海外報道紹介☆明日は日本の姿か?-不法移民の合法的な子供達が揺るがすアメリカ社会

illegalimmigrant


資本主義世界システムの強化とグローバル化の昂進にともない、不法移民-不法滞在者は、文字通り国境を超えた問題になってきています。実際、反日メディアの煽動に流されたためか、法務省がその娘の滞在を許可するという根拠薄弱な処置を行い、あるいは、不法滞在が露呈してから数年間も在留特別許可を出し続けていたことが暴露された所謂「カルデロン一家事件」に象徴される我が国の支離滅裂な入国管理行政に憤りを感じた国民も少なくないのではないでしょうか。

もちろん、カルデロンのりこ氏に責任を問うことは筋違い。所謂「カルデロン一家事件」において第一次的に責任を負うべきは、法の適正な適用を躊躇し、もって、問題を一層複雑かつ情緒的にした法務省当局にあることは自明でしょう。しかし、彼女は埼玉県蕨市でこの国の入国管理行政の杜撰さの<生き証人=被害者>として現在進行形で滞在しており、他方、カルデロン一家の支援者達はこの国の<人的国境線>をのりこ氏の滞在継続という<現実=法秩序破壊>によって日々融解できていることをほくそ笑んでいるのではないか。畢竟、このような杜撰で正義に反した入国管理行政のあり方は可及的速やかに改善されるべきである。そう私は考えています。

蓋し、「地球市民」なる実体を欠く妄想に依拠した人権カルト集団による<人的国境線=主権国家>融解の策動は、しかし、この社会ではアプリオリに正しい主張として日々マスメディアを通して流布されている。曰く、「外国人在留管理厳格化に反発も-新カード導入の法改正」(朝日新聞・2009年4月30日)、「帰国旅費を補助、再入国は制限-日系人失業対策に批判-「手切れ金か」」(朝日新聞・2009年5月8日)等々。法務省『平成20年版・出入国管理』(p.31:下記URL参照)によれば、2008年1月1日現在、日本に滞在中の不法残留者数は14万9785人、これに不法入国者の推計約2万4000人を加えれば、17万4000人の不法滞在者がこの社会に潜んでいる現実を前に、「法務省と市町村が連携して一枚のICカードで入国のみならず滞在実態も把握可能なカードの導入」等々の合理的な外国人管理行政の強化を非難するこの国のマスメディアとは一体何ものなのでしょうか。

・平成20年版・出入国管理
 http://www.moj.go.jp/NYUKAN/nyukan78-2.pdf

不法滞在者に対する「在留特別許可」件数は、2004年の約1万3000件をピークに漸減しているとはいえ、2006年と2007年には各々9360件と7388件という高水準で推移しています。確かに、欧米の法制度の推移を見るまでもなく、①より厳格な入管(移民)規制制度の制定:優秀な人材は受け入れるが単純労働目的の入国は原則拒否する外国人受入制度の再構築、②一定の条件を満たした不法移民-不法滞在者を<徳政令>的に一括合法的な存在にして法と現実の乖離を漸近させる施策。これら①②の「飴と鞭-強面と軟弱」の併用は、理想を睨みながらも現実の国際経済のダイナミックスに対応せざるを得ない入国管理行政(外国人管理行政)のデファクト・スタンダードな施策ミックスではあるでしょう。けれども、カルデロン一家事件を見る限り、現在の我が国の法務省に国力と文化伝統の維持強化、而して、社会秩序の維持と社会統合の促進という国家にとって不可欠な課題を睨んだ上での「飴と鞭-強面と軟弱」との狡猾かつ巧妙な運用、熟慮と果断による運用がなされているとは到底思えません。そこにあるのは、反日マスメディアと人権カルト集団に煽動された世論の情緒におもねる<政治哲学の不在>ではないでしょうか。

1978年10月4日の最高裁大法廷判決、所謂「マクリーン事件判決」を紐解くまでもなく、確立した一般国際法たる慣習からも、「外国人の入国を許可するか否か/外国人の滞在を認めるか否か」は当該外国人が入国・滞在を希望する国の専権的な裁量に委ねられている事柄です(尚、春田哲吉『パスポートとビザの知識・新版』第3章-第4章参照)。更に、例えば、高佐智美「外国人の人権-現代国際社会における出入国管理のあり方」(ジュリスト・2009年5月1日-15日合併号所収, pp.62-69)が紹介しているように、世界人権宣言9条、国際人権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)13条からも「国際人権法上、外国人の入国・在留の権利は原則として保障されてはおらず、例外的な場合においてのみ、認められるにすぎない」(p.67)のです。

尚、高佐さんはカルデロン一家のケースは「私生活への不干渉」を定める同規約17条、および、「家族の紐帯」に価値を置く同規約24条1項を鑑みれば国外退去処分は行き過ぎではなかったかと示唆されている。けれども、高佐さんが自説を補強すべく引用するHRC(国際人権規約委員会)の「判例」の場合、オーストラリア政府に追放されたインドネシア人夫婦の子供は当該処置を行なったオーストラリアの国籍を保有していたのであり(当該の子が日本国籍を持たない)カルデロン一家のケースとは全く事案を異にすると言うべきだと思います。いずれにせよ、国際人権規約条約締結国に対するHRCの見解などなんの法的効力もないことは言うまでもありませんけれども。

而して、少し古い記事ですが不法入国者-不法滞在者が蔓延する我が国の状況を考える上で参考になると思った海外報道を以下紹介します。出典はWashington Postの”Illegal Immigrants' Legal Kids Snarl Policy-Increased Birthrate Exacerbates Issue”「不法移民の合法的存在たる子供達が混乱させる入国管理政策-不法移民問題の解決を一層困難にする不法移民層の出生率向上」(April 15, 2009)。尚、この問題に関する私の基本的な考えについては下記にURLを記した拙稿をご参照いただければ嬉しいです。




karuderon



A new report providing the most detailed portrait to date of the illegal immigrant population found that it is mostly made up of young families that are having children at a much faster rate than previously known. The study, released yesterday by the nonpartisan, Washington-based Pew Hispanic Center, also found that a disproportionate share of such children live in poverty and lack health insurance.

Because any child born in the United States has a right to citizenship, the growing presence of these children is likely to complicate the debate over immigration policies aimed at their parents.

The question of so-called "mixed-status" families is not new. But the increase in the number of children born to illegal immigrants is likely to exacerbate such situations in years to come.

Immigrant advocates and members of Congress, hoping to build momentum for legislation legalizing unauthorized immigrants, have been highlighting the plight of their U.S.-born children in a series of public events across the country in recent months. But the issue also could heighten anxieties in many communities that the U.S.-born children of illegal immigrants will increase demands on schools and social services.

The findings, which analyzed census data, also suggest that the impact of the unprecedented increase in illegal immigration over the past three decades will continue to be felt for years to come, even as the size of the illegal immigrant population appears to have leveled off since 2006 at about 10.4 million adults and 1.5 million foreign-born children. By contrast, the number of children born in the United States to illegal immigrants rose from 2.7 million in 2003 to 4 million in 2008.


不法移民の実相に関する現在の所では最も詳しい情報をまとめた最新のレポートによれば、不法移民層は今まで知られていたよりも速いペースで子供を儲け続けている、概して若い世代が構成する家庭に属しているとのことだ。ワシントンに拠点を置く党派色と無縁のピュー・ヒスパニック・センターが昨日【2009年4月14日】発表したその研究レポートは、平均と比べた場合、そのような家庭の子供達の多くが貧困と健康保険未加入の状態に置かれていることもまた明らかにした。

アメリカ合衆国国内で生まれたすべての子供にはアメリカの市民権が与えられる。而して、これらの子供達の存在感の増大は、彼等の両親を主な対象としてきた移民政策を巡る議論をより複雑なものにしかねないように思われる。

所謂「国籍混合型」と呼ばれる家庭【両親は不法移民であるが、その子供達は米国で生まれたためアメリカ市民権をもっている家庭】の問題は特に目新しいものではない。しかし、不法移民が儲ける子供の増加は今後数年間にわたってこの問題の解決を一層容易ならざるものにするだろう。

移民を支援者する連邦議会の議員達は、法的に日陰の存在である不法移民を合法化する立法のチャンスとばかりに、ここ数ヵ月全米の随所で開かれた連続的な公的行事においてアメリカ合衆国で生まれた不法移民の子供達の苦境に注目を呼びかけ続けてきた。しかし、この国籍混合型家庭を巡っては、多くの地域社会で、不法移民の両親を持つアメリカ生まれの子供達の増大により教育や社会福祉の負担が増大していくのではないかという危惧が高まっている。

畢竟、2006年以来、不法移民の人口規模は、成人が1040万人、不法移民の国外で生まれた子供達が150万人の水準で推移しているに関わらず、国勢調査データを分析して得られた知見もまた過去30年間の不法移民層における前例のない人口増加の衝撃が今後数年間は持続することを示唆している。



The growing presence of children of illegal immigrants in schools has also fueled concern over the cost of illegal immigration in many area communities where the foreign-born population has risen rapidly in the past decade. Commissioners in Frederick County, for instance, have repeatedly tried to make public school officials tally the number of such students in hopes of prompting federal lawmakers to increase education funding or step up enforcement. (Last month, the Maryland State Board of Education blocked the effort, saying it could discourage illegal immigrants from enrolling their children in school.)

Children of illegal immigrants now account for about one in 15 elementary and secondary school students nationwide and more than one in 10 students in five states: Arizona, California, Colorado, Nevada and Texas. The vast majority of these children were born in the United States.・・・


教育現場における不法移民家庭の子供達の存在感の増大を前にして、不法移民のための費用負担に対する懸念を強くしている地域社会も少なくはない。特に、過去10年間に国外で生まれた移民人口の急激な増加を経験した地域社会では一層そうである。例えば、【メリーランド州】フレデリック郡の郡政委員達は、その資料に基づき連邦議員に向けて教育予算の増額、あるいは、不法移民規制法規の実施強化を促す狙いから、郡政委員達は繰り返し公立学校の当局者に対してこれらの子供達の数を記録するように働きかけをしてきた(先月【2009年3月】、メリーランド州教育委員会はフレデリック郡の郡政委員達の企てを阻止した。そのような措置は不法移民がその子供達を学校に通わせなくする誘因になりかねないというのが同州教育委員会の見解である)。

全国平均で見た場合、不法移民家庭の子供達は小中学校の生徒では15人中1人の割合を占めるまでになっており、アリゾナ・カリフォールニア・コロラド・ネバダ、そして、テキサスの五つの州では10人に1人を超える状態になっている。而して、これらの子供達の圧倒的多数はアメリカ合衆国生まれなのだ。(中略)



The Census Bureau does not ask people their immigration status. So the authors used a technique that estimates the number of legal immigrants using other government records, such as immigrant admissions, then subtracts that population from the total number of foreign-born estimated by the bureau to come up with the number of illegal immigrants.・・・

The spike in births to unauthorized immigrants -- 70 percent of whom come from Mexico or Central America -- is largely due to their relative youth compared with the general population, as well as their greater propensity to marry and have children.

The result, said co-author Jeffery S. Passel, is "a different picture than what we usually see of undocumented immigrants. We usually see the young male day laborers on street corners. But only a fourth of undocumented immigrants are men who are here by themselves without spouses or children. This is a population that is largely made up of young families."

Passel added that this "complicates greatly the difficulty of coming up with policies to deal with this population. . . . While we may be able to fit people into boxes of 'undocumented,' 'legal,' 'legal temporary,' and 'U.S. citizens,' it's not so easy to fit families into that same set of little boxes."


アメリカ合衆国国勢調査局は調査に際して移民であるかどうかを聞いていない。よって、このレポートの著者達は、移民申請書等の政府が収集した他の記録を用いて合法的な移民の人口を推計する技術を用いて、而して、国勢調査局が推測する国外生まれの総人口からその合法的移民人口を引くことで不法移民の人口を割り出している。(中略)

不法移民層における平均以上の出生率の最大の原因は(尚、不法移民層の70%はメキシコおよび他の中央アメリカ出身なのだけれども)、平均的一般的な階層と比較した場合の彼等の婚姻と子供を産む強い傾向性のみならず、不法移民層の所帯構成員の相対的な若さにある。 

このレポートの結論として、レポートの共著者ジェフリィー・パッセル氏は、「不法移民に関して我々が従来持っていた認識とは異なる像が見られた。我々がよく見かけるのは街中で働く若い男性労働者である。しかし、配偶者も子供も持たない男性は不法移民の四分の一足らずにすぎない。而して実態は、不法移民層の大部分は若い家族によって構成されている」と述べている。

パッセル氏は、更に、この不法移民の新しいイメージを前提にすれば「これら不法移民層を取り扱う施策を見出すことは著しく困難なことと思われる。・・・我々は人々を「不法移民」「合法な移民」「合法な短期滞在者」「アメリカ市民」というカテゴリーの箱に仕分けすることはあるいは可能かもしれないけれども、家族をこれと同じタイプの諸カテゴリーの箱に区分けすることは容易ではない」と付け加えている。



The study's findings also point to the continued geographic dispersal of illegal immigrants since 1990 across southeastern states with little prior history of immigration.

Although longtime magnets such as Florida, Illinois, New Jersey, New York and Texas retained their appeal -- and California continues to house the largest number of unauthorized immigrants -- growth there has slowed compared with such states as Georgia and North Carolina. Similarly, in Virginia, which ranks 10th in number of illegal immigrants, the unauthorized population quintupled since 1990 to 300,000 and accounts for 4 percent of residents and 5.1 percent of workers. ・・・


この研究レポートは、また、移民受入に些か先んじてきた前史を持つアメリカ東南部の諸州において1990年以降も不法移民の地理的分布の傾向が持続していることも明らかにした。

長年にわたり多くの不法移民を惹きつけてきたフロリダ・イリノイ・ニュージャージ・ニューヨーク、そして、テキサス等の諸州はその傾向を現在も維持しており、加えて、カリフォールニアは不法移民の最大の受入先であり続けているけれども、ジュージア・ノースカロライナ等に比べればそれらの諸州の不法移民の増加率はむしろ低くなってきている。【ジュージア・ノースカロライナと】同様に、州が抱える不法移民人口の規模では10番目とされるバージニアでは、不法移民の人口は1990年から5倍に増加しており30万人に達している。この数字は州の人口の4%、州の労働人口の5.1%を占めるものである。(後略)


・外国人の地方選挙権に関する覚書
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/51717686.html

・在日韓国人の「差別的な日本社会」からの解放の道☆朝日新聞トンデモ投書を導きの糸とした覚書
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/51996321.html

・国籍法違憲判決が問う<国民概念>の実相と再生
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/54869476.html

・国籍法違憲判決違法論の荒唐無稽(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/55983095.html

・国籍法改正を巡る海外報道紹介と反対論の論点整理
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56079101.html

・難民に「開かれた国」は国民を難民にしかねない「いかれた国」である
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56722853.html

・人権と民主主義は国境を越えるか(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/53973044.html

・書評☆春田哲吉『パスポートとビザの知識』
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/23860713.html





(2009年5月20日:yahoo版にアップロード)

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