【予告】立川のプロ市民ビラ配り最高裁判決☆「正義は勝つ」かな?

seigihakatsu


正義が勝ったみたいです。注目の最高裁判決言い渡しが4月11日(金)に行われることが決まったとのこと。イラクへの自衛隊派遣に反対して、自衛隊官舎に立ち入り「反戦ビラ」を配布したとして訴えられていたプロ市民に対して司法の最終判断が下される。

法律的にはマストという程ではないのですが、普通、最高裁が下級審判決を見直す場合には実施する「口頭弁論」が行われないまま判決言い渡し期日が通知されたことにより、これらのプロ市民を有罪とした東京高裁の控訴審判決が基本的には維持される見込み。

例外が皆無ではないので(口頭弁論が行われたのに上告側が敗訴した事例や、口頭弁論抜きで上告側が勝訴する例も皆無ではないので)予断は許しませんが、一応、「正義は勝つ!」になるのかなと思います。而して、弊ブログでは4月12日に予想される、「立川ビラ配り訴訟最高裁判決-表現の自由を軽視した最高裁の姿勢は遺憾だ」という最高裁判決を批判する朝日新聞社説を徹底批判する記事を弊ブログにアップする予定(笑)。

而して、本記事ではその「予告」として、4月11日の判決言い渡し(あるいは、朝日新聞の当該の社説が掲載されるであろう4月12日)までに、些か法解釈論としてテクニカルな本訴訟について予習していただくこと、なにより、最早、4年前の出来事になった「プロ市民による立川自衛隊官舎ビラ配りのための住居侵入事件」を思い出していただくために旧稿を紹介しておきたいと思います。まずは、最高裁判決言い渡しが4月11日に決まったことを報じる朝日新聞の記事紹介。


●立川の市民団体ビラ配り訴訟、有罪確定へ
東京都立川市の防衛庁(現防衛省)宿舎で04年、自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配って3人が住居侵入罪に問われた事件で、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は21日までに、上告審判決を4月11日に言い渡すことを決めた。最高裁が結論を見直す際に必要な弁論を開いていないため、3人の上告が棄却され、罰金20万~10万円の有罪とした二審・東京高裁判決が確定する見通しとなった。

憲法21条が保障する「表現の自由」と、「住民が自らの平穏な生活を守る権利」との兼ね合いについて、最高裁がどう述べるかが上告審判決の焦点となる。

一審・東京地裁八王子支部は「ビラ配布は憲法が保障する政治的表現活動の一つ」としたうえで、政治ビラの配布は民主主義社会の根幹を成し、「商業ビラより優越的な地位が認められている」と指摘。住居侵入罪の要件は満たしているが、刑事罰を科すほどの違法性はないとして3人に無罪を言い渡した。

これに対して東京高裁は、出入り口に「関係者以外立ち入り禁止」との表示があったのに宿舎に入ったことや、過去に住民から抗議を受けた事実を重視。住民の被害が「極めて軽微」と判断した一審判決は誤りだとして、有罪と結論づけた。

大洞(おおぼら)俊之被告(50)、大西章寛被告(34)、高田幸美被告(34)の3人は、いずれも市民団体「立川自衛隊監視テント村」のメンバー。自衛隊のイラク派遣の是非が問題となっていた04年1月と2月の2回にわたり、「自衛隊イラク派兵反対!」などと書いたビラを宿舎の各戸の玄関にある新聞受けに入れようと、無断で敷地に入ったとして起訴された。2月の逮捕から5月の初公判後まで、75日間の長期にわたって勾留(こうりゅう)された。

ビラ配りをめぐってはこの事件とは別に、東京都葛飾区のマンションで共産党のビラを配ったとして住居侵入罪で男性被告(60)が起訴され、一審・東京地裁で無罪、二審・東京高裁で罰金5万円の有罪となり、被告側が上告中だ。(朝日新聞:2008年03月21日15時10分)



この記事の中の「憲法21条が保障する「表現の自由」と、「住民が自らの平穏な生活を守る権利」との兼ね合いについて、最高裁がどう述べるかが上告審判決の焦点となる」というのは、読者をミスリードしかねない表現だと思います。「住民が自らの平穏な生活を守る権利」も憲法規範の流れ込みを受けるものなのだから。

要は、刑法なりは、ある人権と別の人権の調整原理、あるいは、(正当行為・正当防衛・緊急避難等のケースを除けば、人を殺す自由はおそらく人権ではないだろうから、国家がそれを禁じてはならない人間の行動のある特殊な類型や国家がその実行を法的に支援すべき人間の行動のある特殊な類型としての)人権の範囲を画定するもの。

つまり、本件判決は刑法が画定している人権の範囲が憲法に沿うものかどうかを「確定」するものであり、別に、「ビラ配り」だけが憲法の保障する人権であるわけではなく、再言しますが、「住民が自らの平穏な生活を守る権利」も立派な憲法上の権利なのですから。この点も含め、この「プロ市民による立川自衛隊官舎ビラ配りのための住居侵入事件」とその訴訟については下記拙稿をご参照いただければと思います。

事件から4年、控訴審判決言い渡しから2年3ヶ月、長い戦いでした。難しい事件を勇気をもって起訴し、その後も荒唐無稽な警察・検察批判を繰り返すプロ市民&反日マスメディアと孤軍奮闘してきた担当の検察関係者にお疲れさまと言いたい気持ちで一杯です。また、事件の被告として存分に戦い、結果として、「表現の自由の内容確定」「住居侵入罪の構成要件の内容の具体化」という貢献を日本の法と法学に行われたBORAさん、お疲れさまでした。後20日で決着。上告審判決が検察側-被告側の双方の思いを汲んだ豊潤かつ明晰なものであることを私も期待しています。


プロ市民のビラ配りにNOの判決☆「長期勾留-ビラ配りで75日とは」ってか?
 
立川ビラ配り控訴審判決批判の朝日新聞の投書を嗤う  

立川反戦ビラ事件の被告人らの無罪を訴える法学者声明(上) 

立川反戦ビラ事件の被告人らの無罪を訴える法学者声明(下) 



(2008年3月22日:yahoo版にアップロード)

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