安倍内閣総辞職記念アーカイブ(9): 柳沢発言Vs野党の審議拒否☆朝日新聞社説の荒唐無稽と少子化対策審議の開演を求める女性ブロガーの声

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■柳沢発言Vs野党の審議拒否☆気は確かか朝日新聞
柳沢伯夫厚生労働相の「女性は子供を産む機械」失言を契機に国会では野党の審議拒否が続いている。これこそ、「江戸の敵を長崎で」どころではなく「娘が隣の子にぶたれたからと言って、町内会総出の廃品回収行事に参加しない」もんの本末転倒の所業だ。まして、国会審議は国会議員の本分であるからその本末転倒さは一層際立っている(尚、この問題に関する私の基本的な考えについては下記URLを参照いただきたい)。

日本戦後史の鉄則の適用☆柳沢厚労相を「女性は産む機械」発言で辞めさせてはならない 

畢竟、問題のある法案を与党が強引に可決しようとするのに対して、更に、十全な審議を求める/法案の問題性を広く国民にアピールするという特殊な場合を除けば(よって、十分な審議時間を政府与党が確保したにもかかわらず、枝葉末葉の重箱の隅つつきに終始して野党自らが審議を深める機会を逸した先般の教育基本法改正などはこの例外にもならない。)、国会議員の審議拒否は「職場放棄」であり、文字通り、「税金ドロボー」に他ならない。

「職場放棄」であり「税金ドロボー」ではあるが、しかし、野党は審議拒否を自己の責任とリスクにおいて行ってはいる。リスク承知の確信犯的な行動。つまり、審議拒否戦術を国民がどう見るか/今後の選挙で野党に投票するか否かに関して、国民が審議拒否を支持してくれることに野党は(リスクを取った上で)賭けているということだ。ならば、野党の行動は本末転倒&支離滅裂ながらも、アクチャルな政治のダイナミクスを見る観点からは、それはそれで理解できないわけではない。

さて、問題は朝日新聞である。今日の社説「柳沢発言 やるせない審議拒否」を読んで私は目が点になった。それは、本末転倒&支離滅裂の度合いにおいて野党の審議拒否を数段上回る荒唐無稽さであった。なぜか、それは次の2文に結晶していると思う。

「柳沢氏の発言は論外だが、国民すべての未来にかかわる少子化問題を深く論議するきっかけにも使えるはずだ。そのせっかくの機会が、与野党の思惑や駆け引きで生かされないなら、これもまた残念なことである。」


おいおい、朝日新聞さん、気は確かい。審議拒否しているのは、野党の方であって、与党は国会審議への復帰を重ねて呼びかけているのだよ。ならば、「与野党の思惑や駆け引きで生かされないなら」は「野党の筋違いの審議拒否で活かされないなら」と書くべきではなかったのかい。私はこの社説を読んでそう思った。

(×)与野党の思惑や駆け引きで生かされないなら
(○)野党の筋違いの審議拒否で活かされないなら



確かに、老練な国会運営のスペシャリストを数多抱える自民党サイドは自民党サイドで、あるいは、総理官邸には官邸で「柳沢辞任or更迭の要求」を拒否すること、野党を審議拒否戦術に追い込むことに関しては、愛知県知事選挙や北九州の市長選挙もにらみながらそれなりの「思惑や駆け引き」はあるだろう。政治をやっているのだからそれは当然であり、与野党ともにそれはお互い様である。けれども、柳沢厚生労働相の不穏当な発言を咎め、安倍晋三首相の任命権者責任を問う方法は審議拒否だけではないだろう。

国会審議の中で柳沢厚生労働相と安倍首相の責任を問いただす、あるいは、両者への不信任決議案を緊急上程する、または、「公人の女性蔑視的の言動は許されない」という国会決議を与野党一致で行う・・・・。これら幾つもある選択肢の中で「国会の審議拒否」を選択したのは野党の方であり、(その思惑に関わらず)政府与党の方ではない。

ならば、朝日新聞の記事は、「喧嘩両成敗」的な論理を密輸されせ、本来、野党が負うべき「審議拒否」という国会議員の「職場放棄」であり「税金ドロボー」的行為の責任を与野党の両者に求めようとする論理破綻を犯したものだ。蓋し、それが過失に基づくものとすれば極めてお粗末な誤謬であり、もし故意に基づくとすれば、毎度のことながら、極めて姑息な政府与党批判の世論誘導(というか、大東亜戦争後のこの社会で跳梁跋扈し猖獗を極めた戦後民主主義を批判し、安全保障の面で「日本を普通の国」にし、而して、支那・韓国・北朝鮮の特定アジア三国との関係を「対等な関係」に正常化しようとする、小泉ー安倍ー麻生ー中川酒豪の過去現在未来の保守革新派政権に批判的な空気を醸し出そうとする陰湿な世論誘導工作)と言うべきであろう。私はそう考える。



☆追補:柳沢さん、しばらく黙っていなさい!
とかとか、これを書いているとき、「<柳沢厚労相>「私の発言と選挙は切り離して」」(毎日新聞電子版:2月2日13時6分, 下記URL参照)というニュースを目にした。「自らの「女性は産む機械」発言が今週末の愛知県知事選、北九州市長選に与える影響について「私の発言と選挙は切り離して、選挙民の方々が判断するのを願うのみです」と語った」、と。学習能力の低い元大蔵官僚やなー(苦笑)。

こんなことを今のタイミングで言えば、このニュースのリードのように「私の発言と選挙は切り離して」だけが談話の中から切り出され、而して、「「私の発言と選挙は切り離して」だと? そうあの女性蔑視親爺の柳沢は言ったのか! 要は、これは「女は子供を産む機械」発言を有権者は忘れてくれ、あるいは、それは横に置いておいて投票行動して欲しいと言っているんだよな。この野郎は自分の先の発言の重大さが分かっていないのか!」と。また、世論の反発を受けることは確実だろう。

何考えているの柳沢さん? 「馬鹿か!」と、陣笠議員に毛の生えた程度の若手の頃から、あの故後藤田正晴元副総理をして「政局眼には尋常ならざるものを持つ」と言わしめた、人事と世論誘導の天才、平成の大宰相・小泉純一郎前総理なら、おそらくそうコメントするのではなかろうか。

ここでは、「私の発言は、愛知県知事選、北九州市長選に影響すると思う。発言は不適切で許されないものであったと反省している。そして、愛知県知事選、北九州市長選の我が党の候補者、および、その支援者の皆さんにはお詫びの言葉もない。私としては、有権者のご審判が下るのを従容として待つしかありません」とかなんとか適当に答えておけよ。

そんな、気の利いたコメントが咄嗟に思いつかなかったのなら、「反省しております。選挙結果は有権者・国民が判断されることであり、コメントは控えさえてください」とでも言ってあとは黙っていなさい! 一体全体、総理官邸の広報チームは何をしているのかね。マスメディアに対する発言に関しては、こんな「抜き身の刺身包丁」並の危険人物を野放しにするんじゃない、っーの。

でもね、でも、多分、柳沢伯夫厚生労働相って、本当に(他人の行動を悪意に受け取れない)善い方なんだろうな。まあ、覆水盆に返らず、一度口に出した言葉は二度と取り消せない。それに、こんな善人の紳士が与党にいることは、政治のマヌーバー(手練手管)を離れて少し長いスパンで考えると、「安倍ー麻生ー中川酒豪」連合政権にとってもいいことかもしれない。何と言っても(コスト戦略的からもゲーム理論からも)、往々にして「味方に対しては誠実さと真心、裏切りに対しては果断な報復」のシンプルな戦略が最適戦略であることは、奇麗ごとではなく、政治を含むビジネスの経験法則だろうから。この「<柳沢厚労相>「私の発言と選挙は切り離して」」のニュースに接して私はそう思った。柳沢さん、「黙って」頑張れ!



■柳沢騒動劇の終幕と少子化対策審議の開演を求める女性ブロガーの声
愛知知事選と北九州市長選は与党の「1勝1敗」で終わった。けれども、「柳沢問題」はまだ尾を引いている。「尾を引いている」というより、引くべき尾がないのに、パントマイムよろしく「尾を引く動作」を続けている連中がいるということ。昨夜からは、あろうことか自民党内からも両選挙での苦戦と苦杯を引き合いに出し柳沢伯夫厚生労働大臣の早期辞任を求める声が上がっているそうだ。その声の主が谷垣禎一・加藤紘一・山崎拓氏など(亀井静香・野中広務氏等が粉砕された現在の)、抵抗勢力であることを見ても、自民党内の柳沢辞任論もまた「パントマイム」に姿を借りた安倍内閣の倒閣運動に他ならないと私は思う。

簡単な話だ。今、北朝鮮が二回目の核実験でも起こせば、あるいは、千葉県なり埼玉県なりの首都圏で鳥インフルエンザの陽性反応が確認されれば、「柳沢問題」などマスコミ報道からフェードアウトしていくことは確実ではないだろうか。満更、私のこの想定が間違いでないとすれば、要は、最早、「柳沢問題」など野党の安倍内閣批判のツールであり、あるいは、マスコミの番組枠を埋める「埋め草」にすぎないということだ。ならば、自民党内で「パントマイム」を演じる者達も、その意図は、女性差別批判や(女性蔑視への世論の反感が及ぼす)今後の諸選挙への危惧などではなく、小泉改革を更に押し進めようとする保守革新路線の安倍内閣の倒閣にあることは間違いないだろう。

大体、問題の松江市の講演で柳沢大臣が説明しようとした人口の統計学的予測、すなわち「合計特殊出生率」(1人の女性が生涯に産むと想定される平均の子供の数)という概念を使ったテーマ自体が、「女性は産む機械」という抽象化された<女性性>を前提にしなければなりたたないのだ。ならば、合計特殊出生率を含んだ議論に対して「女を物扱いしたのはけしからん」と言うのは、「手足を縛って泳げと言う」よりも更に理不尽なクレームであり、それは、マクロ経済政策のテーマを論じる際に、GDPの成長率予測を話すのは「企業や人間を物扱いする議論でありけしからん」というコンプレーンより遥かに支離滅裂なのである。

蓋し、柳沢大臣の発言は(実際、多くの方が不快に感じたのだから)「不適切」ではあったけれど「不当」なものではなかった。少なくとも、その発言から柳沢氏の女性蔑視のメンタリティーを演繹するのは無理である。

而して、柳沢大臣は辞任すべきでも更迭されるべきでもなく、また、多くの女性が感じたであろう「少子化は女の責任であり、少子化対策は女だけが男とも社会とも孤立無援に担うべき責任とでも言うのか」という柳沢発言への誤解を契機とした(男主導のこの)社会への憤りを社会総体で受け止めるためにも、与野党協力し可及的速やかに国会で少子化対策の審議を開始するべきではなかったのか。私はそう考える(尚、私の(日本の)フェミニズムに関する基本的な考えについては次の拙稿を参照いただきたい。所謂「夫婦別姓論」への批判を中心軸にこの社会思想を整理したもの)。

http://www31.ocn.ne.jp/~matsuo2000/T/T2.htm

このような「柳沢問題」に関する認識を持つ私にとって、正に、「我が意を得たり」の記事を目にした。ブログ仲間のRobitaさんのもの。今までこのブログに転載した記事URLとともに紹介させていただきます。


●「女性は子供を産む機械」(1)(1月30日)
「女性は子供を産む機械だ」

このような直截的な表現をしなかったとは思うが、ともかくこのようなあからさまなフレーズにまとめられて、柳沢厚労大臣の発言がヒステリックに(マスコミの扇動だと思うが)批判される。

でもそれなら、と私は思う。
女性による男性蔑視の数々の表現も決して許されるものではない。(ありますよね、意地悪で残酷な表現いろいろ)

わかっている。公人たる大臣、しかも少子化問題担当の大臣が公の場で言うべき言葉ではない、と怒るのもわかる。

しかし、世の騒然たる空気は「発言どころか思うことさえいけない」という雰囲気だ。現に民主党の小沢党首は「政治家として以前に人間として(そのような考え方は)ありえない」と言っていた。

子供を生み育てやすい制度を整えもせずに、女性にばかり責任を押し付けるのが許せない、という言い分もわかる。

しかし、生みたくても生めない、育てたくても育てる余裕がない家庭が沢山あるのも事実であると同時に、子供を生み育てることの喜びや重要性を感じることのできない人々、結婚しない人々(できない人々じゃないですよ)が沢山いることもまた事実なのである。

制度を整えることについてもただいま努力しているが、同時に、自分だけで人生を完結するのでなく次世代につなげる気持ちもどうか持ってほしい、柳沢大臣はそういう切実な思いを伝えたかったのじゃないかと私は思う。


●「女性は子供を産む機械」(3)(2月1日)
「女性は子供を産む機械」の記事に、ぐーたんさんからコメントをいただいた。
ぐーたんさんも私も、このことを「騒ぎすぎ」と思っている。

比喩として人をモノや動物に喩えることはよくあることで、例えば私も「子供の人権」という昔の記事で「調教」という言葉を使った。
「子供の人権を何と心得る!」などという抗議も来なかったし、私自身、子供をモノだとも動物だとも思っていない。

社民党の福島党首は「私たちが何に対して怒っているのか大臣はまったくわかってない」と言い、「機械」に喩えたその表現に怒っているのではなく、自分たちの対策不備を棚に上げて産まない女性に責任があるかのような言い方をするから怒っているのだ、と説明した。

それならばなおのこと怒る必要がないのではないか。

柳沢大臣は、何も対策を考えないで、ただ女性に子供を産め、と言っているのだろうか。目下少子化担当大臣で、いま現在、子育て支援対策について努力している最中ではないのか。
制度案がまずいというのなら、そこのところをこそ野党は攻めるべきだ。自分たちならこのようにする、こうすれば子どもを産みたい人が産みやすくなる、と激論を交わしてほしいものである。

言葉というものは、発する時の声音、表情、間合いなどが非常に重要で、文章のみでよく誤解が生じるのはそれがうまく伝わらないからである。

実際の松江市での講演のその部分をテレビで聞いたが、柳沢大臣は、「女性なんて所詮子供を産む機械なんだから四の五の言わずにどんどん子供を製造すりゃいいんだよ」などというニュアンスで言ったのではないことは確かだ。
産む女性の数は決まっている、その生み出す装置の数は決まっている、とただそれだけのことを言ったに過ぎない。実際「女性が一生に生む子供の数」を「出生率」として「数字」で発表しているではないか。「出生率」の提示でさえ、女性を傷つけるというのか。

とにかく、女性たちよ、ちょっと冷静になってほしい。
いや、これもマスコミの単なる煽りで、ほとんどの女性はわかっていると私は思いたい。
街頭インタビューでは怒る女性ばかりを選んで放映しているのだろう。
野党の女性議員たちが柳沢大臣を訪れて辞任要求をしたのもやむにやまれぬ野党のサガにちがいない。
マスコミも野党も、それぞれの事情があるから辛いよね。


●「女性は子供を産む機械」(4)(2月5日)
そのうち意見は逆転するだろうと思っていたが、テレビなど見ていると、柳沢大臣批判は収まりそうもない。

しつこいようだが、もう一度書く。

野党が批判するのも、マスコミが大騒ぎするのも、自分たちの生き残りのためだからある程度は仕方のないことだとは思うが、一般の人までがマスコミの情報操作に乗ってしまって一向に落ち着きを取り戻さないのは異様である。

私は自民党支持者ではないし、柳沢大臣に縁もゆかりもない。
むしろ、これを機会に自民党が壊れて政界再編でも起こってくれればどんなに良いかと思うくらいである。
しかし、そのことと、誤解を解かなければ、という思いは別だ。

大臣は何も、女性に仕事をやめて子供を生め、とか、誰でもいいから結婚して子供を生めとか言っているわけではないのだ。

むしろ、女は家庭に入って子育てに専念してほしい、という古い考えに凝り固まった頭の固い議員たちを抑えて、働く女性たちへの支援策に熱心な人だと聞く。
奥様も職業を持っているし、二人の娘さん夫婦も共働きで、柳沢さん自身、お孫さんの保育園の送り迎えなど引き受けることもあるという。

柳沢さんがどういう人なのか、周りの人はよくわかっているはずだ。

人の話をよく聞きもせずに、言葉尻だけをとらえて短絡的に怒りを爆発させるから、争いというものが起きるのだなあとつくづく思う。

「女性に頑張ってもらうしかない」というのはその通りで、子供は女性にしか生めないのだから、子供の生産は女性に頑張ってもらうしかないのである。

国として何もしないでただ女性に生めと言っているわけではないのだ。

国も頑張って支援しますから、女性も頑張ってくださいと、これのどこがそんなに女性を傷つけるというのだろうか。

テレ朝のワイドショーに出ていた橋下徹弁護士が、大臣を人でなし呼ばわりするかのような他のコメンテーターの意見に対して語った。
「だって子供が生まれなきゃ困るわけですよ。みんなが少子化を何とかしなきゃと思い、国が少子化対策という方針を打ち出しているのだから、その方針の中に女性に子供を生んでもらうという目的がすでに含まれているじゃないですか。男は生めないんだから女性が生んでくれなきゃ困るんですよ」

その詳しいやりとりをこちらでみつけた。→ http://blogs.yahoo.co.jp/blogger2005jp/45841129.html
頑張って家族のために働いてきた夫が定年になると「濡れ落ち葉」だの「粗大ゴミ」だの、結婚相手を「三高」だの「三低」だの(これって女のステップアップのための「踏み台」ってことじゃないの?)、男に対するそういう侮蔑的な言葉をはやらせて平気でいる女に、「機械」ごときで大騒ぎしてほしくない、とはっきり言う男はいないのか。ええい、じれったい。

転載元:
幸か不幸か専業主婦 孤独な家事を黙々と適当にこなしながら主婦は思う


 http://robita-48.cocolog-nifty.com/blog/



■「柳沢問題」関連の女性ブロガーからの転載記事
辞めるな柳沢大臣 

女性は子ども産む機械★言葉の一人歩きを考える 

生む機械・・・眞鍋かおりに一票 

「女性は子供を産む機械」発言に怒っていらっしゃる方へ…「イメージ」と「政策」どちらが重要ですか? 

少子化の原因って何?


(2007年2月2日-2月5日:yahoo版にアップロード)

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