原発事故を奇貨とした保守派の民主党政権批判は見苦しい



東日本大震災に起因する福島の原発事故に関して、菅直人首相の失態を糾す声を見聞きします。曰く、「菅総理の東京電力本社視察は現場の緊急対策を邪魔し、士気を挫くだけに過ぎなかった」等々。例えば、信頼するあるブログ友もそのように書いておられる。しかし、正直、私はこのような言説には違和を覚えざるを得ません。

・災いを招いた菅総理
 http://blogs.yahoo.co.jp/nipponko2007/37207169.html

もちろん、私もこのブログ友と次のような認識、

民主党政権の東日本大震災と原発事故への対応には完全に失望した。
発生後一週間も経ってもまだこの有様では、もはや人災である。

菅総理の言動といい、蓮舫大臣のコンビニ視察といい、まったくのパフォーマンスに過ぎない。

現場の人達はほんとうに黙って命を懸けて原発を守ろうとしているのに、菅総理は遠くから口先だけで「命を懸けて」と言っているに過ぎない。それどころか東電に3時間も居座って緊急時の業務を妨害し、どやしつけているだけである。その怒声は廊下にまで響いたというではないか。

さらに小手先の人事で仙谷氏を副官房長官に据えてますます事態を悪化させようとしている。  


・もはや民主党政権の人災だ
 http://blogs.yahoo.co.jp/nipponko2007/37206993.html

を共有する者です。畢竟、この1週間、民主党政権の、それが他人事であれば、笑いたくなるくらいのガバナビリティーのお粗末さには憤りを越えて唖然とさせられていますから。しかし、例えば、原発事故を巡り菅首相の失態を糾す声に関して、私は、首相の原発視察や東京電力本社居座り行為と現下の原発事故の悪化の間に(専門的・技術的には)因果関係があろうとも、それを現政権の落ち度とするのは難しいと思います。誰も、社会的に相当な範囲の期待可能性を越えて責任を問われるべきではないのだから。そして、誰が首相でも、自分の視察や東京電力恫喝&3時間居座り行為が事故を歴史的な大事故に推移させるとは思わなかっただろうから。


而して、では、福島の原発問題で露になっている、
すなわち、東日本大震災がはからずも露呈させた現下の日本の政治の問題は何か。
民主党政権が孕む問題の本質は奈辺にあるのか。

蓋し、問題は、例えば、震災後1週間を経過したというのに現地にガソリンも食糧も満足に届けらていない現状。あるいは、現下、首都圏の「計画停電」なるものの無秩序性(それは「無計画停電」でさえなく、正に、「ロシアン・ルーレット停電」ですよ!)に顕現している。

そこに露呈している現政権の孕む問題性は左右の政治的な立場の違いなどを超越して凄まじい。民主党政権のガバナビリティーの低さ(それは突き詰めれば、大震災と原発事故という「国難」を踏まえて、国民を社会的に統合するスキルの欠落)は一般通常人の認識の枠組みを突き抜けており、正気の沙汰レベルを遥かに越えたものだ。と、そう私は考えています(尚、この点に関しては下記拙稿、福島県浪江町で被災したブログ友の転載記事および福島県南相馬市で被災したブログ友の転載記事をよろしければご参照ください。ちなみに、南相馬市と浪江町を併せて弊ブログのブログ仲間の間では「アイアン地方」と呼んでいます)。

・東日本大震災現地状況☆福島は雪
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/60343727.html

・ガソリンを☆東日本大震災で被災したブログ友アイアンさんの記事転載
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/60344432.html


実際、百歩譲って、被災地の南相馬市や浪江町ならともかく、東京や神奈川で、米やガソリンがマーケットで入手困難な状況はどう見ても異常でしょう。

例えば、知り合いの水道管の工務店さんや建築現場の足場専門の鳶の社長さんは、「1週間前の地震直後から、地震被害を修繕する工事の注文や打診は山積みなのに、(例えば、川崎市麻生区から東京都日野市! 道なりにわずか片道20キロ強の距離!)ガソリンが手に入らず現場に行けないので、仕事を受けられない!」と言っている。   


そんな状況が東京や神奈川には蔓延しているのです。

あるいは、丹沢山系をそのサービスエリアに含むある生活協同組合の職員の方からは、「タンクローリーで灯油を山間部の集落に運びたいのだが、そのタンクローリーを動かすガソリンの手配がつかないから、灯油を満載したタンクローリーが駐車場で寝ている」と聞いています。    


カフカも赤面させるような、このような不条理劇が大震災から1週間後の現下の首都圏では珍しくないのです。東北の被災地では、「ガソリンを運ぶタンクローリーを動かすガソリンの手配がつかないからガソリンが枯渇したままなのだ」とは新聞が日々報道していること。しかし、大震災の被災地とは呼べない東京や神奈川でなぜそれとパラレルな事態が起きているのか。また、その事態がなぜに東日本大震災から1週間が経過しても治癒されないのか。菅首相のお粗末な視察や居座り行為などではなく、この事態こそ問題ではないでしょうか。

而して、これらの事態は、民主党政権のガバナビリティー不足に起因する政治的な喜劇でしょう。しかも、それらは誰にとってもあまり愉快ではない喜劇である。そして、これらの政治的な不細工が諸外国からの日本に対する評価や信頼を劣化させていることは間違いないのではないでしょうか。

ならば、これらの事態を惹起せしめた政治的力量の乏しさこそなにより民主党政権は糾弾されるべきであり、そのシャビーな能力が惹起せしめたミゼラブルな現実の状況に対して民主党政権は政治的責任を負うべきだと思います。大震災の被災地で、あるいは、福島原発の事故現場で黙々と勇敢に使命を果たしておられる自衛隊の皆さんの気高さと比べ、それを邪魔することしかできない民主党政権の現状を反芻するにつけ、私はその感を一層深くせざるを得ません。

・東日本大震災☆自衛隊大活躍-民主党政権は自衛隊の邪魔をせず引っ込んでろ!
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/60338241.html


蓋し、震災の救済支援と復興支援の要は、

①現地ニーズの施策への的確な反映
②復興のグランドデザインの明確化と国民各層への周知徹底、そして何より、
③​諸施策間の優先順位と納期と責任部署の明確化    


ではないか。かなり抽象的で、よって、この①~③は、危機管理を巡るあらゆる「ビジネスジャッジメント」について言えることかもしれませんが、ならばこそ、逆に、「ビジネスジャッジメント」の定跡に鑑み、やはり、私はそう考えます。

​而して、

①~​③に従って、3ヶ月は自衛隊に現地支援の指揮は一元管理させ、その後は、NG​Oやボランティアを含む多様な支援を、これまた、その采配と管理ができる適任の団体・機関に任せること。けれども、丸投げではなく「任じて任ぜず」。​ちゃんと、国民に説明責任を負う行政セクターがそれらを監視すべきだ、と。    

この方向で行くしかないのではないか。と、そう考えるのです。実際、どの役所も権限と予算とポストは欲しいが、責任と批判の矢面に立つのは勘弁というのが、例えば、現在の、被災地におけるガソリン不足や東京電力の「ロシアンルーレット停電」の遠因でさえあると私は確信していますから。

而して、もし、震災の救済支援と復興支援がこの方向に進み、幸いに救済支援と復興支援が軌道に乗り、よって、その結果、棚ボタ式に「現政権-民主党政権」が延命することにつながったとしても、私はそれはそれでよいと考えています。小澤氏でもあるまいに、政局や政権よりも<日本>が問題にならないくらい大切ですから。そして、強請りたかり名人のどこぞの県とは違って、<東北>は間違いなく<日本>なのだから。否、<東北>こそ<日本>の<精神的基盤&母体>の一つなのでしょうから。

ことほど左様に、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」式の、一種、揚げ足取り的な民主党批判は厳に慎むべきではないか。そうではなく、民主党政権の孕む本質的な問題点、謂わば「先進国の政権としてのシンタックスエラー」が常態のそのシャビーな力量をこそ咎めるべきであり、しかし、大震災の救済と復興については(どんなことがあっても、当座、彼等が政権を投げ出すことは現実的にはまずあり得ない以上)、とことん「民主党政権を使い倒す」しかないのだろうと思います。いずれにせよ、

大震災を方便や奇貨とした政権批判は美しくない
原発事故を奇貨とした保守派の民主党政権批判は見苦しい


畢竟、保守派はそのようなさもしい言説は厳に慎むべきであろう。なにより、そのような、「ドブに落ちた犬を叩く」が如き、特定アジアの風俗に相応しい、よって、日本の淳風美俗とは異質な言説が、中長期的に見た場合、強固で広範な国民世論の支持を獲得できるとは思いません。

ならば、民主党政権に対して言いたいことが各自お腹の中に充満していたとしても、それはこの数週間程はぐっとそれらは飲み込んで、被災者支援、被災地との連帯のために自分ができることをやり、併せて、震災救援と震災復興のために合理的に妥当と思われる施策を中央と地方の自民党の同志議員、そして、敵であるにせよ民主党政府に訴えかけ働きかけるべきではないでしょうか。

実際、一昨日からの寒波の中、岩手県・宮城県・福島県の被災地には電気・ガス・水道などは言うまでもなく、食糧も燃料も、毛布も赤ちゃんのおしめも薬品も満足に行き渡っていないのですから。


漢方薬の如く緩慢で、大山永世名人の全盛期の受け将棋の如く迂遠なようですが、(民主党政権が自衛隊の足を引っ張る以外、何もできない現状を鑑みれば)、ガバナビリティーの低い民主党政権に、先進国の政権であれば左右を問わず当然できるはずの、しかし、残念ながら、彼等が到底それをできないだろう危機管理施策の実行を求め、かつ、その施策の進捗状況に関して説明責任を果たすことを求めること。

この方途が民主党政権を確実に倒す手立てでもあり、また、(民主党政権が瓦解した結果の棚ボタではなく)国民世論の広範かつ強固な支持を基盤とする、保守政権の半永久体制に道を開くものではなかろうか。と、そう私は考えています。尚、自然災害と政治を巡る私の基本的な考えについては下記拙稿をご一読いただければ嬉しいです。

・地震と政治-柘榴としての国家と玉葱としての国民(上)~(下)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/60340034.html


б(≧◇≦)ノ ・・・頑張れ、東北!
б(≧◇≦)ノ ・・・君は一人/独りじゃない!
б(≧◇≦)ノ ・・・保守派は揚げ足取り的な民主党政権批判を自粛せよ!

б(≧◇≦)ノ ・・・頑張れ、東北!
б(≧◇≦)ノ ・・・君は一人/独りじゃない!
б(≧◇≦)ノ ・・・民主党政権はなーんもせんでえーから、自衛隊の救援活動を邪魔するな!





(2011年03月18日:yahoo版にアップロード)

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