普天間問題:鳩山民主党政権を擁護する奇特な海外報道紹介-それでもこの程度なんですけどね(上)

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鳩山由紀夫氏が首相就任以来初めてとなる沖縄を訪問したニュースは世界で報じられました。もちろんTop記事ではないけれど、政治関連で日本の首相の動向がこれだけ取り上げられるのはそうあることでもない。而して、それらは大体において「八方美人の優柔不断」なこの人物が自業自得で自分を窮地に追いやったというもの。そういう「生暖かく見守る報道群」の中で独り突出して鳩山民主党政権に好意的な記事を見かけました。それは「アメリカの朝日新聞」、New York Timesの記事。以下紹介します。

紹介する記事の出典は2010年5月4日付の”Japan Tries to Backtrack on Base”「現行案に戻ろうとする日本政府」。あの「反日-大西哲光」氏の後任のニューヨークタイムズ東京支局長Martin Fackler氏の署名記事です。Fackler氏はこれまでも、自分の無知と文化帝国主義を棚に上げて、都度、「民主党擁護-自民党批判」を繰り返してきていますが、彼のものの見方の特徴については下記拙稿をご参照ください(尚、記事タイトルのBacktrack on Baseは「基地問題から手を引く」とも訳せますが、記事の内容全体を踏まえて「基本や原点に引き返す」という意味に取りました)。


・民主党政権を評価する稀有な海外報道
 ☆鳩山政権は脱官僚支配ですでに成果を上げている?(上)~(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/59421755.html


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まずは、国内報道で鳩山氏のloopy振りのお浚い。



◎首相「沖縄にも徳之島にも」移転検討伝える
首相は米軍普天間飛行場の移設について、「すべて県外に、というのは現実問題として難しい。沖縄の皆さんにご負担をお願いしなければならないという思いで来た」と述べ、沖縄県内での移設を進めたいとの政府方針を仲井真知事に正式に伝えた。

政府は、日米が2006年に合意した同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てる現行計画を修正し、杭打ち桟橋方式で滑走路を建設する案と、ヘリコプター部隊を鹿児島県・徳之島に移転する案を組み合わせる政府案を固めている。

首相は知事にはこうした方針を具体的に説明しなかったが、その後の高嶺善伸議長らとの会談で「沖縄にも徳之島にも率直に普天間の基地移設の協力を願えないかとの思いで来た」「埋め立て方式は極力、避けるべきだという議論が政府の中も出ている」と語り、現行計画の修正案と徳之島への移転を検討していると伝えた。

(読売新聞・2010年5月4日)


◎首相「海兵隊が抑止力と思わなかった」
鳩山由紀夫首相は4日、米軍普天間飛行場の移設問題に関し「昨年の衆院選当時は、海兵隊が抑止力として沖縄に存在しなければならないとは思っていなかった。学べば学ぶほど(海兵隊の各部隊が)連携し抑止力を維持していることが分かった」と記者団に述べた。また、昨年の衆院選で沖縄県外、国外移設を主張したことについて「自身の発言に重みを感じている」とも語った。

(産経新聞・2010年5月4日)


◎米、徳之島案「運用上受け入れられない」
沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、日米の外務・防衛当局の審議官級による本格的な実務者協議が4日、防衛省で行われた。日本側は、日米が2006年に合意した同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てる現行計画を修正し、杭打ち桟橋方式などで滑走路を建設する案と、鹿児島県・徳之島にヘリコプター部隊を移転する案を正式に提示した。

関係者によると、米側は、杭打ち桟橋方式について、過去の日米協議でテロの危険性が高いことを理由に却下した経緯などを指摘。徳之島案については、「沖縄の海兵隊陸上部隊との距離が離れすぎていて、運用上受け入れられない」と明確に反対する立場を表明した。 

(読売新聞・2010年5月5日)   



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Backtracking on a prominent campaign pledge, Prime Minister Yukio Hatoyama told angry residents of Okinawa on Tuesday that it was unrealistic to expect the United States to move its entire Marine Corps air base off the island.

Visiting Okinawa for the first time since becoming prime minister, he asked residents to entertain a compromise that would keep some of the functions of the base on the island while the government explored moving some facilities elsewhere.

“Realistically speaking, it is impossible,” to move the entire base, called Futenma, off the island, he said. “We’re facing a situation that is realistically difficult to move everything out of the prefecture. We must ask the people of Okinawa to share the burden.”

But Okinawans seemed in no mood for burden-sharing, heckling him as he emerged from a meeting with local officials. “Shame on you,” one man shouted.


選挙運動の際の公約の目玉の一つを取り下げ、鳩山由紀夫首相は怒りに震える沖縄の住民に対して、火曜日【5月4日】、米軍海兵隊の航空基地全部を沖縄から移転することをアメリカに期待することは現実的ではないと述べた。

首相就任以来初めてとなる沖縄訪問で、鳩山氏は沖縄県民にある妥協案を考慮して欲しいと懇願した。而して、その妥協案とは、海兵隊の航空基地機能の一部を沖縄に残しながら、民主党政権は海兵隊のなにがしかの施設を県外のどこかに移転する道を模索するというもの。

「現実的な観点から申し上げれば」海兵隊の航空基地、すなわち、普天間基地すべてを沖縄県外に移転するということは「不可能だ」、と。そう鳩山氏は述べたのである。而して、「基地全体を県外に移転することは現実的には無理だという状況を我々は直視しなければならない。鳩山民主党政権は沖縄の皆さんに幾ばくかの負担をお願いせざるを得ない」とも。

沖縄県の幹部との会談を終えて姿を見せた鳩山氏に対して罵声を浴びせた住民の行動を鑑みるに、沖縄の人々が、しかし、負担を引き受けることに前向きであるとはとても思えない(seemed (to be)in no mood)。「恥じば知れ」と、そう叫んだ男性もおられたのだから。    


Mr. Hatoyama has pledged to come up with a plan by the end of this month to relocate the Marine air base and resolve a stubborn problem that has consumed the energies of his still-new government, and created months of discord with Washington. His delays and apparent flip-flopping on the issue have fed a growing feeling of disappointment in the prime minister’s indecisive leadership, driving his approval ratings below 30 percent.

During his successful election campaign last summer, in which he dislodged the Liberal Democrats after more than 50 years in power, Mr. Hatoyama called for adjusting a laboriously negotiated 2006 agreement with the United States, which stations about 50,000 troops in Japan. Under that plan, Futenma was to be moved to a less crowded part of Okinawa to address local concerns over noise, air pollution and safety.


鳩山氏は、今月中に海兵隊基地の移転計画を提出すること【come up withには「思いつく」という意味もあり、現実的にはその意味が正しいと思われるのですが、ここはテクストの流れに従い「提出する/申し出る」の意味で訳しました】、もって、まだ発足から間がないと言ってもいい鳩山氏率いる新政権がそのエネルギーのかなりの部分を割かざるを得なかった難題、他方、ここ数ヵ月に亘るアメリカ政府とのぎくしゃくした関係の原因たるこの難題を解決することを約束した。而して、この普天間基地問題を巡る鳩山氏ののろまさと少なくとも外見上は方針転換と言われても文句の言えない朝令暮改振りによって、この首相の決断力のない指導力不足に対する不満のマグマは地表をめがけて漸次浮上してきている。実際、鳩山民主党政権の支持率は30%を切るレベルまで下降してきているのだから。

昨年夏、50年以上政権の座にあった自民党を下野せしめることになる成功を収めた選挙運動の最中、鳩山氏は、日米両政府が難産の末に締結した2006年の協定を見直すべきだと訴えた。アメリカは日本国内に50,000人の米軍将兵を駐留させているのだけれども、この協定によれば、地域住民の騒音・大気汚染、そして、安全性への危惧に配慮して普天間基地は沖縄県内のより人口がまばらな地域に移転することになっていたのである。   


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But the Obama administration pushed back, with Defense Secretary Robert M. Gates apparently refusing to entertain any thought of reopening the agreement. The stand-off threatened to open the first breach in the two countries’ security alliance since World War II. Later, during a trip to Japan, Mr. Obama smoothed things over, reluctantly agreeing to consider Mr. Hatoyama’s proposals.

While Mr. Hatoyama has aspired to accommodating the competing desires of the Americans and local residents, he finally had to admit that it could not be done. And so on Tuesday Mr. Hatoyama had the unpleasant task of delivering the first bit of bad news, acknowledging for the first time that moving the base off Okinawa was unrealistic.

“When we consider the presence of North Korea and the state of the wider region, it is clear that we must maintain the Japan-U.S. alliance as a deterrent force, and that we must ask Okinawa to bear some of that burden,” Mr. Hatoyama said following the meeting with local leaders on his first trip to the island since taking office. ・・・


しかし、ロバート・M・ゲイツ国防長官が2006年の協定を再討議するどのような提案も考慮するつもりがないという立場を明確に打ち出すことで、オバマ政権は現行移転計画の見直しを認めない方針を押し出した。ここに第二次世界大戦以降初めて、日米の安全保障同盟を巡り日米両国間に不和が生じる気配が漂い始めたのである。而して、その後の日本訪問の際にオバマ大統領は事態の円満解決に向けて動くことになる。すなわち、不承不承ながらもオバマ大統領は協定を再討議するという鳩山氏の提案を了承したのである。

アメリカと沖縄のせめぎあう二つの要望を調停しようとする鳩山氏の願望にもかかわらず、その結果は自明のことだったとはいえ結局、その二つの要望の調停は不可能ということを鳩山氏も認めざる得なくなった。而して、火曜日、鳩山氏は、このあまり愉快ではない事実を伝える使命の第一歩を踏み出したのである。それは、普天間基地を沖縄県外に移転することは現実的ではないと初めて公に認めることだったのだけれども。

首相就任以来初の沖縄訪問の際、沖縄県の指導者達との会談を終えて、「北朝鮮の存在を考慮するとき、また、日本を包むより広い地域の現状を鑑みるとき、抑止力としての日米同盟が維持されるべきであることは自明のことだ。ならば、民主党政権が沖縄県民にそれ相当の負担をお願いせざるを得ないこともまた当然である」と鳩山氏は述べた。(中略)    


Mr. Hatoyama still has not divulged the specifics of his plan. But it is widely expected that it will involve the small island of Tokunoshima, where since January, when word got out, residents have been marshalling their resources for a fight.

A small, semi-tropical island located between Okinawa and Japan’s main islands and blanketed with whispering fields of sugar cane was mentioned as a possible site for training activities and up to 1,000 of Futenma’s 2,500 Marines, said Takeshi Tokuda, Tokunoshima’s Lower House representative, who was briefed on the plan.

But enraged islanders here, interviewed in the week before Mr. Hatoyama’s decision, vowed that would never happen. ・・・


鳩山氏はいまだに彼の計画の詳細を公表していない。けれども、彼の計画には徳之島という小さな島が組み込まれているのではないかという観測が広がっている。而して、徳之島では、徳之島に海兵隊基地の一部が移転する、鴨という噂が囁き始められた今年の1月以降、基地移転阻止に向けた体勢を住民は着々と整えているのだ。

亜熱帯にある小さな島、沖縄と日本の本土との間に横たわる、而して、さわさわと音を立てるサトウキビ畑に覆われたこの島が、海兵隊の訓練と普天間基地に駐留する2,500人中最大1,000人が移転する候補地として名前が挙がっている。と、鳩山氏の計画の概要を聞かされた徳田毅衆議院議員は語った。

しかし、徳之島の怒りに燃える島民は、鳩山氏が普天間基地移転に関して基本的に現行案に回帰すると決断した前の週、鳩山氏の思う通りには絶対させるものかと基地移転阻止の決意の程をインタビューで吐露してくれた。(中略)    


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<続く>




(2010年5月7日:yahoo版にアップロード)

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