アエラ独占インタヴュー☆姫井由美子議員の<開き直り>と不倫問題に関する政治家の説明責任

aerahime


今日発売の『アエラ』(2007年9月17日号)に姫井由美子参議院議員の独占インタヴューが掲載されていた。「姫井由美子氏が語る”不倫騒動” こんな報道何ともない」「「虎退治」したばかりの姫に浮上した不倫スキャンダル。沈黙していた姫井氏が、アエラのインタビューに応じ、いまの心境を語った」です。

姫井氏と言えば、参議院自民党の重鎮だった片山虎之助氏を去る7月29日の選挙で破る所謂「姫の虎退治」で名を馳せ、その後、6年に渡る不倫疑惑が暴露されて(このアエラの記事の中でも本人の言うとおり、「おかげですっかり名前を広めていただき、1億円に相当する」マスコミ報道によって)文字通り全国区の知名度を勝ち得た強運の持ち主です。


◆「不倫→議員辞職」論の検討
この間、幾つかのメジャーなブログでは、「6年もの長きに渡り、夫と2人の子供を欺いていた姫井議員は人間失格。不倫の事実を知っていたなら岡山の有権者は彼女に投票はしなかっただろう。姫井議員は即刻辞職すべし」という論調も少なくない。しかし、私はこのような議論には賛成できません。なぜか。参院選を振り返ってみましょう。

ご存知の通り岡山選挙区の結果は、有権者総数1,583,357人に対して、

・姫井氏(民主)     451,185
・片山氏(自民)     403,783
・その他3候補     58,115


これは姫井氏の完勝と言っていい。実質上の一騎打ちの場合、「勝者の獲得票の10%の差がついたのなら大差」というのは小選挙区選挙の常識。しかも、自民党に逆風が吹いた今回の参院選で、「不倫の事実を知っていたなら姫井氏に投票しない有権者が現れたはずだ」と言えるにせよ、彼女が実際に獲得した45万票から流出したであろう票は片山氏にではなく棄権か第3位の共産党候補に向かったと考えるのが妥当な線でしょう。

ただ、選挙前に「姫の不倫疑惑」が暴かれた場合には(この場合、「姫井氏への判官贔屓の同情票」の多寡は想像できませんが)、「既成政党総体に対する不信感」から棄権が増え投票率が下がったことは充分考えられる。而して、今次の第21回と前回、前々回の参議院選挙岡山選挙区の投票率は、

・第21回=59.17%
・第20回=58.61%
・第19回=55.51%


ここで投票率が前々回並みの56%になり、しかも、
その棄権票の全てが「姫井票→棄権票」と想定した場合、
結果は以下のように<虎の逆襲>の成就になる。どんど晴♪

(59.17%-56.00%)×1,583,357人≒50,192人 ゆえに、
・姫井氏(民主)400,993
・片山氏(自民)403,783


しかし、<虎の逆襲>の成否は「姫」陣営の危機管理能力をパラメーターとする変数であり、その成否はそう自明ではなかったと思います。これらの事実を鑑みるとき、「不倫の事実を知っていたなら岡山の有権者は彼女に投票はしなかった」という英語の仮定法過去完了ばりの推論に私は肯んずることはできないのです。


次に、「6年もの長きに渡り、夫と2人の子供を欺いていた姫井議員は人間失格」という主張の検討。確かに、そう言えるかもしれませんが、しかし、「不倫→議員は即刻辞職」とは到底言えない。舛添要一厚労相の数多の「結婚→離婚」を巡る逸話や姫井氏と同じ民主党の菅直人氏のW不倫疑惑等々を想起するにつけ、これまた姫井氏本人が語っている如く、「私が女だから、おもしろおかしく騒がれるのは、すごく不公平に感じます。男性議員だったら、ここまで騒がれることではなかったのでは」と姫井氏が思うのにも一理あるのではないでしょうか。

蓋し、学歴詐称・朝鮮総連からの違法献金の授受等、姫井氏が法的なルールを犯したのならばいざしらず、「不倫の事実を知っていたなら岡山の有権者は彼女に投票はしなかった」というような仮定を根拠に議員辞職を迫られる筋合いは誰にもないと思います。

畢竟、政治家の資質と不倫の問題は別物。不倫問題や奔放な性生活が原因で落選する政治家は、厳しく言えばそのような私生活のネガティブファクターを挽回するだけの政治家としての力量と魅力がないと有権者が判断しただけのことでしょう(この点に関する私の基本的な考えについては下記拙稿を参照ください)。

佐藤ゆかり「不倫メール」500通? それがどうした、上等だよ♪ 



◆不倫問題に関する政治家の説明責任
では、姫井議員には何も問題はないのか? 私はそうは思いません。姫井氏は政治家として必要な説明責任を果たしておらず、そのことは充分に議員辞職に値する。そう私は考えています。

姫井氏は8月30日発売の『週刊文春』(9月6日号)で不倫疑惑が報道されてから10日以上、このことに関する説明を一切拒否しておられる。例えば、このアエラの記事でも冒頭、姫井氏は「週刊誌に掲載されたことの事実関係について、お話しするつもりはありません」と述べ、実際、(アエラ編集部のコメントを含むとはいえ約3,000字)、400字原稿用紙で8枚にも及ぶ記事の中で、「不倫騒動」を巡る心境については饒舌に語る一方、件の「不倫疑惑」の事実関係については沈黙を通している。

而して、このアエラの記事は、「家族の絆は信じている」として不倫報道の後でも姫井氏を支えている夫や子供達の健気な言動を含め、文字通り「不倫報道が引き起こした事態を巡る姫井氏の心境」を綴ったもの。要は、それは「”不倫騒動”こんな報道何ともない」という彼女の<開き直り>の宣言に他ならない。蓋し、アエラは、来る選挙に向けて姫井議員だけでなく彼女を公認した民主党という政党を信用してよいものかどうか、それを判断するために「不倫疑惑」を巡る事実関係を知りたいという岡山と全国の有権者の関心に応えてはいない。畢竟、姫井氏もアエラも政治家の説明責任ということについて極めて鈍感だと言えるでしょう。

これに関して、記事の次の箇所が目を引きました。編集部のコメント「出演を控えるように諭された寸劇で、姫井氏は「やんちゃ姫です」とアドリブで登場。劇後、ある民主党議員から、「説明責任がある」とやんわり批判された」を受けた姫井氏の言葉。曰く、「説明責任のあるなしは別にして、説明を聞きたい人もいるということを教えてくださったのかもしれません。女性の先輩議員には「守ってほしかったら、本当のことを話して、助けてくださいと言いなさい」と怒られました」「それでも説明しなかったのは、政治と関係ない話をマスコミがいつまで取り上げるか見極めがつかなかったから」、と。

要は、鈍感やKYどころではなく姫井氏は政治家の政治責任の構造をおそらく理解されていない。再度書きますが、「政治家の資質と不倫の問題は別物」と私は考えています。しかし、姫井氏の不倫を巡る政治責任の問題は、最早、不倫の問題ではない。すなわち、

(イ)私生活に映じられる人間性や世界観から政治家としての能力や経験に至るまでまるごとオールインワンで有権者は「投票先」を決める

(ロ)不倫の問題は社会倫理の規範を通してすべての法規範につながるがゆえに、立法府の一員(a law maker)である政治家には(彼や彼女が個人的にどのような社会倫理規範や価値観を持とうが自由であることの裏面として)「どのような価値観を持ち、いかなる法律の制定を推進しようとしている人物なのか」を有権者と国民に明らかにする政治責任、すなわち、不倫問題に対する説明責任がある

(ハ)政治的説明責任を果たさない姿勢自体が政治家としての適性を疑しめる。そう私は考えるのです。

ならば、「これこれの理由により、プライベートな事柄に関して説明するつもりは一切ない」という説明も含めて、姫井氏は自分の不倫問題について自分で有権者になんらかの説明をすべきだった。蓋し、いかに、その影響が大きかろうとも、姫井氏が説明の相手として念頭に置くべきは「政治と関係ない話をいつまで取り上げるかわからないマスコミ」などではなく、有権者であり国民、特に、姫井氏に投じた451,185人の岡山の有権者でしょう。而して、そのような「説明するつもりはない」という説明もしないこと自体が政治家としての責任の放棄であると私は考えるのです。

Not「不倫→政治家失格」

But「不倫→説明責任の放棄→政治家失格」



「不倫をした政治家はその疑惑が報じられるや、事実を明らかにして(あるいは、事実関係の公表をしない旨を理由とともに明らかにして)、不倫を犯した人間性を含め自己の政治家としての資質をトータルに有権者に問うべきだ」、と。

このようなアイデアが、政治家の不倫や性的傾向性(ゲイ・レズ・バイセクシャル)のスキャンダルを巡り、70年代後半から90年代末にかけて、報復合戦の泥沼の中、多くの有為の政治家を下半身スキャンダルで政界から退場せしめた不毛な20年間の経験からアメリカの政治文化が学んだ暗黙のルールだと私は理解しています。よく言われるように、モニカ嬢との「不適切な関係騒動」の際に、クリントン大統領に浴びせられた批判は「不倫自体」ではなく「スキャンダル発覚当初、不倫の事実を否定する嘘をついた」ことに関するものでした。而して、日本もこの点だけはこの「不倫スキャンダル→泥仕合先進国」の教訓を参考にすべきだと思います。

畢竟、姫井氏は有権者と国民に説明すべきです。特に、姫井氏の「不倫疑惑」は、出張記録と付き合わせた上での「県議時代の公費不倫旅行疑惑」に発展する可能性も取り沙汰されており、そしてなにより、去る参院選で姫井氏は「生活から政治が生まれる。政治には生活者の意見が必要。一母親として頑張ってゆきたい」という、庶民の感覚がわかる<妻で2児の母親の実績>が<虎退治>の武器だったのですから、その<実績>と齟齬をきたす不倫疑惑は個別姫井氏の場合、「経歴詐称」に準じると言われても仕方がないでしょう。「”不倫騒動”こんな報道何ともない」とアエラで<開き直り宣言>の気炎を吐く時間があるのならば、姫井氏は国民と有権者にこそ語りかけるべきではないか。私はそう考えます。


(2007年9月10日:yahoo版にアップロード)



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姫井議員は司法書士なんですよね・・・・

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