震災と復興を貫いて流れる<時空>の表裏と内外

shinsai69

ファウストは「時よ止まれ、君は美しい」と呟きましたが、時間の残酷な流れの中で、「2011年3月11日午後2時46分」は一秒おきに一秒ずつ<我々>から遠ざかっています。カントやハイデガーを持ち出すまでもなく、けれども、究極的には<時間>の観念もまた<私>の心にその場を占めるsomethingである。ならば、「2011年3月11日午後2時46分」の前後で、激変した二つの<世界>を貫いて、それらをともにそこに私が存在する<世界>であると私に悟らせるものもまた<私>の意識そのもの、カントの言う意味での先験的統覚の働きなの、鴨。而して、現象学の教える通り、その<世界>、すなわち、<時間と空間>は極私的存在でありながらも「間主観性≒公共性」を帯びているの、鴨。

些か浮世離れした書き出しでしたか?
しかし、例えば、

・震災でその危機管理能力の拙劣さを露にした菅内閣は速やかに下野すべきだ
・震災復興の財源は国債で調達すべきだ/増税で賄うべきだ
・震災復興は現状回復ではなく、新しい東北の再構築を目指す「創造的復興」として行なうべきであり、その復興のアウトラインは震災復興構想会議で識者が議論して政府に答申することになる

・自衛隊は可及的速やかに被災地から撤収し本来の国防の任務に復帰するべきだ
・被災した子供達の心のケアには臨床児童心理の専門家の力が不可欠だ
・被災者が被災地を離れて新しい土地に定住する場合には可能な限り元の共同体単位で移住してもらい、「孤独死」や「イジメ」を未然に防ぐべきだ

・即刻は無理にせよ、原発はすべて30年くらいを目処に廃止すべきだ
・原発の是非は福島県浜通りの原発避難者以外には論じて欲しくない
・川崎市の市長が福島県に対して被災地ゴミ処分での協力を申し出たのは、廃棄物に付着しているかもしれない放射能のことを考えれば子を持つ川崎市民としては反対だ   


等々、これら(甲)社会的に解決されるしかない、(乙)現実的な諸問題について、少なくとも、自分なりにせよ、自分を納得させ得るオピニオンを獲得するためには、実は、冒頭に掲げた哲学的・思想的な地平に遡行しての<検算>が不可欠である。と、そう私は考えています。尚、東日本大震災に対する危機管理を通して見えてきた現下の民主党政権に対する私の基本的な認識に関しては下記拙稿をご参照ください。現時点での総括記事です。

・哀しいほど軽い菅首相の言葉
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/60407871.html

それら「浮世離れした思索」は、大震災の被害の凄まじさから見れば、あるいは、「優雅で趣味的な思索」なの、鴨。しかし、論理や思想が公共性と現実性に対する関心に貫かれているとき、それらは極めて強力な<復興支援>の武器になる。そう私は確信しています。

而して、本稿ではそれらの思索の前哨として、二人のブログ友の記事を転記しておきます。併せて、大震災現地の内と外、すなわち、震災の<空間的>な側面、他方、震災を受け止める<私>の心の表裏の構造、すなわち、震災の<時間的>な側面をクラインの壷の如く提供する。合わせ鏡としての二つの記事を通して見えてくる2011年3月11日午後2時46分後の<風景>は、東日本大震災からの日本の再生を考える上で参考になる。私はそう思っています。


shinsai39


被災地の様子

2011/4/19(火) 午前 0:00


今日テレビで、仙台市の小学校で給食が再開されたという被災地の話題をやっていました。余震が今だに頻発していて、火の元への配慮から、給食センターで調理されたものは、まだメニューにはないらしい。また、仙台市においても物資が充分というわけではなく、私たちが一般認識で「給食」に対して抱いているイメージとは、随分程遠い内容のメニューでした。

コッペパンとかチーズとか…量も少ない。仮に被災していなくて、こんなメニューを「給食」として学校が出したら、間違いなく、子供からも親からもガンガン苦情が出るであろう給食のメニューでした。学校側も市側も、かなり申し訳なさそうなコメントをしていたのだけど、現場ではそんな思惑も吹き飛ばすくらい、子供達が給食再開に大喜びしていたのがとても印象的でしたね。

「贅沢は言っていられないから」とか、小学生がとてもマセたことを言っていました。普段なら「おかわり」とかも出来るのだけど、再開された給食ではそれもありません。でも余ったコッペパンを巡ってジャンケン大会が始まり、勝った子が結局はその余ったコッペパンをみんなに分けていたりしていました。とてもいじらしいというか微笑ましいですね。

被災地では、みんなが同様に被災し、みんなが同様に大変な経験をして、みんなが同様に互助精神を高めています。特に小学校などのプラットホームでは、「給食再開」という本当に些細なニュースであっても、社会性の上では重要な共通認識(例えば「思い出」など)を培うことが出来るきっかけになるのかも知れないと、特集を見ながら思いました。

同時に早く普通の給食が提供されることに、私達も行政側も努力しないと、とは思うのですが。


そういえば、同じ番組内で報じていたのだけど、岩手県の山田町で今日、震災から40日ぶりに電気が復旧したらしいです。40日間電気が使えない生活を私はしたことがありません(いや一日もない)。これは何を意味するかと言うと、ライフラインの一つである電気がようやく復旧したということ。まだまだライフラインが完備出来たわけではないということ。

もう40日も経つと、非被災地域では被災地のライフラインくらいは「当然」復旧していると思い込みがちですが、今回の被害の爪痕の大きさと、政府対応のマズさから、復旧すらままならないのが現状なんです。ましてや「復興」とか、何度も記事で書いたけど、まだまだ先の話でしかないのです。


またネットでは「(支援において)優遇されている」との憶測から、割と悪評が出ている(支援物資やボランティアの基地になっているだけで、特別に優遇されているという事実はないのに酷いことを言ってのける人がいる)石巻市では、大震災以降、地盤沈下した場所があり(しかもかなり広範囲)、満潮になる度に無事な家でも床上浸水しているらしいです。(宮城や岩手は他の地域より大丈夫とか、石巻ばかり優遇されているとか、事実無根な心ない悪評を垂れ流す方々はこういった事実を知ってください。)

家は全壊も半壊もしていなくても、実際使えない状態なわけで、にもかかわらず、今の法律では補償されない可能性があるようですね。かと言って、土地を整備し直すことも、防波堤を海岸沿いに造ることも、瓦礫撤去さえ終わっていない現状では全く無理。当分先の話になるらしいです。


確かに「生命を守る」意味での「緊急支援」はある程度終わったのかもしれませんが、「生活を守る」意味での支援が必要なのは本当にこれからなんだと思います。    


http://blogs.yahoo.co.jp/kira_alicetear/28374753.html


shinsai55


参考新聞記事


ガス再開、尽力に感謝 「復旧隊」解散式 仙台

東日本大震災の影響で、ガス供給がストップした仙台市ガス局の復旧作業がほぼ完了し、日本ガス協会(東京)は17日、全国から支援に駆け付けたガス事業者職員で結成した「復旧隊」の解散式を行った。約1カ月間、全国51事業者の職員ら延べ約8万人が応援に入り、復旧対象となった31万戸へのガス供給再開に力を尽くした。

奥山恵美子仙台市長は「迅速な対応で各戸にガスの灯をともしていただいた。市民から『風呂に入れるようになってうれしい』といった声が届いている。次は復興した仙台を見に来てほしい」と謝辞を述べた。

(河北新報 4月18日(月)6時13分配信)    







想像などできるはずもないけれど

2011/4/18(月) 午後 11:07


わたくし、幼いころ、小学校に上がる前くらいの幼いころ、ある日、わたくしの知らぬうちにちょっと母が外出してしまったとき、母を探して、泣きながら家じゅうを探してまわったことを、今でもよく覚えています。

別に単にちょっと何かの用で外へ行っただけだったであろう母の、そのほんの短時間の不在でさえ、小さな子供にとってはパニックするに十分な不安と絶望であったこと。

そう考えるほどに、津波で、親御さんが行方不明になってしまった、お子さんたちの気持ちを考えると、なにをどうすればよいのか全く分からなくなります。

余りにも幼いならば、たとえご遺体と対面できてもその意味は分からないかもしれない。そしてもう少し大きいお子さんであるならば、どうして突然、お父さんが、お母さんが、「いなく」なってしまったのか、どうやって理解し納得すればよいのでしょうか。

一体どれほどの人数のお子さんたちが、待っても待っても帰らないお父さんお母さんを待っているのでしょうか。


そして、夫、妻、兄弟そしてお子さんと、突然離れ離れになってしまった人々は、
どのようにして、自分を納得させればよいのでしょうか。


アメリカで起こった9・11テロのとき、似たことを思いました。

朝、普通に家を出ていった夫が、そのまま帰ってこない。

頭では「あのビルの中にいたはずだから、テロにまきこまれたはずだ」と分かっていても、遺体がみつからないとき、どのようにして、どうやって、その人を待つことをやめるのだろうかと、他人の無責任な想像ながら、考えてしまいました。


4月18日現在、
1万3895人のかたが亡くなり、
行方不明のかたは1万3864人とのことです。

これだけの多くの方々が、突然目の前からいなくなったという、
その信じがたい苦痛を味わっている人々は、この、一体何倍の人数いらっしゃるのか。

その思いは、一体どこへ行けばよいのか。

納得するすべなど、あるはずがありません。
納得できないまま、そのまま、そのままなのですよね。


わたくし、テレビや新聞から頻繁に聞こえてくる、
「心のケア」
という言葉が、あまり好きではありません。

心など、そんな、他人に「ケア」できるようなものか、と、思ってしまう。


理不尽な、悲しみを、他人と共有などできるものか、と思う。
いったい誰に、助けてあげることなどできましょうか。

絶対に納得できない、理由も道理もない、残酷な事実だけがそこにあって、ただそこにあって、ずっとそこにあるならば、誰になにをどうしてあげることができるでしょうか。



なにもできません。

わたくし、でも、何があっても、多くのかたが亡くなり、そのひとりひとりに、愛する人がいて、理由もなく突然引き離され、奪われたことを、絶対に忘れません。
なんの助けにもならないけれど、絶対に忘れまいと思います。

復興がどんなに進もうとも、全ての被災地の復興が完了する日が来ようとも、あの日まで、普通に当たり前にいた人々が、いなくなってしまったことを、忘れません。   


http://blogs.yahoo.co.jp/fukufukimama/63182454.html





(2011年04月19日:yahoo版にアップロード)

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