アメリカ大統領選挙民主党候補指名レース☆史上稀に見る<泥仕合>が世界に問うているもの

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北京オリンピックの聖火リレーと支那の胡錦濤主席の来日。すなわち、チベットにおける人権侵害と日本外交のあり方が鋭く問われている現在もアメリカ大統領選びは淡々と続いています。否、民主党の予備選挙は現職のカーター大統領とエドワード・ケネディ上院議員が争った1980年を上回る激戦になりつつあり、最早、それは総力戦であり消耗戦。要するに<泥仕合>の様相。

泥仕合ではあるけれど、私は2008年のアメリカ大統領選挙は世界と日本にとっても重要な意味を持つと考えています。なぜならば、冷戦構造崩壊後、唯一の超大国として個々の主権国家を超えた存在、いわば、<帝国>であったアメリカが、No.1とは言え one of them の強国に戻って最初の大統領選挙だから。更には、世界で一番嫌われる国でありながら、主権国家の枠外の<辺境>として世界中から亡命者と難民と移民を受入れてきたアメリカもその国境をより厳格に閉ざすことで、世界に開かれた<辺境=帝国>から国境線で自己の主権とアイデンティティーを守る普通の主権国家になりつつある時の大統領選挙だからです。

而して、共和・民主のいずれが、あるいは、民主党の誰が世界No,1の強国の最高司令官(Commander in Chief)になろうとも、最早、<帝国>ではなくなったアメリカがより自国の利益実現に敏感になることは間違い。また、一主権国家として、その参画する各種同盟のコストパフォーマンスをより厳しく算定することも間違いない。今回の予備選挙で候補者が訴え有権者が求めているものがいつにもまして「生活の安定」と「社会の安全」という内向きなイシューにシフトしているのを鑑みて私はそう確信しています。

ならば、パラドキシカルながら、アメリカが<帝国>であった時よりも、今秋、誰が次期大統領に指名されるかは、それとの同盟を国際関係の基軸とする日本にとっては一層大きな意味を持つのではないか。少なくとも、どの国よりも異質で閉鎖的でありながら、自己を個々の主権国家を超えた<帝国>と錯覚している支那との関係がその国際関係の最大の懸案の一つになりつつある日本にとっては間違いなくそう言えると思います。


昨日のインディアナ州とノースカロライナ州で行なわれた民主党予備選挙の結果は、ヒラリー・クリントン、バラク・オバマの両候補の一勝一敗。ただ、インディアナではクリントン女史とオバマ氏の得票率は、「50.9:49.1」の小差であったのに対して、ノースカロライナでは「41.5:56.2」。つまり、両州合算の獲得投票者数(popular vote)ではオバマ氏の圧勝だった。以下、本日のロイター配信記事。

「ノースカロライナ州とインディアナ州の代議員は合計187人。8月の党大会までに残された予備選はあと6州、代議員数は217人。代議員獲得数(推計)ではオバマ氏がクリントン氏を大きく上回っており、今回の予備選の結果でもオバマ氏の優位は揺らいでいない。ただ、予備選がすべて終了しても、どちらの候補も指名獲得に必要な数の代議員は獲得できず、最終的な勝利の行方は特別代議員の決断に委ねられることになる」( 以上引用終了。5月7日12時19分配信)

この<泥仕合>模様の展開は、けれども、先月4月22日のペンシルバニア州予備選挙でクリントン女史が勝利した段階である程度予想されていた。以下、「泥仕合」の予感の陰鬱を感じながら、しかし、冷静に書かれた Timesの記事を紹介します。”Clinton wins Pennsylvania: the media reacts”「ペンシルバニアを制したクリントンを見るメディアの冷ややかな視線」 (April 23, 2008)。尚、現在までの予備選挙の結果、ならびに、アメリカ大統領選挙に関する予備知識、そして、帝国としてのアメリカとその終焉に関しては下記拙稿をご参照ください。



・New York Times アメリカ大統領選挙予備選結果
 http://politics.nytimes.com/election-guide/2008/results/votes/index.html

・KABU版:アメリカ大統領選挙検定(6級・5級・4級)
 http://minna.cert.yahoo.co.jp/ormh/cert_list/

・帝国とアメリカと日本
 http://kabu2kaiba.blog119.fc2.com/blog-entry-164.html


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Has last night's win for Hillary Clinton in Pennsylvania altered the dynamics of the Democratic race? The media consensus appears to be that while there has been no substantive change, her solid 10-point victory has raised some awkward questions for Barack Obama.

Why, after a string of phenomenal successes, is he struggling to land a knock out blow on his rival? Is Clinton correct in her assertion that he is unable to carry the big states crucial to a Democratic victory in the autumn? The Obama camp has some strong answers, arguing that the former point could equally be applied to Clinton, the one time presumptive nominee. On the latter, it asserts that there are in fact not three or four battleground states but 10 or 11, a large swathe of which the Illinois senator has won. Nevertheless, it is a case that the campaign is going to have to argue very forcefully over the coming weeks.


昨夜【4月22日 】のペンシルバニア州におけるヒラリー・クリントン女史の勝利は民主党の大統領候補指名レースの力関係に何か変化を与えただろうか。彼女のこの勝利は大勢に影響しないものの、バラク・オバマ氏を10ポイント引き離して勝ったその横綱相撲はオバマ氏に対処することが容易ではない疑義を浮上させた。そうメディアはほぼ一致して見ているようだ。

驚異的な成功を連発しながらも、オバマ氏はなぜ決定的な打撃をライバルに与えることに失敗し続けているのか。秋の【大統領選挙本番での】民主党の勝利に死活的に重要な大規模州でオバマ氏は過半数を制することができないというクリントン女史の主張は正しいのではないか。これに対してオバマ支持者は説得力のある回答を用意している。すなわち、前者の問いに対しては、一度は指名獲得を確実視された候補であるクリントン女史についても同じことが言えるではないか。而して、後者については、実際の所、主戦場になる州は3-4個もないのであって、広大な帯をなす10から11の州ではこのイリノイ州選出の上院議員【オバマ氏】が勝利してきたではないか、と。オバマ支持者の抗弁にもかかわらず、しかし、この件に関しては来る数週間の間、議論は益々熱を帯びることだろう。



Meanwhile, concerns over the destructive nature of the campaign are reaching stratospheric levels. The New York Times today appeared to be backtracking on its initial endorsement of Clinton with a scathing editorial urging her to drop her "mean, vacuous, desperate" tactics now for the sake of the party and calling on superdelegates to end the bloodbath as soon as possible.

The Washington Post cited exit polls suggesting that seven out of 10 voters thought Hillary had been unfair in her attacks, while half said the same of Obama. In another article, it appeared to query the utility of Hillary staying in the race, noting that it was almost impossible for her to catch her rival in the delegate count or popular vote. It quoted loyal Clinton supporters privately expressing doubts about her ability to prevail, even in the wake of her Pennsylvania win. ・・・・


他方、 民主党の大統領候補指名を競っているこの選挙運動の破壊的性質を危惧する声もまた最高水準に達しつつある。今日のNew York Times はクリントン女史に対する容赦ない社説を掲載したことで、当初のクリントン支持の撤回に舵を取ったものと思われる。その社説は、クリントン女史に「野卑で空疎で常軌を逸した」戦術を民主党のために放棄するよう求めており、また、特別代議員に対しては血で血を洗うこの党内の戦いを可能な限り早く終わらせるよう正式に提案した。

Washington Post は、10人の投票者の内7人がクリントン女史のライバル攻撃は公正さを欠いたものだと感じており、一方、同じく半数の投票者がオバマ氏に対して同様に感じているという【ペンシルバニア州予備選挙における】出口調査の結果を紹介した。他の記事で同紙は、代議員総数でも得票総数(popular vote)でも彼女が彼女のライバルに並ぶことはほとんど不可能であることを説明した上で、指名候補競争に踏みとどまっていることにどんな意味があるのかと、クリントン女史に対する疑義を示唆したように思われる。同紙は、ペンシルバニアでの勝利の直後であるにもかかわらず、筋金入りのクリントン支持者がふと漏らした彼女の勝利に確信が持てないという呟きを引用してもいる。(後略)


(2008年5月7日:Yahoo版にアップロード)

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