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ウォーキング de 我が街「新百合ヶ丘」番外編:さんま祭りは百合ヶ丘に限る

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めぐろのさんま【目黒の秋刀魚】
落語の一。ある殿様が鷹狩りの途中、目黒の農家で供せられたさんまの美味が忘れられず、後日家臣に所望したところ、蒸して脂を抜いたりしたためすこぶるまずく、「さんまは目黒にかぎる」といった話。(広辞苑)

目黒のさんま(めぐろのさんま)とは落語の噺の一つである。さんまという下魚(低級な魚)。これを産地から離れた場違いな場で無造作に調理したものが美味く、丁寧に調理したものはかえって不味いという滑稽噺。落語界の中では秋の噺としてよく知られている。成立時期は不明。3代目三遊亭金馬が得意としていた演目である。(wiki)



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国際法上は実はそこに「領土問題」など存在しない尖閣諸島の領有権を巡り、例によって白髪三千丈のあの国では反日デモが盛り上がっているらしい昨日、例によって日課のウォーキングとラジオ体操もすまして寛いでいたら重大なことに気づきました。

あっ、「昼食の麻婆豆腐に入れる豆腐が切れてたよぉー!」、と。

孫子曰く、「知彼知己者、百戦不殆」。
そう、孫子が言うとおり「敵に勝つには敵と己を知らねば」、ならば、医食同源(?)
蓋し、この反日国に勝つには中華料理に限る。
ということで、「今日のお昼は麻婆豆腐、中食は中華三昧四川風!」に決めていたのでした。

そこで、例によって最寄のスーパー三和百合丘店に出撃。
と、その途中というか、自宅のある町内の公園なのですが、地域興しのイベントに遭遇。

これです。

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よさこい祭りとならんで、最早、全国的に秋の定番イベントになった感のある「さんま祭り」ではないですか。そう、より正確に言えば「目黒の秋刀魚祭り」@百合丘とでも呼ぶべきもの。

ちなみに、その「秋刀魚祭り」の本家というか、鉄の生産におけるヒッタイト、小麦の生産における肥沃な三日月地帯、要は、文化伝播の発祥地は、もちろん、目黒。wikiによればこんなことらしい。

落語の「目黒の秋刀魚」の噺にちなみ、1996年9月に目黒駅をはさんで「目黒のさんま祭り」「目黒のSUNまつり」という2つの祭が生まれた。前者は品川区上大崎の誕生八幡神社付近、後者は目黒の区民祭の一環として目黒区内の田道広場公園付近で開催される。古くから「目黒」と呼ばれてきた目黒駅界隈の大部分が現在は品川区に属していることからこのような事情となった。

2つの祭りは、毎年開催日がずれており、双方とも楽しむことができる。開催日がずれる最大の理由は、品川区上大崎の「さんま祭り」が岩手県宮古、目黒区の「SUN祭」が宮城県気仙沼で水揚げされるものを使用するためであり、それぞれの旬にあわせて1 - 2週間ずれている。どちらも露天の下で焼かれたサンマが無料で振舞われる。   


б(≧◇≦)ノ ・・・なるほどぉー!

1996年と言えばバブル崩壊の後のこと。東京の下町も、文字通り、「あの猛威を振るった地上げの嵐はどこいったの」の状況だった頃。そんな、「バブル敗戦後の焼け野原」状態の中でこの地域興しイベントは始まったのですね(★)。そして、二つの目黒の秋刀魚祭りは、現在では「目黒のさんま祭、食べるのに3時間待ち!」とかの報道も目にするくらいのメジャーなイベントになった。而して、よさこい祭りとは違い、(火を使い食べ物を供する以上、消防署と保険所関連の手続はあるにせよ)そう大仰な設備もいらず、ほとんどフリマの乗りで実施できるこの「秋刀魚祭り」は全国に伝播普及したのでしょうか。そんなこと考えてしまいました。

★参照記事:

・B29とバブルと地方の再生☆地方再生を賭した自民党総裁選
 http://kabu2kaiba.blog119.fc2.com/blog-entry-69.html




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上の画像は、イベント開始30分前の午前10時ちょい過ぎ頃の百合丘1丁目の風景ですがもう「長蛇」とは言わないけれど「中蛇の列」(あっ、ちなみに、このシリーズの記事でも何度かメンションしたことですが、川崎市麻生区には「百合ヶ丘」という地名はありません。あるのは「百合丘」で「ヶ」は不要なのです。ただし、小田急線の駅名は「百合ヶ丘駅」「新百合ヶ丘駅」。ですから、小田急新百合ヶ丘駅や百合ヶ丘駅を中心とした地域を漠然と指す場合には「新百合ヶ丘エリア」「百合ヶ丘エリア」とこのブログでは呼んでいます)。閑話休題。

主催者側も、早くもスタートダッシュで(←大体、スタートダッシュは「早い」ものだと思いますが)秋刀魚焼きに全力投入です。

その秋刀魚さんはこんな感じ。

sanma5.jpg




ところで、KABUの本業の語学教育の観点からは、「秋刀魚祭り」の呼称は「語句の形態と意味の変遷」(要は、語句を構成する単語の組み合わせと語句の意味の移り変わり)を考える上で興味ある事例だと思います。

目黒のさんま祭り
目黒のSUNまつり

つまり、「秋刀魚祭り=さんままつり」というのは、間違いなく、落語の『目黒の秋刀魚』を下敷きにして1996年に東京の目黒駅周辺で始まった。ということは(もちろんJR山手線を挟んで二つの「秋刀魚祭り」が同時に始まったのだから当初からその両者を識別する必要はあったにせよ)、元祖の二つの「秋刀魚祭り」に付けられている「目黒の」という限定句は、

①地域興しのための地域宣伝の意図
②イベントに由来を供給してくれている落語の『目黒の秋刀魚』を連想させる意図


の二つの目的を担わされたのでしょう。ということは、しかし、1996年当時は世界中というか銀河系中捜しても「秋刀魚祭り」はこの二つしかなかったわけですから、「目黒の」という言葉は、他の「秋刀魚祭り」と区別識別するためには不要だったということ。これは、1840年、世界で最初に郵便切手を発行した英国が現在でも切手に国名を表記していない事情に一脈通じるものがある。こういうことです。

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★註:英国の切手

英国は世界で最初に郵便制度を導入し、而して、1840年に世界ではじめて切手を発行しました。最初の切手にはビクトリア女王の横顔を印刷し識別としましたが当時、他国に切手はなかったので国名表記は必要なかったのです。

その後、他国でも郵便切手が漸次発行され、切手印刷に関する国際的なルールが必要となるのは当然の流れ。而して、1964年、郵便ルール統括国際組織である万国郵便連合(UPU)で、「1966年以降発行の切手には国名・地域名をアルファベットで表記するものとする」というルールが採択された。しかし、英国はこの採択に関して留保を付け、今でも女王陛下の横顔を識別とするだけで、国名は表記していないのです。   





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而して、我が街の(文字通り、私が住む百合丘1丁目の!)「さんま祭り」のこと。この「さんま祭り」を言語学的にはどう理解すればよいのか。つまり、なんで「秋刀魚祭り=さんま祭り」であって「百合丘の秋刀魚祭り」ではなく、また、正確に言えば意味的には本来そうあるべき「百合丘の「目黒の秋刀魚」祭り」でもないのか。これが私の興味を惹いた問題なのです。蓋し、これは二つの理由が重なったものではないか。そう考えています。すなわち、

(甲)普通名詞の固有名詞化
(乙)目黒の秋刀魚祭りのメジャー化にともなう「目黒の」の脱落  


(甲)「普通名詞の固有名詞化」というとなんか烏賊飯じゃなかった厳しいですが、要は、そのエリアに一軒しかないある種類のお店はしばしば屋号ではなくその商いの名で呼ばれるということ。

例えば、私が住んでいる川崎市麻生区百合丘1丁目と3丁目の道筋にはコンビニが1軒しかないのですが、そんな状況下では、誰も「コンビニのスリーエフ百合丘三丁目店に行って来るよ」などとは言わずに、「コンビニに行って来るよ」で済ますでしょう。そして、全国どこの町内でも、そこに1軒しかない八百屋さん、魚屋さん、クリーニング屋さんは、おそらくそれぞれ立派な屋号をお持ちでしょうが、お客さんは大体商売の種類を表す普通名詞でそれらのお店を呼んでいるだろうということ。

sanma7.jpg

(乙)の「目黒の秋刀魚祭りのメジャー化にともなう「目黒の」の脱落」というのは、日本で初めて、ということは銀河系で初めて「秋刀魚祭り」が始まった1996年からもう早15年。この間にTVで放映され雑誌に掲載されと、最早、「秋刀魚祭り」は、落語の『目黒の秋刀魚』を連想させる「目黒の」という形容句なしでも全国で(少なくとも、新百合ヶ丘エリアでは)、「目黒の秋刀魚祭り」を人々に連想させるくらいメジャーなジャンルのイベントになったということ。

これまた落語でお馴染みでしょうが、徳川家康の将軍宣下の際には(権威付けのため、また、源氏の氏長者と幾つかの役職がセットになっていたこともあり)「内大臣、従一位、征夷大将軍、源氏の長者、淳和奨学両院別当、兼右近衛大将、右馬寮御監」という、「寿限無」ほどではないですが、長い肩書きを朝廷からもらった。そして、前例踏襲が鉄則の時代のこととて、その後も、ほとんどこのタイトルを歴代14名の徳川将軍は宣下される。しかし、徳川将軍家の権威が確定した寛永年間(1624年~1644年)の後期には、徳川将軍家を指す際に誰もこんな寿限無的タイトルは使わなくなり、単に、「将軍」あるいは「大樹」「上様」という言葉で済ますようになった。このような経緯が(乙)の「目黒の秋刀魚祭りのメジャー化にともなう「目黒の」の脱落」ということなのです。

蓋し、これら二つの理由で「百合丘の「目黒の秋刀魚」祭り」は「さんま祭り」になったの、鴨。蓋し、このイベントは、(甲)百合丘町内のアットホームな、しかし、(乙)ジャンルとしてはメジャーな種類に属するイベントということ。とかとか、スーパー三和に行く途中でそんなことをつらつら考えてしまいました。下は、そのスーパー三和に売っていた(あっ、これも単に「スーパー」でいいの、鴨)秋刀魚君たち。

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ということで、今回の番外編、ウォーキング de 我が街「新百合ヶ丘」はこれにてお仕舞いです。ご一読いただきましてありがとうございました。尚、今回の舞台、百合丘町内、そして、このシリーズの過去記事に関しては、ご興味があれば次の拙稿をご参照いただければ嬉しいです。

・ウォーキング de 我が街「新百合ヶ丘」:麻生川花見&総合目次編
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/608a9c0e185fa7a994299f5dabae8483

・ウォーキング de 我が街「新百合ヶ丘」番外編:
 独断で選ぶ「新百合エリアで一番美味しい食べ物屋さん」
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/9dffa16522b1af44fcf7c5c67c4664a7


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(2010年10月17日:英語と書評 de 海馬之玄関 goo版にアップロード)

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