民主党政権を評価する稀有な海外報道☆鳩山政権は脱官僚支配ですでに成果を上げている?(下)




One target is the Cabinet Legislation Bureau, a little-known agency that is empowered to interpret the Constitution, including Japan’s often convoluted reading of the article prohibiting it from having a military. In January, the bureau’s director general, a career bureaucrat, resigned after Mr. Hatoyama announced that the minister in charge of administrative reform, Yukio Edano, a lawmaker, would be replacing the director general as the bureau’s chief spokesman. ・・・

In another assault on bureaucratic prerogative, the government submitted a bill last month that would create an agency in the prime minister’s office to decide all job appointments involving top officials, which had been decided within each ministry. The bill would also greatly reduce the responsibilities of the administrative vice ministers, the top bureaucratic job in each ministry that had long been the actual center of ministry control. ・・・


内閣法制局はこの延長線上の攻略目標の一つである。あまり知られてはいないものの、内閣法制局は、例えば、日本ではしばしば政治の争点として浮上する、日本が軍隊を持つことを禁じている条項の解釈を含め、憲法の有権解釈の権限を握っている【この「the agency is empowered to interpret the Constitution」の箇所は憲法論的には明らかな間違いであるが、テクスト原文に従った】。1月、高級官僚である内閣法制局長官が辞任したが、これは鳩山首相が、国会議員の枝野幸男行政刷新担当相が内閣法制局長官に代わって内閣法制局を代表して今後は答弁を行なうことになると述べたのを受けたものだった【鳩山内閣が法制局長官の国会答弁を禁止する旨の決定を行なったのは2010年1月14日であり、宮崎礼壱内閣法制局長官の辞任表明はその翌日の1月15日。よって、テクストは大まかに言って間違いではない。けれども、枝野氏が閣僚に補されたのは2月10日であり、それまでは平野博文官房長官が内閣を代表して世迷言的な憲法解釈をのたまわっていた。よって、枝野氏との関連ではテクストは間違い。けれども訳は原文テクストに従った】。(中略)

官僚の特権に対する挑戦として、先月、鳩山政権は最高幹部クラスの官僚を含むすべての官僚の役職任命権を首相官邸に設置する機関に移行する法案を提出した。而して、官僚の役職への補任はこれまで各官庁の内部で行なわれてきたのである。また、この法案は、各官庁の事務次官の権限を大幅に削るものであるが、事務次官こそ長らく各省庁の実質的な中心であった役職なのだ。

【アメリカの官僚人事制度は政権交代の度に、日本で言えば本省の局長・部長クラスの官僚が政治任用で入れ替わる仕組みだとしばしば語られる。しかし、高度の専門性が要求される現下の行政サービスの実態に鑑み、官庁の幹部職員の中でも政治任用ではない役職が増えてきている。他方、日本で言えば中堅キャリア組みの人事は各官庁内部で決定されており、民間交流「天下り-天上がり」の度合が低いことを除けば(政治任用がかなり限定されている英国・ドイツとの比較ではもちろんのこと)、実は、アメリカと比べても日本の官僚人事の実際が特に異質なわけではない。詳細は下記URLを参照】(中略)
   
・諸外国の国家公務員制度
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/koumuinkaikaku/forum/h190911/pdf/siryou05.pdf



There has also been resistance. According to some political experts, the most damaging counterattack has been the unending string of inquiries into the political parties’ finances by public prosecutors, who are a part of the Justice Ministry.

Bureaucrats have also struck back with damaging leaks to the major news media, which have close ties with the bureaucracy through the “press clubs” of reporters permanently stationed in each ministry.


「脱官僚支配」への抵抗は続いている。政治に詳しい識者によれば、鳩山政権にとって最もダメージを与えている反撃は、政党資金に対して続けられている検察の一連の捜査だということ。而して、検察官は法務省に属しているのである。

官僚達は反撃のために政権に打撃を与えかねない情報を有力な報道機関に漏洩してもいる。而して、有力な報道機関は、各官庁に常設の「記者クラブ」を通して官僚達と緊密に結びついているのだ。    


Mr. Haraguchi, the internal affairs minister, described how a flurry of negative stories suddenly appeared in major newspapers after he reassigned top bureaucrats in his ministry to different jobs — something no minister, usually an elected politician, had ever done before. ・・・

Mr. Haraguchi said his intent was not to push aside ministry officials, but to get them to cooperate in a new era of political control. This slightly softer tone has been adopted by the entire government, including Mr. Hatoyama, who now talks of reducing dependence on the bureaucracy without alienating it. ・・・


原口総務大臣は、通常は選挙で選ばれた政治家が任命されてきたこれまでの閣僚が行なったことのないことだけれども、【就任半年足らずの】総務省の事務次官を他の役職に移動させたとたん、有力新聞各紙に同時多発的に原口氏に不利な記事が掲載されたと語った【1月15日、就任半年で事務次官を交代させられた鈴木康雄事務次官は同日付で総務省を辞職し、翌日16日付で総務省顧問に就任したのであり、「he reassigned top bureaucrats in his ministry to different jobs」という記述は明確な間違いであるが、訳は原文テクストに従った】。(中略)

原口氏は、彼の意図は官僚を脇に押しやるものではなく、政治的統治の面での新しい時代において官僚に協調的な関係に入ってほしいというものだと述べている。この些か柔和な語調は、而して、鳩山氏を含む鳩山政権全体で採用されているものだ。蓋し、鳩山氏は、官僚と不和になることを避けつつ官僚に依存する度合を低下させる旨を語り始めているのだから。(後略)
  
  

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■KABUコメント

民主党政権は「脱官僚支配」を標榜しながら、その実、官僚と労組が猖獗を極める社会主義国家を目指している。而して、民主党政権の言う「政治主導の推進」とは、行政実務を任せる宛先を人脈的に自民党の与力だった「官僚A群」から民主党に尻尾を振る「官僚B群」に変更するだけのものに過ぎない。ならば、「脱官僚支配」は(大統領が変われば、特に政権与党が交代すれば、3000人以上の高級官僚が交代する)アメリカの猟官制的な官僚の人事制度を議院内閣制の我が国において導入する、すなわち、行政に赤裸々な権力闘争を持ち込む不適切な政策指針ではないか。

少なくとも、公務員を対象にした内部告発保護制度が公務員制度改革法(1978年)、ホイッスル・ブロワー保護法:WPA(1989年)によって保証され、政策執行過程のみならず政策形成過程における政治家の不当な圧力が抑止されているアメリカ。更には、政治的操作から公務員を保護するHatch法(1939年)、採用・昇進における縁故主義(猟官制:spoil system)ではなく能力主義(merit system)を担保しようとした上記の公務員制度改革法(1978年)等の制度的保証を併用しているアメリカに比べれば、これらの手当てを欠いてなされている現下の民主党の「脱官僚支配」は民主党の息のかかった官僚による支配への移行の側面は否定できない。と、そう私は考えています。

民主党政権は赤裸々な猟官制を行政機構に導入しようとする、
古い古い自民党よりも更に古い政権だ!



畢竟、高校償化にせよ、子供手当てにせよ、それは財源論から言えば、「A:生活が苦しくて子供も産めない/結婚もできない層」から所得を奪い、「B:Aグループ層よりは豊かな、結婚もでき子供も産める層」に所得を配分する(世代間負担のモデル移動を考えてもそう言わざるを得ない)凄まじい悪制です。而して、日本国内に住んでいない外国人の子供への支援の出鱈目さと相まって、このような、子供でも分かる、憲法無効論なみの馬鹿げた施策法案がなぜ堂々と主張され国会を通過するのか。

蓋し、それは、(イ)民主党の政策のお粗末さと、パラドキシカルながら(ロ)自民党政治の時代に比べても遥かに大きな官僚依存の結合である。すなわち、コトナカレ主義の官僚が「注文主=民主党政権」の注文に従い出した法案に対して、「注文主=民主党の政治家」も「料理人=官僚」も、本質的に誰もその中味がわかっていないという構図である、と。 而して、この滑稽な悲惨の源泉は那辺にあるか。蓋し、それは、

しがらみを断ち切り制度を変えれば政治はうまく行く。要は、多少の混乱はあったとしても、旧政権下で培われた富や技術は丸のまま生かせるはずだという単純な思い込みがあったのではないか。けれど、旧政権下の<社会的&産業的な資産>は旧政権という特定の社会の約束事を前提にしてのみその額面どおりの機能を果たし得るものだった。この、建武新政において「史上最低の天皇-後醍醐」が陥ったのと同じタイプの誤謬に民主党も絡めとられているのではないか。


蓋し、これは、ロシア革命の後、あまりの経済不振ゆえにレーニン政権が僅か3年で、一時、旧経済体制に戻さざるをえなかったネップの故事ともある程度ダブル事態なの、鴨。 そして、何より、民主党の(私の如き自民党支持者さえ「まさかここまで!」と思った)そのあまりの統治スキルの低さ。更には、実は、失われた90年代の段階以来、日本は「構造改革の推進と地方再生」という相矛盾する課題を背負い、弥縫策と言えばそれまでですが自民党政権の自転車操業的対処策でやっと綱渡りしていたのを、民主党は「日本にはもっと余裕がある」と勘違いしていたこと。それで、麻生政権の暫定予算を凍結し、すなわち、景気回復のための貴重な財政出動のチャンスを逃した。これらが悲惨と滑稽の源泉ではないかと思います。
   
◎民主党政権の問題はその政策のみならずその体質にある
民主党政権の掲げる政策指針は、今保守政党が政権奪取したとしても見習うべき(すくなくとも、そう全面的に否定はできない)ものもある。例えば、①官僚ではなく政治(≒国会の多数派)が政治のある程度の細部まで決める、あるいは、過去の行政の連続性を度外視しても大胆に政策が変更できる政治のあり方の実現、②中央集権ではなく規制緩和と地方分権の推進、③アメリカ一極ではなく多角的な外交による相互の安全と繁栄の確保等々。けれど、それをどう実現していくかというHow to というかpractical skillが哀しいほど民主党には欠如している。

このような観点からここに紹介したNew York Timesの「民主党援護射撃記事」を反芻するに、それは、(甲)民主党政権が、古い古い自民党的政治よりも更に古いタイプの小澤一郎氏の<鶴の一声>ですべてが決まる(逆に言えば、小澤氏の<鶴の一声>がなければ何も決められない)「密室政治」と、官僚と労組が跋扈する社会主義の亡霊を呼び出すものであることを看過している点。そして、(乙)冒頭にも述べた如く、文化帝国主義とも呼ぶべき、アメリカの政治制度とオランダ流の「左翼-リベラル」の思想を絶対視する傲岸不遜なものだ。と、そう言えるのではないかと思います。

◎内乱の予感
小澤一郎氏の独裁。ヒトラーやスターリンの独裁というより江戸時代的な「殿様の意向を側近が忖度競争するタイプの独裁」については特に言及するまでもないでしょうが、この小澤独裁と民主党政権名物の所謂「閣内不一致の常態化」は楯の両面ではないかと思います。

蓋し、鳩山氏が強弁するように、確かに、「閣内不一致は意思決定プロセス」というのは、最終的に決まるまでは内閣の決定ではないというトートロジーの意味では間違いではない。ただ、この「閣内不一致=意思決定プロセス」論は二つの点で破綻している。すなわち、

(1)最終決定場面の開示があるや否や:
最終決定のプロセスが見えないのならば、それは、要は、その「閣内不一致は意思決定プロセスの一部」でしかないこと

(2)閣内不一致という<投資>に見合う政策論の弁証法的深化があるや否や:
「閣内不一致」がトータルの政策の落し所まで睨んだ安心感のある甲論乙駁ではなく、単なる政策の無知に基づく右往左往であのならば、それは、要は、その「閣内不一致は意思決定プロセスの一部」でさえないこと

    
そして、これら、(1)(2)とも現下の民主党政権が到底満たしていないことは自明ではないか。而して、(1)(2)の欠如こそ「小澤独裁」の裏面に他ならず、ならばこそ、政権交代以来、民主党政権に付きまとった国民の「不安感」が、今や「不信感」に変わりつつあるの、鴨。

すなわち、(1)(2)の欠如こそ、国民・有権者、同盟国、(また、①日本が短期間に過度に不安定になることと、②今度は振り子の針が反支那に振れることを警戒する)支那の指導者からさえも日本の鳩山首相が危惧視されつつあるやに見える直接の原因なの、鴨。

畢竟、建武新政タイプの状況認識の錯誤と小澤独裁とあいまって、自己愛に溢れながら、自己の能力や行動、言動と判断に対する自己評価と他者評価の乖離を認識できない。そんな、後醍醐天皇なみの指導者失格者、鳩山氏の政権からこの国と社会を奪還しなければならない。正に、内乱の予感がする。と、そう私は考えています。






(2010年4月11日:yahoo版にアップロード)

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