安倍内閣総辞職記念アーカイブ(10):朝日虚に吠え野党実に伝えた柳沢発言問題☆柳沢厚労相の「健全」発言批判は「国家安康君臣豊楽」もんの言い掛かりだよ

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■柳沢厚労相の「健全」発言批判は「国家安康君臣豊楽」もんの言い掛かり
「<柳沢厚労相>子ども2人以上「健全」発言、波紋に拍車」という記事を読んだ。もはや何もコメントすることもないと思った。これは、家康が豊臣氏を滅ぼす大阪の陣の端緒を開いた、方広寺鐘銘事件の難癖もんの言い掛かりだよ。「国家安康」「君臣豊楽」は家康の名を分断し、豊臣家の繁栄を願ってする徳川家に対する呪詛が込められている、という有名なあの話。1614年-1615年の大阪の陣から390年余り、日本では政治の世界で繰り広げられる言語活動の様式はあんまり変わっていないということかね。そんな感想を持った。

しかし、このままではよくないよ。よくないに決まっているよ。メディアが報ずる「国家安康君臣豊楽もんの難癖」に踊らされないためにも、日本国民はメディアリテラシーということにもう少し価値を置いた方がいいよ。

メディアリテラシー:
メディアが報道する情報の真偽を見極め(あるいは、真偽を見極めるに足る状態にないということを見極め)、情報に組み込まれた送り手の主張に誘導されることなく主体的に自分の意見を組み立てるための、メディア活用の技術。


それにしても、一体全体、柳沢伯夫厚生労働大臣(下記引用)の発言をどこをどう読めば、「子どもが2人以上いなければ不健全」という主張が導き出せるというのかね。ブログ仲間のプロ国語教師、さくらんぼさんなんかにそんな解釈が成り立たないことを彼等に講義してもらいたいくらいだよ。

しかし、それを導いたマスコミや政治家がいたのは事実。それが2006年のこの社会の現実。ならば、国民にはメディアリテラシーのスキルとトレーニングが、そして、新聞記者や野党の政治家(および、谷垣禎一・加藤紘一氏らの自民党内の抵抗勢力の政治家)には、現代国語の学力向上が必要なんじゃないかしらん。「平成版方広寺鐘銘事件」を報ずる記事を見てそう思った。


<柳沢厚労相>子ども2人以上「健全」発言、波紋に拍車
「女性は産む機械」と発言し釈明に追われている柳沢伯夫厚生労働相が、6日の記者会見で結婚したい、「2人以上子どもを持ちたい若者」を「健全」と表現したことが波紋を広げている。首相官邸は問題視しない構えだが、野党側は「子どもが2人以上いなければ不健全なのか」と一斉に反発。柳沢厚労相の辞任を求める動きがさらに勢いづいており、国会審議の正常化を前に新たな火種となる可能性もある。

厚労相は「若い人たちは結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」と指摘。国立社会保障・人口問題研究所の05年の調査で「いずれ結婚する」と回答した未婚男女の希望する子どもの数が平均値で2人を超えたことを踏まえた発言だった。

これに対し、野党側は「女性蔑視(べっし)が頭の中に染み付いているようだ。看過できない」(民主党の鳩山由紀夫幹事長)▽「かつての『産めよ増やせよ』とお国のために子どもを産んだ考えと同じようだ」(国民新党の亀井久興幹事長)――などと反発、厚労相の辞任を求め安倍晋三首相の任命責任を追及していく考えだ。

一方、「産む機械」発言では厳しい声が上がった政府・与党だが、今回は静観している。自民党の片山虎之助参院幹事長は記者会見で「少子化阻止は大きな国政上の課題。2人以上が望ましいとなるんじゃないか」と理解を示し、同席した矢野哲朗国対委員長が「(発言は)ごく自然ですよね」と差し向けると「自然だと思う」と同調した。

首相は同日夕、首相官邸で厚労相と協議後、記者団に「わが家も残念ながら子どもがいないが、いちいち言葉尻をとらえるより政策の中身をお互いに議論していくのが大切だ」と問題視しない考え。厚労相も記者団に「発言は不適切とかではなく、素直に聞いてもらえば分かる」と理解を求めた。【毎日新聞電子版:2月6日21時15分 】



◆柳沢伯夫厚生労働相の6日の記者会見での主なやり取りは次の通り。
(記者)  少子化対策は女性だけに求めるものなのか、考えはいかがか。
(厚労相) 若い人たちの雇用形態が、例えば婚姻状況などに強い相関関係を持ち、雇用が安定すれば婚姻率も高まるような状況なので、まず若者に安定した雇用の場を与えていかなければいけない。また、女性あるいは一緒の所帯に住む世帯の家計が、子どもを持つことで厳しい条件になるので、それらを軽減する経済的支援も必要だろう。もう一つは、やはり家庭を営み、子どもを育てることには人生の喜びのようなものがあるという意識の面も若い人たちがとらえることが必要だろう。そういうことを政策として考えていかなければならない。他方、当人の若い人たちは結婚をしたい、それから子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけだから、本当にそういう若者の健全な、なんというか希望というものに我々がフィットした政策を出していくことが非常に大事だと思っている。



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■朝日虚に吠え野党実に伝えた柳沢発言問題
柳沢伯夫厚生労働大臣が衆院予算委で所謂「健全」発言の謝罪と撤回を拒否した。また、安倍晋三首相も柳沢厚労相の続投に理解求めた。当然のことでしょう。私はそう思います。


そんな如月の朝、「朝日新聞、いい加減にせい!」と思った。激しくそう感じた。今日の社説「少子化論議 柳沢発言の罪と功」につぃてだ。おいおいおい、まだ、柳沢発言問題を取り上げるつもりか、と。「女性は子供を産む機械」(1月27日の松江市での講演会)、および、「2人子供を持ちたいというのは健全」(2月6日)の両発言についてその全容が知られるに及び、「女性蔑視」や「家族の形態に関する特定の価値観を押し付けるもの」という柳沢批判は、その発言の一部を切り取って柳沢厚生労働大臣の意図を曲解したものであることが漸次明らかになってきた。それなのに、まだ、世論誘導やってるよ朝日新聞、と。

世に「一犬虚に吠え万犬実を伝う」と「三人市場虎を為す」という。「1人が嘘の出来事を語り、他の者達がそれを真実と受けとり語りだすことによって、最初の嘘があたかも真実のようになる」「どんな嘘でも、3人別々に同じことを言われれば、「ひょっとしたら本当かもしれない」と思うのが人間の常である」ということ。さしずめ、今回の柳沢発言問題なるものは、マスコミ虚に吠え野党実を伝う的な現象だったのだろうけれど、発言の嘘が明らかになった現在でも、朝日新聞は「三人市場虎を為し、安倍政権にダメージを与える」ことを狙っているとしか思えない。

実は、「三人市場虎を為す」(韓非子・第30篇内儲説)の含意は「人間はそのような嘘の讒言に惑わされやすいものであるから、君主たる者、このような妄言に惑わされることなく、何が真実かを見極めるべきだ」というもの。国民主権主義を取る我が国において、主権者たる国民は朝日新聞などが流す「讒言」に惑わされることなく政治を見つめなければならないのだ。流石、韓非子! 良いこと言ってるよね。而して、このことを朝日新聞の社説記事と柳沢発言を比べて検討してみる。

■朝日新聞の社説「少子化論議 柳沢発言の罪と功」の中の言葉
「深刻なのは、そのかじ取り役であるはずの厚労相が、多くの国民を失望させる発言を重ねていることだ。女性を「産む機械、装置」にたとえ、追い打ちをかけるように、「若い人たちは、結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」とも語った。子どもがいなかったり、1人だったりする人は「不健全」とでも言うのか。そう批判されても仕方がない」


■柳沢発言(1)「女性は子供を産む機械」?
なかなか今の女性は、一生の間にたくさん子どもを産んでくれない。人口統計学では、女性は15から50歳が出産する年齢で、その数を勘定するとだいたいわかる。 ほかからは生まれようがない。 産む機械と言ってはなんだが、装置の数が決まったとなると、・・・機械と言っては申し訳ないが・・・機械と言ってごめんなさいね。・・・あとは産む役目の人が1人頭で頑張ってもらうしかない。 1人当たりどのぐらい産んでくれるかという合計特殊出生率が今、日本では1.26。 2055年まで推計したら、くしくも同じ1.26だった。 それを上げなければいけない。
http://q.hatena.ne.jp/1170682019

この講演で柳沢大臣が説明しようとしたのは人口の統計学的予測でしょうが。大体、「合計特殊出生率」(1人の女性が生涯に産むと想定される平均の子供の数)という概念自体に、「女性は産む機械」という抽象化された<女性性>が含まれているんじゃないのかね。このコンテクストで言う「産む役目の人」というのはその<女性性>のことでしょうよ。ならば、合計特殊出生率を含んだ議論に対して「女を物扱いしたのはけしからん」と言うのは、「手足を縛って泳げと言う」よりも更に理不尽なクレーム(要求)であり、それは、「英単語を使わずに英会話やれ」とかいうのに等しい暴論だよ。そう思いませんか、朝日新聞さん。


■柳沢発言(2)「子供を産まないのは不健全」?
若い人たちの雇用形態が、例えば婚姻状況などに強い相関関係を持ち、雇用が安定すれば婚姻率も高まるような状況なので、まず若者に安定した雇用の場を与えていかなければいけない。また、女性あるいは一緒の所帯に住む世帯の家計が、子どもを持つことで厳しい条件になるので、それらを軽減する経済的支援も必要だろう。もう一つは、やはり家庭を営み、子どもを育てることには人生の喜びのようなものがあるという意識の面も若い人たちがとらえることが必要だろう。そういうことを政策として考えていかなければならない。他方、当人の若い人たちは結婚をしたい、それから子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけだから、本当にそういう若者の健全な、なんというか希望というものに我々がフィットした政策を出していくことが非常に大事だと思っている。(毎日新聞:2月6日21時15分配信)


コメントのしようもない。これをどう読めば、「子供を産まないのは不健全」と柳沢氏が言ったと言えるのか。柳沢氏が言っているのはあくまでも意識の面であり、この発言は、国立社会保障・人口問題研究所の2005年の調査で「いずれ結婚する」と回答した未婚男女の希望する子供の数が平均値で2人を超えたことを踏まえた発言だったのだから。

大体、「若い人たちは結婚をしたい、それから子どもを2人以上持ちたい」と希望している。では、このような「希望」を<健全>というのでなければ「少子化対策担当大臣」としてはそれこそ、「燃えない火」のような形容矛盾であり、むしろ、少子化対策担当大臣としての職務怠慢と言われるのではないでしょうか。そう思いませんか、朝日新聞の社説子さん。

二つの柳沢発言原文で読み返すとき、柳沢厚労相が衆院予算委で「健全」発言の謝罪と撤回を拒否したこと、そして、安倍首相が柳沢厚労相の続投に理解求めたのは当然。そう言えると思いました。


(2007年2月7日-2月8日:yahoo版にアップロード)


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