安倍内閣総辞職記念アーカイブ(2): 新政権発足10日☆安倍晋三首相の評価

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まだ早いとは思いますが安倍首相の評価をしてみます。安倍政権の評価を問う同志からの問い合わせメールが少なくないから(大体、いつもは2週間に1本程度なのに、この10日で11本いただきました!)。こんなのはあの「富田メモ」以来です(笑)。といっても、発足10日ということで評価のための材料は限られている。例えばこんなものはないでしょうか。

(1)人事:閣僚(副大臣・政務官を含む)&党役員+首相補佐官の人事
(2)外交:訪中&訪韓決定+核実験予告を巡る北朝鮮非難の安保理議長声明
(3)国会:国会での演説と答弁
(4)発言:マスメディアを通した国民への語りかけ


結論は、(1)人事:75点, (2)外交:80点, (3)国会:65点, (4)発言:55点
の総合平均 68.8点

ちなみに、昭和最後の宰相・竹下登と平成の大宰相・小泉純一郎の両元首相につきましてはそれぞれ次のように考えています。すなわち、

(1)人事:70点, (2)外交:55点, (3)国会:70点, (4)発言:60点
 総合平均 63.8点
(1)人事:85点, (2)外交:85点, (3)国会:65点, (4)発言:75点
 総合平均 77.5点

以下、「人事」に力点を置いて敷衍します。尚、北朝鮮ミサイル発射への「AA連合」の見事な連携を受けて7月上旬に書いた新政権閣僚予想と実際の安倍内閣の閣僚名簿に関しては下記URLを参照ください(ポストまで当たったのは外務大臣と政調会長と衆議院予算委員長だけ、入閣や党役員への任用に広げても他は高市早苗・山本有二の2名。予想は難しい!)

私家版☆多分日本で一番早い新内閣閣僚予想名簿 
安倍内閣閣僚名簿

◆人事:
政治は人事。つまり組閣と党役員クラスの人事が論功行賞+首相が目指す政策の実現に与して力あるメンバーのバランスの中で決まることは(逆に、政策実現を邪魔しないように反対勢力を「その時の力関係」を睨みながら必要最小限取り込むことは)当然のことだと思います。その点、私は安倍晋三首相の今回の人事には高いスコアをつけます。大体、人事の天才・小泉純一郎と凡人を比べるのが土台無理な注文ではないでしょうか。

しかし、凡人なりに安倍首相は天才小泉がどちらかと言えば苦手にした反対勢力への気配りも行った;しかも、ながらく非主流をかこった丹羽・古賀派を優遇することで党内の獅子身中の蛆虫・古賀誠を派閥内で孤立分断することに成功した。丹羽・古賀派の取り込みは、同派とルーツを同じくする「AA連合の同盟者」我らが麻生太郎氏が謀反を起こす際の潜在的兵站地を首相が包囲したこと;逆に言えば、安倍に万が一の場合、麻生氏が河野グループ(以下、「麻生グループ」と記す)を率い森派+丹羽・古賀派の手勢を加えて中原に鹿を逐うことを可能にした麻生氏へのプレゼントでもありましょう。

丹羽・古賀派の処遇に加えて、政調会長に安倍首相は盟友・中川酒豪を抜擢した。このことは彼を<次の総理総裁の有資格者>にするものであり(≒麻生氏と中川氏を競わせるものであり)、あわせて、彼の属する伊吹派を丹羽・古賀派とともに新たな主流派に迎え入れた。これにより安倍首相の党内基盤は<一時代前の派閥の論理>からも磐石になったと言えるでしょう(主流派以外の反主流と中間派の中の安倍支持者をそれぞれ45と30と少なめに見積もっても、なんと主流派+隠れ主流派は軽く(衆参両議長を含む)自民党全405議席の60%近い240議席に達するのですから)。蓋し、この人事の冴えは「仲良し論功行賞内閣」などと揶揄されるものではなく、人事の平凡の非凡の冴えではないか、私はそう考えています(★)。

★安倍自民党の派閥構成:
●主流派:出身派閥の森派+丹羽・古賀派+伊吹派=85+49+33=167
●反主流派:その中には少なくない安倍支持議員を抱えてはいるけれど
     津島派+山崎派+谷垣派+二階グループ=78+36+15+15=144
●中間派:無所属には多くの小泉&安倍シンパががいるのだけれど
     高村派+麻生グループ+無所属=16+11+67=94



個別の人選はどうか? これまた合格点だと思います。
正直、タロサ本人にとっては、そして、安倍自民党総裁にとっては「麻生幹事長」がベストだったかもしれないが、何といっても麻生氏の外務大臣留任は国家のためにはベストの選択だった(これは「来年の参議院選挙はタロサ人気ではなく、ブルドック面の中川幹事長を柱に党を挙げて総力戦で戦え、そのためには、毒をもって毒を制する/夷をもって夷を制しむる。獅子身中の媚中派であるものの敵将・小沢一郎の手筋も性癖も知り尽くしている二階国対委員長を使い倒せ」という神様の助言だったのでしょう)。

そして、小池百合子氏を最も重要な外交・安全保障政策担当の総理補佐官に指名したことは評価できる。これで彼女は<小泉政権のアクセサリー>から(党役員クラスのポジションを経験しさえすれば)<自民党の次の次の総理総裁候補>になれる位置まで来たのですが;これは、宰相候補の人材を複数育成することで自民党の強化につながると同時に、売国奴的外務官僚から外交のイニシアチブを「AA連合」あるいは中川酒豪を加えた「ANA連合」が奪取するためにも有効な手筋だったと思います。

また、いわずと知れた中山恭子氏の拉致問題担当首相補佐官への補任、新保守の原理主義者大田弘子氏の民間からの登用、泣く子も黙る伊藤隆敏・東大教授の経済財政諮問会議への補任は小泉外交と小泉構造改革路線の継承を官邸主導でやりぬくという首相の覚悟を霞ヶ関に発信する強烈なメッセージでしょう。而して、小粒ですが、高市早苗・塩崎恭久両氏の入閣、下村博文氏の官房副長官と山谷えり子氏の首相補佐官への任用は外交政策・文教行政の改革において官邸主導の政治を行う上で合目的的であろうと思います。

加えて、防衛庁長官の久間章生氏、農相の松岡利勝氏等の個別政策専門家の登用、他方、尾身幸次財相・柳澤伯夫厚相・伊吹文明文相等々、霞ヶ関官僚の抵抗を抑えうる大物議員の要所への配置。広報戦略のスペシャリスト世耕弘成氏の広報担当首相補佐官への補任、等々。これらを鑑みるに(正直、閣僚+副大臣で6名ほど疑問がつく人選はあるのですが)、首相の政策実現を推し進めうる党内体制の構築&政策実現に貢献しうる人材の登用という点では十分合格点がつくと思います。

ただ強いて言えば、小泉チルドレンの何人かを政務官に補任して欲しかった。そうすることで、来るべき同志・平沼赳夫と自民党の重鎮・保利耕輔の両氏を含む郵政造反議員の復党に対するチルドレンの不満と不安を軽減すべきだったのではないか。また、教育再生会議の人選について(あの「ヤンキー先生」・横浜市教育委員の義家弘介氏に参加を打診するなど)人選ポリシーが揺らいでいるのは残念です。

更に、総理補佐官と各大臣の役割と権限の分掌分担に関する疑問が呈されることは当然予測できたはずなのに、明確な回答がいまだに官邸から発信されていないことは稚拙と言われても仕方がないと思います。これらが、安倍首相の人事に対して私が「優」を与えられない理由です。

◆外交:
急転直下、抜く手も見せず訪中&訪韓を決定したことは評価に値する。現実的に中韓の特定アジアとは没交渉というわけにもいかない;ならば、外交チャネルを補修しておくことは、いくら相手が特定アジア諸国とはいえ日本にとってもメリットが大きいと思うからです。

日本がこれだけ友好関係再構築に努力しているのにかかわらず、特定アジア側は国際法的にも国際政治の慣行から見ても理不尽なことを言い募るという構図を世界にアピールするためにも、安倍訪中&訪韓は<損して得取れ>の賢い選択だと思います。また、また、今次の核実験予告に関する北朝鮮非難の安保理議長声明をリードしたことは「AA連合」健在の証左でしょう。これらが、外交に関しては「優」の80点をつけた所以です。

もちろん、北京やソウルで「所謂「従軍慰安婦」への謝罪」や「歴史教科書に関する近隣諸国条項の安倍政権下での見直しの否定」、あるいは、「靖国神社参拝停止の宣言」や「所謂「A級戦犯」の分祀を靖国神社に働きかける約束」なり「新たな国立追悼施設の建設の約束」などを安倍首相が行うようであれば、評価スコアは宮澤・細川・村山政権並みの50点未満に修正せざるを得ない。

尚、所謂「A級戦犯」は国内法的に犯罪者ではないという認識の表明は一歩前進としても、安倍首相が「村山談話」や所謂「従軍慰安婦」に関する「河野談話」を認めたことを非難する声が保守派から湧き上がっている。

けれども、法治国家においては新政権がそれ以前の政権が行った声明や他国との約束をとりあえず維持することは(それらは「荒唐無稽なこと」と新首相が個人的に思っていたとしても、とりあえず維持することは)当然のことでしょう。而して、漸次、根拠を提示しながら新政権が過去の政権の声明や約束を破棄することはなんら国際法からも確立した国際政治の慣行からも問題はない。この点、安倍首相への評価はまだ下せないと私は思います。

◆国会+発言:
意あって言葉足らず。
日本を再生させたいという首相の意気込みは伝わるものの、国会での演説でもメルマガでも記者会見でも、具体的に何をしたいのか/そのための施策の優先順位をどう考えているのか:改革にともなう「変化の痛みや戸惑い」をどれくらい国民は覚悟しておけばよいのか:これらのことが明確に伝わってこない。残念ながら、カタカナと形容句過多の演説や、要諦をズバッと語るわけでない彼の語り口からは私はそう断ぜざるをえない。

好意的に見れば、訪中&訪韓が終るまでは外交で頭がいっぱいということかもしれませんし、訪中&訪韓が済むまでは「歴史認識」等の特定アジアとの間の懸案事項(≒実は、なんら問題がないのに問題とされていること自体が問題である事項)に関して安倍政権の独自性を打ち出さない方がクレバーだという判断に基づきわざと「なまくら答弁」をされているのかもしれません。

安倍首相が「村山談話」や「河野談話」を認めたこと:厳密に言えば、過去の政権がそのような談話を発したことを認め/今後明確に否定しない限りそのような認識を日本政府は維持することになるという道理を認めたにすぎないこと、逆に言えば、それらは金科玉条でも天壌無窮でもないとの認識を示したことは、法治国における政権の責任ある後継者として中庸をえたクレバーな態度ではないかと私は考えています。

少し贔屓目ですが、この「なまくら発言戦略」がクレバーであるからこそ、有効な攻め手を欠いた朝日新聞等の戦後民主主義を信奉する勢力は安倍首相に対して「歴史認識を明らかにせよ」と必死に踏み絵を迫っているのかもしれませんね。

いずれにせよ、昨日(10月6日)、人気が凋落しているのに昔のままの大演歌歌手気取りの田中真紀子氏との国会論議くらいから少しは平常心に戻られたようでもあり今後に期待したいと思います。よって、ここでは昨日の対田中答弁と所謂「A級戦犯」の戦争犯罪人性の否定発言で少し挽回して「国会論議」は合格点の65点、「国民への語りかけ」は不合格点の55点。皆さんはいかがお考えでしょうか。


(2006年10月7日:yahoo版にアップロード)

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