海外報道紹介☆決勝前夜-世界が瞠目する<なでしこジャパン>! (序)




引き続き、2011年ワールドカップ・ドイツ大会関、我等が<なでしこジャパン>の活躍に触れた海外報道を紹介します。但し、文字数の関連で本稿自体は、丸ごとその海外報道の「解題」になります。

而して、本稿に引き続いて紹介する海外報道は、いずれも「決勝戦前夜」に、決勝の日米決戦に瞠目している胸中を吐露したもの。サッカー通の一方の総本山、FIFA公式サイトの記事と、New York Times に掲載されたLawrie Mifflin女史のコラムです。

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で、「決勝前夜」とな?
な、なんで今さら?

はい、そうですよね。
もちろん、皆さんはその喜ばしい結果をご存知のはず。

そう、「2011年3月11日午後2時46分」から129日後、3087時間38分後の日本時間2011年7月18日午前6時24分、PK戦の末にアメリカを「3-1」で降して我等が<なでしこ>が優勝。そう、それは最早<History>の範疇に属する歴史的事実。

而して、<なでしこ>達が世界一に輝いたことは、単なる偶然ではなく、必然とまでは言わないけれど、ある条件下ではその具現に高い蓋然性のあった事態の現実化ではないでしょうか。実際、今回、正に、その決勝で戦ったアメリカの監督、スウェーデン国籍のPia Sundhage女史は、2008年8月18日、北京オリンピックの準決勝戦の直後、その日米戦で「4-2」で日本を降したゲームの直後にFIFA Com.にこんなコメントを寄せておられる。


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・USA-Japan:Quotes-Pia Sundhage, USA coach

I don't think the win was comfortable. Japan played well, if you see how they kept possession of the ball, that could be a role model for women's football in the future. ・・・

・日米戦:コメント録-Pia Sundhage米国代表監督
この勝利はけして楽なものではありませんでした。日本は見事に戦った。この試合を通して、日本がボールの支配権をいかにして保持したかを目にした方は、それが将来の女子サッカーが到達すべきあり方について一つのモデルを提示したものと感じたのではないでしょうか。(後略)  



而して、北京オリンピックから3年後の今回、この「that could be a role model for women's football in the future」を<なでしこ>はドイツの地でより高い完成度でより具象的に顕現したと言えるの、鴨。

蓋し、しかし、もしそう言えるとしても、そのような<なでしこ>の成長も過去の経緯と将来の目的との交点でこそ、E・H・カー『歴史とは何か』の言葉で敷衍すれば、

a dialogue between the events of the past
and progressively emerging future ends


「過去の諸々の出来事と、その姿を現しつつある未来の諸結果【すなわち、現在、造次顛沛、人々の不断の営みを通して、経験から抽出され、概念を脱構築され、体系を再構築され、すなわち、彫琢を施されつつある現在の諸目的と諸価値が手繰り寄せつつある未来の諸結果】との対話」(KABU訳; cf.岩波新書版, p.184)

を通してのみよく理解できるものなの、鴨。


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上述の事柄を本稿のテーマに引き付けて換言すれば、2011年ワールドカップが早くも<歴史的な事実>になった現在においても、<なでしこ>の優勝が、まだ、現実化が可能な事態の一つでしかなかった状況に遡ってみること、例えば、本稿で紹介する「決戦前夜」に認められた記事を反芻してみることは、<なでしこジャパン>の優勝の意味や価値を一層よく理解するために有意義ではないだろうか。加之、<なでしこ>がワールドカップで優勝した今こそ、過去への遡行は、将来に向けて改善すべきポイント、すなわち、現在の<なでしこ>が抱えている諸問題の究明に不可欠の作業ではないだろうか。と、そう私は考えているのです。

最後の点に関して、例えば、ある報道はこう伝えています。

◎なでしこ大多数はアマ契約・・・沢でも年俸360万

サッカー女子ワールドカップ・ドイツ大会決勝(17日=日本時間18日、フランクフルト)サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」(FIFAランク4位)が米国(同1位)との決勝で、2-2でもつれ込んだPK戦を3-1で制し、初優勝した。

「なでしこジャパン」の選手の多くは国内の「なでしこリーグ」でプレーするが、経営難などでプロ選手は一握り。今大会に7人を輩出したINACはMF沢とFW大野がプロ契約で、その他はアマチュア。もっとも好条件の沢でも推定年俸360万円程度とされ、アマ選手の収入は企業の女性社員と同じかそれ以下だ。

日本協会の川淵三郎名誉会長は、支援が限られていた90年代を「選手はアルバイトするなど苦労して練習し、自己犠牲の中で強くなった。沢がその代表的な選手」と振り返る。同協会の野田朱美理事は「海外も日本と変わらない。生活できない現状がある」と説明。昨年からFW安藤ら海外組に対し、1日1万円の滞在費を援助し躍進を下支えした。

優勝でもらえる1人当たり150万円という報奨金は、上乗せが検討されている。そして沢ら6選手を、なでしこリーグの冠スポンサー「プレナス」が運営するお弁当で有名な「ほっともっと」のテレビCMに起用することが検討されている。優勝を勝ち取ったことで、少しは風向きが変わりそうな気配だ。

(産経スポーツ・2011年7月19日)



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この報道に加えてもう一つ、というか、別のアングルから、<なでしこ>が現在抱えている問題の問題性について問題提起しておきます。それは、宮間あや姫を巡るエピソード。

1985年1月生まれの26歳、今大会も大車輪の活躍を見せてくれた宮間あや姫は、地元千葉では小学生の頃から天才サッカー少女として有名な存在でした。それもあろう、1999年、中学3年生で当時の名門、読売系のNTVベレーザ( 現「日テレ・ベレーザ」)に昇格。けれど、同じ読売系のベルディーやジャイアンツと同様、ベレーザの練習場は東京都稲城市や川崎市多摩区という辺りにある。

つまり、

千葉県民の宮間あや姫にとって練習場までは
毎回東京湾をほぼ半周することになり、
その所要時間は片道2時間45分以上!   

実際、JR京葉線の海浜幕張駅に程近い、在籍していた県立幕張総合高校からでもそれくらいの場所にベレーザの練習場はあった。ならば、まして、海浜幕張駅から更に半時間以上はかかる自宅から移動する/帰宅することを考えれば・・・。

(ノ-_-)ノ ~┻━┻・..。


ということで、

毎回往復6時間の移動時間、そして、その移動時間の負荷から派生したものでもあろう人間関係のあれやこれやが理由で、高校2年生の時にベレーザを退団。よって、その後、2001年の岡山湯郷Belleの旗揚げに参加するまでしばらくは、幕張総合高校の部活で男子部員に混じって練習せざるを得なかった。    

本人曰く、「練習にはそう不自由はなかったんです。けど、もちろん(男子の)試合に出られない。それが辛かったですね」、と。宮間あや姫とは往復の順序は反対になりますが、ほとんど同じ経路を(川崎市麻生区新百合ヶ丘から千葉の海浜幕張に)私も足掛け3年通勤しましたが「片道2時間45分」の辛さはよーく分かります。(><)


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ことほど左様に、高校時代の宮間あや姫を巡るエピソードを通して私は何を主張したかったのか。

それは、要は、女子サッカーの場合、小学生・中学生の受け皿は必ずしも少なくはない。けれど、高校生の受け皿となるとそれはとたんに激減するということ。

実際、例えば、今年の「第20回全日本高等学校女子サッカー選手権大会」の関東地区予選の出場校は24校ですから。これ、千葉県予選とかではなくて、

=== 全関東エリアで合計24校! ===


畢竟、女子サッカーを巡っては、10年前の宮間あや姫の時代に比べたとして現在でも、高校生以上の女子にとってはサッカーを続けられる環境が整っているとはとても言えない。これが、(なでしこリーグのチームが若い世代の育成に力を入れている等々)多少の改善は見られるものの今でも基本的には変わらない日本の現実だということです。


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しかし、女子サッカーの場合、隣の芝生も必ずしも青いばかりではない。上で紹介した記事にもあったように、「海外も日本と変わらない。生活できない現状がある」ということ。実際、女子サッカーに関しては、あのサッカー大国のブラジルでさえ投資家から全然投資してもらえず、例えば、試合で着用するセレソンのユニフォームも男子チームのものを借りている状況だとか。

それくらい女子のサッカーはまだまだスポーツとしての基盤が日本だけでなく世界的にも脆弱ということでしょうか。もっとも、(もちろん男子サッカーの銀河系的な厚遇とは比べようもありませんけれども)アメリカとドイツは些か例外で、就中、サッカーはアメリカでは「女の子が最初にするスポーツ」だと看做されていて、アメリカの社会での女子サッカーの認知度と好感度は高く、アメリカでは、見方によっては男子サッカーより女子サッカーの方が<格>が高いと言えなくもない。現在、世界ランキングも一位ですしね。ならば、今大会の決勝で日本に破れたことでアメリカが受けた衝撃は、実は、やっぱり結構大きかったの、鴨。閑話休題。


ということで、次の記事から海外報道の紹介。<なでしこジャパン>が優勝する前夜、<なでしこ>達に注がれていた世界の視線や<なでしこ>に瞠目していた人々の息遣いを感じとっていただければと思います。そうすることが、あるいは、サッカーという、英語・数学の他のもう一つの<世界共通語>の習得の度合を向上するための格好のトレーニングにもなろう。と、そう私は確信していますから。


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尚、<サッカー>を巡る私の社会思想の基本的な考えについては
下記拙稿をご参照いただければ嬉しいです。     

・サッカーとナショナリズム
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/60184201.html

・世界共通語と国際政治の舞台としてのサッカー
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/52181882.html

・「偏狭なるナショナリズム」なるものの唯一可能な批判根拠(1)~(6)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/59953036.html



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<続く>





(2011年07月20日:yahoo版にアップロード)

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