アメリカ経済の再生-オバマは小泉純一郎になれるか☆Economist記事紹介(上)

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アメリカの経済が重篤です。而して、アメリカ経済の需要に依存する度合の大きい支那・韓国の経済も暴風雨圏内の様相を呈している(就中、その支那とアメリカに輸出先と投資元&先を依存する度合の大きい韓国経済の沈没は確実)。また、アメリカ経済を奈落に突き落としたアメリカ発の世界金融システムのフリーズ状態によって貿易立国の日本もまた(世界経済を機能させる信用付与&債権債務の決済システム、言わば経済という身体の血液循環システムとも言うべき金融システムが停止したことに伴い、今次の金融危機による直接のダメージが比較的に軽微であった日本もまた)厳しい経済情勢に突入しています。KABUの同志の大手ヘッド・ハンターオフィスCEO曰く、(多くの企業が決算期を迎える)来月には「(失われた10年の期間も転職にそれほど苦労しなかった)20代-30代前半のファイナンス-アカウンティング専攻の若年層MBAホルダーの労働力市場も凍結する見込みですよ。転職を考えている若い友人知人がおられれば2月中に転職するか少なくとも5月までは動かないようにアドバイスされればどうでしょうか」、と。

アメリカの経済は重篤。昨日2009年2月10日、アメリカ上院で大型景気対策法案が可決成立したものの(産経新聞電子版によれば、大型景気対策法案やオバマ政権の発表している「金融安定化策は具体性が乏しいとの失望感が広がって全面安の展開となり」)ニューヨーク株式市場は8,000ドル割れの大幅下落の展開になっています。而して、そんなアメリカ経済と世界経済が風雲急を告げている一昨日2月9日(繰り返しますが、韓国経済は、『北斗の拳』的に言えば「お前はすでに死んでいる」状態、すなわち、最早「終了」していますので風雲は韓国では急を告げていません)、バラク・オバマ大統領は大統領就任後初めてとなるTV生中継による記者会見を異例の事ながらTVのゴールデンタイムに行い、米経済について「普通の景気後退(リセッション)ではない」「大恐慌以来の最悪の経済危機を経験している」と強い危機感を示し、「我々は、大胆で迅速な行動をとらなかった1990年代の日本で起きたことを見ている」と日本の「失われた10年」を教訓とするよう訴えられました。

Washington Post紙の"Obama Says Economic Crisis Comes First,"February 9, 2009「経済危機への対応が最優先課題」によれば、He compared the situation to Japan in the 1990s, saying the Japanese, failing to act quickly enough, suffered a "lost decade."(オバマ大統領は1990年代の日本と現下アメリカの経済状況を比較して、日本は求められていた迅速な行動をとらなかったことにより「失われた10年」に苦しめられた)と。而して、蓋し、アメリカ経済の回復のためには<小泉純一郎>が求められている。そして、小泉政権の中枢にありその「大胆で迅速な行動」を担った我等が麻生太郎首相を宰相に擁している日本は実に幸運と言えると思います。ことほど左様に、「政局と人事の天才」の名を欲しいままにした小泉純一郎元首相は、(衆院大蔵委員長経験者でもあり、竹下登-宮澤喜一両元首相の世代を引き継いだ、実質、最後の「大蔵族議員の総帥」でもあり)日本を「失われた10年」の苦しみから脱却させた経済政策の練達の士でもありました。

小泉政権による「失われた10年」からの脱却。バブル崩壊後、在庫調整と資産調整の所謂「複合不況」に旧田中-竹下派的な55年体制の政治がなんら有効な手を打てず、(消費性向と投資性向が低迷する中、要は、公共投資の乗数効果が縮小する中。長篠の戦いの実像は異なるのですが)「織田-徳川連合軍の馬防柵と三段構えの鉄砲の一斉射撃システムに無謀な突撃を繰り返した武田騎馬軍団」の如く、あるいは、機関銃を備えたコンクリート製の近代要塞で待ち受けるロシア軍に愚かにも数次にわたり徒に突撃を敢行せしめた愚将乃木希典の如く無駄な公共投資を投入し続け、他方、所謂「ゼロ金利政策」によって(国民の金融資産を実質目減りさせながら)事態解決の先延ばししかできなかったのに対して、(1998年3月の金融機能安定化法に基づく総額約1兆8000億円の資本注入、1999年3月の早期健全化法による総額約7兆5000億円の資本再注入。而して、この前段を踏まえた上で)2001年以後、平成の大宰相・小泉純一郎元首相による銀行の直接償却の促進、大手銀行の特別検査、資産査定厳格化と銀行のリストラの強制。これらにより、2003年のりそなホールディングスに対する資本注入に至り日本の金融危機は終焉した。

ケインズのマクロ経済学を持ち出すまでもなく、不況とは急激な「有効需要収縮」に他ならず、而して、有効需要は投資と消費の合算です。ならば、不況脱出とは(そのプロセスやプロセス誘導の施策がいかに複雑であろうとも、端的には)投資か消費の拡大に尽きることは、高校生や中学生でも知っている事柄であろうと思います。そして、有効需要を決める要因が(1)「消費性向」(2)「資本の限界効率」(3)「流動性選好」という究極的には「心理的な変数」であることも。

蓋し、(3)「流動性選好」(資産をリスクが比較的大きく換金に時間を要する証券等ではなく貨幣の形態で持ちたいという心理とその行動の一国経済における度合)により利子率が均衡状態で定まり、その利子率により投資水準や所得水準が定まることで(ここに、(1)「消費性向」と(2)「資本の限界効率」が作用して消費と投資の規模が、すなわち、)有効需要が決定され景気循環の位相が定まるとはどんなマクロ経済学の教科書にも書かれていることでしょう。

而して、本記事に画像として収録した(但し、ここでは価格とともに利子率を一定と仮定した、y軸に総需要(D)、x軸に国民所得(Y=総供給)をとった「消費需要曲線」による有効需要による所得決定の説明モデルたる)「45度線モデルでみた財政政策効果」分析によって、「国民所得の水準は有効需要によって決定される」「実物経済市場で需要と供給が均衡していたとしても、労働力市場で需要と供給が均衡する論理的必然性はなく、よって、非自発的失業をなくすためには政府による財政出動で実物経済を人為的により高い水準にしなければならない」こともまた理解するのにそう難しいポイントではないと思います(★)。


45degree

★註:45度線モデルでみた財政政策効果
簡単に言えば、総需要(D)と総供給(=国民所得:Y)が同じ比率で増減するのならば、消費需要曲線はD=Yのグラフになりその傾きは45度になる。また、総需要は「C:消費」と「I:投資」と「G:政府支出」の合算と定義できる。尚、所得がゼロであっても人間が生きていくためには最低限の消費をしなければならず画像一番下のC(C0+cY)のグラフはy軸上に切片C0を持つ。而して、グラフは下から「消費」、「消費+投資+政府支出」、そして、(一番上が)「消費+投資+政府支出+政府の公共投資の追加支出(△G)」を示しています。

而して、45度線と(公共投資の追加支出がなされる前の)消費需要曲線「C+I+G」との交点(E0)が理論的にはその国家経済の総需要と総供給が均衡している点なのですが、本文でも触れたようにその均衡点で労働力市場の需要と供給(=求人件数と求職件数)もまた均衡する保障はない。よって、政府の公共投資の追加支出(△G)を行い、新たな消費需要曲線「C+I+G+△G」を人為的政策的に作り(完全雇用が実現する国民所得水準(Y1)に対応する)、45度線とその新たな消費需要曲線との交点(E1)が完全雇用を実現しうる総需要と総供給の均衡点ということになる。ポイントは、政府の公共投資の追加支出(△G)の総額は経験を通して推察される「完全雇用が実現するY1」の値から逆算されて見出されるのであって、アプリオリにその値が45度線や(公共投資の追加支出がなされる前の)消費需要曲線「C+I+G」から数学的に演繹されるわけではないということです。




問題は、グローバル化の一層の昂進の中で、最早、大企業の正社員や公務員の雇用も「聖域」ではなくなるリスク化の時代への不安と、他方、(安いけれど特徴のない品揃えが文字通り市場から拒否されて倒産した「主婦の味方ダイエー」の例を想起すれば自明なように、生きるために最低限必要な物品やサーヴィスのみならず、TVで見る限り「派遣村」の派遣切れの人々の少なからずがワンセグ携帯電話を保持していた如く、普通の耐久消費財も国民にほぼ行き渡っている先進国では)現在において「所得が増えた度合いほど消費は増えない」「所得が増えた度合いほど(消費が増えない以上、つまり、資本の限界効率が低い以上、投資意欲は高まらず)投資は増えない」ことです。畢竟、天下の回り物の「貨幣」が銀行の金庫か家計の箪笥の中から出にくくなっている。

このことは絶後ではないかもしれないけれど空前の低金利(実質ゼロ金利)であるにかかわらず、企業の投資が低迷していること、而して、「失われた10年」の間になされた公共投資が(それはそれで、地方再生という別の政策目的のためには全く無駄であったとは思いませんが)「地方の建設業者の生命維持装置」を越える経済的意味はなかったことを想起すれば思い半ばに過ぎるのではないでしょうか。要は、「45度線分析の消費需要曲線」の傾きは(所得の増加率と消費の増加率が等しい場合の)45度などよりも遥かに緩やかになり(究極的にはx軸とほとんど平行になり)、よって、公共投資の乗数効果も極めて低い水準に止まるがゆえに公共投資による景気浮揚は想像を絶する額の財政出動でもしない限りそう効果はないということです。

しかして、今次の世界金融危機に端を発する不況からの脱出の施策は、(実需要から余りにも乖離した投機的価値を体現しうる金融商品の禁止等々の新しい競争のルールの導入による)世界金融危機の原因たる金融システムの再構築と並んで、消費性向の向上が、よって、(資本の限界効率も流動性選好も究極的には、ケインズの喩えを借りれば「美人コンテストの投票行動」としての心理的要因である限り)消費性向を向上させるための政府の景気対策への本気度を示すことに尽きるのではないか。その意味で個別日本においては、麻生政権がその実現を期す「定額給付金」は必ずしも悪いアイデアではない。と、そう私は考えています。

けれども、世界的に見れば、世界の有効需要(=景気)は浪費大国アメリカにおける消費性向と流動性選好と資本の限界効率にかかっている。而して、アメリカ経済は再生できるのか。この点に関して参考になる記事をEconomistで目にましたので以下紹介したいと思います。出典は、”The economy -Even worse than it looks:America's economy shrank sharply in the fourth quarter. There are few reasons for optimism,” Jan 30th 2009「経済-傷は思いのほか深い:アメリカ経済は第4四半期急激に減速した。而して、今後も明るい材料はほとんど見当たらない」です。




IT IS a measure of the prevailing gloom that the worst economic performance in 26 years could still be described as better than expected. Real gross domestic product fell at an annual rate of 3.8% in the fourth quarter, below the decline of 5% or more that many economists had anticipated.

However, there is precious little reason for optimism. Almost all the unexpected growth came from a small rise in business inventories. This is almost certainly because firms did not reduce production quickly enough to keep pace with slumping orders. To get inventories back in line, more production cuts in the current quarter are likely. Morgan Stanley had expected GDP to fall by 4.5% in the current quarter, but now thinks it will fall by 5.5%.


この26年間で最悪の経済情勢も予想されていたよりもまだましと言えるかどうかが、景気の低迷の広がりを測る基準の一つである。しかし、第4四半期に実質ベースの国内総生産は年率3.8%下降したのだけれども、それはエコノミストの多くが予想していた年率5%規模の下降を下回る値だった。

しかし、情勢はとても楽観でるようなものではないと見る理由がある。予想を上回った成長のほとんどは各企業の在庫の微細な増加に起因するということ。すなわち、予想外のこの経済成長は、企業が注文の減少に対して素早く生産のペースの縮小を合わせることができなかったことによることはほとんど疑いようがないということだ。而して、これらの在庫が販売ラインに流れ込むことにより、現下の四半期ではより大きな生産縮小が惹起するものと思われる。実際、モルガン・スタンレー社は現下の四半期のGDPの落ち込みを4.5%と予測していたけれど、現在では5.5%の落ち込みになるものと予想を下方修正している。

<続く>
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テーマ : 世界金融危機
ジャンル : 政治・経済

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