氏は昨年以来ブッシュ大統領が関係を結ばざるをえなかった三人目の日本の最高指導者であり、「大局的に見て最も重要なホワイトハウス訪問の目的はブッシュ大統領との個人的な関係を一気に深めることに尽きる」とその高官は漏らしてくれた。而して、ブッシュ大統領のある補佐官は、会談の終了後、「人間的な相性は悪くなかった」と述べた。



(2007年11月21日:Yahoo版にアップロード)

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