日本を考える<夏>はまだ終らない☆総選挙海外報道-Washington Post総括記事(上)




2009年8月の総選挙、<8・30>を取り上げた海外報道を紹介します。反麻生のバイアスのかかった日本の報道ではなく、醒めた視点から報じられた記事を通すことで<8・30>の実像をより正確に理解できると思います。但し、醒めた視点を備えているとはいえ、必ずしも海外報道は客観的であるわけでも正しいわけでもないことには注意が肝要。

第一に、彼等も朝日新聞・NHK・共同通信・Japan Timesと言った日本国内の反日メディアが報じる情報に影響されており、第二に、例えば、所謂「従軍慰安婦」なるものを扱った報道や、首相の靖国神社参拝を巡ってしばしば言及される所謂「A級戦犯」なるものを取り上げた論稿を想起すれば自明なように、彼等は彼等独自の「西欧中心主義」「文化帝国主義」と呼ばれる歴史認識やイデオロギーによって、ある意味、日本の報道機関と比べてもより重層的なバイアスに絡め取られている可能性もあるのですから。しかし、海外報道が孕むそんな重層的なバイアスの危険に自覚的である限り、自己の願望と妄想を事実と詐称して垂れ流す朝日新聞等々に比べて、海外報道は遥かに良質の情報入手ツールではないかと思います。


選挙の結果は、It’s history.(最早、誰もが知っているつまらない情報)。けれども、その結果が historic and historical (歴史に残る、かつ、日本の今を歴史的に考える上でも重要)であったことは言うまでもないでしょう。而して、正に、<8・30>の結果は『戦国策』の「白虹貫日」。

白虹、日を貫く


天が有権者・国民の怒りに感じて奇蹟を起こした。あるいは、有権者・国民の不満が政権政党を貫いたもの。他方、左翼・リベラルの巣窟、反日メディアの演出によって四面楚歌に陥るも麻生自民党はよく戦った。実際、<8・30>における自民党の得票率は小選挙区で38.7%、比例区で26.7%に達しました。これは前回の郵政選挙の際の民主党の得票率36.4%-31.0%と比べても遜色がなく、今回の「逆風-麻生バッシング」を考慮すれば、麻生自民党は善戦したと言えるのだと思います。

けれども、白虹貫日。完敗は完敗。自民党政権の政策ではなく自民党政権の体質に(政治の内容ではなく政治の仕方に)不満を溜めていた有権者・国民が、政策選択ではなく政権選択を総選挙の争点に据えてしまった段階で勝敗は決した。些か、春秋の筆法を使い換言すれば、自民党は民主党にではなく、

・自民党に憑依するネガティブイメージに負けた
・小泉政権の成功に負けた


自民党が郵政関連法案を成立させた後、安倍政権の比較的早い段階で構造改革の断行の一枚看板から地方再生と構造改革の同時実現の二枚看板に(理論とビジョンを伴なわせつつ)その政策の基軸を大胆に修正し、かつ、その修正内容と修正する理由を分かりやすい言葉で国民に語ることのできた合理的な政党であったなら、<8・30>の総選挙、否、<7・29>2007年の参議院選挙でさえ民主党などに負けることはなかった。

けれども、覆水盆に返らず。けれども、言うは易く行なうは難し。そのようなことは、今回の総選挙で自民党が壊滅的な敗北を喫しない限り不可能であった。と、そう私は考えています。ならば、『論語』衛霊公編に曰く、「過而不改、是謂過矣:過ちて、而して、改めざる。これを過ちと謂う」、と。ならば、自民党を改めるのみ。簡単なことではないですか。


畢竟、民主党はその内政外交の政策の荒唐無稽さを満天下に曝すために政権を奪取した。要は、死刑台に登るために獄舎から引き出されたのです。また、外政においては盧武鉉前韓国大統領並の国際政治音痴、内政においてはかっての後醍醐天皇ばりの独善的な夢想家である鳩山由紀夫民主党代表が首相就任から極短日月に世間と世界の失笑と失望を買うことも必定。

ならば、我々保守改革派にとって今後は政策論争とイデオロギー闘争、そして、それらを世に問う行動あるのみ。而して、来年の参議院選挙。(おそらく)4年後の衆参同時選挙の勝利はほぼ堅い。なぜならば、最早、「政策選択が付随しない政権選択」はこの国の国政選挙の争点にはならないから。そして、政策で自民党が民主党に、保守改革派がリベラルや左翼に負けるはずはないからです。

司馬遷『史記』によれば、四面楚歌の直後、敵の囲みを突破した項羽は、烏江の渡し場で捲土重来を勧める楚人の亭長の誘いを断り、敵大群を迎え撃ちその31歳の生涯をとじた。けれども、我々は断乎「捲土重来」を期す。そのために、臥薪嘗胆。而して、本ブログが皆様の臥薪嘗胆の営為に少しでも役に立てば嬉しい。

以下、海外報道紹介。本稿で紹介する記事の出典はWashington Post”Ruling Party Is Routed In Japan -Lagging Economy Cited for Vote Ending 54 Years of Dominance”「日本の与党壊滅的敗北を喫す-泥沼の経済に対する有権者の不満が54年間の与党支配に幕を下ろす」(August 31, 2009)です。

尚、民主党政権の危険性とその政策の荒唐無稽さ、および、保守改革派の今後の進むべき方途に関する私の基本的な考えについては本記事末尾にURLを記した拙稿をご一読いただければ嬉しいです。また、英文法について疑問点などあればこちら(↓)をご参照ください。


・『再出発の英文法』目次
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/4c90b691d5e0e53d8cb87f7803a437ce



09sosenkyoresult



Breaking a half-century hammerlock of one-party rule in Japan, the opposition Democratic Party won a crushing election victory Sunday with pledges to revive the country's stalled economy and to steer a foreign-policy course less dependent on the United States.

But it was pent-up voter anger, not campaign promises, that halted 54 years of near-continuous dominance by the Liberal Democratic Party (LDP). The party had become a profoundly unpopular, but deeply entrenched, governing force that so feared it would be swept from power that it had put off a national election for nearly three years.

In a record landslide on a rainy day, voters awarded 308 seats in the powerful 480-seat lower house of parliament to a slightly left-of-center opposition party formed by disaffected LDP veterans. It is led by Yukio Hatoyama, 62, a Stanford-trained engineer who will probably be chosen prime minister in mid-September. ・・・


日本で、半世紀にも及ぶ盤石で強固な一党支配体制が突き崩された。而して、低迷が続くこの国の経済の回復と対米依存度合の低下に舵を取ることを約した野党の民主党が選挙で圧倒的な勝利を収めたのである。

54年間ほぼ途切れることなく続いた自由民主党(自民党)による支配体制を止めたものは、しかし、選挙公約の是非ではなく鬱積した有権者の怒りであった。自民党は極めて深刻な人気低迷に苦しんできていたのであるが、逆に、権力の座から退けられかねない事態を恐れてこの3年近く国政選挙を先延ばしながら守りに徹した政権運営を行なってきた。

【註:2005年の郵政選挙の1年後、今から3年前の2006年、確かに安倍晋三元首相は国政選挙の洗礼を受けることなく宰相の印綬を帯びたのではあるけれど、安倍政権は小泉政権の継承を謳っていたのであり、特に、その段階で総選挙を先延ばしたわけではない。よって、自民党が「総選挙を先延ばしした」と表現されても間違いではないのは、早くとも今から2年前の2007年7月29日の参議院選挙後のことと言うべきである。けれども、原文に従った】

あいにくの雨模様の中で行なわれた選挙は記録に残る地滑り的勝利を民主党にもたらした。跛行的両院制を取る日本の国会で権限において参議院に優越する衆議院全480議席のうち308議席を有権者は、自民党内不満分子のベテラン議員が結成した心持ち中道左派寄りの野党に与えた。圧勝したその野党の党首は、スタンフォード大学で学んだこともある経営工学者、鳩山由紀夫氏(62歳)。順当に行けば9月中旬には鳩山氏が新しい首相に選ばれるはずである。(中略)


The grand strategist behind the win was Ichiro Ozawa, a former LDP power broker. He was the Democratic Party's founding leader until he was forced to resign this year in a campaign finance scandal.

Hatoyama thanked Ozawa on Sunday night for engineering the victory and said he wants Ozawa either to serve in his cabinet or to continue as campaign manager for the party. ・・・


今回の総選挙の大勝利の絵柄を描いた総参謀長は小澤一郎氏であり、彼は自民党の名うての派閥政治家だった人物。小澤氏は、民主党創設時から今年選挙資金スキャンダルの責任を取り辞任に追い込まれるまで同党の党首だった。

【註:民主党をその前身の一つ「新生党→新進党」にまで遡れば「小澤氏は民主党の創設時の指導者だった」と言うことは間違いではない。しかし、小澤氏は、民主党はもちろん新生党・新進党でも継続して党首を務めたわけではないのだから本文は明らかに間違い。けれども原文に従った】

鳩山氏は、日曜日【8月31日】の夜、見事な大勝利をもたらした選挙の采配について小澤氏に謝意を述べ、鳩山内閣の閣僚になるか、それとも、党内に残り引き続き選挙全般の責任者として采配を振るうかいずれかを鳩山氏は望んでいると小澤氏に伝えた。(中略)


Japan was the postwar wonder that grew into the world's second-largest economy. But it became enfeebled and directionless in the latter years of the LDP's long watch, with stagnant wages and sputtering growth, the worrying rise of the world's oldest population, and a monstrous government debt that will soon double the gross national product. Unemployment set a record last week, and the economy shrank for much of the past year at nearly twice the U.S. rate.

For these failings, voters seemed eager to punish the LDP and its unpopular leader, Prime Minister Taro Aso. On Sunday, Aso called his party's defeat "very severe."

"I think it is a result of the people's dissatisfaction and distrust towards LDP's leadership," Aso said, adding that he takes responsibility for the loss and will step down as party leader.

Judging from polls and voter interviews, the opposition won not because of its attractive policies or charismatic leadership. There is skepticism about how sound those policies are and doubt about how capable the party's unproven leaders will be. Instead, the Democratic Party won by default, as the only available means by which voters could wrest power from the LDP. ・・・


日本が世界第二の経済大国に成長したことは戦後の奇蹟である。しかし、長い自民党政権時代の終末のここ数年、日本経済は衰退し、また、低迷から脱する道も見出せず漂流してきた。すなわち、上昇しない賃金、活発とは到底呼べない経済成長、世界でも最大の老齢人口に対する懸念、そして、近々、国民総生産の2倍にも達しようかという化け物じみて巨大な財政赤字に日本は喘いでいる。先週には失業者数も過去最高を記録してしまい、景気の低迷に関しては去年の過半の月で日本はアメリカの約2倍の酷さだった。

これらのことを鑑み、今回の総選挙で有権者は自民党とその不人気な指導者、麻生太郎首相に罰を与えようとしたものと思われる。日曜日、麻生総理は今般の総選挙における総理率いる自民党の敗北を「大変厳しいもの」と評した。

【註:麻生内閣の総選挙直前の支持率21%は歴代内閣の末期に比べて遥かに高く、また、上でも述べたように、<8・30>総選挙における自民党の得票率は、今回の「逆風-麻生バッシング」を考慮すればそう低いとは言えない。ならば、少なくとも、麻生総理の保守系有権者に対する「人気」はかなり高いと考えるべきである。けれども、ここも原文に従った。「臥薪嘗胆→捲土重来」である】

「今回の結果は自民党の指導力に対する国民の不満と不信の表れではないか」と麻生総理は語り、敗北の責任を取って自民党総裁を辞任する旨を表明した。

世論調査と出口調査の結果から言えることは、民主党の勝利はその政策とリーダーのカリスマ性が与して力あったわけではないことだ。少なくない有権者が、民主党の政策がまともなものであるかどうかについては懐疑的であり、更に、経験乏しく手腕未知数な民主党指導陣の能力について疑いを懐いている。而して、民主党の勝利は消去法的選択によるものに他ならない。すなわち、自民党から権力を取り上げる唯一実行可能な方法として有権者は民主党を勝たせたのである。(中略)


<続く>






(2009年9月4日:yahoo版にアップロード)

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