海外報道紹介☆「東アジア共同体構想」という鳩山首相が投げた<驚愕の波動>

naganopekin


鳩山首相がぶち上げた「東アジア共同体構想≒日本と支那の同盟構想」は、それがアメリカ外しを意図するものではないかとして、保守・リベラルを問わずアメリカの政界からは不信の目で見られています。では、アメリカを除く世界ではどう受け取られているのか。就中、当の支那と欧州ではどう受け取られているのか。本稿ではこのことを確認する上で参考になる記事を紹介します。出典は英国のDaily Telegraphの”China and Japan begin talks on building alliance”「同盟構築に向けて協議を開始した支那と日本」(05 Oct 2009)です。

英国の「大衆紙」と言ってよいDaily Telegraphのこの記事を読む限り、「外される」ことになる当のアメリカとは異なり(もともと「外れている」)英国が「東アジア共同体構想」を見る目線は、基本的には<歓迎>と言ってよい。ただ、その実現可能性に関しては、少なくとも、近い将来の実現可能性に関しては極めて懐疑的。と、そう理解できるのではないかと思います。

この記事で興味深いのは、これまた「ラブコール」を送られた当の支那国内では、(東アジア共同体構想、特に、支那主導のその構想にもちろん否定的な意見は少ないけれど、)日本からの(というか、「鳩山首相=宇宙人」ですから「宇宙からの」と言うべきでしょうか、)この呼びかけには警戒感を覚える向きも少なくないこと。少なくとも、鳩山首相の支那に対する「ラブコール」の意図が今一つ理解できないという感想が少なくないことです。しかし、それは当然でしょう。鳩山首相に何か明確な戦略や意図があるわけではないのですから。

昔、「名捕手=野村克也」は現役時代、世界のホームラン王・王貞治は完璧近く抑えることができたが、ミスタープロ野球・長嶋茂雄の狙い球を読むことができず最後までその打棒を抑えることができなかったらしい。そして、引退後、この元名捕手がハタと気づいたのは「長嶋は実はなーんも考えていなかったのではないか」ということ。蓋し、支那を始めアジア諸国がその意図を訝り、アメリアが不信感と不快感を露にし、欧州が戸惑っている、鳩山首相が投げた「東アジア共同体」という<驚愕の波動>の正体もまたこのエピソードと通底しているのではないか。と、私はそう考えています。

いずれにせよ、「日本と支那の関係が緊密になることは、西洋諸国にも大いなる果実をもたらし得る、西洋諸国にとって悪くない話」と言えるのは当事者ではないからであり、世界最悪の人権侵害国にして世界最大の環境破壊国の一地域に日本を落とし込むことにつながりかねない「東アジア共同体」などには日本の保守改革派は断乎反対すべきでしょう。

畢竟、EUにおける「聖書」と「ラテン語」の存在の死活的な重要性を鑑みるまでもなく、<共同体>なるものは、それが、人・物・金・情報・文化の交流の促進を意味する以上、共同体に参画する国と地域に、経済的・政治的・文化的な共通の基盤がなければ成立することは難しいのではないでしょうか。

ならば、広い意味の「儒教文化圏」という括りで共同体の(少なくとも、その創設初期の構成メンバー国を限定するとしても)確立された国際法と国際政治の慣習に従い双方の間に横たわる懸案と紛争を解決しようという<国際政治の常識>を全く欠いている支那や韓国と日本が<共同体>を形成することは難しい。更に、彼等のその<非常識>の源泉である「中華主義」を彼等が止揚しない限り「東アジア共同体」なるものは画塀に帰す他ない。畢竟、それは、憲法無効論並の妄想であり戯言であり、鳩山首相の<寝言>にすぎない。蓋し、「寝言は寝て言え!」、と。そう私は考えています。

尚、鳩山首相の「反米姿勢」に対するアメリカの不信感と欧州の戸惑いに関しては、下記拙稿を参照いただければと思います(また、「普天間基地移転問題」に関する、来日されたアメリカのゲーツ国防長官と鳩山内閣の齟齬、就中、鳩山首相の脳天気ぶりに関しては近々海外報道を紹介する予定です)。



・民主党の狂気と純情☆鳩山New York Times寄稿論稿紹介(壱)~(四)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/58602990.html

・日本を考える<夏>はまだ終らない☆総選挙海外報道-Washington Post総括記事(上)~(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/58629804.html

・日本を考える<夏>はまだ終らない☆総選挙海外報道-New York Times 総括記事(上)~(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/58633148.html

・日本を考える<夏>はまだ終らない☆総選挙海外報道-Financial Times 総括記事(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/58636731.html



chinajapanunions.jpg



Japan and China have been sworn enemies since the Emperor Meiji's military routed the Chinese forces more than a century ago. But in a move that will send shock waves around the world, the two countries have begun talks on forging a new union that could make them the most powerful force in the world.

Tokyo and Beijing are discussing plans to create an "East Asian Community," similar to the European Union, that would improve economic and political relationships in the region.

The proposals are in the very early stages, but initial areas of co-operation could include visa-free travel, public health, energy and the environment before gradually moving on to more thorny political issues and common policies on agriculture or defence.

Eventually, East Asia might even have its own common currency.


明治天皇の軍隊が支那の軍隊と対峙した一世紀以上前から日本と支那は不倶戴天の敵の関係にある。しかし、この両国が世界でも最も強力な同盟を新たに構築すべく話し合いを始めた。而して、この日支同盟への動きは世界に驚愕の波動となって打ち寄せている。

日本政府と支那政府は、EU(ヨーロッパ共同体)と似た「東アジア共同体」を創設する計画について協議に入ろうとしている。畢竟、もしそれが創設されれば、「東アジア共同体」は東アジア地域の経済的と政治的の関係をより緊密にするものになるであろう。

もっとも、この共同体創設の計画はまだ極々その初期の段階にあるのだけれど、共同体創設に向けて最初に手をつけられる事項には、ビザの相互免除、公衆衛生、エネルギー調達、そして、環境問題が含まれることになるものと見られている。これらの【技術的】事項での協調関係を達成した上で、漸次、より解決が困難で宿痾となっている諸問題、あるいは、農業と国防を巡る一般的な政策の協調関係の樹立に向かうことになろう。

而して、ゆくゆくは東アジア地域はそれ自身の共通の通貨さえ持つことになるのかもしれない。


The rapid pace of the apparent détente – since the election of the Democratic Party of Japan on August 30 – has come as a surprise given the generations of ill-will that has grown between the two nations.

Efforts by the new Japanese prime minister, Yukio Hatoyama, to build new relationships with Japan's Asian neighbours – frequently strained by previous right-wing governments – is being seen as another sign that the administration is turning its back on Washington, Tokyo's staunchest ally since the end of World War II.

The implications of an East Asian economic alliance for the rest of the world would be far-reaching. Japan is currently the second-largest economy in the world and China is in third place – although those two positions are expected to reverse in the next few years.


8月30日の選挙における民主党の勝利から始まった、急激な日本と支那との間の目覚しい緊張緩和は、互いに対する悪意と憎しみを増幅させてきたこれまでの数世代の人々にとって驚愕をもって受け取られている。

鳩山民主党政権以前の右翼的政権によってこれまではしばしば緊張を帯びたものになってきたアジアの近隣諸国との間で新しい関係を構築しようという努力。日本の新しい総理大臣、鳩山由紀夫氏によるその努力は、鳩山民主党政権が、第二次世界大戦以来、日本の最も緊密で日本と最も強い信頼関係で結ばれてきたアメリカから離反しようとしていることの裏面ではないかと見られている。

東アジア地域における経済統合は世界の他の地域にも広範な影響を及ぼすことになろう。日本は、現在、世界第二位の経済大国であり、支那は同じく第三位の地位を占めているのだから。尚、この両国の順位はここ数ヵ年の中には逆転するものと見られている。



Robert Dujarric, director of the Institute of Contemporary Studies at Temple University, Japan, said: "I think Japan is looking for a way to improve the atmosphere with China, show Japanese leadership and co-operation, as well as improve economic ties and resolve pending territorial issues."

But Dujarric believes there are benefits that the West could reap from a closer relationship between Japan and the rest of Asia.

"The US supports the 'stakeholder' theory, that China has to be given a stake in the world order, and this would help," he said.


テンプル大学日本校現代日本研究所所長のロバート・デュジャリック氏によれば、「日本は、単に、経済部面での結びつきを強化したり、日本と支那の間に横たわる領土問題を解決するだけでなく、支那と日本の間にある状況や雰囲気を改善する道を、また、日本の指導力と日本の協調的な態度を示すことができる道を模索している」ということだ。

而して、デュジャリック氏は、日本とアジアの他の諸国との関係が緊密になることは、西洋諸国にも大いなる果実をもたらし得る、西洋諸国にとっても悪くない話だと思うと語ってくれた。

「アメリカ合衆国の年来の持論は「受益者負担」主義であるが、支那には世界秩序の中で【その現在の身の丈にあった】負担と利益が割り振られるべきであり、而して、東アジア共同体の動きは支那に「受益者負担」の原則を適用する一斑であろう」とも【註:鳩山氏の「東アジア共同体構想」は明確に反米を志向するものであり、アメリカが、就中、アジアをより重視する方針を鮮明にしているオバマ政権がその鳩山氏の構想を歓迎するはずはない。けれども、ここは原文に従った】。


Tension between the nations dates back to 1894 when Japan invaded China and defeated the nation's military within nine months. In 1937, the Japanese emperor's army returned and initially swept all before it, capturing Shanghai, Beijing and Nanjing, where an estimated 300,000 Chinese civilians were slaughtered by Japanese troops.

Some in Japan continue to deny the event ever happened, which has done nothing to build bridges between the two nations.

In China, public resentment over Japan's colonial rule has proved a major obstacle to improved Sino-Japanese relations.

A poll by the People's Daily newspaper suggested two thirds of people were in favour of further Asian integration but there is a sense the Communist leadership in China will not risk the wrath of the people by jumping into a hasty arrangement with Japan. ・・・


日本と支那との両国関係が緊張したものになったのは、1894年、日本が支那を侵入し、支那軍を9ヵ月足らずの間に打ち負かして以来のことである。1937年に、日本の皇軍は再び支那に侵入して、その初期においてはその前に立ち塞がるものをすべて粉砕した。上海・北京、そして、南京はその際、日本の皇軍に占領されたが、南京では30万人もの支那の非戦闘員が日本の軍隊によって虐殺されたのである【註:言うまでもなく、南京における支那民間人の犠牲者数に関してはこの記述は間違いであり、また、1894年・1937年の日本軍の「進出」を「侵略」と言うべきかどうかは疑問である。ただ、ここはこのような謬説が世界に蔓延っている事実を確認する資料として訳文は原文に従った】。

日本人の中には、南京での民間人の大量虐殺のような事態が起こったこと事態を否定する向きもある。けれども、そのような主張は日本と支那両国を結合させ、両国関係を良好にすることには何の益もないものであった。

支那における、日本の植民地支配に対する怨嗟と憤慨が日支関係を改善することの主要な障害であることは誰の目にも明らかなことである。

人民日報の世論調査によれば、支那の三分の二の人々は、アジア諸国が統合を深めていくくとに好意的である。しかし、日本に対する支那の人々の憤激を自らが浴びるリスクを取ってまで支那共産党指導部が日本との同盟に性急に着手すると見る向きは少ない。(中略)


The Chinese media has observed that it was the Japanese who wanted to revive the process, probably as part of a strategy to gain more influence in East Asia.

Zhou Yongsheng, a professor of Japanese studies at China Foreign Affairs University, said: "Japan was not interested in the plan at first, but after the global financial crisis it realised that the impetus of its economy lies with China and some newly emerging countries in the region."

There is also Chinese resistance to the idea of a wider coalition, possibly involving its other traditional rival India.

Lu Yaodong, the vice-director of Foreign Affairs at the Japanese Research Institute at the Chinese Academy of Social Science told the 21st Century Business Herald newspaper: "The proposal of the East Asia union by the Japanese indicates that Japan establish a leading status in East Asia." ・・・


人民日報は、支那との関係を改善し回復したいと考えているのは日本の方であり、それは恐らく、東アジア地域における影響力をより拡大する戦略の一部であろうと分析している【註:普天間基地移設を巡るアメリアとの交渉一つ見ても、民主党、就中、鳩山首相にそんな長期的かつ深遠な、かつ、論理的な「戦略」があるとは到底思えないけれど、ここは原文に従った】。

外交学院の周永生日本研究教授は、「当初、東アジア共同体構想に日本はそう乗り気ではなかったのだけれども、世界金融危機の後、日本は日本経済を推し進める動力は支那とこの地域の幾つかの新興国であることを理解したのだ」と語っている。

もっとも、この東アジア共同体構想を進めるについては、特に、この共同体の範囲をより拡大することを検討する段になれば、もし、支那の宿命のライバル【謙信に対する信玄、星飛雄馬に対する花形満であるところの】インドをもこの共同体に参画させようということには支那は抵抗することになろう。

中国社会科学院日本研究所の呂耀東副学部長は21世紀経済報道に対して、「日本から出された東アジア同盟の構想は、東アジアにおける指導的地位を日本が手にすることを意味している」と述べている。(後略)





(2009年10月24日:yahoo版にアップロード)

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