どうでもいい「世界選手権」でも2位☆キムヨナ姫は<神の愛する賢者>である




フィギュアスケート 2010年世界選手権が終わりました。その年のオリンピックの金メダリストが出場することは稀といっていい。まして、今シーズン限りでのプロ転向が既定路線と言われているキムヨナ姫にとっては「消化試合」でしかない世界選手権。しかし、ヨナ姫は、ある意味、フィギュアスケートファンの記憶に残る演技で(おそらくアマチュアとしては最後になるこの)世界選手権を戦い抜いた。芳紀19歳とはいえ、私はその精神力というか成熟した精神に感銘を受けました。

将棋好きの間では有名な勝負哲学というか人生哲学に「米長理論」というアイデアがあります。

米長理論とは何か

米長理論とは、日本将棋連盟の現会長、米長邦雄元名人が提唱したもので。勝負や人生においては、「自分にとって重要ではないが相手の棋士にとっては死活的に重要な一戦こそ全力で相手を打ち負かすべきである。もしそうしなければ、勝負や人生において最も重要な<運>を逃すことになる」というもの。例えば、こちらはこの一局に勝っても負けても昇級や降級になんら影響はないが、相手はこの一局に昇級や降級、あるいは、タイトル挑戦権がかかっているという一戦。まして、その相手が日頃からお世話になっている先輩という一戦こそ、長年捜し求めた親の仇に対峙するが如き気迫で臨まねばならない、と。

蓋し、私は「米長理論」は<運>という微妙な経緯を持ち出すまでもなく正しいと考えています。簡単な話。誰もが、その一局に自分の昇級や降級がかかっている戦いには、他人に言われるまでもなく全力を尽すでしょう。例えば、大相撲。前頭上位で千秋楽を待たずに10勝2敗の星を残した力士は、残り3番に全力を投入するに決まっている。星によっては来場所の三役入りも可能なのだから。

逆に、幕尻(最下位)で2勝10敗の力士にとっての残り3日はどうでしょうか。彼にとって残り3番全部勝っても全部負けても来場所の番付は十両の上位で動かない。そんな状況で残り3番に全力を出せるかどうか。あるいは、あるフランチャイザーのスーパーバイザーとして、あと数ヵ月でFC契約が切れ双方ともFC契約を更新する予定がない、まして、それほど重要ではないフランチャイジーから持ち込まれたエンドユーザーとのクレーム処理に本部スタッフとして全力投入できるかどうか。

ことほど左様に、米長理論を実践するということは、誰しも手を抜きたい局面で精進するということ。ならば、当然ながら、単なる経験値としてもそれをやらない普通の人と比べてここで「1回分」の差がつく(否、「行って来い」で「±1回分=2回分」の差がつく)。そして、経験値だけではなく、「どんな時にもベストを尽せる自分」というプライドと自信が獲得できる。このことを考えただけでも米長理論は美味しい勝負哲学であり人生哲学なのだ。と、そう私は考えています。
    
而して、彼女にとっては「顔見世興行=消化試合」にすぎないトリノでの世界選手権2010。キムヨナ姫は精彩を欠いたSPでの不出来の翌日。しかし、フリーで見事な追い上げを見せた。これこそ、米長理論の実践に他ならない。

米長理論を下敷きにこう考えるとき、バンクーバーオリンピックの際にキムヨナ姫の細い両肩にかかっていたプレッシャーの大きさをあらためて感じると同時に、キムヨナ姫には今回の「どうでもいい世界選手権=消化試合」を通して、更に、<運>が味方についたの、鴨。ならば、正に、キムヨナ姫こそ<神の愛する賢者>ではないか。と、そう私は考えています。以下、トリノの「消化試合」を報じたNew York Timesの記事紹介。出典は"Kim Rallies, But Asada Wins Worlds A 2nd Time"「キムの猛追をかわし浅田再度世界チャンピオンの座を手にする」(March 27, 2010)です。尚、キムヨナ姫と保守主義に関する私の基本的認識については本稿末尾の参考記事をご参照ください。







Mao Asada beat her longtime rival Kim Yu-na to win her second title at the World Figure Skating Championships on Saturday.

Their rivalry that had gone quiet recently as Kim, the Olympic champion, dominated the last two seasons, losing just one competition. That was to Asada.

And now, again.

“I didn’t think I would be sitting here,” Asada said, noting that she had had trouble all season with her triple axel. “I had to continue and challenge and push myself. And I guess that is what led to today’s results.”・・・

Asada, who also won the title in 2008, finished with 197.58 points, almost 7 more than South Korea’s Kim. ・・・


長年のライバルキムヨナ選手を破り、土曜日【2010年3月27日】浅田真央選手が自身2度目となる世界選手権優勝を決めた。

二人のライバル間の力関係は、オリンピック金メダリストのキムヨナ選手がここ2シーズンで優勝を逃したのが1回だけという状況の中で、キムヨナ優位の構図が破られることはなかった。もっとも、その優勝を逃した1回は浅田選手に敗れたものなのだけれども。

而して、今回、再度、キムヨナ選手は浅田選手に敗れたのだ。

「優勝できるとは思っていませんでした」と。浅田選手は、トリプルアクセルの出来不出来に悩まされ続けた今シーズンを振り返ってそう語ってくれた。「自分の信じた道を突き進むこと、その過程で遭遇する困難に挑むこと、そうやって自分の背中を押すしかなかった。そして、今日の優勝はそうやって積み重ねてきたことの結果なのだと思います」とも。(中略)

2008年にもこの大会で優勝した浅田選手は197.58点で演技を終了した。それは韓国のキムヨナ選手に7点強の差をつけるものだった。(中略)
    







Asada’s free program was the cleanest of the day — no falls, and just an under-rotated triple axel — but it was not the best. That belonged to Kim, who rebounded after an uncharacteristically bad showing in the short program left her in seventh place.

Despite two errors, Kim edged Asada on difficulty, landing an effortless triple-triple combination and a soaring triple flip that earned extra execution points. But the exhaustion from the Olympic season was clear as Kim fell on a triple salchow and popped her final double axel. She scored 130.49 points, 1 more than Asada in the free program but nearly 20 points behind her Olympic performance.

Still, it was enough to redeem herself after a disastrous short program, in which she had errors on such basic elements as a spin and a spiral.

“I am just really happy that I didn’t make a mistake like that in the Olympics,” Kim said. “This competition, I just wanted to enjoy it.”

The world championships after an Olympics are always tough even for the best skaters — and especially so for the champions, who are so in demand.


浅田選手のフリー演技はこの日の全選手の演技の中で最も欠点のないものだった。転倒もなく、唯一の減点はトリプルアクセルの回転不足を1回取られらだけの出来栄え。しかし、浅田選手のフリー演技はこの日の全選手の中で最高のものではなかった。フリー最高点はキムヨナ選手が記録したのだから。キムヨナ選手は、彼女にあるまじき不出来なショートプログラムの7位から猛追を見せたのだ。

而して、二つのミスを犯したにも関わらず、キムヨナ選手は浅田選手を演技の難易度において辛うじて退けた。すなわち、滑らかに舞い降りるトリプル-トリプルのコンビネーションと中空に舞い上がるかのようなトリプルフリップによって演技構成点を稼いだのである。しかし、トリプルサルコーと最後のダブルアクセルを失敗した時には、キムヨナ選手がオリンピックシーズンならではの疲労を抱えていることは誰の目も明らかだった。キムヨナ選手のフリーのスコア130.49点は浅田選手を1点強リードしたものの、それは彼女が自身オリンピックで記録したスコアから20点近く低いものだった。

しかし、そのフリーの演技やスコアは、基本的なエレメント(技)であるスピンやスパイラルでのミスを犯した、正に、魔が射したとか災難としか言いようがないショートプログラムの不出来から彼女が面目を施すには十分であった。

「オリンピックと同様、ミスをしないで滑ることができて本当に嬉しい」「この世界選手権を楽しみたいと思っていましたから」とキムヨナ選手は吐露してくれた。

毎回、オリンピック後の世界選手権は最優秀のスケート選手にとってさえも極めて難しい大会になる。而して、オリンピックの金メダリスト達にとってはなおさらだ。彼女達や彼等には勝って当然という高いレベルの期待がかけられることになるのだから。
  
  

■参考記事

●キムヨナ姫セルフマネージメント能力から学び取る教訓
・浅田真央は「ルール」を理解できなかった愚者か(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/59281198.html

・浅田真央は「ルール」を理解できなかった愚者か-採点基準考(上)~(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/59285142.html

●保守主義の意味と意義
・キムヨナを<物象化>する日韓の右翼による社会主義的言説
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/59298740.html

・保守主義の再定義(上)(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/59162263.html

・保守主義とは何か(1)~(6)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/56937831.html








(2010年3月28日:yahoo版にアップロード)

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