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<再掲>都立高卒業式「君が代」批判☆威力業務妨害事件判決

まじょりか


昨日、平成23年(2011年)1月28日、出張先の神奈川県大磯町JR大磯駅前の喫茶店で嬉しいニュースに接しました。東京高裁が所謂「日の丸・君が代代表訴訟」で一審を覆し、原告全面敗訴の判決を言い渡した、と。すなわち、卒業式等の学校儀式での君が代斉唱の際に地方公務員たる教職員が起立斉唱や伴奏を拒否することは許されない、と。蓋し、当然の判決でしょう。逆に、これらを違憲とする原告の主張を認めた一審判決の異常さが改めて浮き彫りになったと言えると思います。

而して、今回の極めて常識的な高裁判決に接して思い出す新聞社説があります。平成18年(2006年)5月31日の朝日新聞社説。同社説「君が代判決 教育に刑罰は似合わぬ」は朝日新聞らしい支離滅裂な社説でした。まず、タイトルからしておかしい。何が「君が代判決」だ? この裁判で「君が代は国歌か否か」が争点になったとでもいうのか? あるいは、「君が代を学校現場で斉唱することの是非」が量刑を左右したとでも? 

否です。「日の丸」が国旗であり「君が代」が国歌であることは確立せる慣行であり国民の常識である。加えて、現在では法令も整備され(国旗及び国歌に関する法律, 1999年8月13日施行)、また、判例(例えば、1984年の伝習館判決)もその法的拘束力を確認している学習指導要領にも、国旗と国歌を尊重する態度が教育されるものとする旨明記されているのですから。

ならば、この社説タイトルは、例えば、「都立高卒業式での威力業務妨害事件判決」であってしかるべきだったのではないでしょうか。而して、本日、平成23年1月29日の朝日新聞社説のタイトルもまた、「君が代判決」、と。蓋し、これ朝日新聞の確信犯的な狡猾な愚鈍なの、鴨。けれども、社説の記事内容はタイトルにまして奇妙奇天烈でした。以下、今般の高裁判決を俎上に載せる前哨として5年前の朝日新聞社説とそれに対する私の批判を転記しておきます。ちなみに画像は、その嬉しいニュースとともにいただいた大磯駅前の喫茶店「マジョリカ」さんの1日50食限定家庭風カレー。高裁判決もカレーも美味でした!


都立高校を定年退職した62歳の元教師が、最後に受け持った教え子たちの卒業式に来賓として出席した。2年前のことだ。そのときの振る舞いが威力業務妨害の罪にあたる、との判決を東京地裁から言い渡された。彼は何をしたのか。判決は次のように認定した。

式が始まる前の会場で、保護者にビラを配って、「国歌斉唱のときに、教職員は立って歌わないと戒告処分になります。国歌斉唱のときは、できたらご着席をお願いします」などと大声で呼びかけた。教頭や校長が止めようとしたところ、「触るんじゃないよ」「なんで教員を追い出すんだよ、お前」などと怒号し、会場を騒がせ、式の始まりを2分遅らせた。(中略)

元教師の行為は批判されてしかるべきだ。式の前とはいえ、式場で保護者に呼びかければ、混乱が起きるのは目に見えている。保護者が式場に入る前に声をかけるといった方法をとれなかったのか。しかし、だからといって、暴力を振るったわけではなく、起訴して刑事罰を科さなければならないほどの悪質な行為だったとは思えない。(中略)

外からやって来て卒業式を妨害する者はただちに警察に突き出すしかない。それが都教委や高校の論理だろう。しかし、教育のプロである教育委員会や高校が、学校で起こった問題をすぐに捜査機関に委ねようというのは安易ではないか。そうした教える側の態度は、生徒の目にはどう映るだろう。

元教師のような行為を二度と許さないというのなら、相手とじっくり話し合って解決の道を探ることもできるはずだ。本来、教育にかかわる問題が刑事裁判の法廷に持ち込まれることは望ましいことではない。今回の判決で、その思いを新たにした。(以上、引用終了)


どこが奇妙奇天烈か? 以下、漸次検討します。まず、この判決に対する私の感想は次の通り。蓋し、当該判決は威力業務妨害の事実を認定した。であるならば裁判所は、公教育現場の秩序を破壊し続けてきた日教組・全教に代表される反社会勢力の運動とこの被告人の行為が通底していることを鑑みて、つまり、その反社会性-違法性の度合いを考慮して求刑通り8カ月の懲役刑を宣告すべきだったのではないか。その点では、この判決には些か不満も残る、と。これが本判決の第一報に接した時の感想です。


日の丸・君が代を巡っては全国で様々な事件が起こってきました。平成11年には広島の世羅高校で校長が自死されるに至る。東京でも都知事・教育委員を始め多くの方々のご尽力もあり若干改善されてきたとはいえ、「公立学校の教員は教育行政に携わる公務員であり、よって、教員は組織の指揮命令に沿って行動すべきである」という世間の常識が欠落している不適格教員の違法行為は後を絶たない。

・広島、校長自殺事件
 http://www.worldtimes.co.jp/wtop/education/hiroshima/040229.html

ならば、彼等、不適格教員を教育現場から排除し、教育基本法10条が謳うように、教育現場に自分達のイデオロギーを持ち込んで恥じない日教組・全教等の反社会団体からの「不当な圧力から地域と子供達を守る」ことも法を司る裁判所の使命ではなかったか。蓋し、罰金刑を宣告した今回の判決は、教育現場に跋扈する不当な圧力の排除を要請する教育基本法の理念から見ていささか不十分な判決と言える。そう私は考えています。以下、社説へのコメント、切り口は5個。

1)「暴力を振るったわけではなく、起訴して刑事罰を科さなければならないほどの悪質な行為だったとは思えない」
刑法第234条に曰く、「威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による」(尚、前条とは、信用毀損・業務妨害罪のこと)、と。そして、判例・通説とも、ここにいう「威力」を「人の意思を抑圧することができる行為」であればよく、「暴行・脅迫はもちろん、騒音などの嫌がらせをも含む」と解している。
尚、威力業務妨害罪が所謂「労働争議」等の場合に、可罰的違法性を欠き構成要件該当性なしと判断されるケースも確かに存在する(★)。けれども、本件は一般人が行政官庁たる学校の行事を妨害したものであり、類型的に見ても可罰的な違法性を否定される労働争議のような事例ではない。

本件自体は「式の始まりを2分遅らせた」だけの事件ではある。しかし、その影響は「日の丸・君が代の尊重」を学校行事の中で励行する公立学校一般に及ぶものでもある。また、新聞報道を見る限り被告人に反省の色は皆無である。これらを鑑みるに、本事案における被告人の違法性と有責性は極めて重大と言わざるをえない。

これは、1回の被害は「消費税込み110円のお握り1個」であるにせよ、あるコンビニの経営者を威圧する目的で全国区の仁侠団体や地域の暴走族の構成員が「窃盗行為をわざと店員に見せつけながら入れ代わり立ち代わり財物の窃取」に及ぶ事案と同じである。否、全国区の仁侠団体などとは到底比較にならないほどの害悪をこの社会に及ぼしている日教組・全教のような反社会集団の運動と轍を一にした本事案においてはむしろ厳罰が当然であったとさえ言えよう。

★註:可罰的違法性論と労働争議
可罰的違法性論のいわば中興の祖である藤木英雄さんが、構成要件段階で犯罪の成立を否定する同理論の構築に向かう契機となったのが、一厘事件等の「微罪」の犯罪類型とともに労働争議の類型的な違法性判定の困難さであったことは有名な話である。



2)「教育のプロである教育委員会や高校が、学校で起こった問題をすぐに捜査機関に委ねようというのは安易ではないか」
それでは、朝日新聞は「学校構内を舞台とした殺人事件もすぐに捜査機関に委ねるのは安易」と考えるのだろうか。誰もそんなことは思わないだろう。逆に、私のこの設例を本件とは無関係な為にする設例とさえ思うだろう。普通はそうだ。

この設例が教えていることは、しかし、「教育のプロである教育委員会や高校」が学校内で起こった事案を「捜査機関に委ねるべきではない」タイプの紛争がもしあるとすれば、それは学校や教育委員会が紛争処理を行う能力と権限を持ちその責務を負っている場合に限られるということである。

ならば、法令も常識も無視する一般人の暴漢に対して、教育のプロではあっても治安維持のプロではない教育委員会や高校ができることは速やかに問題を捜査機関に通知することだけであろう。逆に、捜査機関に速やかに通報すべき事案を解決能力も権限もない教育現場が抱え込むことは、国旗・国歌を批判する勢力の暗躍を助けるものにすぎない。要は、朝日新聞の社説子には学校現場が行うべきこととそうでないことの区別がついていないのである。

3)「そうした教える側の態度は、生徒の目にはどう映るだろう」
簡単である。法は遵守されなければならないし、日の丸・君が代は尊重されなければならないという当然のことを学ぶに違いない。そして、日教組や全教の(教育を放棄したプロ市民の)教師の言っていること、または、朝日新聞の主張などは世間では通用しない戯言だということをきちんと理解するだけのことだ。

4)「元教師のような行為を二度と許さないというのなら、相手とじっくり話し合って解決の道を探ることもできるはずだ」
論外である。ある一般人が日の丸・君が代の尊重を個人的に容認せず、よって、また同様の犯罪を意図しているとしても朝日新聞は彼/彼女が納得するまで話し合えと主張するのか? 卒業式の妨害は本件判決も認めたように犯罪である。ならば、一体、元教師とはいえ部外の一般人に対して、日の丸・君が代を尊重することの大切さを理解させる責務や義務がなぜ学校現場に課せられるというのか? これは、「万引きは悪いことだ」と万引き犯が理解するまでは店側には彼/彼女とじっくり話し合って解決の道を探るべきであるというに等しい戯言である。

5)「教育にかかわる問題が刑事裁判の法廷に持ち込まれることは望ましいことではない」
意味不明である。確かに、「教育にかかわる問題が刑事裁判の法廷に持ち込まれることは望ましいことではない」と誰しもがそう思うだろう。しかし、国民の法的確信に基礎づけられた常識が理解できぬ者、法令に従わぬ者、卒業式・入学式での国旗・国歌に対する不適当な行状により度々処罰を受け指導を受けているにもかかわらずその法令違反行為を改めようとしない者は現に存在する(例えば、『週刊金曜日』を見られよ、毎号とはいわないが毎月そのようなプロ教師ならぬプロ市民教師の「活躍」が紹介されている)。

ならば、法治国家として彼等にできることは(それがリンチでも拉致監禁でもなく以上)、粛々と法に従った処理を行うことしかない。即ち、それが望ましい望ましくないにいかかわらず、彼等プロ市民教師が惹起する事件は「刑事事件」として法廷にもちこまれざるをえないのである。

而して、「教育にかかわる問題が刑事裁判の法廷に持ち込まれることは望ましいことではない」と朝日新聞が本当に思うのなら、本件被告人を含む上記の犯罪者/犯罪予備軍に対して「刑事裁判の法廷に持ち込まれるような行動は謹むべし」と語りかけじっくり話し合って納得させたらどうか。逆に、もし、朝日新聞の主張がこのような事件はそれが犯罪であっても裁判に付すべきではないというものなら、それは犯罪の教唆・幇助そのものである。私はそう考えます。


hinomarudazo.jpg



(2011年01月29日:yahoo版にアップロード)

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