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2008年下半期自薦稿紹介&暫定的総括

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下半期の自薦稿を紹介いたします(尚、上半期の自薦稿に関しては下記の「30万件ヒット御礼&自薦稿紹介」を参照ください)。通常、半期ごとの自薦稿紹介記事では大体10本程度(多くても15本位まで)をリストアップしてきました。まして、海外報道の翻訳紹介記事は自動的にオミットしてきた。

ところが今回は。今回は、「福田究極の守旧派政権崩壊→麻生保守改革派政権誕生」「国籍法改正」「オバマ米大統領誕生」と三つもメジャーなイシューがあったこと、加えて、内外いずれのイシューに関しても日本のマスメディアがいよいよ参考にならなくなってきたからでしょうか(これでも「厳選」したつもりなのですが)、リストアップした記事が20本。しかも中3本が海外報道紹介になりました。この機会に再読いただければ大変嬉しいです。以下、2008年の暫定的な総括。



2008年を振り返るに、就中、日米の政権交代、そして、国籍法改正の推移を見て改めて痛感したのは、他力本願では政治も社会も変えられないということでした。そう、Winkの『トゥインクル トゥインクル』でもないけれど、「願うだけでは夢は叶わない。欲しいものは自分の腕でつかまなきゃ」ね、と。

人口に膾炙していることではありますが、日本的システムは、最早、優秀な(かもしれない)人材を無能にするシステムに堕しているように思えてならない。正直、明治の日本を率いた大久保(利)・伊藤(博)・山本(権)・桂等々、あるいは、敗戦後の日本を蘇らせた吉田・岸・池田等々の人材と比べてその優秀さや保有する情報の質と量から見て、現在の政治家や官僚が個人的資質において劣るとは実は私は思いません。要は、優秀な(かもしれない)人材を機能させないこの社会の仕組みと現状が問題なのではないか、と。そう思うのです。

しかし、この現状を鑑みて昔懐かしい「独裁制」を希求するなどは本末転倒。実際、(その枠内の意匠としては「小さな政府論」と「大きな政府論」の鬩ぎ合いがあるにせよ、全体的には)福祉国家化を本格的に放棄するのでもない限り、どんな優秀な独裁者も現在の国家経営の主要領域のすべてに指導力を発揮するなどは不可能なことですから。ならば、結局、最早、政治家や官僚が国をある単一の方針の下に率いるスタイル自体が有効ではない時代に我々は生きているということなのでしょう。もしそう言えるのならば、身の丈にあった政治に政治の機能を縮小することこそが現下の課題のように思われます。

ところが、他方、この国では(政治家にリーダーシップを発揮させない反面)政治に対する期待は極めて大きい。(英国の議会の権限が強大なことを評した言葉を借用させていただければ)この国では「政治には男を女にし、女を男にする以外のどんなこともできる(=自然法則に反する以外のことはすべて政治が解決できる)」とでも言うべき政治に対する万能感が根強く残っているのではないか。蓋し、左右を問わず、日本では政治、政治家、政党、憲法・・・その他諸々のもに期待しすぎるのではないか。だから、その期待が満たされなかった場合には(「裏切られた」とばかりにでしょうか)政治指導者も政党も憲法も「悪魔」か「国賊」、よくて、「無能の無駄飯喰い」扱いにされてしまう。

繰り返しますが、けれども、(左右を問わず散見されるこのような政治を巡る万能感の所以についてはマルクス主義の影響と、明治以降の日本が辿った一種「開発独裁的施策≒社会主義計画経済的施策」の影響の両面から今後究明していく予定ですが、いずれにせよ)このようなある種の万能感に支えられた政治や政党や憲法に対する期待と批判は「他力本願」の心性に他ならず、そのような心性は、政治を常に自分がコミットすべき事柄と考えながらも、政治に社会や人生の主要な領域を左右させることを必ずしも歓迎しない言葉の正確な意味での<保守主義>とは相容れるものではない。

保守主義からの政治理解。『職業としての政治』の中でマックス・ウェーバーは、「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業である」(岩波文庫, p.105)と述べています。ウェーバー(1864年-1920年)の時代にはまだその片鱗が現われていたにすぎない現下の大衆民主主義の時代背景に引き付けた上で、この言葉を私なりに意訳すれば、政治とは、「理想を掲げ続けながらも、半歩でも一歩でも現実を改善するために、ヴィジョンとマイルストーンの説明に言葉を尽くして国民の支持を集め、而して、戦略的に妥協を積み重ねながら多数派を形成する営み」であり「最善でなくば次善、次善でなくば三善の具現を目指す、けれども、決して諦めず立ち止まりもしない恒常的な漸進の営み」ということだと思います。

漸進の前進。逆に言えば、政治に多くを期待しない態度(誤解なきように。これは、例えば、「どうせ誰が首相になっても同じさ」「民主党も自民党も結局駄目だよ」という心性ではなく、社会と人生の枢要な領域は政治などではなく伝統に従い秩序づけられるべきだとする態度のことです)。社会思想の歴史を紐解くまでもなくこれこそ言葉の正確な意味での「保守主義」の核心なのですが、私はこのような<保守主義>を好ましいと思う者です。

畢竟、憲法が変わったから戦後の社会が変わったのではなく、社会が変わったから現行憲法(典)は最高法規たる憲法規範(の不可欠の一部)としての効力を保っている。実際、すなわち「当該の社会(=国民の法意識、就中、国民の法的確信)にサポートされなかった場合には、憲法典は単なる紙切れにすぎず(最高法規たる)憲法(規範)としての効力を発揮できない」事例は憲法史の中で枚挙に遑がないのです。ならば、我々保守改革派が目指すべきは、漸進の前進による社会の保守主義的な改革であり、而して、そのような保守主義的改革の「領収証」として現行憲法改正の断行であろうと思います。

大東亜戦争終結後のこの社会で跳梁跋扈し猖獗を極めた戦後民主主義を信奉する勢力、他方、国粋馬鹿右翼という(タイ製ソーセージならぬシャム双生児とも言うべきこれら)左右の観念的な社会主義への批判を果敢に推進すること。彼等、左右の傲岸不遜な教条主義やいかがわしい予定調和論を実証的・論理的・体系的に批判すること。来年もこの方針を堅持して漸進したいと思っています。而して、保守改革派の同志の皆さんのご注目を来年もいただけるようであれば大変有難いです。来年もよろしくお願いいたします。





http://jp.youtube.com/watch?v=fjexanCRdPI




●30万件ヒット御礼&自薦稿紹介

 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54141209.html


●2008年下半期自薦稿紹介

【一般記事-前編】
・「アメリカ社会侮り難し」の感を深くしたバドワイザーのTVコマーシャル
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54181195.html

・橋爪大三郎『愛国心の根拠は何か』の根拠を問う(上) (下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54382735.html

・週刊金曜日・森巣博の『心のノート』批判を検討する(1)~(5)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54531855.html


【福田究極の守旧派政権崩壊→麻生保守改革派政権誕生】
・「福田康夫首相」とは何だったのか☆
 内閣改造ですか、それが何か?
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54736993.html

・「福田康夫首相」とは何だったのか☆
 胡錦濤主席訪日の<成功>が照射する日本外交の機能不全
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54818757.html

・「福田康夫首相」とその時代(上) (下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54939784.html

・祝・麻生太郎自民党新総裁誕生☆
 けれど、総裁選も総選挙も政界再編も手段であって目的ではない!
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55143875.html


【2008年アメリカ大統領選挙】
・アメリカ大統領選挙における副大統領候補の意味☆
 08年も「宗教倫理」は枢要な争点として浮上するか(上) (下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54901294.html

・アメリカ大統領選挙に見る「United States」としてのアメリカ
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55538332.html

・オバマが歴史を作った☆
 2008年アメリカ大統領選挙WPST総括記事紹介(上) (下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55926768.html


【国籍法改正】
・国籍法違憲判決が問う<国民概念>の実相と再生
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54869476.html

・差別排外主義に抗して「国籍法改正に賛成→改正国籍法の単独の施行に反対」する
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55808816.html

・国籍法違憲判決違法論の荒唐無稽(上) (下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55983095.html

・「国籍法改正賛成→改正国籍法だけの先行施行断乎反対」の立場から読む
  Japan Times の「国籍法改正」報道(上) (下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56032365.html

・国籍法改正を巡る海外報道紹介と反対論の論点整理
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56079101.html


【一般記事-後編】
・凛々と北京で開いたなでしこの花一輪☆
 なでしこジャパンは世界標準の日本の華の蕾だ!
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54832770.html

・留学試験問題を中国語と韓国語でも出題する文部科学省の倒錯と無策
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55570476.html

・田母神空将の冷静沈着な論考とNYTの陳腐な批判記事
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55704191.html

・マスメディアと政治の適正な関係を実現するための覚書
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55727700.html

・佐倉の国立歴史民俗博物館は保守改革派の超時空要塞だ!
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56319929.html



(2008年12月31日:yahoo版にアップロード)

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2007年9月10日以降の新記事を随時、厳選した過去の自薦稿を漸次アップロードしていきます♪

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