「手のひらを太陽に」の非論理が蔓延する日本

rachiposter


「手のひらを太陽に」は左翼・リベラル派が好む定番の楽曲ではないかと思います。而して、私はこれにこの社会に蔓延する<非論理>が端無くも露呈している。それは、憲法9条教から憲法無効論という左右の社会主義、そして、「命を救いたい」とのたまう民主党政権からその社説で「捕鯨問題は、国際捕鯨委員会で粘り強い合意作りへの努力を重ねることがなにより大事だ。日本側も食文化の議論にはまれば解決の出口を失う。問題を解決することと留飲を下げることは、しばしば別のことである」とどこの国の新聞かわからない主張を垂れ流す朝日新聞に至るまで、この社会で繰り広げられる言説に広く確認できる非論理ではないか、と。と、そう考えています。

「手のひらを太陽に」の歌詞の確認。


「手のひらを太陽に」
作詞:やなせたかし
作曲:いずみたく

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから かなしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
ミミズだって オケラだって
アメンボだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ
    






この歌詞のどこが非論理的なのか。
言うまでもないでしょう。

第1項
(a)ぼくらはみんな生きている→生きているから歌うんだ
(b)ぼくらはみんな生きている→生きているからかなしいんだ

第2項
(c)手のひらを太陽にすかしてみれば→まっかに流れるぼくの血潮

第3項
(d)ミミズだってオケラだってアメンボだって→血潮は流れている
(e)血潮が同じく流れている→ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな生きている

第4項
(f)ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな友だちなんだ
    

而して、

・(a)~(e)の命題内部の「前提→帰結」は論理的に正しい。
・「第2項→第1項」「第2項→第3項」が形成する「前提→帰結」は論理的に正しい。

けれども、

・「[第1項←第2項→第3項]→第4項」という理路はなんら論証されてはいない。
    

つまり、同じ第1項~第3項を前提に、

(f1)ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな敵なんだ
(f2)ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな無縁なんだ
    

という命題を置いても元の歌詞と論理的にはなんらの差異もないということ。



■記述理論からする「手のひらを太陽に」の非論理性の暴露
バートランド・ラッセルの「記述理論」を借用して敷衍するならば、「2010年3月21日現在のフランス国王(king)は男性である」という命題は、文法的に正しく、また、命題の内部に論理矛盾は含まれていないとしても、経験的事実に反するという意味では「偽」であるのと同様、「ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな生きているのだからみんなみんな友だちなんだ」という命題も、文法的には正しく、また、(例えば、「ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな生きているのだからみんなみんな死んでいるんだ」という命題が内部に矛盾を抱えているのに対して)命題の内部に論理矛盾は含まれてはいないけれども、それは経験的事実に反する。而して、それは実は論理的にも間違いなのです。

すなわち、

「2010年3月21日現在のフランス国王(king)は男性である」という命題は、実は、

「2010年3月21日現在フランス国王(king)が少なくとも一人存在する」
「その国王(king)は男性である」
という二つの命題の結合であり、前者の命題が経験的事実と反するがゆえに、この命題は論理的にも「偽」であるのと同様、

「ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな生きているのだからみんなみんな友だちなんだ」という命題も、

「ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな生きている」
「生きているものは友だちである」
「ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな友だちなんだ」
という3個の命題の結合であり、而して、第2の命題は経験的事実に反しており、よって、「ぼくらもミミズもオケラもアメンボもみんなみんな生きているのだからみんなみんな友だちなんだ」という命題は論理的にも「偽」なのです。       


たかだか「童謡」について何を大人気なく小難しい話をする。と、そうお感じになった読者も少なくないのではないかと思います。けれども、この程度の<粗雑な非論理>がこの社会には溢れている。そのような危惧を私は常日頃感じている。ラッセルの「記述理論」というシンプルだけれども結構強力な<武器>をご紹介するのと併せてこのことを俎上に載せたかったのです。例えば、

憲法9条教の主張、

・憲法9条は戦争を放棄している→日本は戦争をすることができない
・日本が戦後平和でいられたのは憲法9条のお蔭である
    

には、第1項と第2項の間に「日本が戦争をすることができなければ日本を巡る戦争は惹起しない」という経験的事実に反する命題がその理路に密輸されており、

また、

憲法無効論の主張

・日本国憲法の「改正手続」は大日本帝国憲法の諸条項に反している
・日本国憲法の「改正手続」はハーグ陸戦条約等の国際法に反している
・日本国憲法の「改正手続」はポツダム宣言等の日本と連合国間の取決めに反している
・日本国憲法は無効である
    

には、「大日本帝国憲法の諸条項、あるいは、ハーグ陸戦条約等の国際法、または、ポツダム宣言等の日本と連合国間の取決めに反する「改正手続」で具現した日本国憲法は憲法としては無効である」という、法概念論・法学方法論から見てなんら自明ではない主張がその理路に組み込まれている。

・憲法無効論は不毛ではないが無効である
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/57820628.html

・憲法無効論の頑冥不霊と無用の用(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/58998947.html



そして、朝日新聞の捕鯨反対派擁護社説。

「捕鯨問題は、国際捕鯨委員会で粘り強い合意作りへの努力を重ねることがなにより大事だ。日本側も食文化の議論にはまれば解決の出口を失う。問題を解決することと留飲を下げることは、しばしば別のことである」には「国際捕鯨委員会で粘り強い合意作りへの努力を重ねることが可能である」という経験的事実に反する命題が密輸されている。

・鯨と日本の再生
 http://kabu2kaiba.blog119.fc2.com/blog-entry-306.html

・反捕鯨論の文化帝国主義的で傲慢な謬論を逐条撃破する
 http://kabu2kaiba.blog119.fc2.com/blog-entry-313.html

・書評☆星川淳GPJ事務局長『日本人はなぜ世界で一番クジラを殺すのか』
 http://kabu2kaiba.blog119.fc2.com/blog-entry-318.html



では、鳩山首相の「命を救いたい」はどうか。正直、論理分析の埒外であろう。蓋し、論証は各自にお任せいたしますが、畢竟、それは問題外の外、憲法無効論なみの妄想でしかない。と、そう私は考えています。

・鳩山<理系>首相の非論理性☆ゲーム理論から見た普天間問題
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/59200260.html



而して、マルクスの『ユダヤ人問題によせて』 の掉尾の言葉に倣えばこう言えるの、鴨。すなわち、


「手のひらを太陽に」の歌詞が共感とリアリティをもって受け入れられる日本社会の実現は、「手のひらを太陽に」の如き非論理性からの日本社会の解放の可否にかかっている、と。





(2010年3月21日:yahoo版にアップロード)

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